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更新日:2015年3月23日
この資料は、県政記者クラブとの定例記者会見での発言内容を要約したものです。
(作成:広報広聴課)
平成26年10月1日(水曜日)
11時15分~11時40分 会見室
共同(幹事社):それでは,よろしくお願いいたします。まず,1点目が広域避難計画における県外避難についてです。9月26日に,国,県,避難先の5県を交えた会合が東京で開かれまして,県のほうから説明,避難の受け入れの要請などを行われたそうですが,各県の反応と今後の進め方について教えていただきたいと思います。
2点目が東海再処理施設の廃止について,29日の日本原子力研究開発機構の改革案で発表されましたが,県税収や地元等に与える影響など,県としての所感をお願いいたします。
知事:まず,1点目の広域避難計画の関係ですが,26日の会議には,本県の東海第二発電所に特化した会議だったものですから,我々のほうからもお願いして,福島,栃木,群馬,埼玉,千葉の5県の担当者の方々にも出席をしていただいたところであります。
そこで,本県のほうから説明し,それに対して各県のご意見をいただいたところであります。概ね理解はしていただけたのかなと思っておりますが,いろいろ具体的な質問もいただいたところであります。例えば,国が検討するとしているPPA(Plume Protection Area:放射性プルーム通過時の被ばくを避けるための防護措置を実施する地域)の範囲が50キロメートルとなると栃木県も入ってきてしまうのではないか,そのときにどう考えるのかといったこととか,あるいは,自家用車の避難を原則としているようだけれども,駐車場の確保をどうするのだろうかとか,いろいろ具体的なご質問を受けているところでありますので,こういったことを踏まえまして,さらに本県としての考えをしっかりと示して,それぞれの県にご理解をいただきたいと思っております。
今後,どういう形で具体的な避難場所を各県に確保してもらうかということが課題になってくるのだろうと思っております。
それから,もう一つの点,東海再処理施設について,廃止という方向が打ち出されたわけでございますが,私どものほうでも,その後どうなるのだろうかということは大変心配しているところでございます。安全面の体制がどうなっていくのか,あるいは雇用の関係がどうなっていくのか,あるいは県や市町村の財政関係にどういう影響を及ぼしていくのか,そういった諸々のことについて,日本原子力研究開発機構のほうからもご意見をお聞きしているところであります。
まず,安全関係でありますが,安全関係については,新規制基準に適合させるため,これからいろいろな対応はしていくということを聞いております。
それから,雇用の面でございますが,これにつきましては,当面,高レベル放射性廃液の固化・安定化処理のため,ガラス固化技術開発施設やプルトニウム転換技術開発施設の運転を継続すること,これらの運転に必要な各種施設も運転を継続していくことなどから,雇用にすぐ影響が出てくることはないということを聞いております。東海再処理施設で約650人の方が働いておりますが,そういった方々の雇用にすぐ影響が出てくるということはないものと考えております。
また,財政面でございますが,電源三法交付金の扱いがどうなるのかということが一つの課題でありますが,これにつきましては,原子力機構だけでも対応できないものですから,(関係先と)検討をされているようであります。
それから,私どものほうでお願いしております核燃料等取扱税の課税客体である使用済み燃料の受入れがなくなるわけでございますので,この部分については,核燃料等取扱税をつくった段階の収入が確保できないことになってまいります。これについては,私どもの県税の欠損,足りなくなるということになってまいりますので,核燃料等取扱税を財源として計画をしている事業をどうするかということになるのだろうと思います。
共同(幹事社):補足的に2点お伺いさせてください。1点目の広域避難計画につきましては,52万人を想定されているということで,福島第一原発事故でも区域から出られた方は大体10万人を少し超えるぐらいということで,規模として福島第一原発事故の5倍近い人が動くことになるのですが,その具体的な実行性をもたせるには,さらにどういったことを各県と詰めていく必要があるとお考えかという点と,2点目の東海再処理施設については,核燃料等取扱税についてどの程度の欠損になり,具体的に何億円出る見込みかというのがもし分かればお願いいたします。
知事:まず,第1点でありますが,例えば,避難所で一人あたりどのぐらいのスペースを用意するのかから始まって,具体的に検討していく過程でさまざまな問題が出てくるだろうと思っております。
今回,公の席で皆さん方に集まってもらって説明したのは初めてなものですから,それぞれの県に,具体的に避難所となるような場所を探していただくということがこれから一番大きな課題になってまいりまして,運営の方法なども含めて詰めていくということが大変大きなテーマになってくるのかなと思っております。
それから,もう一つの収入面ですが,核燃料等取扱税は今後5年間で約90億円ほどの税収を予定しておりますが,そのうち欠損は20~30億円の規模になってくるのかなと思っております。
読売:機構改革に関連してお伺いします。福井の新型転換炉のふげんの燃料が,再処理のために約40トン程度,東海再処理施設内にあると伺っております。当然,再処理をやらないとなれば,東海再処理施設に置いておく必然性がなくなるわけでございますが,海外再処理というオプションも示されているところではございますが,県としては,今後,機構に対して使用済み核燃料40トンについてどのような対応を求めていかれる予定でしょうか。
知事:どちらにしても処理はしていかなくてはいけないわけでありまして,原子力機構のほうでは,今おっしゃられたとおり,海外委託の方向で検討していると聞いておりますので,私どももそういう方向に進んでいくのだろうと思っております。そのようになればこちらのほうには使用済燃料はなくなってくるわけですので,その保管施設の処理も含めて,具体的な形で進んでいくのかなと思います。
我々としては,やりようがないわけですので,原子力機構のほうで,海外で,具体的な名前としてアレバ社などが挙がっているようでありますが,そういったところへ処理を委託していくということであれば,それはそれでいいのではないかと思っています。
茨城:消費税の増税から今日で半年ということで伺います。当初は,反動減は限定的という見方がありましたが,現在,消費動向の遅れなどを示す指標も出ています。知事の実感として,今の景気,消費増税の影響というのをどのように見ていらっしゃいますか。
知事:8月の経済動向の数値も余り芳しくないという報道がなされておりますが,特に今年8月の場合は,天候不順が大分影響したのかなと思っておりまして,これからもう少し様子を見る必要があるのではないだろうかと思っております。
ただ,地方においては,中小企業の皆さん方,直接輸出していないということになると,下請単価が上がっていない一方で,電力料金その他,原材料も含めて上がっているということで,円安の影響が,みんなが期待しているような形では必ずしも進んでいない面もあるのかなと思っております。
そういった点で,これからさらに政府として景気回復に力を入れてもらわなくてはいけませんし,我々としても,公共事業の執行その他に力を入れていきたいと思っています。
茨城:消費増税3ヶ月のときにも同じ質問をさせていただき,知事が鍵として消費マインドということをおっしゃっていましたが,消費という面ではどうでしょうか。
知事:消費については,天候不順のために旅行などが差し控えられたとか,いろいろなことが言われておりますので,そういった影響がどのくらいになるのか,9月の動向も十分注視していく必要があるのだろうと思います。
茨城:10%の引き上げがもう来年予定されておりますが,安倍首相もニュートラルということをおっしゃっていますが,現段階として,知事は10%引き上げについてどのような意見をお持ちですか。
知事:私自身としては,日本の,国の財政ということを考えた場合に,しっかりした体制をつくっていかないと世界中から不安がられます。財政が不安になってくると,今の円安でも大変厳しい状況にあるわけですが,さらに相当なスピードで円安が進んでしまうかもしれません。日本の信用確保のためにも財政面をしっかりしていくことが必要なのだろうと思っていますので,いろいろ心配される部分についてはしっかり対応し,その上で消費税引き上げを成し遂げていかなければいけないのではないかと思っています。
NHK:指定廃棄物の関係でお尋ねしたいのですが,環境省からアンケート調査が始まっていると聞いているのですが,今後どういうスケジュールで進めていってもらいたいというか,このまま放置しておくというわけにもいかないと思うのですが,知事としては,いつ頃までにどういったことを決めていきたいと考えていますか。
知事:今の予定では,10月28日までに市町村からアンケートを県へ提出してもらうということ,それから,10月31日に県から環境省へアンケート結果を提出するという予定が組まれております。それ以外の点についてはまだ環境省でも方針が決まっていないようでありまして,私どもが決める話ではないものですから,環境省がどう対応していくか。環境省としては,アンケートの取りまとめに若干時間がかかり,その後で市町村長会議をやっていきたいと考えているようですが,その具体的な日程等は示されておりません。
前回の市町村長会議から今回のアンケート実施まででも相当時間がかかってしまっているものですから,我々から環境省には,いつやるのかということは年中意向を聞いてきたところですが,栃木県や宮城県の関係もあるのかどうかわかりませんが,今まで,結果的に伸びてしまっている。これからできるだけ早急に対応を決めてもらう必要があるのだろうと思っております。特に,フレコンバッグとか,あるいは防水シートとか,今,そういう形で保管されているところもある。それがだんだん劣化もしてきますので,方向をしっかり早く出してもらう必要があるのではないかと思っています。
NHK:今,早くという話があったのですが,知事としては,どれくらいまでには最低でも決めてもらわないといけないとお考えですか。
知事:その期限というのは別に考えておりませんが,できるだけ早くやってほしいなと思っております。
NHK:もう1点なのですが,アンケートの対象としては市町村が対象になっていて,茨城県側の意見というのは特段聞かれていないのですが,県としてこういうふうに処理をしてもらいたいという意見をする予定はありますか。
知事:我々としては,市町村の意見を集約して,市町村の大方の意向を踏まえてやっていきたいなと思っております。ですから,県として今どちらの方法がということは考えておりませんで,例えば,一元化・集約して処理したほうがいいと考えるところが多いのか,本県の場合には放射性物質濃度が特別高いものもないので,それぞれの今の場所で保管したほうがいいのではないかという意見がたくさん出てくるのか,その動向に大変関心を持っているところです。
NHK:先ほど核燃料等取扱税の関係で,20~30億円の欠損が生じるというお話だったかと思うのですが,確認なのですが,これは年間20~30億円ということでよろしいのでしょうか。
知事:1年ではなく,5年間でです。
NHK:そうすると,年間にすると4億円から6億円,5億円から6億円となるでしょうか。
知事:そうですね。4億円から6億円ぐらいの範囲で。それは我々が想定したものよりはそのぐらい減ってくるだろうということで,かなり核燃料等取扱税の大きな部分がここにかかっていたものですから,影響は少なからずあると思います。
NHK:1兆円の中の4億円から6億円ということなのですが,確かに影響としては少なからずあるのかなと思うのですが,知事として,その辺はどのように対処するお考えでしょうか。
知事:1兆円の中の4億円から6億円というよりは,一般財源としてという点では,そのウェートよりははるかに重要性は高いのだろうと思っております。これをどうするかについては,一応,核燃料等取扱税の税率などを決めていくに当たっては,需要と財源を見ながら決めていますので,予定した需要について,これまでの予定どおりに一般財源を使ってもやっていくのかということになってくるのだろうと思います。それは事業の必要性を見ながら判断していきたいと思います。
NHK:別の財源の確保という方向には今のところお考えにならないですか。
知事:あれば何でも一般財源を確保したいというつもりですが,法定外税などの独自の財源は見いだしにくいような状況にあります。
茨城:いばキラTVが今日で2周年ということなのですが,知事として,これまでのいばキラTVの成果と今後の課題についてお考えをお聞かせください。
知事:皆さんで一生懸命やってきておりますが,残念ながら十分に視聴者数が伸びているかというと,まだまだ十分ではないという感じを持っております。ここ数年間で,例えば,平成24年度で1日平均3,426人,今年度は9月27日現在で14,700人ということで,かなり増えた形にはなっています。ただ,300万県民のうちの14,700人ですから,そういった点では,普及という面で十分ではないのではないかと思っております。
今,2周年記念特別番組などを組んでいるところですが,できるだけ多くの県民の皆さんに関心を持ってもらえるように内容を充実していかなければいけないと思いますし,また,あわせて,県民の皆さんだけではなくて,これはインターネットテレビですから,その特色をどういかしていくのか。世界中で見られるわけですので,そういったことも踏まえてこれから先の方向を決めていく必要があるのかなと思っております。
例えば,平成24年度にライブ配信したガールズ&パンツァーなどは非常に人気が高かったですね。それから,最近でいいますと,高校野球の関係の番組などについてもそれなりに見てくれている人がいる。あるいは,今年度は,鈴華(すずはな)ゆう子さんが出演する夜のライブ番組が人気があると聞いております。こういったものをどうやって少しでも多くしていくかということが課題だろうと思っています。また,教育庁との連携も深めているところでして,県庁を見学に来る小学生向けに事前に見てもらう番組を制作,例えば,イバライガーが庁内を案内するような動画なども配信しているところでありますし,いじめ対策や英語教育など先進的な取組みを実施している学校を紹介する番組も制作しております。教育関係などにいばキラTVを使うのは大変いい方向ではないかなと思っていますので,そういったことも含めてこれから努力をしていかなくてはいけないと思います。
茨城:いばキラTVの場合は国の震災等緊急雇用対応事業という財源を使われていると思うのですが,来年度以降,またこの財源が確保できるのかという見通しはどうでしょうか。
知事:平成27年度までは大丈夫です。平成28年度以降どうするかということになってきますから,来年度が極めて重要な年になる。ですから,今日の庁議でも,いばキラTVをどうしたら県民の皆さんが一般財源を使っても残していいのではないかと言われるような番組にするかということについてしっかり検討するように指示をしておいたところです。
産経:茨城空港の関係でお願いいたします。中国の春秋航空が,高松と上海,佐賀と上海を結んでいる路線について,それぞれ上海経由で広東省の深センまで路線を延伸するということを発表しました。この2つの路線は,高松便が週4便,佐賀便が週3便ということで,もともと茨城空港より便数が少なくなっています。茨城空港のほうの便数が多いというのは,当然需要があるからだと思うのですが,今回の深センまでの延伸の対象に茨城空港からの便が入っていないというのが非常に不思議に思ったのですが,知事はこの辺についてどのようにお考えでしょうか。
知事:これは,僕は,直感的に,茨城-上海間だけで十分なお客がいる,搭乗率が高いために,深センへ伸ばしていっても航空会社としてはメリットはないのだろうと思いました。
高松,佐賀と比べて,本県の場合,搭乗率は圧倒的にこちらのほうがいい状況になっておりますので,そういう感じを最初にこの記事を見たときに思ったのですが,案の定,春秋航空に確かめても,今の段階では延伸するだけの座席の余裕がないということを聞いているところです。
茨城-上海間につきましては,今月31日から週2便増便されることになっておりますが,そういう搭乗客,搭乗率の状況ということもあって,延伸ということは検討されていないのではないかと思っています。
毎日:核燃料等取扱税に関してなのですが,新たに税制のあり方を見直して,新しい課税措置をとることを検討しているのか,それとも,今回,全く使用済み核燃料がなくなるということで税自体を廃止するのか,そのあたりの今後の方向性について,知事は現在どのように考えていらっしゃいますか。
知事:核燃料等取扱税の一部が今回,収入として見込めなくなるかなというところでありますが,新しい課税期間が今年度から5年間ということで始まっていますので,私としては,とりあえず今の制度を変えようという発想は持っておりません。結果的に予定額が入らなかったということになってくるのだろうと思いますが,それはこれまでも結構あったことであります。いろいろな事故などが起きる,運転が停止する,そういった都度,予定していた税収が入ってこなかったという経験は持っております。
共同(幹事社):これにて終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
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