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更新日:2016年5月19日

茨城県内で確認された林野土壌統の特徴

研究報告No.21(要旨)

城県内で得られた林野土壌に関する知見のうち、最も基本となる土壌統の特徴を、「土地分類基本調査」の成果品から整理・記載した。茨城県内の5万分の1地形図・図幅数は合計30枚である。そのうち同調査の終了した図幅数は、21枚である。また、年度ごとの同調査・報告書の数は、17冊である。以上の調査で確認された林野土壌統の数は66統、関連する農地土嬢統の数は5統で、合計71統に及んだ。なお、水田、畑地などの農地土壌統を、ここでは除外した。71統すべてについて、その特徴を土壌統群別に整理・記載した。
71統を土壌統群で分けると、1.岩屑性土壌(1統)、2.残積性未熟土壌(1)、3.砂丘未熟土壌(2)、4.風化火山拠出物未熟土壌(2)、5.厚層黒ボク土壌(5)、6.黒ボク土壌(10)、7.多湿黒ボク土壌(2)、8.淡色黒ボク土壌(3)、9.乾性褐色森林土壌(14)、10.乾性褐色森林土壌(黄褐系)(1)、11.乾性褐色森林土壌(赤褐系)(2)、12.褐色森林土壌(18)、13.褐色森林土壌(黄褐系)(3)、14.褐色森林土壌(赤褐系)(2)、15湿性褐色森林土壌(2)、16.赤色土壌(1)、17.黄色土壌(1)、18.粗粒褐色低地土壌(1)の、合計18土壌統群に及んだ。
に、各土壌統の母材を表層地質別に整理した結果、1.河川砂礫(1統)、2砂丘砂(2)、3.沖積砂(2)、4.火山灰(20)、5.更新統(7)、6.鮮新統~中新統(1)、7.中新統(1)(4)、8.中新統(2)(2)、9.中新統(3)(2)、10.中新統(4)(1)、11.中生界・堆積岩(5)、12.ホルンフェルス(2)、13.各種変成岩(3)、14.花崗岩(10)、15.斑れい岩(2)、16.圧砕花崗岩(3)、17.山地黒ボク(3)、18.赤色風化物(1)と、18種類に整理できた。しかし、各母材の名称分類基準などには、まだ統一性と整合性に欠ける点があることが懸念された。
付録として、各土壌統ごとに代表的な土壌断面柱状図を整理した。この場合、報告書ごとに柱状図が異なれば、それらを網羅した。その結果、整理・記載した柱状図は、129に及んだ。また既存の土壌調査結果から、これ以外の土壌断面柱状図も整理した。それら柱状図の数はスギ林が60、落葉広葉樹(クヌギ-コナラ)林が34、マツ林が20、酸性雨等森林被害モニタリング地点が11、適地適木調査(森林立地区別)地点が102と、合計227に及んだ。以上、整理・記載した土壌断柱状図の総数は、356に達した。
この他、土地分類基本調査・成果品の利活用の観点から、農耕地土壌統分類の問題点を指摘した。また土壌統、土壌図などの、なお一層の利活用法と問題点、将来の課題などについても提言を整理した。

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