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更新日:2015年3月23日

知事定例記者会見における発言要旨141023

この資料は、県政記者クラブとの定例記者会見での発言内容を要約したものです。

(作成:広報広聴課)
平成26年10月23日(木曜日)
11時19分~11時43分 会見室

 本県訪問団のベトナム訪問結果について

日刊工業(幹事社):幹事社の日刊工業新聞です。まず,今月の5日から10日にかけて行われたベトナム訪問に関してなのですが,率直な所感と,それから今後どういった動きがあるかといったところについて,お聞かせいただければと思います。

知事:ベトナム側で歓迎をしていただいたところでありますが,我々,様々な分野の方々と一緒になって行きました。それぞれの分野で成果を挙げることができたのではないかと思っております。
例えば,農業関係については,現地をぜひ見て欲しいという話もございましたので,ナムディン省,ドンタップ省というハノイ,ホーチミンからかなり離れたところを訪問させていただいて,ベトナム農業の実情というものを拝見してまいりました。そして,向こうからはハイテク農業をやりたいという声があがったのですが,ベトナム全体としては,まだまだそこにいきなりいくような状況ではないのではないかといったような感じで向こうとはいろいろ話をしてまいりました。
あるいは,農産物や食品をどのように売り込むかというための関係者も行ってくれたわけでありますが,その中で常陸牛については,シェラトンハノイホテルに,常陸牛肉販売推奨店としての海外第一号店となっていただくことができました。
そして医療関係では,チョーライ病院というところが筑波大学と協力関係が大変深いものですから拝見してまいりましたが,そこでは,例えば,診療科によっては1つのベッドに2人で入院するといったような厳しい実情なども拝見をしてきたところであります。
そういうトータルの中で,今後どうしていくかということでありますが,昨日,(株)茨城技研さんが向こうに事務所,工場をつくりたいという発表があったようでございますが,そういったことに加えて,私どもとしてはこれから農業技術者の交流ということについてまず取り組んでまいりたいと思っております。向こうからこちらに5人ほど技術の専門家の方に研修に来てもらう。そして,こちらから経験者を向こうに送って,関係者に集まってもらって講習会を開くといったことをやっていきたいと思っています。
今後については,順次,いろいろな交流を深めていければと思っております。

日刊工業(幹事社):今,工業というワードが出てきたのでそこに触れさせていただきたいのですが,日頃から中小企業の社長さんに取材しておりますと,ベトナムに工場を持っているといったところもちらほらとありまして,今後こういった動きも増えてくると思っているのですが,ベトナムが県内企業の海外進出先として,どういった魅力があるのかというところについて,知事として実際に行かれて思われたところをお聞かせいただければと思います。

知事:人口が9,000万人を超していますので,市場としても大変魅力的なところだろうと思っております。それは,工業製品の輸出,農産物の輸出,そうした諸々のことを含めて言えることではないかと思っております。
また,人件費がまだまだ安いということもありますので,向こうへ進出して,その面でのメリットを得たいという企業も出てくるのではないかと思います。
人件費が安い割に大変優秀,真面目な国民であるということを聞いていますので,そういった点でもメリットが出てくるのかなと思います。
今回は,我々がどう感じたかということよりは,参加した企業が直にどう感じたかということが重要であろうと思っておりますし,向こうからは,既に農業関係で覚書を結んでいるのですが,それ以上に工業関係の企業に来て欲しいという強い期待は感じてきたところであります。

 再生可能エネルギーの固定価格買取制度の見直しについて(1)

日刊工業(幹事社):再生可能エネルギーの固定価格買取制度の見直しに関してなのですが,県内ではメガソーラーの設置がかなり進んできている中で,こうした方面に影響が出る国の動きかと思うのですが,現段階でこうした動きをどのように受け止めていらっしゃるか,また,国への要望などございましたらお聞かせください。

知事:昨日の関東地方知事会議でも,急にこのような話になったのでは事業者のほうも対応のしようがないのではないかといったような意見,あるいは,自然エネルギーをもっと広めていこうという流れに水を差すことになるのではないかといった意見もありました。
ただ,私自身としては,電力のベストミックスというものをしっかりと国が定めながら,自然エネルギーをどのように導入していくかということを考えていく必要があるのだろうと思っております。若干性急すぎたのかなという感じもしておりまして,(太陽光発電で,)42円という価格で設備認定を取っていながらなかなか工事に入らないといったような事業者もいると聞いております。
私としては,技術の進歩,機械設備も進歩があるわけですから,そういったものを踏まえながら順次導入していくという方向のほうがよかったのではないかと考えております。いきなり今のレベルでの太陽光発電施設ばかり作ってしまっても,今後の自然エネルギーをどう活用していくのか,それから,ドイツのように産業用と民生用と電力価格を変えていっても国民が納得できるのかどうかとか,様々な視点があるわけです。
そういうことも考えた上で,今後自然エネルギーの導入をどうしていくかということを,これからさらにベストミックスの議論がされていくわけですので,その中で議論していけばいいのではないかと思っております。

日刊工業(幹事社):幹事社からは以上です。では各社お願いします。

 国道354号鹿行大橋の落橋について

NHK:国道354号鹿行大橋の落橋についてお伺いします。設計の想定以上の力が溶接部分に加わって破断したとする事故原因についての受け止めと,今後どのようにご遺族に説明をしていきたいのか,教えてください。

知事:今までももう既にいろいろご説明をしてきているところでありますし,また,私どもとしましては,その後の調査をいろいろ行いまして,鋼管部の溶接部分というのは一般的に経年的に腐食をしていくわけでありますが,今回の場合,残った杭の溶接部でJIS規格の所要の強度を満足しているということを確認しております。JIS規格では,溶接部の引張強度の基準値が400ニュートン パー 平方ミリメートル(N/mm2)ということになっているのですが,測定値は446ニュートン パー 平方ミリメートル(N/mm2)あったわけでありまして,そういった点からいうとJIS規格は満足をしている状況にあります。
ただ一方で,ご承知のとおり,想定外といいますか,大変大きな衝撃を受けたということで耐えられなかったわけでありますので,そこについては我々のほうで想定することは不可能であったのではなかろうかと思います。
そういったことも含めて,遺族の方々には何度も接触しておりまして,現在もできるだけわかりやすい形で説明し,納得してもらえるように努力をしているところです。

NHK:今,想定外というお話がありましたが,県としては今回の事故というか橋の崩落について,責任というのはどのように受け止めていますか。

知事:設計荷重以上の地震力を受けたことよる杭の溶接部の破断ということでありますので,県の管理責任というものはないものと考えております。

NHK:一方で,緊急輸送道路にも指定されていた道路で,平成17年にはいわゆるパイルベント形式と言われる橋については,国交省のほうからも腐食の可能性があるので点検をしなければならないという言い方では確かにないのですが,したほうがよいという言い方で通達があったわけですが,それにもかかわらず橋脚部分については点検をしていなかったわけですが,その点はどのように考えますか。

知事:今申し上げましたように,仮に点検をしたとしても,JIS規格を上回っていたわけでありますから,そこですぐ何らかの補強工事をやるといったようなことは,なかなか考えにくいのではないかなと思います。

NHK:ただ,それは壊れていないところの測定値であって,壊れたところの測定値が本当にJIS規格内であったかということはわからないわけですよね。

知事:すぐ脇の杭で測定していますから,それは同じようなものだったのだろうと思います。その近くのものから推計するしか方法がないわけですので,そういった点では我々の考えていることに間違いはないと思います。

NHK:一方で,新しい橋を隣につくることを理由に,点検とか補強の対策がおざなりになっていた部分はないのでしょうか。

知事:新しい橋を建設中ですから,若干そういう可能性はあったかもしれませんが,それで必要なことを怠っていたということはないと思います。義務的にやらなくてはいけないことを怠っていたということはありません。

 再生可能エネルギーの固定価格買取制度の見直しについて(2)

読売:先ほどの再生可能エネルギーの固定価格買取制度のことで,知事のコメントの確認ですが,若干性急すぎたのではないかというのは今回の電力会社の動きではなく,太陽光発電の導入のスピードが性急すぎたのではないかというご趣旨ですか。

知事:そういう趣旨です。

読売:そうすると,もともとの国の制度に何らかの問題があったと知事は認識しているということでいいのでしょうか。

知事:国の制度に問題があったというか,例えば,運用方法として,我々自治体は,どういう企業がどれだけの規模で太陽光発電を行おうとしているかなどといったことも一切わからないわけです。国のほうにはそういう申請が提出されていると思いますが,県のほうには一切ない。その中で全部受け付けていったということが,私は少し性急だったのではなかろうか,ベストミックス20%を考えているのであれば,その中で,時の変化に応じてやっていくということを考えていかなくてはいけないわけでして,特に,メガソーラーシステムについてはどんどん性能が良くなってきている面もあるわけです。例えば,これが導入された頃ですと,大まかな数字ですが,1ヘクタール当たりで500キロワットぐらいだったものが,今は,5割増しぐらいまで場合によっては伸びてきているということなどもありますから,そういう諸々のことなども想定しながら進めていく必要があったのではないかと思います。

茨城:再生可能エネルギーの固定価格買取制度が見直しされるということですが,本県へのその影響は考えられますか。

知事:本県の場合に,太陽光発電をやりたいという申請が非常に多くなっていると聞いております。ただ,具体的にどの企業がどこでという話までは我々は掴んでいないものですから,どういう影響があるかは,はっきりは申し上げられません。
ただ,これからどういう形になっていくのか,申請があったものを全部認める方向でいくのか,もう電力必要量に対して設備容量としては十分だから一部はもう認めないという方向でいくのか,不安定電力の割合があまり高くなってきては困るのではないかとか,いろいろな意見が出てくると思いますので,そういうことも踏まえて考えていく必要があるので,どういう影響があるか,今,県内にどれだけあるのかもわからないものですから,何とも答えようがありません。
我々としては,きちんと地方自治体に,どの企業からどういうふうな規模で太陽光発電を行いたいという申請が出てきているかということを示してほしいと言ってきているのですが,それが公開されていないということも大きな課題だろうと思います。

 都道府県魅力度ランキングの調査結果について

茨城:改めて都道府県魅力度ランキングの調査結果の話をお聞きしたいのですが,2年連続で最下位となってしまいましたが,率直なご感想をお聞かせください。

知事:魅力度というのが観光魅力度的なものになっている。一点豪華主義という形で,一つでも日本中に知られているようなものがあるとそこはぐっと魅力度が上がってしまうという調査方式になっているのではないかと思っています。
我が県としては,トータル的に県民の皆さんが住んでよかったと思える県を目指すという点からいえば,住みよさランキングのほうが大事ではないかと思っております。こちらについては100位以内に7市が入るということで,全国でも有数の地位にいるわけでありますし,1人当たり県民所得も全国で6番目になっているということからみても,魅力度調査にそんなにこだわる必要はないのだろうと思っています。
ただ,一点豪華主義かどうかは別にして,これからの時代,できるだけ交流人口を増やしていくことが大事でありますから,観光スポット等については我々としても精一杯その知名度アップに努めていく必要があるのだろうと思いますし,また,点ではなく線にするような観光,それは本県だけではなくて,ほかの県も含めた形で広域観光を進めていく必要があると思っています。
本県でもスポット的には有名なところはたくさんあるわけです。例えば,アントラーズと言えばみんな知っているわけです。鹿島と言う名前も知っているのです。ただ茨城に結びついてこない。海外へ行くと,つくばと言うと日本でも有数の有名な地名です。しかし茨城と言ってもわからない。この間,仁川へ行ったときにも,仁川市の市会議員の方々が茨城ってどこだと言うので,つくばのあるところだと言ったらすぐわかりました。そういう形でスポットとしては知名度が高いところがたくさんある。茨城という形でなかなか有名になりきれない。それはそれで我々としてどこまで執着するかということはありますが,できるだけ茨城という名前を知って欲しいということで茨城港という名称にもしたし,茨城空港にもしているわけですので,茨城の名前がより知れ渡っていくように努力をしていきたいと思います。

 日本産科婦人科学会の調査結果について

NHK:悪い数字の話ばかりで恐縮なのですが,人口10万人当たりの産科医師の数が全国で最も少ないという日本産科婦人科学会のまとめについて,どのように受け止めておられるか,またそれについて,今後の施策として子育て支援という中で重要になってくると思うのですが,何らかお考えのことがあるのかどうか,その辺をお聞かせ願いたいと思います。

知事:日本産科婦人科学会に確認したところ,この数字はまだ正式に公表されていないものであるため資料をお渡しするわけにいかないということで,私どもは正式には聞いておりません。我々として正式に掴んでいる情報は,厚生労働省が実施している医師・歯科医師・薬剤師調査による数字しかないわけでして,この調査による産婦人科の医師数は,10万人当たり7.1人ということで,全国で41番目になっておりまして,平成16年と比べた数字があるのですが,平成24年には若干上昇しています。
また,今回,ほかの新聞に書いてありましたが,本県は,産婦人科医の医師数の伸びが今後10年間で全国で2番目になるだろうという推計もされております。そういった点で,NHKさんの報道でもありましたが,6つの項目すべてで全国平均を下回っている9つの県には本県は入っていないわけでして,将来を見た場合には,大変いい数値が示されているということもありますので,これからさらに産科医の確保に向けて努力していきたいと思っています。

 指定廃棄物について

東京:指定廃棄物の処理問題についてお聞きしたいのですが,間もなく市町村を対象にしたアンケートの集約期限を迎えると思うのですが,これは住んでいる住民にとって,その市町村がどのように考えているのか,もしくは首長がどういう方針を持っているのか知りたいとは思うのですが,この結果の公表について知事はどのようにお考えでしょうか。

知事:これについては,環境省のほうで当然考えていると思いますが,あまり秘密にするようなことでもないと思います。トータルで発表されるのか,個別に発表されるのかわかりませんが,いずれにしても,どういう状況であったかということは公にしながら,それを前提にした次の議論に進んでいかなくてはいけないと思っています。

東京:中間取りまとめというか県がとりあえずまとめると思うのですが,取りまとめた段階で,この市町村はこういった回答をしているということは公表するお考えはおありですか。

知事:県はそれをまとめて直接環境省へお渡しする。その取扱いをどうするかは環境省のほうで考えてもらうということになると思います。

東京:公表については環境省の方針でやるということでしょうか。

知事:はい。

 まち・ひと・しごと創生本部について

茨城:9月の議会ででも地方創生本部,地方創生プランに向けて県庁内でも新たな組織で対応していくというようなお話があったと思うのですが,どういう体制を今後進めていかれるのか,お考えがあればと思います。

知事:国のほうでもまだ法律は通っていない段階でありますので,我々としてもその動向を見ながら進めていく必要があるのだろうと思っております。
とりあえずは,まち・ひと・しごと創生本部というものを国も作っておりますので,県としてもそれを設置するための準備会議的なものを作っていきたいと思っておりまして,副知事か政策審議監などをトップにして,次長クラスで作っていこうかと思っています。

茨城:そうしますと,スケジュール的なものは具体的にはまだ決まっていらっしゃらないということでしょうか。

知事:準備会議ですから,できるだけ早く立ち上げていきたいと思います。

日刊工業(幹事社):それでは,終了させていただきます。ありがとうございました。

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