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更新日:2015年5月26日
林業ミニ情報No.118(平成25年7月発行)
1.森林・林業体験学習を実施 | 水戸林業指導所 |
2.ヒノキ林における凍害の発生事例について | 笠間林業指導所 |
3.森林・林業体験学習について | 筑西林業指導所 |
4.コンテナ苗植栽の現地検討会が開催される | 林業技術センター |
〔林産情報〕素材・製材品価格及び新築住宅建設の動向 | 林業技術センター |
1.森林・林業体験学習を実施去る7月10日水曜日と7月17日水曜日に、管内の小美玉市立下吉影小学校と茨城町立駒場小学校の4・5年生を対象として、森林・林業体験学習を実施しました。当日は、水戸林業指導所の林業普及指導員が、森林の様々な働きや人と森林の関わりなどについて説明し後、木工工作(箸づくり)の体験を行いました。 箸づくりに使用する材料は、ヒノキの間伐材などを活用していること、またヒノキ特有の香りがすることなどの説明をした後、工具の扱いに注意しながら箸づくりを開始しました。 箸づくりは、あらかじめ箸の長さに切ってある材料を、箸の形の溝の付いた台に固定し、1面ずつカンナで削っていくという作業です。カンナで木を削る作業など、多少危険を伴う作業もありましたが、カンナの刃を手で触らないよう指導したことにより、けがもなくスムーズに進みました。カンナで木を削る作業は初めての子供も多く、丸まった削りくずを触ったり、香りをかいだりする体験も初めてだったようです。
最後に紙ヤスリで角を取って、1人1膳ずつの木の箸が完成しました。 最後に、木は触れて暖かく、加工しやすい利点があること、木の箸を長く使うためには、使ったら洗って乾かす必要があることを説明しました。 このような体験活動を通じて、今後とも、木材の活用に子供たちの関心が深まるよう、指導して行きたいと思います。 <大子林業指導所> |
2.ヒノキ林における凍害の発生事例について笠間市柏井の森林所有者から、「3年生のヒノキ林が枯れてきているので原因を調査してほしい。」と依頼を受けたため、5月27日に現地調査を実施しました。現地は、常磐自動車道友部JCTの近くの平坦な場所で、周囲は約40年生のスギ、ヒノキ林及び栽培用のクリ畑となっています。 森林所有者の方から話を聞くと、「今年の3月に補植をしたが、その時に枯れは見られなかった。5月中旬になって様子を見に来たらこのような状況になっていた。」とのことでした。 枯損状況は、大部分が中央部から先端にかけての上半枯れで、そのほか全枯れ、枝枯れが見られ全体で30%を超える枯損状況でした。
一般に、スギ・ヒノキの凍害は、耐凍度(凍結に耐えられる度合い)が低い初冬の急激な冷え込みによって発生するとされていることから、笠間気象観測所の月平均気温を調べたところ、10月は16.8℃で平年より1.2℃高く、逆に11月は9.3℃で例年より0.4℃低く、12月は0.4℃で0.6℃低い状況でした。特に11月28日と12月27日にはそれぞれ最低気温が-2.1℃、-6.6℃を記録したことがわかりました。 このことから、現地では耐凍度が低い状況であったヒノキが、気温の低下と放射冷却の影響による急激な冷え込みで、凍害の被害を受けたものと思われます。 今後の対策として、植栽木の地際に遮光板を設置する方法がありますが、経費が掛からず、地際の気温の大きな変化を防ぐことが可能な方法として、下刈りを高い位置で行い植栽木を保護するよう指導しました。 <笠間林業指導所> |
3.森林・林業体験学習について筑西林業指導所では、今年度、小学校20校、中学校1校(延べ約1,200人)を対象に、森林・林業教室や木工工作の体験学習(箸づくり体験)を計画し、これまでに八千代町立川西小学校ほか6校で実施したので、その概要を紹介します。森林・林業教室では、始めに林業普及指導員が森林の持つ様々な働きや森林の整備方法について説明します。その中で、苗木の植栽から主伐までにかかる期間について児童・生徒に質問し、60年以上かかることを説明すると皆驚きの表情になり、「木材として使えるようになるまでそんなに長い時間がかかるとは思わなかった。これからは、より一層大切に使っていきたい。」という感想が聞こえてきました。
木工工作の体験では、カンナの使い方やカンナを使ったお箸の作り方、注意事項等を説明し、最後に、児童・生徒に集まってもらい、林業普及指導員がデモンストレーションを行います。その後、児童・生徒自らヒノキの角棒をカンナで削り、最後に紙やすりで仕上げていきます。 |
4.コンテナ苗植栽の現地検討会が開催される5月13日月曜日、北茨城市の阿吹山国有林で、茨城森林管理署の主催により、コンテナ苗植栽現地検討会が開催されました。コンテナ苗とは、マルチキャビティコンテナと呼ばれるトレイで育成された苗木のことで、通常の裸苗に比べて、狭い面積で育成できる、小型なため植栽効率が高い、培地付きのため植栽時期が限定されない、活着が良いなどの特長があります。近年、新しい苗木生産の方法として注目されています。
植栽したコンテナ苗は、茨城県林業種苗協同組合が育成したものです。検討会に用意されたコンテナ苗の本数は、300ccリブコンテナによる3年生の少花粉スギ100本、精英樹スギ100本、300ccと150ccリブコンテナによる2年生の少花粉スギ50本、Mスターコンテナによる2年生の少花粉スギ20本、合計270本です。参加者は、一人あたり3~4本のコンテナ苗を植栽しました。植栽器具はコンテナ苗専用のものが3種類と従来の唐鍬が用意されており、コンテナ苗の植えやすさや植栽器具による植え方の違いが体験できまし た。 同署では、今回の植栽試験地のほかに2カ所、コンテナ苗を植栽し、育成状況などを検証しながら、今後は秋植えなども検討していく方針としています。 近年注目されているコンテナ苗ですが、その生産技術は発展途上で確立されていません。そのため、林業技術センターでは、より品質の高いコンテナ苗の生産のため、生産技術に関する課題に取り組んでいるところです。
<林業技術センター> |
[林産情報]茨城県の素材・製材品価格(平成25年)単位:円/立方メートル
注:ヒノキ材1.は、平成11年以前10.5センチメートル角 WW(ホワイトウッド)集成材は、1本あたりの単価を立方メートルに換算 カスケード:大陸中央部カスケード山脈から産出される目詰みの材 コースト:太平洋沿岸部コースト山脈から産出される目荒の材 J・ソート:北米における末口径11インチ下の細丸太、または日本向け丸太 茨城県の新設住宅建設の動向単位:戸
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