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更新日:2015年7月21日
この資料は,県政記者クラブとの定例記者会見での発言内容を要約したものです。
(作成:広報広聴課)
平成27年7月21日(火曜日)
11時16分~11時43分 会見室
日刊工業(幹事社):日刊工業新聞です。よろしくお願いいたします。まず,冒頭,知事から報告事項があるということで,お願いします。
知事:お手元にペーパーが配ってあると思います。25日14時から,アジア青年国際交流事業2015を,北京で日中韓の若者たちによって開催することとされておりますので,それに向け,24日,25日,26日と北京へ出張してまいります。
事業目的は書いてあるとおりでございまして,日中韓3か国の青年の友好交流の推進及び相互理解の促進を図ることでございます。
主催は,茨城県日中友好協会青年委員会と,中国国際青年交流センター,仁川広域市国際交流財団などであります。
出演者,ボランティア等は110名ほどでございまして,観客数は5,000人ぐらいが予定されているところであります。
音楽・ダンスの披露ということで,日本から3グループ,中国から3グループ,韓国から3グループが参加する予定であります。
これは,上海万博を契機に始まったもので,上海万博では日中の2か国で実施したのですが,その後,韓国も加えた日中韓の3か国で実施しており,若者の交流,特に,出演者だけではなくて,その世話役としての若い青年たち,県でいいますと,県日中友好協会青年委員会などの方たちの交流というものも深めていきたいと思っております。
以上です。
日刊工業(幹事社):ありがとうございます。この件に関して,何かご質問はありますでしょうか。
日刊工業(幹事社):では,改めて質問を始めさせていただきます。まず,今年度から始まっているUIJターンに関する事業についてお伺いします。県内の就職者を確保するためのUIJターンの取組みとして,まず所感を聞かせてください。
知事:ご承知のように,本県の場合,大学進学の段階で,県内の高校生は2割しか県内に進学しておりません。そして,県外,例えば東京などの大学へ進学した子どもさんたちが,ややもすれば向こうに残ってしまうという傾向が大変強いものがございます。
それから,県内の大学の卒業生につきましても,県内へ就職している割合が4割ということで,6割は県外へ行ってしまっております。
これはいろいろな理由はあるのだろうと思います。特に若い女性などの場合は,都会にとどまりたいといったような理由もあるようですが,いずれにしても,我々としては,少しでも茨城県から出ていった方々にこちらへ戻ってきてもらいたい,あるいは,県内の大学で学んでいる方たちに地元に就職して欲しいという思いからスタートさせたものであります。
ただ,そういったときに,私自身もそうでありましたが,東京の大学にいて,地元の情報はほとんど入っておりませんし,多分,ほとんどの人は調べようとも思わないのではないかと思います。親御さんが,ぜひ帰ってこいとか,そういう方の場合は別ですが,そういう状況も踏まえまして,できるだけ茨城県の企業の情報などを大学を通じて流す。また,大学生の状況などについて県のほうに各大学から教えてもらう。そういう場をつくっていただきたいと考えておりまして,UIJターン・定着応援“くらぶ”といったものも立ち上げさせていただいているところでございます。大学だけでも45の大学に加入していただいておりますので,それらの大学と連携を密にしていきたいと思っております。
日刊工業(幹事社):この取組みの今後の展開というのはどのようにお考えですか。
知事:先ほど申し上げましたように情報交換を行っていくのとあわせて,インターンシップの促進とか,合同就職面接会等の開催,さらには,魅力発見バスツアーといったものもスタートさせたところでありますので,そうした地道な活動をやっていきたいと思っております。
日刊工業(幹事社):県内に就職者を呼び戻していくということで,県内企業の魅力の向上というのも一つ重要な要素になるかなと思うのですが,この辺に関して,県としてどのように関わっていくのでしょうか。
知事:県内の企業,大企業はもちろん多くの人たちは知っているわけでありますが,それ以外の中堅・中小企業についてもぜひこれから発展していってほしい。発展していく姿を見せることによって,学生さんなども就職先として一目置いてくれるのかなと思っております。そうした点で,成長産業振興協議会といったようなものもありますし,あるいは,新しい事業を進めるためのさまざまな補助制度などもありますので,そうした形で企業の発展を応援していきたいと思っております。また,学生たちが行きたくなるような企業の誘致などにも取り組んでいきたいと思っております。
日刊工業(幹事社):次に,ロボットの研究開発,実用化に関して,先週の17日につくばでロボットイノベーション戦略会議の第1回が行われまして,自分も取材させていただきましたが,ロボットの開発・実用化に関してどのような期待をお持ちでしょうか。
知事:私は,ロボット分野というのは,日本がこれから成長・発展していく牽引役になり得る分野だろうと思っております。例えば,ある機関によりますと,ロボットの将来市場予測というのは2035年で約5兆円と言われております。そういった形で外貨を稼げる分野ではないかとも思っております。
そういう点で,是非これからも順調に発展していけるように,県でもいろいろ努力をしていきたいと思っております。この間のロボットイノベーション戦略会議もその一環であります。
また,ロボットについて,例えば,HALなどについても,いろいろなところで使用していただいて,そして,普及を図っていきたいと思っております。
日刊工業(幹事社):先日の会議では,県はロボット先進県を目指すということを言っていたわけですが,どういう分野での期待をお持ちですか。
知事:HALなどですと,生活支援なども含めて福祉・医療分野ということになってまいりますし,そのほか,産業用分野もありますし,いろいろな分野でロボットはこれから大きく使用されていくのではないかと思っております。例えば,パロのように癒しの分野などといったものもありますから,ロボットの分野というのはこれからいろいろな形でどんどん大きくなっていくと考えております。
日刊工業(幹事社):県内企業への波及はどのようにお考えでしょうか。
知事:それはもちろん,ロボットを造る,販売する,そうしたいろいろな過程で県内の産業分野にもいい影響を及ぼしていってくれるものと考えております。
朝日:先週末で茨城空港の周辺地域活性化キャンペーンが終了したかと思いますが,事前にカタログが余るのではないかという話もありましたが,どれぐらい配ることができたのかという点と,また搭乗率について,6月分を見ますと,一部,前年比よりも搭乗率が下がっているかと思いますが,果たして効果があったとお考えかどうかお聞かせください。
知事:一部下がっているというのは,どこが下がっているって。
朝日:札幌と神戸が下がっているように思うのですけれどもいかがでしょうか。
知事:私が持っているデータでは,札幌,神戸,福岡便,それぞれに増えております。
朝日:増えていますか。それは失礼いたしました。
知事:ただし,神戸便は(神戸経由の)米子便を除いた形で計算しております。米子便も入れると,去年と今年と状況が違ってきますから。そうした,比較的公平な形で比較した場合では,3便とも増えている状況になっております。
朝日:そのあたりも含めて,今回のキャンペーンの効果,評価をお聞かせください。
知事:キャンペーンがあったので初めて茨城空港を利用した,などという方もおられますので,それなりに効果はあったのではないかと思っております。
さらに,早速,共通の利用券,あるいはカタログギフトを使って品物を取得したという方などもおられますから,そういう面では県産品のPRなどにも役立ってくれているのではないかと思っているところでございます。
それから,IBRマイエアポートクラブというものがありますが,この会員が,昨年度末は1.3万人だったのですが,7月18日現在で3.3万人にまで増えてきております。こうした方たちには,これからもメルマガ配信などによっていろいろな情報を提供することによって茨城空港の利用を呼びかけていくことが出来ますので,そういった点でもメリットはあったのかなと思っております。
それから先ほどの,キャンペーン期間中の搭乗率でありますが,5月20日から7月18日,一部は予約状況により計算したものでございますが,札幌便,神戸便,それぞれに4~5ポイント増えておりますし,福岡便については1割を超える増加になっていると聞いております。7月16日から18日は予約状況によって推計しているということですので,最新のデータは持っておりませんが。
それからもう一つは,当初見込んでいたよりも使われる方が意外と少なかったということもあります。これは,公務出張の方などはご遠慮くださいというようなことも掲示させていただいておりましたし,あるいはまた,時間がないので出口をさっと出ていってしまう方もおられたようでありまして,必ずしも我々が思っていた数にはなっておりません。交付率でいうと,約3分の2ほどになっております。
今後,さらに9月に入りましてから,残った分を利用してキャンペーンを実施していきたいと考えております。
朝日:残った分は9月に再キャンペーンをされるということですか。
知事:9月1日から11月にかけてやっていきたいと思っています。
朝日:内容は全く同じものをでしょうか。
知事:共通利用券とギフトカタログとのどちらかを選んでもらうシステムにしようかと思っています。
朝日:予算としては,新たに計上する分は特にないのでしょうか。チラシなどでまた再告知が必要になるかと思うのですがいかがでしょうか。
知事:そうですね。そういったものは必要になってくると思いますが,今の予算の範囲内でやっていけると思います。
朝日:今のお話でいいますと,知事としては,キャンペーンの効果はあったと評価されているのでしょうか。
知事:一定程度あったと考えております。
それから,いつも申し上げていますが,キャンペーンとあわせて,消費の拡大が交付金の最大の目的でありますし,それとあわせて,県産品のPR,こういったトータルな面で捉えていく必要があるのではないかと思っています。
朝日:搭乗率の話ですが,キャンペーン期間中の予約実績ということでよかったでしょうか。
知事:7月16日から18日までは,搭乗実績を持っていなかったので予約状況で計算した,というだけです。
朝日:予約状況での前年比較ということでしょうか。
知事:そうです。予約していた方が乗ったという前提で。
朝日:空港ビルでの消費などは増えていらっしゃるのでしょうか。
知事:もちろん増えていると思います。(利用券)3千円の分としてどれだけ売れていたのかは詳細に承知しておりませんが,交付した分については,もちろんそこで使っているはずですので,消費は拡大していると思います。
茨城:スカイマークの債権者集会が8月5日に予定されていますが,ここにきて2つの再生計画が提出されて投票する事態になっていますが,この2つの再生計画が争われる事態についてはどのように見ていらっしゃいますか。
知事:最終的に,どう決着するのか予測がつきませんが,法律的にそういうことがやり得るということですから,それはそれとして受け止めざるを得ないのだろうと思っています。
どちらが良いとかいうことは,我々として,その後の方針がはっきりと見えておりませんので,申し上げる段階にはないと思います。
茨城:支援先がANAになるかデルタ航空になるかという方向性がだんだん見えてきましたが,県としては,今の段階で,どちらが良いとかどちらになっては困るなど,そういうことは言えないということですか。
知事:茨城空港の活用に,より重点を置いてもらえる再生計画案のほうが良いと思っています。
茨城:今の段階で,茨城空港の就航便への影響で心配されているようなことはありますか。
知事:今の段階では全く解りません。
茨城:推移を見守るしかないというところですか。
知事:我々としては,先ほど来,話に出ていますように,少しでも利用客を増やしてアピールしていくことが大事だろうと思っています。
毎日:TPPについてなのですが,今月末に合意がされるのではなかろうかという話が出ていますが,昨日も知事はJAの会合に出られていましたが,改めて,特に農業分野での5品目のあり方について,どのような考えを持っておられるでしょうか。
知事:情報がさっぱり得られていませんので,何とお答えしたらいいのかわかりませんが,少なくとも2年前の3月にTPPへの参加を政府として決定した時に,(全国の農林水産物の生産額減少が)約3兆円と言われており,本県でも農業だけで1,113億円のマイナスの影響を受けるという試算がなされておりました。1,113億円というと本県の農業産出額の約25%,4分の1ですから,これがどうなるかということによって本県農業はとんでもなく大きな影響を受けるのではないかと思っています。特に,稲作,あるいは乳製品,豚肉,こういったものについては極めて影響が大きい分野だと思っていますので,今度の会合の行方に関心を強く持っているところです。
昨日も,衆参両院の農林水産委員会での国会決議を遵守するように求める会合が開かれたわけですが,衆参両院で決議されている内容については,我々としても大変納得できると言いますか,賛成できるところでありますので,例えば,農林水産大臣,あるいは甘利TPP担当大臣も,衆参両院の農林水産委員会の国会決議に沿って結果が出たと評価されるように持って行きたいということを,特に林農林水産大臣がおっしゃっていますので,そうなって欲しいと思っています。
毎日:一方で,甘利大臣は,農業については痛みを伴うという発言をしています。特に,豚肉,牛肉に関しては,関税の引下げについて具体的なパーセンテージが少し出てきたり,米についても輸入枠の拡大という話が出ていますが,このあたりについては,決まっていない段階なのでおっしゃりづらいということはわかるのですが,5品目について条項が守れないような状態になったときに,知事としては政府に対してどのような対応をとるのか,またその際に県としてどのような対応をする必要があると考えているのか,このあたりについてはいかがでしょうか。
知事:もしという形で,それを我々としても認めるような発言をすることは,今,絶対にすべきでないと思っております。衆参両院の農林水産委員会の国会決議を守って欲しいと言っているところですので,我々として,それについてのコメントは控えさせていただきたいと思いますが,いずれにしても,茨城農業,日本農業がきちんとやっていけるような体制をつくっていくことが最も大事だろうと思っています。
毎日:痛みを伴うような対応というのは受け入れられるものなのでしょうか。
知事:どういうものかわかりませんので,どういう痛みになるのかわかりませんから,答えようがありません。
NHK:先週,週末になって,安全保障法制が衆議院で可決になりましたが,知事としてどのように受け止めておられるでしょうか。
知事:盛んに言われてるいのが,必ずしも国民が十分に理解しきっていないということでありますので,政府としては,これから参議院で審議を進めるに当たって,十分に国民の皆さんへの説明をする。そして,国民の皆さんの間から出ている疑問に答えるような形での議論がなされていくことを期待したいと思います。
NHK:知事としても理解が進んでいないというのは感じられるところというのはございますか。支援団体等からもいろいろお声は聞かれているかと思うのですがいかがでしょうか。
知事: 私のところへ直接言ってこられる人はおりませんけれども,国の問題だと捉えている人の方が多いのだろうと思っています。総理自身が,これからより丁寧に説明していくとおっしゃっておられますから,それを信じていきたいと思います。
NHK:県への影響等については,何らかリサーチ等はされているのでしょうか。
知事:それはやっておりません。県へというよりは,県民ももちろん国民ですから,他の県などと同じような形での国民への影響ということになってくるのだろうと思います。したがって,県独自に調査をするようなことは考えておりません。
NHK:県内ですと自衛隊の基地も幾つかございますし,そういった意味では,海外派遣ということも含めていろいろ影響が出てくるかと思うのですがいかがでしょうか。
知事:今,具体的に云々ということは,全然承知しておりませんので,何とも答えようがありません。
NHK:前回の会見でも伺っているのですが,今時点では,賛否というのはいかがなのでしょうか。
知事:それは,私の立場としては申し上げないことにしています。
茨城:2025年の医療需要を見据えた病床機能の見直しをするという地域医療構想についてお伺いしたいと思います。少し前の話ですが,国が,先月,2025年,10年後の病院ベッド数,望まれるベッド数ということで,本県では約2割,約5,000床削減という推計結果を発表されました。都道府県が策定する地域医療構想に反映させていくということになるのかと思うのですが,まずこの数字の受止めと,医療構想の策定に向けたスケジュールや内容などが,今決まっているものがあればお聞かせください。
知事:内容などについては,まだまだこれから検討していくことになってまいりますが,5,000床の削減ということになりますと,とんでもない大きな影響を持ってくると思います。どうも,国の方で想定しておられる現場の状況と,実際の状況はかなり差があるのではないだろうかと思っております。
今,たぶん,県内で病床数が余っていると思っている方はほとんどいないのではないかと思います。
また,これから国の方で在宅医療に力を入れていくという前提での試算になっていると思いますけれども,在宅医療をどこまで進められるのか,医者の数からして,在宅医療ということになると,これまでと比べても,当然ながら一日に診られる患者さんの数は減少してくることになると思います。そうした時に,本県のように人口10万人あたりの医師数などが大変少ないところで,どのような状況になってくるのか,そうしたことも踏まえてこれから検討していく必要があるのだろうと思っています。
茨城:構想策定に関しては,都道府県の権限が非常に強化されたということで,県のほうでコントロールしていくということになるかと思うのですが,急性期の病院が結構多いという中で回復期が少ない。現状,少ない回復期への転換ということも考えられるのかなと思うのですが,ただこれは非常に難しい作業にもなるかと思いますが,県としてどういうスタンスでこの構想を策定していくかというところについてお伺いできますか。
知事:それは地域包括ケアシステムを,これから導入し,広めていくことになっていますから,そういうものも前提にしたうえでの必要ベッド数を計算していくことになると思います。
急性期とその後という形でスムーズに転換していけるのかどうかも含めて,医師会などの意見も,国の試算について,かなり批判的な声も出ているようでありますので,医師会などからも,十分実態を踏まえたご意見を聞きながら,取り組んでいきたいと思います。
茨城:最後に,これに関しては,医師会など医療関係者のほうからは,病床を削減していくに当たって,公的病院が先行してモデルとなっていくようなところを期待されているところもあるかと思いますが,例えば,県立中央病院の今後の役割とか位置づけというところではどのようにお考えでしょうか。
知事:病院のあり方については,だいぶ難しい問題があると思っております。日本の場合に病院の集約が進んでいないのではないか。分散しすぎているために,例えば,二つの病院に別々になっていれば,麻酔科医なども両方に対応できるようにしなければならないとか,いろいろな問題が出てくるわけで,もっと集約したら良いのではないかという識者の意見もありますから,全体的に検討していく必要があると思っています。
茨城:県立中央病院で先行してそのモデルを示していくというような形になっていくのでしょうか。
知事:それは,みんなで議論する中で決めていくことになると思います。
日刊工業(幹事社):それではこれで終わりたいと思います。ありがとうございました。
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