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更新日:2016年3月17日
この資料は、県政記者クラブとの定例記者会見での発言内容を要約したものです。
(作成:広報広聴課)
平成26年3月20日(木曜日)
11時15分~11時45分 会見室
朝日(幹事社):幹事社の朝日新聞です。よろしくお願いいたします。
幹事社から,大きく2点についてお尋ねをしたいと思います。
まず,第1点目ですが,新中核病院についてなのですが,一時の合意とは違った形になりまして,使える交付金も大分減ったように思います。
先日,両市の市長が県庁に来て知事にお会いになったかと思うのですが,両市長からどのような報告があって,知事はそれに対してどんなお考えをお持ちかというのを教えてください。
知事:ご承知のとおりの報告であり,新中核病院については,県西総合病院のほうから病床数を一部移して,予定どおり進めていくけれども運営は筑西市が担う。そして,県西総合病院については,病床数を縮小した上で残していき,その運営は桜川市が行うというような報告でした。
私としては,具体的な方向を早期に建設推進会議などで議論し進めてほしいと思っています。特に,医師の確保,看護師の確保ということについては,県自体も非常に苦労しているところでありますので,病床数300床ということになると医師や看護師について相当な人数が必要になってきます。これを確保していくためには,今から必死で頑張っていかなければならないということで,そういった面での考慮も促したところです。
朝日(幹事社):医師確保なのですが,県としては,今後,どのようなサポートができるとお考えでしょうか。
知事:我々も,これまで各医科大学などといろいろ交渉を行ってきていますので,そういう中で顔がつながっているところに対して応援を依頼していくといったことはあると思います。また,地域医療支援センターを設置して,医師不足地域に対する医師の配置を行っているわけですが,今後は本県の地域枠の卒業生が出てまいりますので,新中核病院が何年後に出来上がるのかにもよりますが,そういった面でも協力していけるのかなと思っています。
朝日(幹事社):次に,原電が周辺の自治体と結んだ覚書と覚書に基づく事前説明についてお尋ねをします。
まず,覚書の内容についてどんな印象を持たれましたでしょうか。
知事:ご承知のとおりの内容でありますので,安全協定締結ということについてはっきりした方針が今の段階では示せないということで,その前の段階の覚書ではないかと思っております。いずれにしましても,これから安全審査を踏まえ,東海第二発電所の今後に係る判断を求めるときの前までには,安全協定について結論を出していくということでありますから,これはこれで結構なのではないかと思っております。
朝日(幹事社):覚書に基づく事前説明については,説明後,理解を求めるということにもなっているようなのですが,申請内容について,現時点で理解が得られそうな内容であると思われましたか。
知事:この間,原子力所在地域首長懇談会で合同説明会をやったばかりですので,まだ今の段階で予測というのは難しいですが,私としては,安全審査の申請そのものについては反対はしない。申請内容についてしっかり専門家がチェックするということでありますから,これはこれでいいのだろうと思っております。
朝日(幹事社):関連で,広域避難計画についてお尋ねします。
先日,新潟県の泉田知事が,国の制度を変えないと有効的な避難計画はなかなかつくれないのではないかと発言されています。柏崎刈羽は46万人ぐらいいるようなのですが,46万人全員を避難させるというのは現実とは乖離をしているのではないかというような発言でした。
現状の制度で,知事は,茨城県の広域避難計画はきちんと実効性のあるものがつくれるというようにお考えでしょうか。
知事:県としてどのレベルまで実効性のあるものにしていくのか。例えば,災害時要援護者の避難について,これは市町村でやっていくわけですが,例えば,東海村の周辺5キロメートル以内にも相当数の病院とか老人関係の施設などがありますから,そこを一人一人についてまで体制をつくらなければいけないのか,その場合どのぐらい実効性が担保できるのか,支援する人を確保できるのかといったこと,また特に,昼間,みんなが働きに行っているときと夜とでは人員構成などが違ってまいりますから,そういうことも含めて考えていくのかどうかなど,どの程度まで作り込む必要があるのかということについて,今,国のほうともさまざまな協議を行っているところでして,ワーキンググループの中で詰めていくことになると思います。
朝日(幹事社):県民の関心は,県の広域避難計画だと思いますが,策定の時期については,現時点でどのようにお考えですか。
知事:ワーキンググループで具体的にどの時期までに煮詰められるかということによってくるのだろうと思っています。今,いつということはちょっと言えません。
朝日(幹事社):先般,予算特別委員会で答弁なさっていましたが,ワーキンググループ,茨城県のものについてはまだ1回ですよね。今後の予定というのはあるのですか。
知事:全体として決めなければいけない共通のものと個別の地域のものと出てくるのだろうと思っていまして,全体としてのものについては,何回か開催しております。
そして,茨城県に限ったものについては1回しか開かれていませんので,これから徐々にそういったことを詰めていく必要があるのではないかなと思っています。例えば,スクリーニングをどこでやるかなどといったことについては,とりあえず現地を離れて,その避難所へ行く段階でスクリーニングをやるといったようなある程度の方向は示されてきたところでありますので,そういった課題について一つ一つ解決していく必要があるのだろうと思っています。
東京:東海第二原発の適合性審査申請についてお聞きしたいのですが,知事は,審査の申請自体については理解を示されるというようなお考えだと思うのですが,先日,原電から県などの一部自治体の職員に示された安全対策とか過酷事故対策などを実行すれば,津波とか地震の自然災害とかテロがあった場合にも,炉心の溶融や格納容器の破裂,核物質の拡散など,そういったことは防げるというふうに理解されているのでしょうか。
知事:それを審査していくのが国の原子力規制委員会でありますし,我々も並行して県の原子力安全対策委員会で検証していくということになると思います。
それから,一応の説明は受けておりますが,内容についてはまだ確定したものではないということです。例えば,ほかの県の例ですと,安全審査申請した後で変更したという例もありますので,そういったことも含めて,今の段階でこれで絶対というような判断は私どもとしてはまだできない状況にあります。
東京:では,知事としては,あくまでも適合審査の申請に形式的に理解を示したというような捉え方でしょうか。
知事:私としては,今までいろいろ改善してきたその結果について,規制委員会のほうで判断してもらうということは,いいことではないかと思っています。それで不備があれば,指摘してもらって直してもらう。再稼働するかどうかは別であるということで,例えば防潮堤についても,使用済み核燃料があるわけですから,つくるのは安全確保のためにいいことではないかと。ただ,それが無駄な投資になるかどうかについては,原電でしっかりした判断をしてほしいと思いますが,再稼働しなくなるリスクがあっても,使用済み核燃料などの安全確保のために必要だという点で,私としてはつくることには反対しない。ただ,それが再稼働ということと結びつくものではないということです。
東京:知事は,適合性審査は再稼働には結びつかないとおっしゃっているのですが,先日,核サ研(核燃料サイクル工学研究所)の東海再処理施設の運転再開について,県の原子力安全対策委員会が開かれたのですが,結局,国の原子力規制委の決定を追認して終わったと理解しています。施設は違うのですが,原子力規制委員会が,東海第二原発は新しい基準を満たしていると判断した場合に,県の原子力安全対策委員会というのはやっぱりそれを追認するしかないのかなというふうに捉えられました。この申請が事実上の再稼働申請になるのではないかというふうな捉え方をしたのですが,その辺いかがでしょう。
知事:それは,今回の各市町村との覚書でも,再稼働申請と結びつくものではないということははっきり書いてありますし,また,私のほうからもそういう念押しは原電の社長にしているところでして,向こうもその点については了承しております。
東京:例えば,原子力規制委員会が規制基準を満たしていますよという答えを出した場合に,知事が,住民の不安が拭えないとか,実行性のある避難計画が立てられないとか,そういった理由で政治的に再稼働を止めるということはあり得るのでしょうか。
知事:例えば,この間の3月10日,参議院の予算委員会で,原子力規制委員会の田中委員長は,住民が安心できなければなかなか再稼働には結びつかないと発言し,避難計画に住民の理解が得られなければ再稼働は難しいとの認識を示しているわけです。
そういったことについては皆さん共通のものがあるのだろうと思っておりまして,私どもとしては,いつも申し上げていますように,原子力安全対策委員会の検証,原子力審議会の審議はもとより,県議会,そして市町村とのしっかりした話し合いを行っていくことが必要なのだろうと思っております。
東京:その上で知事が判断をするということですか。
知事:私がといいますか,例えば,福井の例などを見ていましても,市町村も議会も全部一緒になって考えて結論を出しているわけです。そういったやり方をどうするのかについて意見はあると思いますが,我々としては,その段取りについても,国にもし何かの考えがあるのであれば,各県ばらばらということでもおかしなことになりかねませんので,国として最低このぐらいはこういう形でやっていくといった方法を提示することについて,原発立地道県でつくっている原子力発電関係団体協議会,私が会長を務めていますが,この協議会としても国に申し入れしております。
東京:わかりました。ありがとうございます。
NHK:今の質問に関連してなのですが,安全審査の申請が仮に適合となった場合なのですが,その後の手続きに対して,基本的には国がまず判断してほしいと,常々,知事はおっしゃっていると思うのですが,そこでいうところの国というのは規制委員会のことなのでしょうか。仮に適合となった場合,もう少し具体的に,どういうことが可能になったら運転が再開できる,もしくは運転再開できないなど,現状で,知事がどういう手続きを経たら運転再開ないし運転しないという,流れになっていくのかなというところをもう少しご説明いただけますか。
知事:よく言われていることとして,安全性の確認だけではなくて,国としてエネルギー政策上本当に必要かどうかということがあります。今は,いっときと違って,やや減原発,原発を少しずつ減らしていこうというような政府のほうの考えも見え始めているところでありますので,そういう考えに沿った上で,先ほど申し上げたような,エネルギー政策上どうしても必要な原発かどうかということを,政府として判断していくということだろうと思っています。規制委員会だけでは安全性の審査ということに限られてまいりますので,それだけではなくて,政府が,きちんと国全体としてこれは必要だということを判断して,再稼働を国としては認めたいという話になる。そのときに,県として,先ほど申し上げたような,再チェックを十分にしていく。そして,有識者の意見だけではなく,議会の意見,地元の市町村の意見といったことを聞いていくということになるのだろうと思っています。
NHK:今,地元の市町村という話があったと思うのですが,知事の中では,その地元の範囲というのはどこを指していらっしゃるのですか。
知事:これは非常に難しい問題でして,UPZの30キロメートル圏内について避難計画をつくるということになっていきますと,今までのままというわけにはなかなかいかないのではないかと思っております。
ただ,それが30キロメートル圏内全部なのかどうかということについては,今後,いろいろな状況を見ながら判断していくことが必要になってくるのだろうと思います。
NHK:今の表現でいうと,もしかすると30キロ圏内の自治体の判断というのが地元の判断ということになる可能性もあるということですか。
知事:可能性としてはあり得ると思いますけれども,そこまで広げる必要が本当にあるのかどうかという感じも持っております。
NHK:それは,ひいて言うと,安全協定の見直しの議論というところと密接に絡んでくると思うのですが,どこまでを地元とするかという,この安全協定の範囲拡大をするか,しないかという議論の中に,県が今の段階だと議論には入っていないと思うのですけれども,より主体的に参加する可能性ないし必要性というのはあるのでしょうか。
知事:これは,例えば,県が入って,ある県の場合,どの原子力発電所は何キロメートル,どの原子力発電所は何キロメートルというように,違っていいのだろうかということもありますので,できるだけ客観的に見て,このぐらいはしっかりとやっておくべきではないかという方向を国として統一した形で出してもらうことがいいのではないかと思っています。
NHK:それは,立地の協議会(原子力発電関係団体協議会)のほうでも,例えば,国のほうに要望を出したりとかというのは今後あり得るのですか。
知事:新基準への適合性が確認された後,どういうふうに手続きを進めるかということについて,国として考えはあるのか,ある程度考えをまとめたらどうかということについては,絶えず申入れしているところです。
NHK:ありがとうございます。
日経:茨城空港の件なのですが,ちょうど先日,開港から4年が過ぎたと思うのですが,2つほどありまして,まず1つが,先月,運航されたミャンマー便の件なのですが,こちらが5便合わせた全便で大体55%ぐらいの搭乗率だったと伺っていまして,やや低迷したかなという印象も持つのですが,一部で,県が広報活動を,もうちょっと頑張ってもよかったのではないかなという声も聞こえてくるわけなのですが,そのあたりについて,もし振り返って,思われるところがあれば教えてください。
知事:例えば,成田からのミャンマーへのツアーなどを見ておりましても極めて厳しい状況にあります。そういう中で,私どもとしては,今後のミャンマーとの関係を考えた場合には,ぜひ早いうちからいろいろなつながりを強めていくことが必要ではないかということで,今回もミャンマーへのツアーを企画させていただいたところであります。
県の努力が足りなかったのではないかというお話ですが,全便実施できたということだけでも私はかなり成功だったのかなと思っております。搭乗率は確かに6割未満ということで低かったですけれども,私どものほうでの広報というのは,例えば,企業等訪問だけでも約370社に行っています。あるいはまた,新聞広告への掲載,これは,栃木県の新聞を含めて掲載をしております。それから,チラシの配布を3万枚ほど行っておりますし,いろいろなセミナーを開催したりなど相当力を入れたつもりでありまして,関係者でいろいろ「行かないか」という声をかけあって,身近な人に行ってもらった例もありますし,議会も協力してくれました。あるいはまた,商工会なども協力してくれました。そういう点では,県の努力が足りなかったということは私はないと思います。
日経:もう1点,知事の後ろのボードにも書いてありますが,福岡便・名古屋便ですが,明るい話題として,今度,就航があるわけなのですが,開港から4年も過ぎたということで,改めて利用促進策や,あるいは路線誘致などの考え方についてご所見を教えてください。
知事:神戸と札幌については,ある程度,落ち着きつつあるのかなと思っていまして,これから福岡,中部という航路ができますので,これに全力で取り組んでいく必要があるだろうと思っています。
福岡などの場合は,福岡空港へ着いてすぐ電車を利用して,近くの観光地,ほかの県へも行けるわけですので,そういった面なども大いにPRをしながら,できるだけ多くの方に利用してもらえるようにしていきたいと思っています。
それと料金がまるっきり違ってくるということで,時間と料金の面での大きなメリットがありますので,そういったこともしっかりと示しながら,いろいろな場所に,旅行代理店なども含めてPRをしていく必要があるのではないかと思っています。
もう既に,結構多くのツアーを計画していただいておりまして,最初に行かれた方が良さを宣伝してもらえれば,さらに需要の拡大につながっていくのかなと思っております。
今回の場合は,こちらから,福岡方面,名古屋方面に行くツアーだけではなくて,インバウンドといいますか,茨城に向こうから来てもらうツアーも何件か既に組まれているところでございますので,口コミという形でも広がっていってくれればありがたいなと思っております。
例えば,福岡空港から九州各地への移動ということになりますと,例えば,佐賀県ですと特急で約40分で行ってしまいます。長崎も比較的近いということで,ハウステンボスなどを訪れるツアーなどもかなり組まれているようでありますので,お互いの土地の特色をPRしながらこの路線の活用を進めていきたいと思っています。
日経:ありがとうございました。
日刊工業:同じインフラ関連で,北関東自動車道が全線開通してから3年が経過したと思いますが,港湾との関係なのですが,特に常陸那珂港区にどんな波及効果があるか,ご感想があればお伺いしたいのですが。
知事:常陸那珂港区との関係で言うと,我々としては,もう少し航路を増やしていく必要があるのだろうと思っています。これが増えてくれば,北関東自動車道の利用者も相当増えてくるのではないかと思っています。
まだ3年と言っていいのか,もう3年と言っていいのかわかりませんが,3年経って,結構利用者は増えてきていると思います。茨城の近くになると少し少なめな感じもしますが,我々としては,何とか観光客なども含めてもっともっと利用を増やしていきたいと思っております。
ひたち海浜公園もあれば海水浴場もあるということで,栃木とか海を持たない県の人たちにとっては大変魅力的な場所になっているのではないかと思います。そういった観光地を巡る,あるいはまた,魚を食べる,さまざまなほかの県では経験できないことができますので,そういう面をもっともっとPRしていきたいと思っています。
茨城:来週には県職員の人事が発表されるということですが,今回の人事異動では,どのような点に重点に置かれているのでしょうか。
知事:適材適所。いつもそう言っていますが,それに尽きるわけです。
ただ,今回の人事の中で報道されてはおりませんが,県北振興監をつくるとか,あるいは,国際政策統括監をつくるとか,そういった形で,いろいろ新しい時代の必要に応じた形での組織づくりというものになっていますので,そういったところに誰が座ってくるのかというのは,皆さん方,関心はあるのだろうと思っております。そういう時代に合わせた対応をするために,いろいろ体制づくり,組織づくりをしたということも言えるのではないかと思います。
あと,若干ですが,女性の登用ということもございます。そんなに一気にたくさんというわけにはいきませんが,例えば,こちらへ戻ってくる予定だった副市長さん方もなかなか地元の事情で戻れなくなったといったこともあって,必ずしも十分とは言い切れませんが,ある程度の女性の登用は図ったつもりです。
茨城:ありがとうございました。
NHK:先週,ベトナムのチュオン・タン・サン国家主席が来られ,農業分野での連携を深めるという中身の覚書を交わされました。例えば,晩さん会などで,国家主席との間で具体的なアイデアか何か話し合われたり,今後,注目できそうなことというのはありますか。
知事:夕食会の中では,周りの人からの挨拶が多く,あまりゆっくり話すということはできませんでしたが,ちょうどベトナムの4つの省の人民委員会の方たちが来ておられました。それぞれに農業に非常に熱心でして,茨城と交流を深めたい。農業農村開発大臣が一生懸命4人のことを私に紹介して,ぜひ協力してやってくれというような話をしておりました。うまくいけば,JICAのお金などを活用させていただいて,向こうの方たちをこちらで受け入れる。農業実習という意味ではなくて,農業制度を勉強するとか,農業の研究分野での勉強をするとか,そういう形のことができていけばいいなと思っていますし,また,場合によっては,向こうのいろいろな組織などをつくる農業振興のための体制づくりという点で,こちらから職員を派遣する。そういったことも含めて,今,検討をしているところです。
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