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更新日:2015年5月26日
林業ミニ情報No.122(平成26年3月発行) |
1.華川中学校で木工教室を開催 | 太田林業指導所 |
2.「木の駅プロジェクト美和」による薪の展示即売会が開催される | 大子林業指導所 |
大子林業指導所 | |
4.「手賀ふれ愛の森を守る会」の活動状況について | 鉾田林業指導所 |
5.森林湖沼環境税を活用した事業に関する展示を実施 | 土浦林業指導所 |
〔林産情報〕素材・製材品価格及び新築住宅建設の動向 | 林業技術センター |
1.華川中学校で木工教室を開催
今回の木工教室は、時間を2時間取っていただいたため少しでも長く木材に触れて、木の色や匂い、また肌触りなどを感じ取ってもらいたい思いから、お箸を1人につき2膳作ることにしました。1膳は木そのものの素材を活かし、もう1膳は天然塗料のニス(色付き)を塗ったものを作りました。 生徒達は、初めてのかんなかけに苦戦している様子で、最初の1面、2面はほとんどの生徒がきれいに削れませんでしたが、徐々にコツを掴んでスムーズにかんなを使えるようになり、2膳目は形の良いお箸を作ることが出来ました。 次にサンドペーパーで表面の研磨を行いました。生徒達は、まだザラザラした状態のお箸の表面をサンドペーパーで擦り「熱いっ」と言いながらも作業を続け、お箸を完成させました。 完成したお箸のうち、1膳は天然塗料のニスで塗装し、赤・青・黄色と様々な色できれいに仕上げました。完成したお箸を手にした生徒達からは、「早く作ったお箸で食べてみたい」「もったいなくて使えない。部屋に飾ろう」などさまざまな声を聞くことができました。 今回、寒さの中での体験でしたが、かえって金属類とは違い、木材にはぬくもりがあることを感じることができたようでした。 この体験を通して、森林の大切さや木のすばらしさを知り、これからも森林・林業に更に興味を抱いてもらえればと思います。
<常陸太田林業指導所> |
2.「木の駅プロジェクト美和」による薪の展示即売会が開催される
会場で販売された薪は、常陸大宮市内から集められたコナラを一年以上乾燥させたもので、一束(長さ45センチメートルのもの)450円で200束が販売されたほか、今年の秋から利用する薪として300束の予約がありました。購入者は、県内全域と県外では千葉県野田市など遠方から買い付けに来た人もいました。 購入者の年代層は30代から60代の夫婦や家族連れが多く、薪ストーブに利用するのに安くて良い薪だと評判でした。今回のイベントに際し、茨城新聞や読売タウンニュースに掲載されたことも功を奏したようです。 薪ストーブのメーカーも、煙突を設置した状態で会場に実物を展示し、実際に薪を燃やして暖かさを体感させるなど、工夫を凝らしたイベントとなりました。 今後も薪の製造販売は継続され、現在2,000束のストックがあり、随時電話での受付を行っており100束以上から配送可能です。 なお、薪の使用に当たっては現在、放射性物質にかかる指標値が40ベクレル(乾重量)以下のものを使用することとなっており、木の駅プロジェクト美和では検査機関で放射性物質の検査を行い販売しています。 また、当日は薪の販売の他に高部地区の魅力探索ツアーも開催されました。ツアーは高部地区から高部館(たかぶだて)を探索するコースで、同地区は鎌倉から戦国時代の宿場として発達し、現在でも木造三階建の建物や登録文化財に指定さている民家など明治、大正、昭和の雰囲気を残す町並みが残っています。高部館は13世紀末から約200年にわたって高部氏が治め、1504年に山入の乱が終わると佐竹・東氏の代官が治めましたが、徳川家康によって佐竹氏が秋田に移封され高部館は廃止されました。 ツアーには、30名が参加し、遠く神奈川県からの参加者もありました。昼食は、しいたけ生産者の河西和文さんの妻、河西明美さんが考案し地元常陸大宮市で行われたB級グルメ大会で最優秀賞に選ばれた「きのこたっぷり五目ふかし」を堪能し、参加者は口を揃え美味しいと大満足の様子でした。 「きのこたっぷり五目ふかし」は、餅米、椎茸、マイタケ、ブナシメジ、ゴボウ、ニンジン、紅ショウガ、小松菜、などが入った五目ご飯で、直売所の「北斗星」で土日60食限定、380円で販売されています。毎週売り切れ続出、幻のB級グルメとなっているとのことです。 当林業指導所では、今後も地域の活性化に向けたこのような取り組みを積極的に支援していきます。 <大子林業指導所> |
3.先輩から後輩へ受け継がれる技術!-大子清流高校森林科学科の生徒が春マイタケの植菌を体験-
春に発生する原木マイタケは、平成15年に大子町内で発見された珍しい品種です。通常の原木マイタケは秋にきのこを発生させますが、この品種は春先にもきのこを発生させるという性質を持ち、香りが強く、歯ごたえが良いのが特徴です。 今回植菌を指導した大子ハルマイタケ研究会は、このマイタケを大子町の特産品とするべく平成20年度に設立され、マイタケの生産、試食、販売等の活動を実施してきました。会員の大多数を占めるのは大子町内で林業に従事する大子町林研グループの会員で、そのほとんどが大子清流高校の前身である大子第一高等学校の卒業生です。 体験の当日、生徒達は「原木の殺菌」と「植菌」の2つの作業を体験しました。まず原木の殺菌作業では、あらかじめ水に浸しておいた原木をたわしでこすり、付着している汚れをきれいに落とすという作業から始まります。これを袋に詰めて殺菌釜へと運び、高圧の蒸気で殺菌するわけですが、生徒達は若さみなぎる力自慢のヤングマン!原木の皮まで剥ぎ取れそうな腕力で、次々と原木がきれいになっていきました。 次に植菌ですが、まずは室内をアルコールで念入りに消毒し、植菌室内に入る際は全身念入りに消毒を行います。消毒が終わったら、前日のうちに殺菌しておいた原木の切断面にマイタケ菌を塗っていき、袋を密封して培養室へ運びます。まるで手術室のような植菌室内で、生徒達はいきいきと植菌作業を行っていました。また、年の離れた後輩達に指導を行う大子ハルマイタケ研究会の会員も、生徒達に心から期待を寄せているという想いが伝わってくるような、熱い指導を行っていました。「来年の春に発生するのが楽しみです。」と生徒達も嬉しそうにしていました。 大子ハルマイタケ研究会の会員にとって、森林科学科の生徒達は同じ青春を過ごした母校の大切な後輩であり、地元の林業の未来を担う希望そのものです。会員からは、「林業に携わってくれれば一番嬉しいが、そうならなくても今日の体験をずっと忘れないでいて欲しい」という切なる願いを聞きました。この素晴らしい人と人とのつながりの中で育まれた未来の林業人が、この町の森林を、そして日本の国土を守る人材になってくれると信じています。 <大子林業指導所> |
4.「手賀ふれ愛の森を守る会」の活動状況について手賀ふれあいの森を守る会は、生活環境保全林整備事業により整備され、平成22年度に森林公園として開園した「手賀ふれあいの森」(行方市、約12ha)の維持・管理のための森林整備や地域の子供達を対象に森林体験学習等を実施している森林ボランティア団体です。今回は、同会の平成25年度における主な活動について紹介します。1.公園内の森林整備と資源の有効活用 会では、手賀ふれあいの森のナラ・クヌギを中心とした広葉樹林の整備に伴い発生する資源の有効活用を図るため、しいたけ栽培用の原木として利用しています。 このしいたけ栽培は、会の発足当時(平成22年)から実施していましたが、昨年度は原木の放射性物質検査の結果、基準値を超えていたことにより実施を見合わせました。しかし、今年度は事前に実施した検査で基準値を下回っていたので、1月12日に会員約40名が参加し、広葉樹林の整備を兼ねたしいたけ原木の伐採作業を行いました。 また、当日はしいたけ原木伐採のほか、公園に隣接した市道に覆い被さり通行の妨げになっていた樹木の伐採や枝落としなど、公園の維持管理としての森林整備も行われ、景観の改善と通行の安全確保が図られました。
今年度は、2月21日に手賀小学校の5年生(20名)を対象に、地元の小座山集落センターにおいてしいたけの植菌体験を行いました。 しいたけの原木は、1月に手賀ふれあいの森で伐採したものを用い、林業普及指導員の指導のもとに、電動ドリルを使って原木に穴をあける作業と金槌で種駒を打ち込む作業を行いました。 児童たちが植菌した原木は今後自宅で栽培管理をしてもらうことになっており、約2年後にたくさんのしいたけが収穫できる日を楽しみにしながら持ち帰りました。 3.卒業生との記念植樹 しいたけ植菌体験と同日に、手賀小学校6年生(13名)を対象に、手賀ふれあいの森第2駐車場において卒業記念の植樹が行われました。
会では、今後もこのような活動を継続していき、地域のなかで樹木と子どもたちのたくましい成長を暖かく見守っていきたいとのことでした。 当指導所としても、今後このような団体が新たに結成されるよう普及活動を行っていくとともに、既存の団体に対しては森林環境教育の推進と 森林整備等に対する知識や技術の更なる普及に携わっていきたいと思います。 <鉾田林業指導所> |
5.森林湖沼環境税を活用した事業に関する展示を実施土浦林業指導所と県南県民センターでは、昨年の12月から土浦合同庁舎第1分庁舎土浦県税事務所前において、森林湖沼環境税を活用した事業に関する展示コーナーを設けてPRを行っています(26年度も展示を継続)。森林湖沼環境税を活用した事業の目的である、茨城県の豊かな自然環境を守るという大きな役割についてや、県南地域の平地林・里山林の整備、木づかい運動の推進、県民参加による森林づくり活動への支援等を行っていることが大変理解しやすくなっています。 また、この展示コーナーには、今年度のいばらき木づかい環境整備事業で整備した机の天板の実物も併せて展示しています。 なお、本庁舎3階の企画調整部門振興・環境室への入り口付近には、身近なみどり整備推進事業のPRに関するパネルを設置しています。 当林業指導所では、このような取り組みを通じて今後も森林湖沼環境税のPRを積極的に実施していきたいと考えています。
<土浦林業指導所> |
[林産情報]茨城県の素材・製材品価格(平成25年)単位:円/立方メートル
注:ヒノキ材1.は、平成11年以前10.5センチメートル角 WW(ホワイトウッド)集成材は、1本あたりの単価を立方メートルに換算 カスケード:大陸中央部カスケード山脈から産出される目詰みの材 コースト:太平洋沿岸部コースト山脈から産出される目荒の材 J・ソート:北米における末口径11インチ下の細丸太、または日本向け丸太 茨城県の新設住宅建設の動向単位:戸
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