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更新日:2015年11月21日

 

知事臨時記者会見における発言要旨151121

この資料は、県政記者クラブとの臨時記者会見での発言内容を要約したものです。

11月18日の県総合教育会議における長谷川教育委員の発言に関する知事臨時記者会見

知事臨時記者会見配布資料(PDF:77KB)

 

長谷川智恵子氏からの県教育委員辞職の申し出について(教育委員会ホームページ)

11月18日の県総合教育会議における長谷川教育委員の発言について(県教育委員会ホームページ)

(作成:広報広聴課)
平成27年11月21日(土曜日)
13時54分~14時16分会見室


 ○11月18日の県総合教育会議における長谷川教育委員の発言に関する知事臨時記者会見


朝日(幹事社):幹事社の朝日新聞です。知事よろしくお願いします。

知事:お休みのところお集まりいただいて申し訳ありません。昨日まで出張していたので、こちらで記者会見する機会が無かったので、今日にさせていただきました。

まず、今回の長谷川教育委員の件につきまして、昨日、長谷川委員から教育委員を辞任したいという電話がありました。私は、(公務で)沖縄にいたので直接お会いすることはできませんでしたが、そういう電話がありましたので、私としては、「わかりました」と答えさせていただいたところであります。

長谷川委員からは今回、自分の発言によって混乱を招いて申し訳ないとの主旨の話がありました。そして、今日は、(私の)長谷川さんの発言に「問題ない」と話したという報道について、いろいろな反応がきていますので、そこについて、説明をさせていただけたらと思っております。お手元にペーパーを配ってあると思いますので、これに沿ってお話を申し上げます。

私の不用意な発言により、障害のある方はもとより多くの関係者の皆様方に不快感や苦痛を与えたことを、改めておわび申し上げます。

この発言は18日の退勤時のぶら下がり取材でのものです。

私は、長谷川委員の発言全てについて「問題ない」と言ったのではなく、「事実を知って産むかどうかを判断する機会を得られるのは悪いことではない」という考え方については問題はないのではないかとお話をしたものです。

私は日本医学会が認定した施設において、新型出生前診断が行われて多数の人が受診されておりますことから、その機会が増えることは良いのではないかと考え、このような答えをいたしました。

ただ、人工妊娠中絶は母体保護法により、身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるものについてのみ行うことができることについては、法を守ることは当然のことでありますので、触れませんでした。この点は、ぶら下がり取材ということもあり、言葉足らずであり、そのため、法律違反を認めたかのようにとられた人もおり、大変遺憾に思っております。

出生前診断について、それを容認する人もいれば、天から授かった生命は親であっても自由にしてはならないとして必要性を認めない方もおられます。

私は総合教育会議の中でも、出生前検査については、倫理観に関係する問題であると発言したところでありますが、出生前診断あるいはそれへの対応に係る考え方については、国、個人、時代などにより異なっているように考えられます。

日本としては、優生保護法から母体保護法に転換することにより、大きく生命をより重視する方向へ舵を切ったところであります。

今回、多くの皆様からご意見を頂く中で、新型出生前診断制度については、生命(いのち)の選別につながる可能性があることから、私も生命倫理という点で疑問を感じましたので、19日の夜遅くではありますが、発言を撤回させていただいたところであります。

なお、特別支援教育については、現在常陸太田市で1校建設中の他、さらに新しい学校を創設すべく検討しているところであり、必要な予算はしっかり確保し、その充実に努めていきたいと考えております。

今回の私の発言は、障害のある方には大変残酷なものと受け止められたと思いますが、私の発言の真意及び現在の気持ちは以上のとおりであり、発言が軽率であったことを深く反省しているところであります。誠に申し訳ありませんでした。

朝日(幹事社):幹事社というより取材した立場なんですけども、ぶら下がり取材をした一人の記者として1点確認ですが、ぶら下がり取材の際にこういう事実を知って産むかどうかを判断する機会を得られるのは悪いことではない、それについて、長谷川委員の発言は会議後の取材でもこういう内容でしたよと、私の方から発言をすべて説明させていただきましたが、その上でも、知事は、最後に問題視されないとの認識を示されたというふうに受け取りましたが。

知事:私が申し上げたのは、「この事実を知って、産むかどうかを判断する機会を得られるのは悪いことではないという考え方」については、「問題ない」と言っているはずです。

長谷川委員の発言全体が問題ないとは言っておりません。

朝日(幹事社):長谷川委員は発言を撤回され辞職を申し入れされましたが、任命責任の部分について知事はどうお考えでしょうか。

知事:私の責任で任命しているものですから、任命責任は当然重く受け止めております。これをどのような形で活かしていくかについてですが、長谷川委員があのような形で辞任されて、周りの皆さん方に迷惑をかけたということを言っておられます。長谷川さんの真意は、特別支援教育をもっと充実して欲しいということだと聞いておりますので、その方向に向けて努力していきたいと思っております。

朝日(幹事社):責任については重く受け止めて、特別支援教育についてもっと取り組んでいかれるということで果たすということでしょうか。

知事:そういうことです。

朝日(幹事社):そもそも長谷川委員を任命された理由についてお聞かせいただけますか。

知事:今、国際化がどんどん進んでいますが、長谷川さんはフランスを中心に海外経験も長い。あるいは、これから文化振興条例なども作ろうとしておりますけれども、文化についても、日動画廊の副社長として大変造詣が深く、知り合いも多い。そうした経歴を生かして、本県の教育界に新風を吹き込んでもらえればと思ったからです。

朝日(幹事社):長谷川委員の発言については改めてどうお考えでしょうか。

知事:長谷川さんは、特別支援学校を視察されて、大変生徒数が増えてきている中で先生方ががんばっているな、大変だろうなということを強く感じたと。そしてまた、例えば、絵を描く子などを見ていても、大変才能に恵まれた子がいるからいろいろな場所に出展などしたらいいのではないかということもおっしゃっているそうで、そういった点では、長谷川さんは特別支援教育について温かい感じのことをおっしゃったのだと思います。

一方で、生徒が増えているから予算的にも大変ですねということをおっしゃったということで、予算を減らすために子どもを減らせという主旨ではないと聞いております

朝日(幹事社):あの会議の席上にいた方は誰もが感じたことだと思うんですけども、やはり大変だから、予算がかかるから減らしていく方向がいいのではないかという発言をされましたが。

知事:長谷川さんの発言を聞いておりまして、例えば、学校を卒業した後の話などについても触れておられましたが、多分、彼女は、今盛んに言われています親なき後ということについて大変心配をされたのだろうと思っております。

そういった点については、彼女はフランスについていろいろな点で事情通ですから、フランスの制度なども頭にあったのかも知れません。そういった中での発言ではなかったかなと思っていますが、今日の談話にも入れておりますように、今、日本では、優生保護法から母体保護法という形で考え方が変わってきている。そうしたことなどを踏まえれば、現在の日本においては、あまりふさわしい発言ではなかったかなと思っております。

朝日(幹事社):同じ会議に出席されていて、長谷川委員の予算という言葉であったり、減らす方向でという言葉だったりを聞いて、他の教育委員も含めてですけども、特にそこで指摘などはされなかったですが、それはなぜでしょうか。

知事:例えば、マスコミの方もたくさんおられましたが、次の日、そのような形でとらえたのは新聞で2紙でありました。ですから、そのようにとらえる方もいれば、そのようにはとらえない方もおられる。長谷川さんが本当に心配して、今回いろいろと見られたことを元にして発言されたのだなととらえた方もおられるのではないかなと思っております。

朝日(幹事社):知事としては、とらえなかった側だということでしょうか。

知事:私は倫理観の問題であるということでお話しております。

朝日(幹事社):特に指摘はされなかったということですよね。

知事:我々は、教育委員に対して、そうした会議での発言を止めたりするということではなく、もし都合が悪ければ後でまたお話しする。そうでないと、こちらが勝手にいろいろ自分の考えに基づいて委員の考えをコントロールしてしまうことにもなりますので、それはやるべきじゃないと思っております。

朝日(幹事社):新しい教育委員については、選ぶ考えはおありでしょうか。選ぶとすればどういう人選、基準でお考えですか。

知事:これから検討していきたいと思います。置く、置かない、どういう人を選ぶかということを含めてですね。

朝日(幹事社):長谷川委員の代わりになっていただくかどうかも含めて、新たに教育委員をこれから検討ということでしょうか。

知事:はい。そうです。

NHK:知事は発言を撤回すると言っていましたが、考え自体を改めたということなんですか。

知事:ここにも書いてございますが、例えばこの「新型出生前診断」というものが行われており、多数の人が受診されている。そしてその中で、認定施設が少ないという感じを持っておられる方もいる。私自身、そういった点で、機会が増えるというのはいいことなのかなと考えておりましたが、今回直接に、障害のある方、あるいはまた、関係者、家族その他の方々からご意見をお聞きして、ここにも記載しておきましたが、やはり、生命(いのち)は親であっても自由にはできないという発想、これをもっと重要視すべきではないかということです。いろいろな意見があります。ですからその中でもっともっと考えていかなければいけないと思うのですが、当面、私としては親御さんの考えなどについて、ある程度理解をさせていただきましたので、撤回をさせていただきました。

NHK:その母体保護法へ転換しているという方向に考えを改めたということですか。

知事:いいえ、それ(母体保護法を遵守すること)はもう、当然のことであります。それ以上に、例えば、新型出生前診断について、どのように考えるべきかについて、どんどん受けた方がいいのではないか、それとももっといろいろな規制をしながらやっていったほうがいいのではないか、そういった様々な考え方があるのですが、どのように新型出生前診断の結果を使っていくのかということにもよると思います。

ある調査によりますと、出産後の状況に備えるためにこういった診断結果を知っていたほうがいいというかなりの方々もおられるようでありますから、さらにそうした点については、議論していく必要があるのかなと思います

NHK:私もあのとき一緒に知事を囲ませていただいたと思うんですけれども、私の記憶ではですね、その発言、問題が多いのではないかという質問に対してそれほど問題が多いと思わなかったということを確か言っていたと思うんですね、となると、当時、長谷川委員の発言についてどこが問題であってどこが問題じゃなかったというふうに思ったかというのを分けて話していただけますか。

知事:先程来申し上げましたように、例えば、新型出生前診断などについて、積極的にやっていくということについては、これは考え方としてはあり得るのではないかと、それが方向性としていいかどうか、親御さん方からは、もっと生命(いのち)というものは大事にすべきものであって、ひょっとして妊娠中絶につながりそうな、そういうものについてはあまり実施しない方がいいのではないかという意見もありますが、いろいろな意見があるから、それはそれで彼女が主張してもおかしくはない。ただ、負担になって大変だからそれをやったらというところについては、それは問題があるかもしれない。負担になるかならないかということではなくて、先程も申し上げました、親亡き後というようなことも考えて、しっかりと診断するということについては、意見としてはあり得るのかなと思いますが、今申し上げましたように、予算がかかるからというのでそれをやって減らせという発想については、私は同意はできません。

NHK:であればその場で何か発言を止めるということはされなかったのでしょうか。

知事:それは、先ほどもお答えしましたように、(委員が)いろいろな意見を言われるときに、(自分と異なる意見に対し)それは違いますよと全部言っていったら、自分たちが会議を誘導していってしまうことになりますから、それはなかなかできないのだろうと思います。

NHK:私自身も、あの場での発言としてはふさわしいものではなかったと思いますが。

知事:だから、長谷川さんも、たしか「この場、大綱には関係ないのですけれども」という話をされながら、「この間視察してきましたので、その感想を」と言われたような気がします。

NHK:別にあの場で言う発言ではなかったという考えはないでしょうか。

知事:総合教育会議でありますから、それは、大綱に絡まないことでも、なんでも結構ですからと言いましたので、そこを責めるつもりはありません。

毎日:繰り返しになってしまうかもしれないんですが、一部報道での発言を撤回するっていうふうに19日の夜にリリースをされています。その一部報道で問題ないって言ったものを一度撤回して、今日はそれの真意を説明するっていうことでよろしいですか。

知事:今日は、(長谷川委員の)辞意を受けてそれに同意しているということと、それから、19日、20日と(公務で)沖縄に行っていたので、皆さん方が場合によっては私の意見を聞きたかったこともあるのではないかということも含めて、会見を開かせていただきました。

毎日:知事には、県民の方とか全国の方だと思うんですけれども、どういった意見が耳に入られてますか。

知事:いや、本当に多種多様な意見が来ております。中には、相当厳しく指弾している、あまり聞きたくないような言葉も入っているようなものがあります。それは、感情の発露でありましょうから、我々としてはしっかり受け止めて、そういう声を活かしながらこれから行政をやっていかなければいけないと思っています。

朝日(幹事社):改めてですけれども、長谷川委員の辞職に対して同意した理由というのは何でしょうか。

知事:ご本人が混乱を招いたので辞任したいということでありますから、特に反対する理由もありませんので、同意をさせてもらいました。

朝日(幹事社):最後に念のためお伺いしますけれども、任命責任であったり、軽率な発言に対する反省、それも含めてその答えとして特別支援教育に取り組んでいくということで、ご自身の進退については特にお考えでないということでしょうか。

知事:そこまで考えておりません。

NHK:次の教育委員を選ぶか選ばないかという話ですが、条例上6人ということになっていますが、選ばない可能性もあるんですか。

知事:いや、どのタイミングで選ぶかということでありまして、私としては、今年度から新しい教育委員会制度がスタートしたわけで、教育に力を入れていくという意味でも6人にしましたので、いずれかの時点では6人に戻してまいります。ただ、12月に間に合うかどうかという点で、今から検討するということです。

NHK:次の県議会に間に合うかどうかということでしょうか。

知事:はい。

朝日(幹事社):ありがとうございました。

 

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