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更新日:2020年8月21日
この資料は、県政記者クラブとの定例記者会見での発言内容を要約したものです。
(作成:広報広聴課)
平成27年1月21日(水曜日)
11時17分~11時38分 会見室
時事(幹事社):幹事社の時事通信です。まず,2015年度の予算編成に関してお伺いします。先日,知事査定も始まりましたが,予算の規模についてはまだこれからかと思うのですが,知事としてはどういった視点で査定を進めていくのかということと,2015年度の施策案として,どういったことに重点を置いて編成作業を進めていくのかについてお伺いします。
知事:前々から県総合計画では,「人が輝く 元気で住みよい」ということを言っていますので,それが基本になってまいります。
そのために予算編成を具体的にどう進めるかということについては,とりあえずは地方創生関連の国の交付金事業がかなり大きなものとして入ってまいりますので,それをどう受け止めるか,今年度の補正予算も含めて,今いろいろと議論をしているところであります。
そういったことを中心としながら,昨年からお話ししておりますような,世界に開かれたいばらきづくりとか,女性や若者が活躍しやすい環境づくりとか,県北振興とか,そういったところに特に留意しながら予算編成を進めていきたいと思っています。
時事(幹事社):今,少しお話にありました国のほうの地方創生先行型の交付金に関してなのですが,こちらの交付金が受けられるように施策案を固めているかと思うのですが,どういったものを打ち出していくのか,既に固まっているのがあれば教えていただければと思います。
知事:それはまだです。この間,都道府県に対する説明会があったのですが,今月28日にもう一回ありますので,それを受けた形で具体的な検討を進めていきたいと思っております。今はいろいろな可能性を含めて勉強しているという状況です。
時事(幹事社):もう1点,指定廃棄物の市町村長会議が今月28日に第4回目が開かれます。茨城県の場合は,まだ,1カ所に最終処分場を建設するのか分散型保管にするのかということで,市町村長の意見が割れているという状況がありますが,改めて,県として,知事として,どちらの処分方法がいいのか,考えていることがあれば教えていただきたいのと,第3回の会議が2013年の12月ということでこれまで1年以上の時間が空いているのですが,かなり時間が経っているという印象なのですが,それについて所感をお聞かせください。
知事:時間が空いてしまったということについては,我々も,環境省のほうにもっと早くやったらどうかと,特に,アンケート調査をやって全市町村から意見を聞きたいということでありましたので,早くそのアンケートを実施したらどうかということはお願いしてきたところであります。環境省のほうで,どういう事情か詳細は知りませんが,なかなかアンケートを実施されなかったということもあり,アンケートの実施が去年の9月になってしまったので,遅くなってしまっているというのが実情ではないかと思っております。
私どもとしては,アンケートを踏まえて今回の会議が開催されるものと考えておりますので,アンケートの結果を環境省が市町村長に説明し,その結果を受けた形で,また市町村長間の議論が進んでいくことになるのだろうと思います。そして,その中から出てきた方向を見定めながら,県としては対応していきたいと思っています。
時事(幹事社):幹事社からは以上です。各社からお願いします。
東京:昨年のJ-PARCの労災事故についてお聞きします。以前,同様の事故をホームページで公表していたという事実があるのですが,今回は一切公表がなかったということ,また事故があったのが,一昨年に放射能漏れ事故を起こしたハドロン実験施設であり,現在,安全管理体制の見直しを進めているという観点からすると,労災事故であれば公表してしかるべきだったのかなとも思うのですが,実験再開にマイナスになるような情報は外に出したくないというふうに指摘されても仕方ないと思うのですが,それと情報公開の面で後退しているのではないかという感じもするのですが,知事としてはどのように受け止められていますでしょうか。
知事:前回の事故のときにも,実は,県あるいはJ-PARCセンターからは発表は行っていないのです。高エネルギー加速器研究機構のほうでいろいろ中で議論されて,あちらの立場として発表したということでありますが,その後,J-PARCセンターその他で公表の基準を十分議論した結果,放射性物質の漏えいや作業員の被ばく等がないものについてはプレス発表は行わないという方向で統一したと聞いております。
そういった点からすると,(今回の事故は)放射性物質を扱っている特殊な施設だという点での報告はしない。ただ,労災事故としてはどうかということでありますが,これについては労災事故として発表すべきレベルのものかどうかを独自に判断していく必要があるのだろうと思います。そして,これについては厚生労働省のほうで所管をしているということで,現在,作業の仕方等々について,当時の状況なども調査しながら,注意を行っていると聞いています。
東京:J-PARC側は,法令や協定に基づく報告義務がなかったにもかかわらず,自発的に県や村には報告したが,それと同様に協定に基づく報告義務がないので住民には公表しなかったというようにも受けとれるのですが,明らかに二重基準がJ-PARCには存在するのですが,これについては,二重基準,ダブルスタンダードについてはどのように思われますでしょうか。
知事:どこまで一般の県民の方々にお知らせするかということと,行政側でどういうことが起きているかを把握しておくということは,若干,基準が違ってもいいのかなという感じはいたします。情報について,あまり細かいことまでいちいち全部公表するかどうかということと,それを行政側として把握しておくということ,例えば,労働安全上も,我々としては全然関心がないわけではありませんので,そういう点では,県に報告してきたことについては,それはそれで結構な話ではないかと思います。
ただ,義務とまでするかどうかということについては別でありまして,義務とまでしようとは今の段階では考えていません。放射性物質の取扱いに関すること等ではありませんから。
東京:住民からすると,原子力関連施設で事故があった場合に,恐らく県に報告があれば,当然これは公表されるというふうに考えていると思うのですが,県に報告があっても公表しなかった。さらに,取材に対しても事実関係については一切明かしてくれなかった。このあたりの県の姿勢というのは,住民を見て立っているのかJ-PARC側を向いて立っているのか,ちょっとわからないと思うのですが,今後の公表の基準も含めて考えを教えてください。
知事:もし発表すべきようなものであれば,私はJ-PARCが発表すべきものなのだろうと思っております。ただそこは,労働安全上のものとしては事故として扱うけれども,放射性物質の漏えいなどに関係ないことについてはどこまで発表するかというのは,やはり統一した基準をつくって対応すべきだと思っていますので,今つくられている基準に沿って対応しているということについては,それはそれで結構なのではないかと思っております。
東京:今後,県に報告があった場合に,公表するかどうかという考えはございますか。
知事:J-PARCのほうで公表しないという方向で一般に公表しておられないものについて,県から積極的に公表するかということになると,それは我々としては考えておりません。
労働安全上の問題でも,事故などの規模が大きなものであれば,これはもちろんきちんと発表してまいります。
産経:農協改革についてお伺いいたします。今,政府が農協の改革を進めようとしておりますが,これに農協側は強く反発しています。歯車がかみ合っていない感じもあるのですが,全国第二位の農業県の知事として所感をお聞かせください。
知事:かなり性急に物事が運ばれようとしているのかなという感じはしております。TPP絡みとかいろいろなことが言われておりますが,私どもとしては,今後の日本の農業に関係する極めて重要なことでありますので,時間をかけて,歯車がかみ合うような形でしっかり議論していくべきだろうと思います。
いずれにしても,日本の農業にとってどういう形が一番いいのかということをみんなで考えるいいチャンスではあろうと思います。
私自身は,いろいろな場所でも言っているのですが,人口減少のスピードがこれから非常に早まっていき,かなりへんぴな地域で日常生活などを維持していく上で,農協や生協,郵便局などの果たす役割は,ユニバーサルサービスを確保するという意味で重要性が増してくるのではないかと思っております。そうした観点なども加えて,農協のあり方をどのように考えていくか,郵便などについても,ユニバーサルサービスを維持するということが大きく期待されているわけでありますので,そうした観点を加えながら考えていくことが必要なのではないかと思っています。
東京:今の関連ですが,議論の歯車がかみ合わないような部分は,知事から見てどのようなところだとお考えですか。
知事:今,「かみ合わないような気がする」という質問があったものですから,そういうことがないようにという意味で申し上げたのですが,どの点がという具体的な指摘は避けたいと思いますが,監査権限だけの問題だとかいろいろな話があると思います。
JAの全中だけ考えていればいいのかということも含めて,全体の体制をどうするのか,そのために中央組織がどうあるべきか。そしてまた,どうしても統一地方選(への影響)云々などという話になりがちでありますが,そうしたことではなくて,これから日本の農業をどのような形で発展させていくのか,その中で農協がどのような役割を果たすのか。例えば,東南アジアなどでは日本の農協組織が大変評価されているわけです。日本の農業が発展していくために大きな役割を果たしてきたので,そのシステムを見習ってきているというところがいくつかあるわけでありまして,そうした国からは日本の農協をどうするのだという疑問の声も逆に上がっているような面もあります。そうしたことも十分見ながら考えていく必要があるのだろうと思っています。
毎日:関連ですが,今,政府が進めようとしている改革の案や,あるいはそのペースというか流れについては,若干慎重であるべきというお考えと理解していいですか。
知事:そう思います。
毎日:それはまだ議論を進めるには早すぎる,あるいは県内の農協さんも自分たちで改革をしていきたいという意思を示していますが,そういう議論も踏まえて,ゆっくりと時間をかけてやるべきだというお考えでしょうか。
知事:私が申し上げているのは,改革に時間をかけるということではなく,もう少し議論に時間をかけたらどうかとうことです。
どうしても,今のところ,TPPに絡むのかどうかはわかりませんが,それに関係するので急いでいるのではないかというとらまえ方もされているわけですので,TPPも関係するかもしれないけれども,それ以上に,これから国内需要がどんどん減っていく中で日本の農業を盛んにしていくために,6次産業化を進める,輸出を進めるなど様々なことが言われているわけであります。例えば,農産品の輸出を進めるといったときに,県単位の農協という形で果たして十分なのだろうかということもございます。
そうしたときに日本全体として対応していく必要があるのではないか。例えば,ハラール制度のある国に対して輸出するのに,県単位の農協では(国によって)いろいろな違いのあるハラール制度に対応していくことは私は無理だと思うのです。そういう点で,JA全中が果たす役割はあるのだろうと思います。
今後,農産物の輸出を大幅に増やしていくことなども踏まえながら議論をしていくべきだろうと思っています。
毎日:今のままで良いわけではなくて何らかの改革は必要だけれども,余りにも性急すぎるのではないかということでしょうか。
知事:どういうところを改革すればいいか,改革が必要なのかどうかということも含めてしっかりと議論したらどうかと思います。
毎日:では,議論のあり方としては,どのように位置づけたらよいとお考えですか。
知事:私は,日本の農業をどうすればきちんと維持・発展させていけるか,農業については,人口減少や高齢化で国内需要が減っていく中でどうやって産業として成り立つようにしていくか,儲かる農業を実現していくかということが基本にあると考えています。また,農業が果たしている,緑化とか様々な公共的な機能がある。そういったものについて,仮に農業が盛んでなくなっていった時にどうなってしまうのか。そういう様々な点からの議論を踏まえて,農協のあり方を検討していけばいいのではないかと思います。
朝日:先ほどの話なのですが,そうすると,次の通常国会で農協法の改正が実施されるかもしれないのですが,それは見送るべきというお考えなのですか。
知事:どの程度のスピードで議論が進んでいくのかということにもよると思います。
茨城:先ほど,来年度予算で,昨年度に引き続いて女性が活躍しやすいような環境づくりに力を入れるという話がありました。先日,県の女性管理職の割合が4.1%というまとめがありましたが,県としてこの割合をどのように見ているのか,今後どう増やしていくのか,また国では2020年に30%という目標が設定されていますが,この点についてどう思われるかお伺いします。
知事:県の女性管理職の割合は,昨年度から1.1ポイント上昇して44位から39位に上がっていますから,かなり改善はしてきていると思っております。
一方で,昭和50年代の,ちょうど今管理職適齢期を迎えている人たちの時期に女性上級職の採用が非常に少なかったことなどもあって急激には進みませんが,これからより力を入れていかなければいけないと思っております。
幸い,審議会などの委員への女性の登用割合につきましても,昨年まで本県は47位だったのですが,今年度は37位に上がってまいりました。こういったことも含めて,女性の登用や活躍の場をより広げていかなくてはいけないと思っています。
そうした中で,来年度に向けてどういうことをやるかということについては,間もなくウィメンズパワーアップ会議のほうから提言がいただけることになっていますので,それなども踏まえて,できるだけのことをやっていきたいと思っています。
4月に人事異動がありますが,その時にもそういった点について配慮していきたいと思います。
30%という目標については,私はそう簡単には達成できないと思います。例えば,今の上級職採用に占める女性の割合は30%いく年はまだほとんどありません。20%台ないし30%あたりで留まっていますので,そういうことからしても30%を超すのはかなり厳しいと思います。
時事(幹事社):では,ありがとうございました。
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