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更新日:2015年8月5日
この資料は,県政記者クラブとの定例記者会見での発言内容を要約したものです。
・つくば市総合運動公園整備事業に係る住民投票結果について(1)
・つくば市総合運動公園整備事業に係る住民投票結果について(2)
・全国知事会「参議院選挙制度改革(合区)に関する懸念表明」について
・「いばらき近未来技術実証推進事業(ロボット実証実験)」について
・つくば市総合運動公園整備事業に係る住民投票結果について(3)
(作成:広報広聴課)
平成27年8月5日(水曜日)
11時17分~11時43分 会見室
○つくば市総合運動公園整備事業に係る住民投票結果について(1)
共同(幹事社):幹事社の共同通信です。先日,つくば市の運動公園に係る住民投票で8割以上が反対という結果になりました。まず,この結果についてのご所感と,この結果を受けてつくば市長がこの計画を白紙撤回する方向で検討を開始したとのコメントが昨日出されましたが,つくば市の対応についてどのように考えていらっしゃるか,お願いいたします。
知事:結果については,市民の選択でありますから,私から感想は控えさせていただいて,それはそのまま受け止めるということだろうと思います。
そして,これから白紙撤回の方向で検討を始めるということでありますので,その結果を待って,国体の会場などにもなっていますので,対応を検討していきたいと思っています。
共同(幹事社):国体の体操と新体操の会場として内定していましたが,今後,どのように県として対応されるのか,詳しくお願いいたします。
知事:つくば市でどうされるのかがはっきり決まった後になってくると思いますが,つくば市の考え方を踏まえて,その上で競技団体と十分に検討していきたいと思っております。
共同(幹事社):つくば市でどうするのかというのは,大幅に改修するとか,別の場所をつくば市のほうで探すとか,そういう結果を待ってということでしょうか。
知事:それだけではなくて,例えば,今,つくば市が白紙撤回ということで,全部取りやめにするのかどうかも含めてまだ検討を開始した段階でありますから,その結果を待つ必要があるのだろうと思います。
共同(幹事社):2019年まであまり時間がないかと思いますが,会場の選定について,予定が崩れて県として残念だとか,そういうようなお気持ちはあるのでしょうか。
知事:予定が違ってくる可能性が非常に高いということですが,国体の成功に向けてしっかりと対応していきたいと思っております。
共同(幹事社):この体操と新体操の会場について,県としては,つくば市内でこだわりたいとか他のところに会場の選定を行うというようなことはありますか。
知事:県としてこだわることはありませんが,つくば市で,せっかく決まっていたので,自分のところを大改装してもやりたいというお考えもあるかもしれませんし,市の考えを聞かないと何とも答えようがありません。
朝日:今月の24日でつくばエクスプレスが開業してからちょうど10年になります。この10年でTXが茨城にもたらしたものを知事はどのようにお考えでしょうか。
知事:あの地域全体が,仮につくばエクスプレスが通っていなかったら大変厳しい状況に置かれていたのではないかと思います。それに比べて,現在のところ,例えば,開業後だけで見ましても,これまでに3市合わせて4万3,000人ほど人口も増えておりますし,大変大きな開発効果をもたらしたのではないかと思っております。
そしてまた,沿線地域,つくばエクスプレスそのものも,周辺の鉄道の中で勝ち組に入っていると,私は思っております。乗車人員も順調に増えてきておりますし,ある意味,県南だけではなくて,全体として,東京北部の地域を考えた場合にも,この鉄道は極めて大きな効果を果たしてきたのではないかと思っています。
10年を迎えまして,古くなったものなども出てきますので,どうやってそれを更新していくかとか,あるいは,さらに混雑が若干ひどくなっていますので,それにどう対応するかとか,いろいろな新しい課題も出てきていると思っております。
朝日:課題のお話がありましたが,老朽化や混雑というのが,現状で抱える課題とお考えですか。
知事:当面,対応しなくてはいけないことでありますし,将来的な大きな課題としては,我々としては,東京延伸をぜひ実現できたらと願っているところであります。
朝日:新たに更なる活用策みたいなものは何かお考えでしょうか。
知事:さらなる活用と言いますか,我々としては,つくばエクスプレス沿線地域の良さ,「つくばスタイル」ということを打ち出しておりますが,これをより多くの人々に知ってもらって,あの地域に進出してくる企業,あるいは,個人の方々を増やしていきたいと思っています。
○つくば市総合運動公園整備事業に係る住民投票結果について(2)
NHK:国体の体操・新体操の会場について,いつまでに決めなければならないという大まかなスケジュールがあれば聞かせていただきたいのと,今後,建設が予定されている体育館などを選定するということはあり得るのかというところをお願いします。
知事:いつまでということについては,どういう形で対応するかによって変わってきますので,一律には言えないと思います。
それから,新しい体育館を使いたいというような競技団体の意向があるかどうか,そういったことも踏まえながら,そして,その所有者である市町村の意向も踏まえながら,判断していかなければいけないと思いますので,今の段階ではっきりしたことは申し上げられません。
これから市長からいろいろ考え方をお聞きして,対応していきたいと思っています。
NHK:いつまでに決めなければ,今後のスケジュールに支障が出るというのはまだないのですか。
知事:もしつくば市でやらないとして,どの会場を使うかによって,そのまま使えるところもありますし,ですから,そこはこれから会場をどこにするかによって変わってくると思います。
日経:運動公園に関連して,県のほうでは,現状で他の会場の候補地というのは全く検討していないということですか。
知事:どういうところが使える可能性があるかというのは当然調べています。
日経:例えば,こんな施設や体育館があるなどの検討はございますか。
知事:それはこれから競技団体,あるいはまた,市町村と相談していかなくてはいけませんので,この段階ではまだ申し上げるわけにはいきません。
日経:つくばエクスプレス開業10年の件について,県のほうで沿線の用地を買い取って開発などをされていると思うのですが,土地の処分について,この10年で従来の予定どおり進んできたのかどうかというのは,どのようにお考えでしょうか。
知事:リーマンショックなどもありましたし,あるいはまた,全国的な人口減少もあるということで,必ずしも我々が想定したとおりのペースで進んでいるとは申し上げにくい面もありますが,それなりに買い手もついてくれているのかなと思っております。これからさらに努力していかなければと思います。
茨城:本日の午後にスカイマーク社の債権者集会がありますが,前回も伺いましたが,改めて2つの再生計画について,何かお考えはありますでしょうか。
知事:今,非常に微妙な状況のようですが,県としては,やはり最大の目的といいますか,願いは茨城路線の継続ということですので,それをやっていただけるという前提であれば,どちらということは申し上げる必要はないと思います。
茨城:場合によっては,2つとも可決されずに先送りされる可能性もあり,それだけスカイマーク社の再建が遅れてしまうわけですが,その辺についてはどのようにお考えですか。
知事:できるだけ早く方向が決まることが望ましいと考えております。
茨城:繰り返しになりますが,県としてできることというのはどのようなことになりますか。
知事:県としては,利用者の増加ということになりますし,また,ある程度,支援なども含めて,スカイマークが茨城路線を維持してくれるように働きかけていきたいと思います。
茨城:先日,公職選挙法が改正されて,参議院の合区ということになりましたが,本県に直接は関係なくても,都道府県単位を越えて合区となるという考え方に対して,知事は率直にどんなお考えをお持ちでしょうか。
知事:昨年の11月26日の最高裁判決で,選挙区間の投票価値の不均衡について違憲の問題が生じる程度の著しい不平等状態であったとした上で,「都道府県を単位として,各選挙区の定数を設定する現行の方式をしかるべき形で改めるなどの具体的な改正案の検討と集約が着実に進められ,できるだけ速やかに現行の選挙制度の仕組み自体の見直しを内容とする立法的措置によって違憲の問題が生ずる上記の不平等状態が解消される必要がある」と判示されたところであります。
これを受けての今回の改正になるわけでございますが,私どもとしては,参議院議員はもともとどういう発想のもとにこの定数が決められたか。例えば,貴族院本会議の昭和21年12月4日の提案理由の説明を見ますと,「各都道府県の人口に比例して最低2人,最高8人の間において,半数交代を可能ならしめるがために,それぞれ偶数となるように定めることとし」ということが言われているわけでありまして,このころは地域代表的な発想がかなり強かったのではないかと思っております。
そして,それがこれまで維持されてきているわけですが,今回,初めてその状況が変更されることになったということで,大変大きく発想,考え方が転換したという感じを受けております。
知事会としても,この状況についてはいろいろ問題があるのではないかと。例えば,ほかの二院制の諸国における選挙制度を見ますと,アメリカなどでは,例えば,上院については,人口の多寡にかかわらず各州の定数を2人と定めているということで,1票の格差といったら何十倍になってくるわけでありますし,あるいは,オーストラリアとか,さらにはスペインとか,そういうところも,上院については地方代表という色彩を非常に濃く出しております。ですから,憲法上云々ということがあるのであれば,憲法改正して地方代表という位置づけをするのも一つの方向ではないかと思っております。
平成31年の選挙に向けて,今後さらに検討を進めるということが(公職選挙法の一部を改正する法律の附則)第7条に書いてありますので,今度,検討を進めるに当たって,それまでに知事会の意見などもまとめて,しっかり反映してもらえるようにしていく必要があるのかなと思っています。
茨城:まさに1票の格差と地域代表の意味合いと相反する部分もあるのかもしれませんが,憲法改正も含めて,国民論議というか,抜本的な改革が必要だというご認識でしょうか。
知事:どう考えるかでありますが,いまだに大分すごい勢いで東京一極集中が進んでいますから,こういう状況で1票の格差を単純に比較していく形でいいのかどうかという問題は当然出てくると思います。地方の代表が場合によっていなくなるということも考えられるわけですが,ある程度,地域代表的な色彩を維持できるようにしていく必要があるのだろうと思っています。
知事:それは,原子力規制委員会のほうで安全が確認され,それを受けて企業側から再稼働の申し出が出てきているということでありますから,それに対応するという意味で,今回,県では手続きを進めているのだろうと思います。
そうした点で,国からは一定の方法が示されておりませんが,それはそれでやむを得ないのかなと思っております。国はできるだけ早く,あまりばらばらに各県ごとに(手続きが)違ってくるような形ではなくて,一定の形を示してくれるべきだと考えております。
朝日:そういう国の基準が示されないと,茨城県においては,同意する,しないという話にならないということですか。
知事:どのように考えるのか,これからいろいろ検討していかなくてはいけないと思っております。例えば,避難計画をどう考えるのかといったことについて,一定の基準というものがあってしかるべきだろうと思っておりますので,そうしたことも含めて,これから国の動きなども見ていかなくてはいけないと思っています。
朝日:避難計画なのですが,鹿児島県では,避難行動要支援者の計画づくりを求める対象については,10キロ圏内という独自のやり方を示して進めてきたという経緯がありますが,茨城県ではそういった対象の変更など検討されていることはあるのでしょうか。
知事:現在,そうした動きはありません。これからどうなるかはわかりません。
朝日:もしかしたら,変更する可能性もあるということですか。
知事:そうしたことについて全然考えていないので,ないとも言えないし,あるとも言えないということです。
朝日:現状では30キロ圏内の病院や福祉施設の計画づくりは進めるようにと,県のほうでも指導していくという理解でよろしいですか。
知事:もちろんそうです。
朝日:東海第二原発の審査がほかの原発に比べて進捗が遅いように思うのですが,その点についてはどう見ていらっしゃいますか。
知事:これまで審査してきたものとタイプも違うということもあって,慎重に取り扱っているのではないかと思います。それと,ほかにもっと急ぐものがたくさんあるのかなという感じも持っております。審査を急いで,結論を出さなければいけないものがほかにたくさんあるので,こちらまで十分手が回っていないのかなという感じもします。
朝日:他の原発の審査が優先されていることについては,どういうふうに思っていらっしゃいますか。
知事:それは原子力規制委員会の方針でありますから,多分,これまでと同じタイプのほうが審査がやりやすい,そして,新しいタイプのほうはより慎重を期す。これはこれでやむを得ないことだなと思っています。
読売:東関東道水戸線についてお伺いします。先だって,NEXCO東日本から鉾田インターチェンジ(仮称)と茨城空港北インターチェンジ間の完成時期が2年ほど遅れることが発表されました。これについての知事のご感想と,土地収用法に基づく事業認定も受けたわけですが,どういう土地の買収が難航しているのかわかりませんが,一部県民の財産権が侵害されることも可能性としてあり得るわけですが,その辺について知事はどのようにお考えでしょうか。
知事:遅れてしまうことについては大変残念に思っております。我々は今年度中の供用開始を大変強くお願いしてきたところでありますので,その点では,2年延びてしまうことについては大変残念に思っていることでありますし,地元も同じ考え方だろうと思います。
そして,収用については,どちらの便益が大きいのか,高速道路ができることによって多数の人たちが受ける便益と,その土地を持っている人たちの利益をどう比較衡量するかについて,収用委員会のほうで十分議論されていくことだと思います。
NHK:来月に県から水戸市に譲渡される東町運動公園の体育館の件ですが,補助金の額がまだ示されていませんが,今のところのお考えをお聞かせいただけますか。
知事:国の補助金をどれだけ確保できるかがまだ決まっておりませんので,それが決まってこないと具体的な数字は決定できない状況にあります。
それからまた,事業費総額もまだ決まっていない状況でありますから,80億円という数字は聞いておりますが,それを前提にしてはじくにしても,先ほど申し上げた国の補助金額が決まっていない。
我々としては,国の補助額を差し引いた上で,できるだけ県と水戸市の負担が同じ位になるようにしていきたいと思っています。
NHK:できる限りの支援という形で表明されていましたが,そのお考えというのは変わりがないということですか。
知事:はい,変わりません。
○「いばらき近未来技術実証推進事業(ロボット実証実験)」について
NHK:ロボット関連の技術開発を支援するいばらき近未来技術実証推進事業の件なのですが,県内の企業への波及もあると思うのですが,改めて,それに対する期待感を伺ってもよろしいでしょうか。
知事:きょうのニュースでは,高齢者(の自動車運転支援)とか云々と言っていましたが,私の考えとしては,例えば,物流関係などを見ますと,高速道路の入り口を入って,あと終点まで,例えば青森まで行くときは青森までずっと自動運転で行ってくれるということになると,労働力不足,運転手さんが今極端に不足し始めている。あらゆる分野で不足し始めていますから,そういった点では,今度のこの実証試験は,私は大変意義があることではないかと思っております。
どういう形でその結果を活用できるのかはまだはっきり承知はしておりませんが,一般のまちの中をすぐに自動走行というのは大変難しいような気がしますが,外国でも大分そういう研究が進められているということもありますので,日本も負けないように頑張る,また,世界をリードしていけるような技術を日本から開発してもらえたらと思っています。
NHK:自動運転の話もそうなのですが,それは実証推進事業の中の一つだと思うのですが,実証推進事業全体が県にとってどういう意義がありそうなのかというところを伺えますか。
知事:午後,今度採用する事業については発表させていただきますが,ロボットの活用という点で,今申し上げたような人手不足などの面もありますし,あるいはまた,例えば,HALのように生活支援,一般の人たちがそれによって非常に助けられるという面もあるでしょうし,例えば,HALの医療用のものですと,歩行訓練をやっている間に神経が甦るなどということもあるようでありますから,いろいろな面で活用できていくのだろうと思っております。
それから,癒し型などというものもありますし,ひとり暮らしの高齢者にとって,そういう方面でも使い道もあるだろうと考えておりますし,いろいろなロボットが考えていけると思います。
NHK:茨城県の果たす役割というのをPRしていかなければならないと思いますが,そのあたりはいかがでしょうか。
知事:ぜひそれは大いにPRしていきたいと思いますし,今度のロボット実証事業を12ほど選びますが,こういったものをできるだけ成功,いい結果を収めていただいて,PRをしていければと思っています。
○つくば市総合運動公園整備事業に係る住民投票結果について(3)
産経:つくば市に続いて,龍ケ崎市のほうでもJR常磐線の佐貫駅の名称変更をめぐって住民運動をしようという動きもありますが,各地で住民運動により地域のことを決めようというような動きが相次いでいることについて,知事はどのようにご覧になっていらっしゃいますでしょうか。
知事:代表制民主主義とのバランスをどうとるかということだろうと思います。
龍ケ崎については具体的な状況は承知しておりませんが,余りそういうものが増えすぎるのも代表制民主主義の趣旨からして問題なのかなとは考えております。
産経:余り多いと問題だけれども,基本的にはそういう動きがあるということについてはどのようにお考えでしょうか。
知事:それは,その地域その地域の状況によって,住民の方々の声を踏まえて議会で判断されるということになってくるのだろうと思います。
共同(幹事社):ありがとうございました。
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