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更新日:2015年12月17日
この資料は,県政記者クラブとの定例記者会見での発言内容を要約したものです。
・東京オリンピック・パラリンピックに係るキャンプ地誘致について
(作成:広報広聴課)
平成27年12月17日(木曜日)
11時16分~11時44分 会見室
茨城放送(幹事社):幹事社の茨城放送です。今年の最大級のニュースになってしまいました鬼怒川水害のことから始めさせていただきます。まず,道路状況などを含めて,現状についていかがでしょうか。
知事:まだ,かなりの方々が避難されている状況にございます。ただ,避難所からホテル,旅館等へ移っておられるということで,少しは環境は改善したのかなと思っております。
それから,災害廃棄物等につきましては,現在,鋭意,市と環境省で詰めているところでありまして,県としても職員を派遣し,(常総市の)内部に入って応援をしているところです。
それから,道路の関係で,県道谷和原筑西線ですが,明日(18日)の午前10時に開通できる見通しとなっております。
ただ,度々報道されておりますが,倒れかかっている家屋があるということで,そこは(当面)片側交互通行になると思っております。
義援金につきまして,先般,12月10日に配分委員会を開いて配分額を決定させていただきました。全壊で50万円,半壊で25万円ということで,これらを合わせますと,半壊の場合でも,今の段階で(市の義援金分を含め)58万円ほど支給されることになりますので,少しは足しになってくれるのかなということで,一日も早い生活再建に役立ててもらいたいと思っております。
茨城放送(幹事社):その中で県道谷和原筑西線ですが,しばらく片側通行という形にならざるを得ないのか,それとも,そのあたりはどういうふうに進むことになりそうでしょうか。
知事:これにつきましては,発災直後から,家屋の所有者と,市,県も交え,あるいはまた,市単独で交渉をしてきておりますが,なかなか家屋所有者の同意が得られない状況にございます。
市としては,所有者の同意を得た上で,市の負担で撤去する方向で交渉を行っておりますが,それでもなかなか同意を得られない状況にあり,最近は接触するのもそう簡単ではないという状況だとも聞いております。
茨城放送(幹事社):今後の鬼怒川水害での課題というのはどういうところになりますか。
知事:これから激甚災害関係の特別緊急事業(河川激甚災害対策特別緊急事業)を実施していくことになりますので,それに向けて,国でも組織を立ち上げたところですが,県といたしましても,年明けにも土木部内に組織を立ち上げて,それに全力で取り組んでまいりたいと思っております。
もちろん,国が行う鬼怒川の復旧・復興という面での整備についての支援ということもありますし,また,八間堀川に関する県としての事業もございますので,それに当たっていきたいと思っております。
茨城放送(幹事社):一連の対応に係る検証作業の進捗状況はいかがでしょうか。
知事:前回もお答えしましたが,各部に置かれている防災監を中心にして,現在,作業を進めているところでありまして,できるだけ早く結論をまとめていきたいと思っております。ただし,常総市議会,あるいはまた常総市におきましても検証委員会を立ち上げたところでありますから,そちらとの関係などを見ながらやっていければと思います。
茨城放送(幹事社):関係を見ながらというのは,同じ結論を導くという意味なのか,それとも違った見方だけれども,それをどういうふうに考えるのかということでしょうか。
知事:検証対象が違ってまいりますので,県は県の立場での災害対応の検証,そして,市は市の立場での災害対応の検証ということになってきますから,そこは同じ結論になるというものではありません。
ただ,市の方でどのような問題が出ているかということについて,早期の段階でわかると思いますので,そうした中で,県としても検討しなければいけない部分があれば,今回の検討の中で検証作業をしていきたいと思っております。
茨城放送(幹事社):県災害対策本部はこの先はどういうふうになるでしょうか。
知事:今申し上げましたようにいろいろな課題はありますが,例えば,災害廃棄物などが大きな課題になってくるわけですが,これにつきましても,人を送って,それなりに県としてやれることは協力をしているということもありますし,また,鬼怒川関係の河川整備につきましても,正月明けには組織を土木部内に立ち上げるという方向を決めておりますので,災害対策本部につきましては,12月31日をもって閉めたいなと思っております。
茨城放送(幹事社):今年最後の知事定例記者会見ということで,今年を振り返っていただけますでしょうか。どんな1年でしたか。
知事:関東・東北豪雨が今年一番の出来事だったのかなと思っております。誰もが予想しなかったような被害が発生してしまったわけでありまして,これに対してどのように対応するかということが,今年最大の課題であったと思っております。
市でも一生懸命対応いたしましたが,県におきましても,例えば,災害時には(ピークで)115人ほど県職員を派遣するという形で,地元の方々の復旧・復興,生活再建に向けて精一杯応援してきたところでありますが,先ほど来申し上げましたように,まだまだこれからの課題が残っているなと思っております。
そのほか,明るい話題では,来年のG7・科学技術担当大臣会合がつくばで開かれることが決まるとか,あるいは,1人当たり県民所得が史上初めて全国4位になったということなどもあります。さらには,企業誘致については,県の職員が精一杯頑張っているところでありますが,今年上期も全国1位になれたということで,大変前向きないろいろな成果が出てきているのかなと思っております。
また,ラムサール条約湿地に涸沼が登録されたところでありますし,上野東京ラインも開通をいたしました。様々な出来事があった年であります。
そうした中で,関東・東北豪雨が起きてしまったこと,あるいはまた,圏央道が本当は今年度内開通という予定であったのですが,軟弱地盤のせいなどもあって,来年度内には開通してもらえると聞いておりますが,県内全線開通が遅れてしまったことなどは大変残念なことだと思っております。
茨城放送(幹事社):今年はどんな年だったのか,例年の質問かもしれませんが,漢字一文字でどうでしょうか。
知事:今申し上げたように,両面いろいろあるものですから,これをまとめて一文字ということはちょっと難しいかなと思っておりまして,今年は出さないでおきたいと思います。
茨城放送(幹事社):途中で,浮かばれたものもあったのですか。
知事:一番浮かぶとしたら,今年は災害の話です。ですから「災」という字になってきますが,「災」だけではなくて明るい方面も表していきたいですから,それを今年の一文字にしてしまってはちょっと残念な面もありますので,一文字での発表ということは避けさせていただきたいと思います。
茨城放送(幹事社):来年の抱負などありましたらお願いできますでしょうか。
知事:明日,国において,補正予算を編成するという方針が決定されるそうでありますが,その中を見ておりますと,実は,茨城に関係する部分が大分多いわけであります。11日の麻生副総理兼財務大臣の会見ですと,総額で3兆3,000億円,その中で,例えば,1億総活躍社会の実現に向けた対策が1兆2,000億円,あるいは,TPP協定の大筋合意を受けた農林水産業の競争力強化策が3,000億円,関東・東北豪雨への対応や防災対策が5,000億円ということで,本県に極めて関係の深い補正予算になってくると思っておりまして,しっかりとした対応をしていかなければいけないと思っております。
そして,来年度でありますが,まだまだ残っている大震災・原発事故,さらには今回の関東・東北豪雨による被災者への支援,そういったことに全力を挙げていくことがまず第一だろうと思っております。
そして,それとあわせて,これから一億総活躍社会ということで,地方創生という面で頑張っていかなければいけないと思っております。今年,「人口ビジョン」,それから,「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定させていただきましたので,これなどをもとにしながら,ほかのところに負けないような対応策を講じていきたいと思っています。
茨城放送(幹事社):ほかのところに負けない対応策というのは具体的にありますでしょうか。
知事:例えば,企業誘致一つとってもそういうことになると思います。
毎日:県災害対策本部の解散なのですが,12月31日をもってとする時期の理由と,改めてこの時期に落ち着いたと判断された根拠をご説明いただけますか。
知事:先ほども申し上げましたが,いろいろな課題がありました。例えば,公的住宅の割当ての話もありますし,罹災証明書の発行の話もありますし,いろいろあったのですが,そういったことについてはもう解決しており,今も残っている課題として大きなものは,災害廃棄物の問題であろうと思っております。これにつきましても,市で計画をつくり上げて,着実にその作業を進めているということでありますし,また,県としても,12月1日から総括課長補佐級職員を常総市の市民生活部の参事として派遣しておりまして,優秀な職員を送っておりますので,彼が市の内部に入って,災害廃棄物対応について積極的に取り組んでくれるのではないかと思っております。
それから,義援金につきましても,今月いっぱい募集はしておりますが,この間(12月10日),12億9,000万円の配分を決定させていただきましたので,一番大きな分は済んでいるのかなと思っております。
それから,これからの対応としては,先ほど申し上げましたように,災害に強い県土づくり,鬼怒川の洪水対策に取り組むことが大きな課題になってまいりますが,これにつきましては,災害対策本部という形ではなくて,土木部の中に来年早々に新たに組織を立ち上げていきたいと思っております。
そういうことから,災害対策本部につきましては,今年いっぱいで閉じてもいいのではないかと判断したところであります。
土木部内には,年明け1月4日に組織を立ち上げていきたいと思っております。
毎日:土木部の組織というのは,土木部に関する部分なのか,それとも復興に関する県全体の取り組みになるのでしょうか。
知事:鬼怒川緊急対策プロジェクトが立ち上げられております。これは,ハード・ソフト両面をにらんでということになりますが,当面はハードの面での整備として,国・県合わせて総額600億円という大変大きな事業が行われることになっております。それに際しまして,地元の協力がないと,鬼怒川の安全性を向上させるための工事につきましても,スムーズに進むというわけにいかなくなってまいりますので,県,あるいは地元の市も協力するという体制になってくると思います。
また,八間堀川につきましては,県として積極的に取り組んでいかなければいけないと思っております。
総額600億円でかなり大規模な工事でありますから,これにつきましては組織をつくって対応していく必要があると思っています。
毎日:職員構成なども決まっているのでしょうか。
知事:まだこれからです。
NHK:今のお話の続きなのですが,組織名等はもう決まっているのでしょうか。
知事:これから決めていきます。今,土木部の中で検討を始めたところでありますので,年内に私のところへ上がってきて,そこで決めて,1月4日にスタートという形にしたいと思います。
NHK:それから,八間堀川の整備というお話なのですが,一番大きな課題としてはどういったところがあるとお考えでしょうか。
知事:どちら(の河川)もそうなのですが,これから50年に一度といった激しい雨量があったとしても,持ちこたえられるような体制をつくるということでありまして,工法につきましては,今,検討しているところであります。国の方でも,現在の堤防の幅がこうなっているとすると,それをもっと広げられないかということも含めて,工法の検討,あるいはまた,どこから着手していくか,その順番の検討なども行っていると聞いておりますので,私ども,八間堀川についても同じような検討をしていく必要があるだろうと思っています。
洪水に強い土手をつくるのにどうすればいいか,今までどおりの土手でいいのだろうかとか,例えば,鋼矢板などを使った対応も考えられないだろうかとか,いろいろな工法を検討してくれているようでありますし,県もそれを参考にしながら検討していきたいと思います。
茨城:県道谷和原筑西線で,倒れかかっている家屋の問題なのですが,このまま同意が得られない場合,県としてどのようにしていくお考えでしょうか。
知事:県という形になるのか,あるいはまた,市という形になるのかわかりませんが,何らかの対応をとっていく必要があるだろうと思っております。今,詳細が決まっているわけではありませんので,申し上げられませんが,できるだけ早急にこれを撤去できるような進め方はしていかなくてはいけないと思っています。
茨城:例えば,いつ頃までにとか期限を区切ってというお考えはありますか。
知事:方法によって違ってくるのです。どういう手段をとるかによって最低限かかる期間なども違ってまいりますので,それは一概には言えません。
茨城:あす開通見通しということで,道路については復旧がある程度済んだということでしょうか。
知事:そうですね。これが一番大きいものですし,それから,あそことつながっている市道がありますから,そこについては年度内には完成できるということです。
茨城:消費税の軽減税率制度について,自民党と公明党の間で合意がなされましたが,知事のご所見をお聞かせください。
知事:消費税の軽減税率については,私は,所得の低い方への対策として,これはやむを得ない面もあるのかなと思っております。ただ,一応,財源確保のために消費税率アップということをしようとしているわけでありますので,どうやって1兆円からの必要な財源について対応していくのか。少なくとも地方財政,我々のほうに影響のない形で対応してもらいたいと思っています。
茨城:このまま必要な財源1兆円ということになると,県財政への影響というのは考えられますか。
知事:今のところ,1兆円で,地方に対する分が約3割ぐらいになってきます。それを前提にして,国分,地方交付税分,地方消費税分の割合などを元にはじきますと,本県へは50~60億円(の影響)にはなるのかなと思われます。
茨城:50~60億円というのは,年間でしょうか。
知事:もちろんです。これは大きな穴ですから,これをそのままということでは大変でありますし,今,既にある程度の部分は国でも考えが出てきている。上積みになってきた部分をどうするかということでありますから,上積み部分についてもしっかり確保してほしいなと思っています。
朝日:筑波山における太陽光発電施設の設置計画について伺いたいのですが,県の許可を得ないでもう既に伐採してしまっているケースがあったり,計画中で申請が出ているものもあるようですが,昨日,つくば市議会でも反対の決議が採択されているようですが,県としての基本的な考え方と,具体的な今後の対応をお尋ねできればと思います。
知事:太陽光発電施設については,このあいだ議会でもお答えしましたが,農地法や森林法(などの個別法)上で手続きを要するものでなければ,県は許可とかそうしたことができず,また,ほとんどの法律による手続きとしては届け出になっております。
そしてまた,それと同時に,経済産業省にどのような認定申請が出ているということについての(県への)通知もないという実態がございます。
そういった中で現在のような状況に至ってしまったわけでありますが,地元の方たちの意向と事業者さんの考えが何とか折り合っていけるような対策がないかどうか。我々としては,地元で説明会を開催した上でいろいろな意見を聞いて欲しいということで,事業者には要請をしているところでありまして,事業者のうち2社は既に地元での説明会を実施しております。
これからも,今回,つくば市議会での決議もなされたということでありますから,そういったことを重く見ながら,対応していきたいと思います。
具体的に何ができるかということになると,例えば,無許可で伐採してしまったことについて,既に文書での注意はしているのですが,現実的に,それ以上何ができるかということについてはもう少し勉強をしていかなくてはいけないと思っておりまして,法律上はなかなか行える手段が見つからない状況にあります。
そういった状況ですから,住民の意見がこうだということなど,実態面から事業者との話を詰めていくということが大変重要になってくるのかなと思っています。
朝日:つくば市のほうでは,市として条例をつくるというお話もあるようなのですが,県としては,そういったお考えはどうでしょうか。
知事:今年の6月に自然公園法の施行規則が改正されておりまして,現在は樹木の伐採を伴う太陽光発電施設の設置は,原則,許可されないことになっておりますから,現在の段階だとやりようがあるのですが,今,話題になっている業者さんについては,改正前に申請された案件なので,対応できないという面もあります。
ですから,我々としては,施行規則によってこれからやっていけば,それなりの対応ができるのかなと思っています。
○東京オリンピック・パラリンピックに係るキャンプ地誘致について
読売:東京オリンピック・パラリンピックに関する取り組みについてお伺いしますが,常陸大宮市がパラオのキャンプ地誘致を表明しましたが,今後,各自治体でそういう動きが出てくると思いますが,県の支援体制をどのようにされるか,お考えをお聞かせください。
知事:パラオの誘致につきましては,三次市長と私とで何度も話をした上で,パラオと常陸大宮市は,例えば,救急車を寄贈したり,いろいろ縁もあり,今年の4月に天皇皇后両陛下がパラオのペリリュー島を訪問されたときには市長も一緒に行っております。いろいろな形でパラオの政府と常陸大宮市は縁ができている。そして,私も,今の大統領と何度かお会いしたこともありますので,ぜひパラオについては誘致をしたらどうかということで,三次市長のほうで踏み切ってくれたわけであります。
何人ぐらいの選手団,関係者になるのかということにもよりますが,パラオの場合,そんなに数は多くなりませんから,常陸大宮市にはちょうどホテルもあり,対応は十分に可能ではないかなと思っておりますが,必要があれば,我々のほうでも,財政的な支援も含めて対応していきたいと思います。
読売:ほかの自治体も支援していくのでしょうか。
知事:そうですね。
NHK:今日午後,県のイメージアップ大賞が発表になるということなのですが,知事のほうで今回の選考に当たって,どんなところを評価されたとお考えなのか,また知事としての所感等があれば,あらかじめお伺いできればと思います。
知事:今回は,実は,水戸芸術館がイメージアップ大賞ということで,その中に「吉田秀和,森英恵,小澤征爾と共に育む芸術文化発信拠点」という副題がついておりますが,芸術館は日本を代表するような文化的な施設として,そしてまた,内容についても,今申し上げた3人を中心にいろいろな工夫を重ねてくることによって,すばらしいものという評価を確立しているのではないかなと思っております。
芸術館につきましては,もう何回もイメージアップ大賞候補に挙がっていたのですが,今回,(開館から)四半世紀ということで,実行委員の皆さんが一致して芸術館がいばらきイメージアップ大賞にふさわしいのではないかということになった次第です。
それとあわせて,ウラ大賞ということで,ねば~る君を,今回,表彰したいなと思っております。ねば~る君についても,全国的に大変活躍してくれていますし,茨城のこともよく勉強して,宣伝してくれています。そういった点で,大賞ということも考えられたのですが,芸術館という本命があったものですから,そしてまた,ねば~る君,今,「のびしろ日本一。」ということで頑張ってもらっているところでもありますので,今後のことも考えると,まだ次に大賞もあるからという意味も含めて,ウラ大賞という形で,今日午後,発表させていただくことにしております。
茨城放送(幹事社):ウラ大賞の件で関連ですが,ねば~る君というのはどんな良さがあって,その一方でどんな課題があるのでしょうか。
知事:課題については私からは申し上げることはできませんが,良さとしては,本当にびゅーんと大きく伸びてくれますから,子どもには絶対的な人気があるのではないかなと思います。
また,大変頭のいい納豆の妖精でありまして,いろいろな会話を実に上手にこなしていって,しかも相手を持ち上げたりしながらやってくれるということで,PRをしてもらうには大変いい妖精ではないかなと思っています。いい「人」と言うと怒られますので,「妖精」と言いますが。
茨城放送(幹事社):ありがとうございました。
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