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採捕園におけるジベレリンの着花促進効果
研究報告No.14(要旨)
ジベレリンを用いた採種園における実験は1973年のスギ採種園から1984年のヒノキの実験まで長期にわたるものであり、一連のまとまりをもって実験を進めたわけでなく、従って、この研究論文は断片的な成果を整理したものである。
スギの採種園のジベレリン施用は確実に着花量と種子生産量を増加さすことができる。しかし無作為交配が理想的に行われるためには採種園構成クローンの着花量を平準化することが必要であるから、構成クローンのジベレリンに対する着花習性を把握して、ジベレリン処理量などをクローンにより調整する必要がある。
ヒノキのジベレリン効果は枝処理によって確認することができた。とくに雄花では明確であった。雌花についてはジベレリンに対する感応性が低いクローンがあり、その数はスギに比べて多いようである。アカマツ、クロマツ採種園におけるジベレリンの効果が確認されたことは、世界的にマツ類に対するジベレリンの効果への資料が少なかっただけにユニークな実験として注目されるところである。
ヒノキとアカマツ、クロマツ採種園ではこ種類のジベレリン、GA3とGA4/7を施用したが両者の着花効果には大きな差はなかった。ただ、薬害の点ではGA4/7がGA3より低いようである。ジベレリン処理にジベレリンとCMCを混ぜて施用したのは、CMCに粘着力があり、枝あるいは幹にジベレリンを埋め込むとき切り口が小さくて済むという利点があるということと同時に、ジベレリンの供試木への吸収がスムーズに行われると考えたからである。
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