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更新日:2015年3月23日

知事定例記者会見における発言要旨141118

この資料は、県政記者クラブとの定例記者会見での発言内容を要約したものです。

(作成:広報広聴課)
平成26年11月18日(火曜日)
11時18分~11時40分 会見室

 衆議院の解散総選挙について(1)

毎日(幹事社):幹事社の毎日新聞です。まず,昨日,GDPの四半期速報値の結果が出まして,2四半期連続でのマイナス成長の結果が出ました。国の経済政策に対する疑問の声も挙がっていますが,この結果に対する受け止めと国の経済対策に対する評価を改めてお聞かせください。

知事:正直言って,プラスになるものと思っていましたので,びっくりしているところです。
いろいろな原因はあると思います。消費増税だけではなくて,例えば,円安に大分大きく振れたためにその影響を受けている分野もあると思いますし,あるいはまた,今回のマイナス成長の中では在庫調整が極めて大きく進んでいるといったこともあります。そういった諸々の要因が絡みあって,今回の数字になったのかなと思っております。
この数字にこれからどう対応していくかが最も大事になってくると思いますが,在庫調整というのはある意味,これからは在庫積み増しが予測されるわけですから,これは悪い傾向ではないわけであります。
また,他の分野では,どうやって少しでも経済,特に地方の経済が良くなるような政策を講じてくれるかだろうと思っております。今,国の補正予算の話が盛んに出ておりますが,規模がどれくらいになるのかなど,我々としては国の補正予算の編成に大変期待をしているところです。

毎日(幹事社):その大切な時期に,今日にでも解散を表明するという見込みが言われています。この時期に解散をすることと,あわせて消費税率引上げを先送りすると見られますが,知事の所感をお聞かせください。

知事:消費税の再引上げを延期することは,今回の経済指標などを見ておりますと,やむを得ないことなのかなという感じはいたします。
ただ,それにあわせてすぐ解散に結びつくかどうかということになりますと,まずは大変な経済状況に応じてどういう対策を講じるかということが大事になってくるのかなという感じは持っております。

毎日(幹事社):まずは経済政策をということですが,この時期にこの結果を踏まえて即解散するということ自体はあまり好まれたものではないというか,望ましいものではないのではないかというご意見ということですか。

知事:予算編成その他がどうしても遅れていきますので,そういった点で,経済対策などが遅れないようにお願いをしたいと思います。

 原子力発電所の再稼働について

毎日(幹事社):もう一つ,別の質問をさせてください。川内原発に関して,鹿児島県知事が同意の意思を表明しました。記者会見の中では,その同意の理由として,事故のときに国が責任を持つと明言しているとか,立地自治体の市議会と立地自治体と,あと県議会が同意の意思を示し,さらに規制委の評価が出たということを挙げているようですが,一方で,30キロ圏内の中では,現時点での再稼働に対して反対している自治体もあります。つまり,鹿児島県知事の中では,地元の範囲を立地自治体と県という理解をして判断したようですが,この判断について,いずれ東海第二原発でも同じような状況が見込まれますが,どう参考にして,どのように判断していくというお考えをお持ちでしょうか。

知事:私は前々から,国として安全を本当に確約でき,それを地元も納得して地元の方々の賛成を得られるという場合には,そこは再稼働してもいいのではないかと申し上げてきました。また,そのような条件が揃わないところは停止していくということで,減原発ということを前々から申し上げてきているところであります。そういった考えには沿っているのかなと思っております。
ただ,それぞれ地域によって事情がありますから,私としてこの判断がよかったかどうかというようなことをコメントする立場にはありませんが,私の基本的な考え方と違っているものではないと考えております。
ただ,立地自治体の範囲をどうするか等々については,これは原子力発電関係団体協議会,あるいは全国知事会などを通じて,一定のルールを国として示すことができないのかということを前々から申し上げてきているところであります。それぞれの自治体によって事情が異なるという面はありますが,そうは言っても,ある程度のルールというものがあってもいいのではないかというのが,多くの原子力発電所所在自治体の長の声でもあります。そういったことからすると,今回の川内原発の例がこれからのモデルになっていくとはなかなか考えにくいのかなと思っております。
これから本県におきましても,15自治体による協議会的なものができて,12月3日に初会合が開かれることになっているそうですので,そういった会合の結果などを見ながら,県としても対応していきたいと思います。

毎日(幹事社):関連なのですが,つまり,鹿児島県が地元の範囲を立地自治体と県で判断すればよいと判断したことについては,今の時点ではまだそれをベースに考えるわけではないということでしょうか。

知事:そうですね。必ずしも,立地自治体,あるいは立地自治体の議会だけでいいかどうかということについては,今後の検討課題だろうと思っております。

毎日(幹事社):それにあたっては,国が一定の模範を示さないと,立地県だけで考えるには少しハードルが高いのではないかということですか。

知事:国として安全を確約し,地元の合意をもらいたいということであれば,ある程度,全国的に妥当と言われる形の基準というものがあっていいのではないか。法律で決めるとか,そんなにきっちりしたものではなくてもいいですが,立地自治体をどの範囲にするかぐらいのことは,国としても方向を出していくべきではないかと考えています。

毎日(幹事社):現時点で,知事としては,その範囲というのはまだ固めてはいないということですか。

知事:我々県としてどう考えるかは,国としてどういう考えを示してくるのか,そしてまた,地元の自治体がどういう考えを示すのか,そういったことを見ながら判断していきたいと思います。

毎日(幹事社):ありがとうございました。幹事社からは以上です。

 住宅供給公社の破産について

時事:この前,破産手続きが終了した県の住宅供給公社のことでお伺いします。10月末の債権者集会で公社の資産の処分が終わりまして,県に戻った配当が債権として届け出た額の5%にとどまったということなのですが,改めてこのことに関する知事の受け止めをお聞かせいただけますか。

知事:大変大きな負担を県民の皆さんにしてもらうことになったことについては,誠に申し訳ないと思っております。
私が就任した頃も,例えば,十万原開発,今の水戸ニュータウンと呼んでいるところですが,ああいったところも盛んに事業が手がけられているときでした。ただ,私自身としても,虫食いになってしまっていて,利用が非常に難しい形状になっている。そういう現実を踏まえまして,土地の交換を積極的にやって少しでも使えるような状況に持っていけということを職員に命じておりました。当時,バブルの時期というのは,土地を買うのが,ある意味仕事がうまくいっている証明みたいな感じに捉えている職員も多く,かなり無理な場所も買っていたのは事実であります。
そういったことの積み重ねがあのような事態を招いてしまったと思っておりまして,今後,こうした事態を起こさないように,しっかり対応していかなくてはいけないと思っております。

時事:今後同じ事態を招かないようにということなのですが,住宅供給公社の破綻の最大の原因になった平成元年から5年にかけての土地取得の意思決定がちょっとよく分からないということと,あと,責任の所在が曖昧というのが以前から指摘されていたかと思うのですが,先日の県議会の委員会で開発公社に関しては存続という方針が示されましたが,開発公社は,損失補償が解消されたり自立の方向性が示されているかと思うのですが,改めて,住宅供給公社と同じような事態に陥らないために何が大切なのかをお聞かせいただければと思います。

知事:事業の採算性を徹底してきちんと資料に基づいて判断していくことが大事だろうと思っております。今の時期でありますから,いろいろ制約をかけてあることもありますので,私は大丈夫だと思っておりますが,先ほどお話がございましたように,平成元年から平成5年の頃,これは本当にバブルの時代で,土地があれば買ってしまえというようなムードもあった時期でありますので,そのような時期とはこれからは違ってくると思います。当時,土地の価格は上がる一方でしたが,今は逆に下がる傾向にありますから,急いで買う必要もなくなっております。当時は,買わないでいると地価が上がってしまうのではないかということで,若干,買い急ぎをしすぎた面もあるのではないかなと思いますが,今はそうした状況とは経済状況がかなり違うと思います。

 衆議院の解散総選挙について(2)

茨城:アベノミクスについて伺います。安倍政権がデフレ脱却を目指して取組みを進めてきましたが,ここに来てほころびも見えてきました。総選挙になった場合は争点の一つとされていますが,知事はアベノミクスをどのように評価されますか。

知事:デフレ脱却という目指している方向は間違いないのだろうと思っております。例えば,デフレが長く続きすぎたために,日本人の労働者の方々の給与はこの20年近くさっぱり上がってきておりません。逆に海外の給与は上がっていて,そのために日本に海外から人が入りにくくなっているなど,さまざまな面で影響を及ぼしております。デフレということになると,投資もどちらかと言えば消極的な傾向が出てしまうということもありますから,私はデフレ脱却という方向は正しいだろうと思っております。
ただ,消費税率引上げのときのさまざまな対策が,今のところ,必ずしもまだ成果が出ていないのではないか,昨年度,補正予算を組んで打ち出した対策が必ずしも成果につながっていないのではないかとかいうお話もあります。いずれにしても,日本としては全力を挙げてデフレ脱却に取り組んでいく必要があります。そして,成長戦略をきちんと実行していかなければこれからの日本は立ち行かなくなってしまうわけでありますので,批判も結構でありますが,批判の中から次の手が見えてくるような建設的な批判が必要なのではないかなと思っております。

茨城:関連で消費税について伺います。知事は消費税10%を基本的に容認する立場だったと思いますが,今回,引上げが先送りされる見通しということで,県政への影響は今のところありそうですか。

知事:平成27年度に限って言えば,影響はそれほど多くはありません。せいぜい30億円程度です。ただ,平年度化した場合には230億円程度になりますので,私どもとしても,これからの県財政,あるいは日本の財政を考えた場合にはかなり大きな影響があると思っております。

茨城:消費税率再引上げの先送りの時期として,希望はありますか。

知事:景気の状況を見ながらということになってくると思います。できるだけ早くしないと傷は深くなるばかりですから,景気がよくなってきて,状況が許すのであればできるだけ早いほうがいいだろうと思っています。

茨城:衆院選に関してなのですが,知事御自身が特定の政党や候補者を支援するというお考えはありますでしょうか。

知事:ありません。

茨城:先ほどの質問で,アベノミクスに対する是非が争点の一つになるのではないかと言われておりますが,知事としてほかにどういった争点が考えられるでしょうか。

知事:一つには,今の日本で大事なことは,デフレをどうするかということとあわせて,地方をどうするかがあると思います。急激な人口減少・高齢化といったものに地方がどう対応するのか。地方創生と言われていますが,地方創生と言うだけで本当に地域の活性化が実現するのかどうか。どこかでいい施策を出して人を集めればほかの地方は人が減るわけですから,そういった面も含めて地方創生をどうやっていくのかが大きな課題だと思います。
あるいは,日本がこれからパイを大きくするために,成長戦略をどうしていくのか。例えば,平成15年から平成25年までの10年間で,出国者のほうが入国者より40万人多くなっていることなどを考えると,アジアの拠点としての日本をこれからさらに強化していけるのかどうか。大分その地位が下がってきてしまっていますが,そういったことも含めて大きな課題がたくさんあると思います。
こうした課題について,各政党が自分たちの政策をどのように出してこられるか,大変関心を持っております。

 地方創生について

茨城:続いて,政府が出生率に関して1.8という目指すべき水準という形で,目標ではないということをこだわって言っているようですが,国が1.8という数字を出したということに対しての知事の受け止めを教えてください。

知事:数字を出すと,大分批判的な論評が見られるところでありますが,私はわかりやすくしていくことも大事なのかなと思っております。もちろん,それによって女性の産む,産まないの権利に影響を与えようなどということは一切考えていませんが,日本政府として,国が持続していくためにどういう対策を講じるのか。その中でそういう数字が出てくるということについては,必ずしも批判だけすべきものではないと考えております。

茨城:都道府県でも数字を積極的に出してという考え方もあると思うのですが,本県としては,1.8に対していくつを目指すとか,そういった数字を掲げるおつもりはあるのでしょうか。

知事:それは,これから,まち・ひと・しごと創生本部を県でも作っていきますので,その中で委員の方々に議論してもらおうと思っています。

 衆議院の解散総選挙について(3)

茨城:衆院選と県議選が同日選になると見られていますが,同日選になるメリットは,何かお考えはありますか。

知事:別々に実施されると,有権者の方々は選挙に2回行かなくてはいけませんから,何かほかの行事を予定している人たちにとっては,期日前投票はありますが,1回のほうが便利であることは間違いないと思います。
それから,事務方にとりましても,2週連続などになるよりは1回で済んだほうが,1日当たりの労力は多くなるかもしれませんが,事務的には助かるのではないかと思いますし,投票会場,開票会場となる施設を2週連続で一般の方々が使えないようにしてしまってもいいのかといった問題もあります。
また,同日になることによって,県の選挙管理経費が,共通に使える部分もありますので,かなり少なくなるというメリットもあるのではないかと思っています。

茨城:管理経費なのですが,一体どのくらい県にとってはメリットがあるというふうにお考えでしょうか。

知事:試算ではありますが,3億円ぐらい安くなるのではないかという試算はあります。
ただ,これは,これからどういう形になっていくかによって,例えば,14日で同日になるのか,21日にずれてしまって,そちらへ県議会選挙をずらして同日になるのか等々によって,経費がいくら少なくなるのかは変わってきますので,3億円ぐらいで決定しているわけではありません。21日になれば,その額は大分変ってくると思います。3億円というのは14日に選挙が行われればということです。

茨城:仮に21日になった場合,県政への影響,それから県議選も日程を変更ということになるのかもしれませんが,とりわけ県政のほうへの影響というのはどういうふうに考えられますか。

知事:直接大きく影響するということはないと思います。

毎日(幹事社):よろしいでしょうか。ありがとうございました。

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