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更新日:2016年11月2日

 

知事定例記者会見における発言要旨161102

この資料は、県政記者クラブとの定例記者会見での発言内容を要約したものです。

 

・第16回世界湖沼会議への本県関係者の出席について(1)

  ※知事記者会見資料(PDF:128KB)

・学校における災害への安全対策について

・茨城県広域避難計画について

・原子力安全協定の見直しについて(1)

・第16回世界湖沼会議への本県関係者の出席について(2)

・原子力安全協定の見直しについて(2)

・環太平洋パートナーシップ協定(TPP)について

・茨城県北芸術祭について

 

(作成:広報広聴課)
平成28年11月2日(水曜日)
11時16分~11時38分 会見室


 ○第16回世界湖沼会議への本県関係者の出席について(1)


読売(幹事社):幹事社の読売新聞です。知事のほうから発表があるということで,ご説明をお願いします。

知事:お手元に資料をお配りしてあると思いますが,今月の8日から11日までの4日間,インドネシア共和国バリ島で開催されます,第16回世界湖沼会議に出席をしてまいります。具体的には,8日の夕方,バリに着いて,11日の0時過ぎ,1時ごろ,真夜中に向こうを立つような格好で行ってまいります。

世界湖沼会議につきましては,ご承知のとおりでありますが,研究者,行政担当官,NGOや市民等が一堂に集まり,世界の湖沼及びその流域で起こっている多種多様な環境問題やその解決に向けた取り組みについて議論や意見交換を行う会議でありますが,昭和59年に滋賀県で開催してから,ほぼ2年ごとに世界各地で開催されてまいりました。

平成7年には,本県で第6回会議が開催されましたが,再来年の平成30年には23年ぶり2回目となる第17回会議が茨城県で開催されることが決まっております。

そういったこともありまして,次期開催地宣言を閉会式に行って,バトンタッチを受けてくる,そのための出張でございますし,またあわせて,いばらき霞ヶ浦賞をずっと授与してきておりますが,その授与式も行ってまいりたいと考えております。

以上です。

 

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 ○学校における災害への安全対策について


読売(幹事社):では,幹事社のほうから質問させていただきます。先月なのですが東日本大震災により津波被害を受けた宮城県で大川小津波訴訟がありまして,約14億円余りの行政の責任が認められたということがありました。行政の責任が認められたことについてどう受け止めていらっしゃるかという部分と,県内での避難状況や呼びかけはどうなっているのかということをお伺いできればと思います。

知事:控訴されているところでもありますように,いろいろな考え方があるのだろうと思います。そして,立場によってそれは変わってくることもあるのかなと思っておりまして,それを公平公正の立場から控訴審で判決が出されていくのだろうと思っていますので,私どもとして,今,その判決についていろいろ意見を言うだけの資料等もございませんので,それは控えさせていただきたいと思います。

それから,県内では,どういうことをやってきたかということでありますが,学校の災害対応マニュアルの策定・見直しを,東日本大震災以降,進めてきたところであります。

また,地域と学校が連携して,地域の実情に応じた防災教育をモデル校で実施し,その成果を防災研修などでの実践発表やホームページを通して県内に広く広めてきたところでもあります。

地域の実情や課題に応じて,さまざまな災害を想定した避難訓練が全ての学校で行われておりまして,特に,小学校や中学校では年に複数回実施する学校も多く,児童生徒が主体的に自分の命を守る態度の育成に努めているところであります。例えば,小学校は実施校100%,中学校も100%という状況にございますし,小学校ですと521校が実施しておりますが,そのうち233校は年に3回ほどやっております。また中学校でも224校で実施しておりますが,149校,半分以上が3回実施をしておるところでございまして,各学校において,それぞれの状況に応じて防災対応の訓練を行っておるところであります。

また,この6月には,全公立学校の教職員を対象に,防災教育指導者研修会を実施いたしました。この中で,大川小学校事故検証委員会に携わった方を講師に招いて,「大川小学校事故の教訓~学校における災害対策への提言~」と題した講演を行ってもらっております。

その講演の中では,例えば,今の学校の災害対応マニュアルについて,避難先,避難路,避難方法などが適切であるかどうかについて,防災訓練などを通じて検証し,常に必要な改善を図っていくべきであるなどといった助言をいただいております。

今回の訴訟判決を踏まえまして,今後は,想定外の大きな被害が発生したときに,児童生徒の命を守ることを何よりも最優先にして対応するよう改めて周知しますとともに,引き続き,学校の安全管理の徹底や防災教育の充実を図っていきたいと考えております。

  

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 ○茨城県広域避難計画について


読売(幹事社):茨城県広域避難計画についてですが,県外避難がまだ固まっていない部分もあると思うのですが,バスの確保や避難訓練などが必要となる中で,進捗状況と今後の見通しをお伺いできればと思います。

知事:県内避難を予定している県内9つの市町村がありますが,避難所データをもとに割り振りの策定作業が進められており,準備が整った市町から,順次,県外の避難先市町村との個別協議を進めているところであります。

福島県内への避難を予定している3市につきましては5月の第2週に,埼玉県内への避難を予定している1市については7月の第4週に,本県と避難先県と共同で避難先市町村との個別協議の場を設け,具体的な協議を開始いたしました。

また,栃木県内への避難を予定している4市町については7月の第4週から,千葉県内への避難を予定している3市町については8月の第3週から,本県と避難先県と共同で避難先市町との個別協議の場を設け,具体的な協議を,順次,開始しているところであります。

群馬県内への避難を予定している水戸市につきましては,今月中に協議が開始できるよう調整を図っているところであり,これにより,県外に避難を予定する全ての県内市町が避難先市町村との具体的な協議を進めることになってまいります。

県としては,県外避難先が早期に確定できるよう,個別協議の状況の把握に努めながら,必要な支援を行ってまいりたいと考えております。

読売(幹事社):時期的にはいつぐらいまでにという目途はありますでしょうか。

知事:UPZ内の14市町村,進捗状況に差はありますが,全体としては,避難計画については,年度内策定を目指しているような状況にあると思っております。

 

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 ○原子力安全協定の見直しについて(1)


読売(幹事社):原子力安全協定の見直しについてですが,東海第二原発に関わる安全協定で周辺首長等は年末にも見直しを求める方向で,今,検討が続いていると聞いております。県のほうとしても,協定に入っている身としてどのような対応をしていく予定なのかという部分をお伺いできればと思います。

知事:原子力安全協定の見直しについては,原電と懇談会を構成する関係市町村との間で締結された覚書,平成26年3月5日のものですが,これに基づいて,現在,関係者間で協議が進められていると聞いております。

したがって,今後,具体的な方向が示されれば,県としても必要な協力をしていくという考えを持っておりますが,今までいろいろ他県の状況を見ておりますと,具体的に現行協定の見直しに踏み込んでいるところはないような状況にございまして,新しい協定等の締結をしているところが7道県ほどございます。そういったところにつきましては,県の立場としては,中には当事者になっているものもありますし,中には立ち会いという形になっているものもありますし,あるいは,あまり関係していないところもあるという状況でございますので,私どもはそういった状況も踏まえながら,できれば,先ほど申し上げた覚書に基づいて,原電と関係市町村との間で方向を出していくのがいいのではないかと思っております。

読売(幹事社):では,首長さんのほうで意向を示されたものを受けてから検討するというような形になるということでしょうか。

知事:はい。

 

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 ○第16回世界湖沼会議への本県関係者の出席について(2) 


茨城:世界湖沼会議について伺います。今回,インドネシアへ行かれるということですが,知事さんが本県開催以外の世界湖沼会議に出られるのは初めてでしょうか。

知事:前はほとんど行っておりました。インドまで行っていて,それよりあとは行っておりませんが,インドまでは私が毎回参加しているところでありまして,私自身が参加したのが,海外でいうと,第7回アルゼンチン,デンマーク,シカゴ,ケニア,インドと5回,海外での世界湖沼会議に参加しております。

茨城:今回は次期開催地の代表として行くということだと思うのですが,合わせて2年後の開催に向けて,視察や現地調査などをされるお考えはありますか。

知事:メインは茨城というものを印象づける,霞ヶ浦というものを印象づけることが大事でありまして,できるだけ多くの方々に参加してもらうようにということを一番の目的にしてまいりたいと思っております。

それとあわせて,会議をどういうふうな形で進行されているか,状況なども改めて見てきたいと思っております。ここ数年間,見ておりませんので,ポスターセッションがどうなっているかとかそういうことも含めて見てきたいと思いますし,あるいは,フィールドワークという形で,開会式の前に現地視察をこの会議の中でもやっていくことになっておりますが,そこには私は参加できませんので,改めて後から行った機会に現地を見てきたいなと思っております。

茨城:本県でも2年後に開催ですが,改めてどのような会議にしていきたいとお考えでしょうか。

知事:これまでの世界湖沼会議が,ややもすれば研究者とかそういった人たちの会議になっていたのを,前回,茨城でやったときに5,000人ほどの一般市民・団体などの方にも入っていただいて,湖沼の保全のためには,地元の人たちが一緒になってやっていく必要があるのではないか,研究だけではだめなのではないか。例えば,汚染水をなるべく減らすには,地元でどういうふうなごみの出し方をすればいいかとか,そういうことも含めて意識改革が必要だろうということを打ち出させてもらいました。前回の大会は,そういった点で成功だったと思うのですが,今回,インドネシアでやるのは,また1,000人ぐらいの規模と聞いておりますので,できたら,私どもとしては,次の霞ヶ浦の大会では,前回の規模まで大きくするかどうかは別にしまして,市民を巻き込んだ形での大会にしていきたいと思っております。

朝日:海外出張ということで経費について知事部局側ではどれほどかかる予定でしょうか。

知事:どういうふうに経費を捉えるかということがありますが,出張に直接かかる経費は20万円から30万円の間でありますが,それに加えて通訳等もお願いすることになりますので,そういったものを合わせると50~60万円にいくかなというところだろうと思っています。まだ正式に積み上げておりませんので,それが終わりましたら,場合によってお答えさせていただきます。

朝日:随行の方の分も含めてでしょうか。

知事:含めてです。

朝日:ちなみにインド以降は行かれていないということでしたが,それは何か理由があるのでしょうか。

知事:インド以降ではなくてインドまでは行ったんです。インドまでは行ったけれども,中国から行っていないということでありますが,これにつきましては,どういうふうにこれに参加するかという点で,知事が参加することがどのぐらい意味があるのか,専門家にもう少し参加してもらったほうがいいのではないかということなども考えて,私自身は参加しないことにしてきたところであります。

ただ,今回は,次回の開催地ということもあって,PRをしてこなければいけませんので,そういったことから参加をしてきたいと思っております。

「Outlook IBARAKI」を見ていただいて,茨城県がどういう県かということをDVDで大いに宣伝もしてみたいと思っております。あとで各社にDVDを配ります。5分ぐらいのものですので。

ベトナムに行ったときに急遽つくったのですが,その後,改訂版をつくりまして,今は日本語,英語,中国語,ベトナム語の4バージョンあります。一枚の中で指定すればどれかで聴ける格好になっていますので。

 

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 ○原子力安全協定の見直しについて(2)


茨城:原子力安全協定の見直しでお伺いしたいと思います。先ほど,覚書に基づいて原電と市町村のほうで方向性を導き出していくのがいいだろうというお話でしたが,これは現行の三者協定を今後見直していくという形ではなくて,原電と市町村で新しい枠組みをつくっていくのがいいだろうというご趣旨でしょうか。

知事:いや,そういうことではありません。いろいろ協議を進める中で,現行協定をなおしたほうがいいのではないかという方向を両者で打ち出すということになれば,県としても,もちろんそれに協力していきます。

ただ,現在のところ,ほかの県の状況を見ていると,現行協定の改定をしたところはない状況にあります。

茨城:では,いずれにしろ,原電と市町村のほうで何らかの結論が出てから県のほうは対応を決めるということでしょうか。

知事:県が引っ張っていってしまうというよりは,市町村の方たちもこれまでいろいろな交渉を積み重ねてきていますので,考えなども自分なりの考えを持っておられることと思いますので,そういったものを出し合いながら一本化していくのがいいのではないかと思います。

茨城:確か前回,東海村や水戸市などでつくっている首長懇談会が開かれたときに,山田村長は近く,県のほうにも何らかの関与を求めていきたいというご発言があったのですが,その後,知事のほうには首長側から要請というのはありますでしょうか。

知事:私のところには来ておりません。事務的に来ているかどうかは承知しておりませんけれども。

(事務的にも要請は)来ていないそうです。 

 

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 ○環太平洋パートナーシップ協定(TPP)について


茨城:TPPの承認案が今日にも衆議院の特別委員会で採決される見通しとなっていますが,公開審議などを通じて問題点とか不透明な部分も出てきていますが,現時点で,知事としてTPPのメリット,デメリットについてどのようにお考えでしょうか。

知事:俗に言われているのは輸出がしやすくなるのではないかということがあるわけですが,一方で,農業などは耕地面積なども狭いですから,必然的に大規模農業に勝てないようになってしまうのではないかとか,特に,畜産業は相当な影響が出てくるのではないかとか,色々なことが言われておりますけれども,今のところ,前に政府が発表したもの以上のものは資料として出ていないものですから,私どもとしても,既に発表している影響試算額以上ものはありませんので,なんとも言いようがないのですけれども,これから,もし仮にTPPが正式に本決まりになって実施に移されていくということになれば,どうやってメリットの方を大きくしていけるか,あるいはまた,デメリットのほうを国のほうでもしっかり対応するということを言っておられるわけですから,それをしっかりやっていってもらうということが大事になってくるのだろうと思います。

茨城:皆さんがそういう不安を抱える中での採決ということになってしまうと思うのですが,国民への説明が十分なのか,議論は尽くされたのか,その辺はどうお考えでしょうか。

知事:ある程度の議論は,相当な時間数,国会で審議していますから,議論は尽くされてきたのだろうと思いますけれども,それで国民すべてが納得するというところまでいっているかというと,それは,まだまだ難しいと思います。これからしっかりと国民の皆さんに国会での議論なども踏まえて,どういうところを国民はもっと知りたがっているのだろうかという点などにも注意しながら,しっかり説明していっていただく必要があるのだろうと思います。

茨城:影響ということでは,特に本県農業への影響が心配されるところですが,その試算の見直しや影響が懸念されているようなところはありますか。

知事:それは,前から発表しておりますように,政府と同じ方式で計算すればいくらになる。その中で,畜産がほとんどであるということは示しているところでありますので,それ以上のものは,今のところ何も,国のほうでも示しておりませんので,新たな計算というのは私どもはしておりません。

ですから,それに基づいて畜産関係などを重点的に,国の対策というものを講じてもらいたいと思っておりますし,私ども県としても,もう既に,例えば,子牛の価格が非常に高くなっている。そういったものについて,今後の畜産経営を考えた場合に,どうすれば良いか,そういった面での対策は講じ始めているところです。

 

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 ○茨城県北芸術祭について


読売(幹事社):前回の会見でも出た話なのですが,一応確認なのですが,茨城県北芸術祭の今後についての考えというのは今のところいかがでしょうか。

知事:できたら今日中くらいに先月末までの入場者の状況を発表させていただきますけれども,私も先般,月曜日に芸術祭の現地を回ってまいりましたが,まあまあ,ウィークデーだった割にはお客さんも来ているという状況にございまして,お客さんの入りという意味では,順調に来ているのかなと思っております。ですから,それがどういう効果を地元にもたらしているのか,あるいは,見に来られた方々が満足して帰っておられるのかとか,そういった面なども含めて検証していかなければいけないなと思っております。

県北へお客さんを呼び込む大変良い機会になっているという評価がかなりの人からいただいているところでありますけれども,一方では,あまりに広すぎてというような意見もありますし,いろんな声がありますから,そういったことも踏まえてこれから対応していきたいなと思っています。

まだ,続けるかどうかということについて,結論を出す段階ではないと思っています。

読売(幹事社):ありがとうございました。 

 

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