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更新日:2016年10月21日
この資料は、県政記者クラブとの定例記者会見での発言内容を要約したものです。
(作成:広報広聴課)
平成28年10月21日(金曜日)
11時17分~11時51分 会見室
朝日(幹事社):幹事社の朝日新聞から質問させていただきます。先日,日本原子力研究開発機構がJMTR(Japan Materials Testing Reactor:材料試験炉)を含む10施設の廃止の方針を発表されました。こういった廃止が示されたことについての受け止めをお教えください。
知事:JMTRについて,最近ですと実は平成21年にも,行政刷新会議の事業仕分けの評価で,凍結の方向が示されたことがあるのですが,そのときには,ぜひ何とか存続に向けて県からも各方面に働きかけてほしいという要請が,機構からあったところでありまして,そういった中で修理をして使っていこうという方向が出されていたものです。
我々としても,JMTRが果たしている機能,安全確保のために大変役に立っているのではないかということも考えて,機構からの要請を受けて活動をした覚えがございます。
そういったことからすると,JMTRが果たしてきていた機能をこれからどうするのだろうか,一部については,多分,国内では代替施設がないから,外国に頼るようなことになるかもしれないといったことも聞いておりますが,それで本当にいいのだろうかと。高速炉の開発をはじめとして,国がどういうふうにこれからの原子力政策というものをもっていくのか。例えば,JMTRの代替炉の建設をするのかどうかといったことも含めて,しっかりした方向を国において早く議論してもらう必要があるのではないかと思っています。
朝日(幹事社):今回10施設のほかに既に32施設の廃止方針を決めていまして全部で42施設ということで,多くが茨城県内に立地されているかと思うのですが,電源三法交付金だとか今後どういう影響が及んでくるかというところはどうでしょうか。
知事:これら(今回の10施設)については交付金の対象施設になっていませんので。
朝日(幹事社):JMTRを含むこれらの施設がでしょうか。
知事:ええ。ですから,あまり関係ありません。
朝日(幹事社):では,そういった影響はないということでしょうか。
知事:交付金については,影響はないと思います。
朝日(幹事社):県としてはこれまでどういう関わりがあったから,先ほどの何かそういう思いをお持ちなのでしょうか。
知事:原子力についての日本の最先端,あるいは世界でも誇れるような拠点として,茨城があるということについては,私どもとしても誇りに思ってきたところでありますので,JMTRが原子力開発の中で極めて大事な役割を果たしているということを,我々としても大変重く見て,前回はぜひ継続してほしいと(活動しました)。
そういう中で,修繕費もついたということで今まで来ていたわけですので,今後,いろいろな事情,改修経費がかかりすぎるとか,改修した後,あまり稼働できる期間がないのではないかとか,いろいろな事情があるようでございますが,そういったことを踏まえた中でのJMTRの果たしてきた役割を今後どうしていくのか,そして,大洗に果たしてその代替炉というものができてくるのかどうか,そういうことも含めてきちんと方針を示すべきではないかと思っております。
この間まで,大事だからというので,我々のほうにぜひ存続できるように要望してくれということを言っておられたわけですから,そういったことについては,我々としては,機構単独で今示されているような形で方向を決めていくのではなくて,国も巻き込んだ形で,今後の原子力政策をどうするのかということをしっかりと議論してほしいと思っております。
朝日(幹事社):今回の廃止方針についてあまりご納得されていないということですか。
知事:これからの原子力政策をどうするかということが,高速炉も含めて,示されていない。そういったことについては国としてきちんと国民に説明していく必要がある。特に地元である茨城県には説明していく必要があるのだろうと思います。
朝日(幹事社):先ほど誇りというお言葉を出されましたが,何かそういう精神的なもの以外にそういう研究炉が茨城にあって,それを茨城がバックアップして応援していくことへのメリットといいますか,県としてのメリットはどういうところにあるとお考えでしょうか。
知事:県としてのメリット,それは一番端的に言えば,働く場所も確保できているということもありますが,今回の10施設について,そんなにたくさんの雇用がされているのかというと,それほど多くありません。
ですから,そういったことよりも,日本で初めて原子の火が灯って,原子力について,平和利用も含めて茨城がトップに来ているということについて,県民の皆さんも大変誇りに思っていることと思いますので,発電という部分ではなくて,そういった点で,研究開発の部門が,今回,新たな方向も示されないままで廃止ということだけ発表されたということについては,別な対応をしっかりしてもらいたいと思っております。
朝日(幹事社):遺憾とまではいかないですか。
知事:どう言っても構いませんけども。
朝日(幹事社):受け止めとしてはいかがでしょうか。
知事:遺憾というか,きちんとしてほしいということですね。
朝日(幹事社):先日,新潟県知事選で原発再稼働に慎重な知事が当選されました。そのことについての受け止めをお教えください。
知事:これからどういうふうになっていくのかわかりませんので,しかもほかの県のことでありますから,いろいろ外野から意見を言うことは差し控えたいと思っています。
朝日(幹事社):どういうことになっていくかわからないというのは,何についてですか。
知事:(柏崎刈羽原子力発電所)6,7号機の取り扱いを含めて,新潟県がどういうふうな対応をしていくのかがわからないということです。
朝日(幹事社):鹿児島県知事選もありまして,そちらでも原発再稼働に慎重派の知事が誕生しています。茨城県知事選も来年9月ごろということで1年を切っているわけですが,そういった知事選での争点に原発再稼働というのはなってくると思いますか。
知事:今後どうなってくるのかはわかりませんので,何とも答えようがありません。
朝日(幹事社):今の段階ではでしょうか。
知事:今の段階でそんなことは全く考えておりませんので,来年の話を今考えてもしょうがないと思っています。
朝日(幹事社):それは,今,橋本知事が次期知事選にということでしょうか。
知事:いや。来年にこういったことが選挙の争点になっているかどうかがわからないという意味です。これからどういうふうに新潟,あるいはまた鹿児島も展開していくかわかりませんから,1年先のことを言っても鬼に笑われるだけですから,言いません。
朝日(幹事社):恐らく福島第一原発事故が大きく影響していると思うのですが,その事故から5年も経ってこれだけまだ影響が続いていて,世論調査もまだ再稼働反対という意識が上回っている。そういう状況を冷静に分析すると争点になってもおかしくないのかなと思うのですが,それでもならないということでしょうか。
知事:ならないとは言いませんし,なっているかどうかはわからないと。今そういうものを考える状況にあるかどうかというと,私がいろいろ言うべき状況にはないと思っております。
朝日(幹事社):そうですか。こういった全国的な流れだとか民意についてもでしょうか。
知事:それはそれぞれの地域の事情,例えば,鹿児島は鹿児島の事情があったのだと思います。原発だけではなくて,ほかのいろいろな話も聞いておりますので,そういったことをトータルに捉えて選挙民が判断されたところですので,一面だけを捉えて,今,議論するような話ではないと思っています。
朝日(幹事社):茨城県知事選挙にも影響があるかどうかということについてはどう分析されますか。
知事:考えたことがありません。
朝日(幹事社):一切ないですか。
知事:ないです。
朝日(幹事社):そうですか。こちらとしては原子力規制委員会の審査が通ろうが通らまいが,新潟県知事選では各候補者が割とスタンスを明らかにして戦ったわけなので,恐らく審査の状況とかあまり関係ないとは思うのですが,そういう状況でも関係ないということでしょうか。
知事:いや,関係ないのではなくて,どうなっているかわかりませんと。ですから,今は何も申し上げる状況にはありません。そういうことを聞かれても答えられる状況にないではないですか。来年の今ごろになって,鹿児島はどう動いているか,新潟がどう動いているかもわからない。ほかの地域で再稼働がもっと進んでいるかもしれない。政府としての対応がどうなっているかもわからない。何もわからないわけですから,その中で答えを求めるほうが,それはマスコミの横暴だと思います。
朝日(幹事社):他県の知事選では,そのことに関する所感を首長さんたちが発言をされているので,自然かなと思ったのですけれども。
知事:それは全然知りません。
NHK:茨城県北芸術祭についてですが,開幕からちょうど1カ月が経ちましたが,知事のお手元にこの1カ月の実績等々,もしございましたらお答えいただければと思います。
知事:今日,午後,ペーパーで発表させていただきたいと思っておりますが,1カ月の時点,10月16日までの30日間の時点で31万4,000人ほど県北芸術祭を鑑賞していただいておりますので,順調にいっているのかなと思っています。
NHK:そうすると,会期をまだ1カ月残して既に目標を達成したというところになるかと思いますが,今後も紅葉シーズンなどとも重なってきて,相当盛況の中で尻上がりに良くなって終わるという見通しも立つのかなと思うのですが,その辺については何か見通し等立てておられますか。
知事:30万人という数字は,越後妻有(えちごつまり)のケースなどを見て,(そこの)初年度の数字と比べて,うちの場合には,観光シーズン,紅葉シーズンでもあるので,倍ぐらいはということで30万人という設定をさせていただきました。
しかし,今,大変多くの方たちが作品の内容そのものについても評価をしていただいて訪れてくれているということでありますから,もっともっと来ていただけるように,今までの状況なども踏まえてPRをしていきたいと思っております。
今日,後で発表になると思いますが,県外の方が27%ということで,県内ではかなり知られてきておりますものの,県外などでは十分に周知徹底しているとは考えられませんので,今後,そういった方面へのPRも含めて力を入れていきたいと思っています。
NHK:目標については個人的なことを言いますと,当初から30万人というのは低い目標だったのではないかというのがあるのですが,ただ,今後2回目,3回目ということを考えますと,ビエンナーレ,トリエンナーレ,その辺について今時点でお考えはありませんでしょうか。
知事:総合ディレクターの南條先生からは,例えば,越後妻有でも第1回目の2000年には約16万人,第6回の2015年には51万人となってきていて,こういったものは継続していくことによって,より効果が大きくなるということなので,できたら継続したほうがいいのではないかというような助言はいただいておりますが,今後,県北芸術祭に参加してくれた人たちの意見なども踏まえて,またその効果なども踏まえて判断していきたいと思います。
NHK:知事さんの頭の中で,皆さんにこういう形で呼びかけようというお考えはありませんでしょうか。
知事:いろいろ鑑賞の仕方がありますので,そういった点では,現代アートというものは大変おもしろい面もありますから,是非現地へ行ってみて,現代アートというのはこんなものかということ,そしてまた,85人の作家でありますので,非常にバラエティーに富んでいる。こういうところまで含めて現代アートというものはどういうものかということを,是非ゆっくり味わっていただけたらと思います。
NHK:都道府県魅力度ランキングの調査結果ですが,4年連続で茨城県がまた最下位であったということで,しかも北関東3県が揃って45,46,47位ということで,イメージ的に全国的に見ると良くないという結果になってしまったわけですが,その辺についての所感,それから今後の取り組みについてお聞かせ頂ければと思います。
知事:調査方法を聞いておりますと,5段階に分けて,「とても魅力的」,「やや魅力的」,「どちらでもない」,「あまり魅力的でない」,「全く魅力的でない」のうち,「とても魅力的」と「やや魅力的」の2つを点数化した結果と聞いておりますが,本県の場合には,たまたま「どちらでもない」との回答が全国平均と比べるとかなり多くなっております。ですから,必ずしも「悪い」ということだけではなくて,中間的な感想を持たれている人が多いのかなと思っておりますが,いずれにしても,魅力度については,全体で77項目あるようですが,そのうちの1項目にすぎませんので,これだけで一喜一憂するということではなくて,茨城県についてしっかりと国内外の皆さんに知ってもらえるような,評価してもらえるような活動をしていく必要があるのだろうと思っております。
そういった点では,今回,認知度がだいぶ上がってきております。あるいは情報接触度が上がってきておりまして,24位ですから,47のうちのちょうど真ん中になっております。ここについては,我々,いろいろ地道な活動を展開していることが結果として表れてきているのかなと思っておりますが,ただ,残念なことには,愛着度,自慢度,若干上がりましたが,愛着度が43位,自慢度が44位という結果になっておりまして,郷土検定などやっておりますが,県民自身が自分の県のことをよりよく知ってもらい,そして発信していくということが大事なのではないかと思っております。
特に,私,いろいろな場所で申し上げているのですが,他の県だと,自分の県の米でもお酒でもどんどん「うちのはおいしいですよ」という形で宣伝するのだけれども,茨城は褒められても,「いやあ,そんなことは」というような格好で謙遜してしまう。こういった県民性なども影響しているのかなと思っております。
ただ,そういったことの他に,具体的・実質的な意味で,例えば観光入込客,平成26年で40都道府県が結果を発表しておりますが,全国で12番目に多い人数の方が来ておられます。ただ,それを地元にお金が落ちる形で上手に活用しているかというと,その部分もまだ茨城は少し下手なのかなという感じがしておりまして,そういった面も含めて,おもてなしも含めて,これから観光客なども増えていって,それが実質的にも地元の経済などにもいい影響を与えるような取り組みが必要だろうと思っています。
NHK:ただ,全国的にどうもこの数字が若干一人歩きをしており,マスコミの功罪も当然あるのかと思うのですが,そこについての受け止めというのは端的にどんなふうに感じておりますか。
知事:それを非常に嫌がられる人と,47位のほうがかえって目立っていいやという人もおられますし,また,この調査をしている会社そのものも,調査結果の販売ということでやっていますので,そういったことをあくまで商売としてやっておられるわけでありますから,我々としては,それに一喜一憂する必要もないのかなと思っています。
NHK:知事さんとしても残念だというよりは,受け流すぐらいの感じでというふうにお考えのわけですか。
知事:私どもとしては,例えば,住みよさランキングとか幸福度ランキングといった形で客観的な評価がされている。そういうことのほうをしっかり見ながら,その順位が上がっていけるように努力をしていきたいと思っています。
NHK:JMTRの廃止の件ですが,先ほどのお話ですと雇用などにあまり影響はないということで,経済上,特に大きな影響はない。むしろ県民の誇りの問題であるとか,そういった部分での受け止めのほうが強いのかなと思ったのですが,特に経済的にマイナスであるとか,そういったお考えは今のところデータとしては上がってきていないのでしょうか。
知事:雇用の面では今申し上げたような形ですが,いろいろな施設などがなくなっていきますと,定期修繕とかそういうときに地元へ入ってこられて泊まる。それによる効果,例えば,旅館の収入,あるいはまた周辺の野菜や肉の購入,そういった面で影響は間違いなく出てまいります。
ですから,そういったことも含めて,機構のほうで方針を出すときには国としてのしっかりした方針を踏まえてやっていくべきではないかと。しかも,我々のほうに,平成21年ですから,7年前には一生懸命JMTRが残れるように県としても応援してくれということで,我々も一生懸命働いたことがございました。そういったことなどを踏まえれば,今後,JMTRの果たした役割,さまざまな研究開発機能を誰がやっていくのだろうかと。それを今,原子力の規制が世界でも一番厳しいということが言われているわけでありますから,それに向けて,側面からその規制を支えるためにもこういう機関というものは必要ではないかと思っています。今後その役割をどこが果たしていくのかということをしっかり示すことが必要だろうと思っています。
茨城:関連で,電源三法交付金は対象ではないということだったのですが,県独自の核燃料取扱税では減収の影響が出てくるのかなと思ったのですが,その点はいかがですか。
知事:JMTRの関係ではそれほど大きな税収にはなっておりません。それから,ほかの研究施設については,例えば放射性廃棄物などについて,保管に対して課税していますが,今の状況からどこへ保管が移るのか,村内の別な施設に移るのかとか,その辺がわからないので,具体的な数字というものは我々も持っておりません。
個別の法人に対する課税ですから,数値を明らかにするわけにもいきませんが,具体的に持っていないのが事実です。
JMTRが幾ら減るかということはわかります。
茨城:新型炉も含めて今後の原子力の研究開発議論を進めていくべきだというお話だったのですが,JMTRの代替施設等も含めて,東海・大洗地区への新しい研究用原子炉の設置とか,その辺への期待というのはありますでしょうか。
知事:期待ということではないのですが,軽水炉機器の健全性評価などについてしっかりやれるものが国内にあったほうがいいのではないかという点で,こういった機能を例えば外国に頼るとすると,それはある意味,他人任せの判断にもなってくるということでありますから,原子力関係の大国でもあるわけですから,国内にきちんと準備しておく必要があるのではないかと思います。
茨城:国内にとなると,東海・大洗地区にというところもあるわけですか。
知事:それはもちろんそうです。国内につくるとすれば,東海・大洗が中心になってくると思います。
東京:災害時におけるペット動物との同行避難についてですが,震災後,長期に避難生活を強いられる人たちが出てきて,全国的にこういう課題が浮上してきていますが,昨年の関東・東北豪雨の際の対応はいかがだったかということと,もう一つは原発の広域避難計画において他県へ避難する人たちが大勢いらっしゃいますが,その辺のペットと暮らせる避難所の確保の状況はどうかという点をお伺いしたいと思います。
知事:ペットとの同行避難ということについては,この間の常総の水害のときには,最終的に課題になってきたのが,自分の住んでいた家に戻れない。長期に住むときにペット同居を認めてくれないアパートなどが多いということで課題になりましたが,幸い,国家公務員宿舎のほうで対応してくれたものですから,それについては解消しております。
我々も,今お話のあったような形で,ペット同行避難をどうするかということについては課題として考えておりまして,昨年は総合防災訓練の中で県が主導してやりました。今年は,総合防災訓練の中で高萩市に主導していただいてペット同行避難の訓練を行ったところであります。
この中では,例えば,避難動物の受け付け,マイクロチップの読み取り,獣医師による健康診断,避難動物のけい留訓練等を実施したところでございます。
また,日ごろから,同行避難に関するチラシ等で啓発を行っているところでありますが,避難訓練の中で,同行避難に必要なケージ,餌などの動物用品の展示を行って,災害への備えについての啓発も行わせていただいたところであります。
原発事故の際にどうするかということでありますが,基本は同じようになってくるのだろうと思っておりますが,かなり数が多くなるものですから,そこについてどう考えるかということは十分に検討していかなければいけないと思っております。
市町村どうしの協議が基本になってくるわけでありますが,県と避難元の県内市町村が意見交換しながら課題解決に努めるように今しているところです。まだはっきりした方針が出ているというわけではありません。
東京:数が多いというのは,避難する人間,ペットの数ということでしょうか。
知事:そうです。
東京:関東・東北豪雨災害では,県営住宅に入れなかったというような一部報道が残っているのですが,このあたりは今後,県営住宅においてどうなのでしょうか。
知事:県営住宅についても当然検討させていただいたのですが,ほかの先に居住している方たちとの関係等もございまして,常総のときにはそこについては実現できなかった経緯がございます。
今後,特に原子力関係などですと,UPZ内の人口も多くなってきますから,ペット同行避難も多くなりますので,それをどうするかということは大きな課題だと思っています。
東京:実現できるように努力するけれども,今後の大きな課題ということでしょうか。
知事:そうですね。基本は市町村どうしでやっていただくことになっておりますが,県としても,かんでいかなくてはいけないと思っています。
茨城:NHK連続テレビ小説「ひよっこ」について伺います。昨日,有村架純さんがいらっしゃいまして,地元では協議会も立ち上がりましたが,これからロケが始まり放映されるということで,本県にとってどのような効果が期待されるでしょうか。
知事:我々としては,やはり茨城というものを知っていただける。昭和39年頃のということになりますけれども,今の状況とは大分違っておりますが,茨城という名前が全国に報道されていくだけでも良い効果が期待できるのではないかなと思っております。そして,特に観光客の方が,ロケを行われたところなどを見に来ていただくということになれば大変ありがたい話でありますし,それに備えて「おもてなし」の体制をつくるだけではなくて,お土産とかそういったものも含めて受入体制を整備していく必要があるのだろうと思っています。
幸い,5市1町プラス県で協議会がスタートしたところでありますので,こういった場を通じて,より積極的に活用していけたらなと思っています。
朝日(幹事社):今時点での橋本知事の次期知事選挙への出馬の意向,お気持ちというのはいかがでしょうか。
知事:それはまだまだ,何も考えておりません。まだ,1年も先のことでありますから。私がさっき横暴だと言ったのは,無理矢理考えてもいないことを聞き出そうとして何度も質問するのは,やっぱり横暴ではないかということで申し上げたわけでして,自分は決まっている,決まっていないとは全く関係無しに,やはり,周りの状況がこれから変わっていきますので,それを踏まえて行動していかなければいけない。それは,何事についてもそうでありますし,知事選についても,そういった点で,今の段階で,こうなったらどうだろうかとか,仮定を置いて考えていくというのは,僕はあまり賢明なことではないと思っています。
読売:都道府県魅力度ランキングの調査結果ですが,「のびしろ日本一。いばらき県」という形で47位をある意味逆手に取ったPRをしていると思うのですが,それを今後も続けていくのかどうかというのと,最下位脱出を目指すのかどうかについてお願いします。
知事:どういうふうにしていくかは相手方(イメージアップキャンペーンの委託先)もあるものですから,県だけで決定しているものではありませんので,それは今後検討していくことになると思いますけれども,続けていきたいなと,私自身は思っております。
それから,最下位脱出ということについては,先程も申し上げましたけれども,最下位脱出というよりは,実利的な面で茨城というものをもっと知ってもらえるような対策というものを積極的に講じていきたいと思っております。例えば,国内外からの観光客をどうやって増やすかとか,あるいはまた,茨城のイメージを上げて,企業誘致にも役立たせるとか,そういった方面でやっていくのが一番必要なことなのではないかなと思っております。
朝日(幹事社):関連ですが,先ほど知事のお話で茨城県民はお酒,お米がおいしいと言うわけではなくて謙遜してしまうような部分もあるのかなという話がありましたが,そういった県民性を変えていこうといいますか何か取り組みをお考えかということと,知事自身が考える茨城の魅力,全国,他県にはないような魅力はどういったものがあるとお考えか,2点お願いします。
知事:県民性を変えるのが良いのかどうか,極めて穏やかな県民性ですので,「自分が自分が」といって出ていかないという面では,ある意味,大変良い面もあります。ただ,世界的,あるいはまた国内の競争というものがこれから非常に厳しくなってきますから,それだけでも済まないだろうと。
例えば,農業でいうと,これまでだと日本有数の広い耕地があったかもしれない。ただ,世界との競争となったら日本は世界の中でも狭い耕地である。そういったこともありますから,自分たちで,そこでできたものを積極的に売り込んでいかなければならない場面も出てきます。
そういった点で,直した方が良い面もあるし,しかし,折角,良い性格として育んでこられたので,そのまま継続した方が良い面もあるという点で,我々としては変えようという気はあまりありませんけれども,ただ,地元をより良く知ってほしいということで,郷土検定などで子どもを中心に,今,地元のことを良く知る,そして,先程申し上げました自慢度とか,そういった点がまだまだ低いものですから,自分の国を自慢できるような,誇りに思うような,そういう気持ちというものを,子ども達を中心に育てていくことが必要なのではないかなと思っております。
それから,もう一つ,茨城の良さということでありますけれども,農業の生産額が全国で第2位,そして,工業が全国で第8位であります。そして,歴史・文化というものも,それなりに由緒正しきものがあるということでありますから,私は非常にバランスのとれた県であると思っております。食料も自給できる,工業製品なども自給できるといいますか,そういう形の県というのは日本には数少ないわけでありますので,「住む」という面では大変に良い県だろうと思っております。それをどうやって,訪問する,観光に来るのにも良い県にしていくかとか,これから観光産業というのは大分重要な産業になってきますので,そういう点について,しっかりと我々としても努力していく必要があるのだろうと思っています。
朝日(幹事社):ありがとうございました。
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