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更新日:2015年3月23日
この資料は、県政記者クラブとの定例記者会見での発言内容を要約したものです。
(作成:広報広聴課)
平成26年7月1日(火曜日)
11時17分~11時58分 会見室
産経(幹事社):幹事社の産経新聞です。今月から幹事社が替わりまして,7月と8月は産経新聞,東京新聞,フジテレビ,日本工業新聞で担当させていただきます。
まず,幹事社から2つほど質問させていただきます。1つ目は,県内への夏の観光誘客についてお伺いいたします。県内の観光地は,原発事故による風評被害から回復はしてきておりますが,まだ県北や海水浴場などに影響が残っているように伺っております。しかし,県の先日の発表では,県内の海水浴場の水質は大変良好との結果が出ておりますし,県が販売しておりますプレミアム付き宿泊券の売れ行きも大変好評とも聞いております。そこで,夏の観光客を県内に呼び込むためにどのような取組みをされるのか,知事の意気込みも含めて,観光客の入込数などで具体的な数値目標などもあれば教えてください。
知事:具体的な数値目標というのは持っておりませんが,いずれにしても,何とか一日も早く観光客数をもとに戻していきたい,あるいは,それ以上にしていきたいという思いを強く持っております。
特に,全体的に見ればかなり回復傾向が見られるのですが,夏の海水浴客については落ち込みが激しいものですから,今100万人切ってしまっています。何とかこれを,最低でも100万人は超す,去年よりはかなり伸びるような形にしていければと思っております。
どういうことをやるかということについては,今,お手元に資料を配付してあります。そこにも書いてございますが,外来発表というのは,都道府県会館の在京記者会のほうで発表させてもらうものですが,ここには,地上14メートルの妙技・撞舞,それからつくば最大の祭典「まつりつくば」,それから平成26年鹿島神宮式年大祭・御船祭を記載していますが,これらについては,直接,各担当のところから行ってもらって,説明もしてもらうこととしております。
また,そのほかにも,資料に書いてございますように,極めて多くの祭りについて,在京記者会のほうなどでもPRをさせてもらいたいと思っております。
また加えて,ご承知のとおり,プレミアム付き宿泊券を今年度も発行をしておりまして,これが結構売れ行きがいい状況にございます。そして,今年は,特に県外の方々に買っていただくほうに重点を置いているところでございますが,ほとんどのところがもう完売している状況にございまして,少しでも多くの方々に来てもらえないかなという期待をしておるところでございます。
また,特に,7月10日には,「いばらきを知ろう!大キャンペーン」の夏イベントをやらせていただきます。これは,綾部祐二さんとかフルーツポンチの村上さん,佐久間一行さんなどに出ていただいて,そして,茨城のことについて上手なPRをしてもらえたらと期待をしておるところであります。
産経(幹事社):2点目は,今月末に開催されますいばらき総文についてお伺いいたします。いばらき総文には,全国や海外からも含めて2万人の高校生が訪れると伺っております。また,観客も含めると10万人を超える方が茨城県を訪れると伺っております。この中には初めて茨城に来られる方もたくさんいらっしゃると思いますし,やり方によっては,本当に茨城のよいところをPRしたり,茨城に関心を持ってもらったり,茨城のイメージアップにつなげることができる絶好のチャンスと思いますが,県として,何かそういった面で具体的に考えてらっしゃることや,取り組みとして予定されていることがあるか教えてください。
知事:高校生の皆さんには現地活動コースというものを設定しております。県内の観光名所や研究機関など30コースほど準備をしているところでございますので,こういうところをぜひこの機会に見ていっていただけたらと思っております。また,タイ,イギリスの高校生も含めて,積極的に県内各地のPRをしていきたいと思っております。さらに,県立美術館,博物館につきまして,総文祭の間,無料化をしておりまして,できるだけ多くの方々に本県の美術館等々,大洗の水族館も含め見ていっていただけたらと思っております。
また,あわせて,高校生だけではなくて,せっかく多くの方々が来られますので,そういった人たちに対しましても,大会参加者へのチラシの配布や大会ホームページへの掲載によって,県内周遊コースを案内しておるところです。
また,総合開会式におきまして,例えば,式典の前にプロローグで第0部というものを高校生たちが考え出してくれたのですが,この中では科学技術創造立県としての茨城などをPRしていければと思っているところです。
そのほか,県産食材を使用した大会PR商品,大会弁当なども販売をしてまいります。
さらには,大会プログラムやガイドブックで市町村の観光名所等の紹介をするという形で,できるだけ積極的に10万人の方々に向けてPRをしていきたいと思っております。
産経(幹事社):ありがとうございました。幹事社からは以上です。各社,ご自由にお願いいたします。
東京:今朝の与党協議で,憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認で合意しましたが,夕方にも閣議決定がされるようです。県内にも自衛官の方々がたくさんいらっしゃって,ご家族の方もたくさん住んでいらっしゃいますし,それ以前に,県民,国民にとって大切な問題だと思います。憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認について,知事はどのようにお考えでしょうか。
知事:解釈改憲ではないと与党のほうでは言っておられるようでありますので,解釈改憲と考えるかどうかということは別に置いておきたいと思います。
今まで与党協議が11回ほどなされてきたということで,与党の中ではかなり熱心に議論がされてきたかなと思います。
ただ,今まで長いこと守ってきた解釈を変えるということでありますから,それはそれで,もっと時間をかけてもよかったのかなという感じもしております。また,いろいろな世論調査を見ておりますと,メディアによってかなり傾向が違うのですが,さまざまに国民の意見も分かれているようであります。
こういった中で,野党,あるいはまた,国民の皆さん方のご意見というものも十分に踏まえながら,今後進めていく必要があると思っています。
特に,関係法令の改正が必要になってくるということでありますから,そういう場所でしっかりした議論をこれからやっていく。それによって国民の理解を得ていくことが必要なのではないかなと思っております。
東京:これまでの日本の専守防衛政策に変更があるかもしれない,海外で自衛隊が他国に武力行使するかもしれない,そういうおそれもあるのですが,そのための集団的自衛権の行使の容認について,こういった重要な問題を与党協議や閣議決定などで決めてしまっていいのか,この手法についてどのようにお考えでしょうか。
知事:いずれにしても,内閣としてはそういう方向でいきたいということでありますが,国として正式にそういう活動ができるようにしていくためには自衛隊法の改正なども必要になってくるわけでありますので,そこで当然,国会の議論というものがなされていくものと思っております。
我が国を取り巻く状況は,一時(いっとき)と比べれば相当変わってきているわけであります。そういったことに対処するために,抑止力をもっと強めておくといったことも必要なのかなということでありますから,国民の皆さん方がどう判断されるか,それを国会の場で十分に議論していくことが必要なのではないかなと思っています。
毎日:関連での質問なのですが,知事としては,集団的自衛権の行使については,憲法改正の必要があるかないかということについてはどのようにお考えかというのをお聞かせいただけますでしょうか。
知事:これは極めて難しい問題でありまして,政府のほうでは1972年の解釈の延長上だということを言っておられるところでありますが,人によっては解釈改憲ではないかということを言う人もおられます。
そうしたことについて,私から意見を表明するのは控えさせていただきたいと思いますが,いろいろな意見がある,それを十分にこれから議論していくことは間違いなく必要なのだろうと思っておりまして,きょうの閣議決定で終わりということではないと思います。
共同:集団的自衛権の関連で,県内公立高校等において歴史や公民の授業等で憲法を教える機会があると思います。憲法9条だけ見ますと,国際紛争を解決する手段としての戦争の放棄等を謳っております。その中で,海外まで自衛隊が他国の戦争に介入とはいかないまでも,関与していくことができる事実について,憲法9条がある中で,仮に高校生から,どうして日本国の自衛隊が海外に出ていけるのですかと聞かれた場合に,知事はどういうふうに高校生に対してご回答されますでしょうか。
知事:私が直接聞かれることはないと思いますが,いずれにしても,今度の閣議決定に当たっての3要件もあるわけでありまして,自分のところに被害が及ぶのをあらかじめ防ぐ,抑止力を強化するために必要だということが大変大きなポイントになってくるのではないだろうかと思っております。一般的な形での自衛隊の出動はあり得ないということを言っておりますので,自国に関係する3つの要件がしっかりと満たされたときに限っているということでありますから,そこはきちんと高校生などにも説明していく必要があるのだろうと思います。
ただ,いずれにしても,これから法律がどうなってくるのか,法律が改正される場合は,国会で決められるわけでありますから,国民の代表が決めたということになってきます。それについては尊重していかざるを得ないだろうと思います。
NHK:先ほど,憲法の改正は手続きとして必要かどうかということに対して,回答を差し控えたいということだったのですが,なぜ回答を差し控えるのか,理由と併せて,本当に憲法の改正は必要ないかどうか,知事のお考えをお伺いします。
知事:私自身もまだ今の段階ではっきりした答えを持っていないということが一番大きな理由であります。これから十分議論をし,また,考えていかなければ結論は出せないのかなと思っております。
NHK:重ねますが,今の時点ではどちらが正しいのか,知事としてはわからないということですか。
知事:どちらが正しいかわかりません。両方ともそれなりの理由はあると思いますが,どちらが正しいというところまでは,私としてはまだ自分の頭の中で整理がついていません。
NHK:あえて今の段階でどちらのほうが正しいかというふうに問われた場合は,どのようにお答えになりますか。
知事:それは今答えたように,今の段階ではまだどちら(が正しい)ということも私としてははっきり言えないということです。
いずれにしても,閣議決定で内閣の意思は示されてくるわけですので,それを受けた形で,今度はそれを実際に実施に移すために法律改正がなされなければならない。そこでもう一回十分な議論をしていけばいいのだろうと思っております。そこで憲法解釈ではおかしいのではないか,これだけ重要な問題だったらやはり憲法改正すべきだということになってくれば,それに向けての話になるかもしれませんし,1972年の政府解釈に沿った形で,その考えを引き継いだものだということで皆さんが納得すれば,それはそれでいいのかもしれません。最終的には国民の皆さんが決める問題だろうと思っていまして,それを代表しているのが国会なのだろうと思います。
東京:集団的自衛権で,知事は先ほどこれまでの与党の協議が11回あって,それはもっとかけてもよかったのではないかとおっしゃいましたが,それはもっと時間をかけたり,あるいは回数を重ねたりしたほうがよかったというような意味合いなのでしょうか。
知事:与党としてまだまだ十分に納得しきっていない方々もおられるようでありますから,時間をかけてもよかったのかもしれません。要するに,できるだけ慎重に判断していくべきで,これまでずっと長いこと政府として言ってきたことを変えるわけでありますので,それは11回で多いのか少ないのかということになると,そのほかにも別な場所でいろいろな議論されている,あるいはまた,自民党の中でも公明党の中でも議論されていることとは思いますが,私は十分に議論していくことが必要だろうと思っています。なぜそう言うかといいますと,特にメディアでの世論調査などで,意見が非常に分かれております。メディアによって極端に両極化しているような状況にあるわけで,そういったことを踏まえれば,より慎重な議論が必要だろうということを申し上げています。
東京:それは,端的に言うと,まだ早いとか,焦りすぎているとか,そういうことは言えますか。
知事:かなり急いでいるなという感じは持ちますね。焦りすぎかどうかは別にいたしまして,総理にしてみれば,一日も早くしっかりした抑止力をつけて,日本国民の生命・財産を守っていきたい,国土を守っていきたいという思いだろうとは思います。
東京:先ほど,知事は整理がまだできていないという趣旨のお話でしたが,急いでいることが悪影響を及ぼすようなおそれということはお考えでしょうか。
知事:急いでいることによって悪影響になるのかどうかわかりませんが,国民の十分な理解までいっていないということは,影響としてはあまりいいことではないかもしれません。ただ,それは国会の中での次の議論もありますから,そこで十分にしていけばいいのだろうと思いますし,私自身,先ほど,考えがまとまらないというのは,法律的といいますか,いろいろな点から考えて,両方の意見をもっと聞いていかないと,今の段階で,新聞でちょっと読んだぐらいだけで判断するというのは難しいのかなと思っております。
いずれにせよ,いろいろな場所でこの議論がなされていくにしても,どちらが正しいというはっきりした結論はそう簡単には出ないものだろうと思います。
茨城:消費税率の8%引き上げからちょうど3カ月ということで伺います。
日銀の短観が悪化を示すなど反動減の影響が懸念されていますが,一方で想定内とする見方もあります。知事の実感として,この3カ月,県内経済への影響がどうだったか,また,先行きの見通しも含めて教えてください。
知事:いろいろなところが先行き見通しを出していますので,そういったものを参考にしてもらいたいと思っていますし,県で先行き見通しまで示すだけの体制はとっておりませんから,先行きについては控えさせていただきます。
現在の状況ということについては,解釈がいろいろあるようでして,例えば5月ぐらいまでは自動車でも増税前に受注した分があるから生産が盛んだったけれども,そろそろ減ってくるのではないかという話もありますし,いろんなことが言われておりますが,私は,消費税増税後,何とか予想された範囲ぐらいで事態は進んでいるのかなと思っております。
消費マインドが冷え込んでいるかというと,この間,三越日本橋本店でメロンフェアをやったときに,そこの担当の方たちに聞いたのですが,三越に関して言えば,特に食品に関しては,ほとんど影響はないという話をしておりました。ただ電気製品などについては間違いなく影響が出ております。ただしそれも,3月に(駆け込み需要で)膨れあがった分よりも減少幅は少ないということを言っておられまして,今後,電気製品などについても新商品が大分出されてくるといった報道もされておりますから,そういったことによって消費マインドというものをしっかりつかんでいければ,8%へのアップの影響をクリアしていけるのかなと思っております。
茨城:では,今後,回復傾向に向かっていくという見方でよろしいでしょうか。
知事:回復してくれないと困ると思っています。デフレから脱却しないと,日本は本当に沈没してしまいます。ですから,デフレ脱却については,総力を挙げて取り組んでいく必要があるのだろうと思います。それは,政府も地方自治体もそうでありますし,民間の企業もそうだと思います。そういった中で政府が呼びかけて給料アップしたらどうかといったような異例の措置などもとられてきたわけでありますので,何とかこの機会に,デフレ脱却をしっかりと実現できるようにしていかなければいけないと思っています。
茨城:あと,年内にも10%引き上げの判断を決めるということですが,知事として,現時点で10%の引き上げについてどうお考えですか。
知事:昨日,中央教育審議会に出席しましたが,下村博文文部科学大臣がヨーロッパの会議か何かでヨーロッパの担当の大臣と話していたら,4~5兆円かけてこれから日本の教育を良くしたいという話を説明したのだそうです。そうしたら,そんなの極めて簡単ではないかと。消費税を上げればいいのだと。我々のほうは25%だというようなことを言われたそうで,笑っておりましたが,しかし,日本ではそう簡単にはいかないということを言ってきたという話でした。
我々として,これからの教育もそうでありますし,あるいは社会保障関係はどうするのか,そういうことを考えたときに,どちらがいいのか。今のままでいったら,果たして日本の財政は持つのか,日本の財政が破綻したとなると,様々なものが暴落していく。そうなったときに,日本経済が果たして国民の生活を支えられるような形でやっていけるのかということにもなってくると思いますので,より長期的な視野に立って,きちんとした判断をしていくことが必要なのだろうと思います。
そういった点で,ある程度消費の落ち込みが防げているのであれば,私は,将来を考えて引き上げて行かざるを得ないのかなと思います。
共同:広域避難計画についてお伺いします。鹿児島県の川内原発についてなのですが,鹿児島県の伊藤知事が,10キロから30キロ圏の要援護者の避難計画については作らなくてもよいというような発言があり,若干波紋を広げているところがございます。茨城県として,これまで国の指針を示してほしいという,国の指針次第という面もあったとは思うのですが,東海第二発電所について,30キロ圏内の避難計画の策定というのは,再稼働に当たっては絶対の条件と知事はお考えかどうかをお伺いしたいと思います。
知事:国の基準では,30キロメートル圏内は避難計画を作ることになっています。我々としても,今,広域避難計画というものをやはりある程度県として作っていかないと市町村もやりにくいだろうということで,作るべく努力をしております。
一般の方々について避難するということについては,当然のことながらその中でしっかり書き込んでいきますが,どこへ避難してもらうかということも含めて,現在,詰めの作業をやっているところでありますけれども,避難の際に支援が必要な方々について,どういうふうにするかということについては,我々も何度も規制委員会に質問しております。規制委員長にも話しました。ただ,彼らのほうでも明確な答えがない。それで何度も何度も質問しておりましたところ,「ではワーキングチームを作りましょう」ということになり,ワーキングチームがスタートしたところですが,その中でも,具体的な形で,特にそういった配慮が必要な方々について細かい計画を作らなくてはだめですよという話まではいっておりません。これが,もし具体的に,本当に個々の人について計画を作成しなくてはいけないということになってくると,一人について,例えば寝たきりの方や重体で病院に入っている方など,そういった方々を支援する人は何人も必要になってきますから,果たしてできるのかということも問題になってまいります。
そういう方々については,そんなに遠くの方々までは難しいという話が,たぶん,鹿児島のほうの判断なのかと思いますが,そういったことも含めて,我々は我々で鹿児島の例なども参考にしながら検証していきたいと思います。
共同:同様に,原子力規制庁についてなのですが,17日の会見で,要援護者の避難計画は10キロ圏外など離れた地域では避難先を盛り込んだ計画を策定しないで調整することもというような形で,ややマストではないというようなニュアンスの発言もされています。規制庁がそういったマストではないというような見解を今後示していくことになりますと,県としても,10キロから30キロ圏については必ずしも必要はないというような判断をされる可能性も当然あるわけでしょうか。
知事:それはあると思います。ただ,何で10キロメートルなのかというのがちょっと分かりません。今,原子力災害対策重点区域は5キロメートルと30キロメートルに分かれているわけです。以前のEPZの頃であれば10キロメートルという理屈も分かるのですけれども。なぜ10キロメートルなのか,根拠を示してもらわないと,我々としては判断しにくいと思っています。
共同:これについては議論があるとは思うのですが,少なくとも,東海村,水戸市など基礎自治体については,必ず30キロの避難計画なくしては再稼働を認めないというような発言をされてはいますが,国の判断に応じて県は決定していくという姿勢ということでよろしいでしょうか。
知事:我々,最初からそういう話をしてきていますので,10キロメートル以上が云々ということであれば,それはそれとして,我々はその方向に沿ってやっていきますけれども,理屈が何なのかを確認しながらやっていかなくてはと思っております。
NHK:昨日の中央教育審議会総会の関係でお伺いしたいのですが,知事の発言された中で,高学歴の女性の未婚率が増えていることについて,世代をつなぐという道徳観の欠如が背景にあるのではないかというご発言をされていたかと思うのですが,その真意をお伺いできればと思います。
知事:それを言ったのは,実は,下村文部科学大臣がいろいろな場所で説明している資料の中に,国の調査なのですが,高学歴者ほど結婚している割合が高くなっているという資料がありました。未婚の割合が低くなっていると。それはちょっと女性に関しては違うのではないかなという感じを持ったので,その資料には男性のデータだけが示してあったので,女性のデータを確認してみたのです。そうしたら,女性は,小・中卒で就職している人を除くと徐々に未婚率が高くなっているのです。ですから,それを見て,状況は必ずしも学歴とは関係ないのではないですかということを申し上げたかったのです。
そしてもう一つは,国というものを考えた場合に,自分だけ自由で気楽であればいいという世論調査の結果などからすると,きちんと世代をつなぐという考えを,男性も女性も持っていく必要があるのではないかということで,女性とか何とかという意味ではないのです。
私が言ったのは,一つは,高学歴になればなるほど未婚率が低くなるというのは,これは女性については逆ではないかということと,その上で,学歴を高学歴化するだけでは少子化対策には効果が期待できるわけではないので,それよりももう少し,世代をつなぐというような発想といいますか,道徳,特に,下村大臣からは,実は,小・中学校の道徳についての読本なんかの話が出てきたのですが,私が言いたかったのは高校の道徳ということを本当は言いたかったのですが,より社会に出ていく年齢に近い層にもうちょっとそういう考えを持ってもらう必要があるのではないかということです。
自分が今楽しければいいというだけではなくて,自分も年をとったときに,では誰に面倒を見てもらうのかということになれば,やはり子孫ということになってきますので,それを自分の子孫ではなくて他の人が産めばいいんだという発想では,やはり自分勝手すぎるのではないかといった思いを込めて発言しました。
NHK:知事が見られたデータというのは,多分,少子化対策白書なのかなと思うのですが,その中では,20代,30代の男女に限定すると,ともにトップなのが給料の安定が不可欠となっており,そうしないと結婚できないということがトップに挙がっているのですが,それ以上に道徳観というところが必要なのではないかというお考えでしょうか。
知事:経済的理由がという人もけっこう割合的には高くなっているのですが,昨日の文部科学省の関係で言えば,学校の先生が経済的に低いだろうかといえば,決してそんなことはないわけですが,しかし,学校の先生の中でもかなりの割合が未婚です。
こういったことを考えれば,私は,経済的理由ももちろん大きな理由かもしれませんが,やはり,頑張って生活が少し苦しくても世代をつないでいこうというか,そういう発想,そして,昨日は時間が短く,30分で10数人が発言しているので短めにしか言いませんでしたが,一般論として教育を離れて言えば,やはり結婚・出産に対してのポジティブイメージづくりというものが極めて大事なのではないかと思っています。これがどうしてもマイナスイメージばかりを喧伝(けんでん)されるので,結婚・出産ということについて,負担感を覚えてしまうような状況というのは,あまりよくないのかなと思っています。
NHK:総務省では,防災情報の伝達のため公共情報コモンズというものの導入を各都道府県に要請している状況なのですが,茨城県の現状を教えていただいてもよろしいでしょうか。
知事:これは,我々もできるだけ早くやっていきたいと思っています。
6月19日の防災情報ネットワークの会議において,市町村にも公共情報コモンズへの加入を働きかけて,8月中に運用開始できないだろうかということをお願いしております。県ももちろんやってまいります。
NHK:知事としてはどのような効果を期待されるか,一言いただければと思います。
知事:それは,こういった形で広範囲に詳細な情報が流れるということは,防災の面で間違いなくプラスになってくると思っています。
東京:1点確認したいのですが,東海第二発電所を再稼働させる場合,恐らく,法律上の寿命と言われる40年,この延長には高経年化対策が必要になってくると思うのですが,知事の今のお考えでは,40年を超えて運転するということについて,それを容認するというおつもりでしょうか。
知事:それはきちんと科学的・技術的に検証しなくてはいけないだろうと思っています。本当に40年を超して運転しても大丈夫なのかどうか,それとも,今の状況ではだめだが,ある程度の手当て,高経年化対策をすればいいのかどうかといったことなども含めて検証していくべきだろうと思っています。
東京:検証するというのは,規制委員会がということでしょうか。
知事:規制委員会。もちろんそうです。
茨城:茨城空港についてお伺いします。茨城空港がこれまでLCCというものを導入して活路を見出してきたというところがありますが,今後,成田空港がLCC対応のターミナルを整備するなど,他空港の状況もかなり厳しい状況というふうにも見えます。その中で,先日,中央要望や利用促進等協議会で,今後の茨城空港の方向性として,着陸料の引き下げやアクセスの改善,エプロンの拡張などを要望されたわけですが,知事として,茨城空港を今後どのような空港として運営していったらよいか,お考えをお聞かせください。
知事:どのような空港としてというか,私は,首都圏の航空需要はまだまだ伸びる。そして,それに対応するためには首都圏第三の空港が必要であるという発想を強く持っています。それは,海外などと比べて,日本の場合,まだまだ航空利用が少なすぎる。これがもっと活発になってくれば,当然のことながら茨城空港も使わざるを得なくなってくる。その中でどういう特色を出すか,使いやすくしていくかということで,着陸料の話や駐車場の無料化,あるいは500円バスなど,いろいろなことをやってきているわけです。これからもそういったことをきちんとやりながら,茨城周辺だけでも相当な航空需要がまだまだあると思っていますので,それを喚起していくことも必要だと思っていますし,また,海外から来る方たちも,例えば,何度も来ていると,東京,京都はもう経験があるのでほかへ行きたいという人も増えてきます。例えば,台湾の方たちなどは日本びいきで何度も日本に来てくれていますので,地方に目が向き始めている。そういったものの受け皿になれればいいなという感じは持っております。
いずれにしても,茨城空港はせっかく都心から80キロという大変有利な地にあるものですから,アクセスなども改善して,より使いやすい空港にして活性化を図っていきたいと思っています。
茨城:もう1点,関連で,東京オリンピック・パラリンピックに向けて,茨城空港の利用・活用というものを考えたらどうかの意見もあるようなのですが,東京五輪まであと5,6年というスパンになってきましたが,それに向けて,どういうふうに活用していくか,もしお考えがあればお伺いさせていただけますか。
知事:これから東京五輪の状況がどうなっていくのか,それに応じて考えていきたいと思います。例えば,チャーター便がたくさん飛ぶので,成田には満杯で入りきれないと言えば,当然こちらで引き受ければいいわけですし,そういうことを考えていきたいと思います。
日経:JR常磐線の東京駅乗り入れの件なのですが,多分,JRでも調整が大詰めなのかなと思うのですが,先日も県南で期成同盟の会合がありましたが,県としても今まで再三その要望はされてきて,これからさらにもうひと押しというところで何か働きかけていくご予定があるかどうかということと,あと,現段階で,知事の感触といいますか,どのぐらい常磐線の枠を得られそうかというところがもしあれば教えてください。
知事:感触はなかなかわからないというのが本当のところです。ただ,我々としては,熱意は最大限に示してきているつもりでして,最終的な決定に向けて,今度また大会をやって気運を盛り上げていきたいと思います。
それと,そういう熱意だけではなく,JRにしてみれば,実際の利用客を増やしてほしいということにもなってまいりますので,利用客を増やすための対策についても積極的に取り組んでいかなければいけないと思っています。
まだまだ東京延伸ということについて知らない県民の方々が多いものですから,そういった方々にも知っていただく。そして,これから具体的に品川までになるのかどうかといったようなことも含めて,情報をしっかりとJRのほうからもらって,それをPRしていきたいと思います。
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