ここから本文です。
更新日:2024年7月26日
この資料は、県政記者クラブとの定例記者会見での発言内容を要約したものです。
知事定例記者会見の動画は、こちらから視聴いただくことができます。
(作成:報道・広聴課)
令和6年7月26日(金曜日)
10時45分~11時21分 会見室
東京(幹事社):よろしくお願いします。
幹事社の東京新聞です。
本日、発表が1件あると聞いていますので、よろしくお願いします。
知事:それでは、私の方から、救急搬送における選定療養費の取扱いについて、変更の準備を始めましたので、それについて、まず、御説明をしたいというふうに思います。
まず、選定療養費についてでございますけれども、こちらにありますように、医療機関の受診が大病院の救急の窓口、外来に集中してしまう。そういうことを防ぐために、一般の病院と大病院との役割分担をうまくするために、かかりつけ医をまず受けて、その上で必要であれば大病院を受けるというような流れをつくるために設けられたのがこの選定療養費というものでございます。
現在でも運用されているものでございます。
大病院の一極集中にしてしまって、医療体制がパンクしてしまうことを防ぐため、それから、かかりつけ医との役割分担を適切に行うような、そういう趣旨で設けられている制度でございますけれども、これは、救急車で来る方については、例外的に、重症患者だという前提のもとに、選定療養費をこれまで徴収せずにしてきたわけでございます。
これについて、選定療養費の考え方を踏まえて、少し見直しをしたいというふうに思っています。
その前提として、本県における救急医療の現状というのがまずあります。救急搬送者の6割以上が一般病床200以上の大病院に集中してしまっているということがあります。ですので、大病院における救急患者への対応能力にも限度がありますので、集中してしまうと困った事態になってきている。
加えて、その搬送されてくる救急患者の中の約半数が軽症患者である。緊急性が低いにもかかわらず救急車を利用して、大病院の救急ERのところに搬送されてしまうということでございます。
2024年の4月からは、医師の方にも、働き方改革ということで、残業の規制も採用されましたので、無制限に救急医療体制を敷くわけにもいかず、救急病棟、救急医療の現場も大変ひっ迫しておりまして、このままこの状況を看過してしまうと大変なことになってしまいます。
また、救急車の搬送についても、命を守るために一刻一秒を争う方への搬送が、軽症者の搬送のために手が回らなくなってしまう。そういう事態も、今後、十分想定され得るわけでございまして、何とか手を打たなければいけないということで、今回、重篤患者の受け入れなど、大病院が本来の役割を果たしていけるように、とりあえず、救急車で大きな病院で救急外来を受診するという方に少し考えていただくためにも、選定療養費の扱いを今までは全ての救急車で搬送される患者については徴収しなかったものを、一部、徴収するということの検討の準備に入りたいというふうに考えています。
選定療養費の運用の見直しということでございますけれども、今年の12月1日を目途に変更ができるように、今から関係者との協議を始めていきたいというふうに思っています。
一般病床の200床以上の重点医療機関23病院などに対して、これまで徴収されてこなかった選定療養費について、軽症など、本当に救急対応が必要ではないという方については、選定療養費を徴収する可能性と、その辺の基準などもしっかり決めなければなりませんけれども、そういうことを、今後、関係各機関とも協議しながら決めていきたいというふうに考えております。
こういう検討をしなくて済めば一番いいのですけれども、そういう検討をせざるを得ない状況に立ち至っているという状況でございますので、まず、県民の皆様には、不要不急の症状で救急要請ということについては、ちょっと立ち止まって考えていただきたいというふうに思います。
#7119、#8000、この番号に電話していただいて、本当に救急要請が必要かどうかということを確認いただくということで、考えを、一旦、もう一度、検討していただきたいというふうに思います。
実際に我々が情報として入手している内容としてこういう例がございます。包丁でちょっと指先を切ってしまったので救急要請しました、救急車を呼んじゃいました。それから、風邪の症状が3日間続いたので救急車を呼びました。あるいは、発熱とか、咽頭痛とか、頭が痛いとか、そういう症状だけで救急車を呼んでしまっているという事例があるというのが現実でございます。
ある意味、救急車が無料のタクシー代わりになってしまっているという現状はかなり憂慮すべきものであるというふうに私どもは考えておりますので、こういうものに対する歯止めも必要でございます。
本来、かかりつけ医を通さずに大病院を受ける場合に徴収される選定療養費を、一律に、救急車で搬送される方々については徴収しないという運用を見直して、救急車という有限の我々の緊急対応のための公共インフラについての使い方ということをしっかりと県民の皆様にも自覚いただく。関係医療機関でも、それに合わせて、スムーズな医療提供ができるように、そういうことを目指していければなというふうに考えております。
改めまして、救急医療が本当に必要な方々にしっかりと救急医療が提供できるように、県民の皆様の御理解、御協力をお願いいたします。
大人の方は#7119、子どもの方の救急相談については#8000ということで、救急車を呼ぶ前に、もし迷ったということであれば、一度、かけていただければというふうに思います。
意識がないとか、様々な重症の症状が出ている場合、けいれんとか大量の出血とか、そういう場合は迷わず救急車を呼んでいただいて何の問題もないわけですけれども、先ほど挙げた事例のように、軽症のような、本当に救急車を呼ぶべきかどうかということを、いま一度、立ち止まって、#8000、#7119を活用いただくということも大事なのかなというふうに思っています。
まず、私からの発表は、以上です。
東京(幹事社):ありがとうございます。
幹事社から質問をさせていただきます。
同様のことをやっているほかの事例だと、三重県の松阪市さんがあると思うのですが、これは、都道府県レベルでこういうことをやるのは初めてということですか。
知事:都道府県レベルとして行うのは初めてだと思います。
ただ、都道府県レベルではやっていなくても、松阪市の例はありますけれども、そのほかに病院ごとに徴収している例はたくさんございまして、例えば、京都大学医学部附属病院であるとか、そういう大病院の単位で行っているところはありますので、例がないわけではないということでございます。
東京(幹事社):分かりました。
あと、選定療養費をこういう場合に徴収する、しないということの厚生労働省がどういう見解なのかは分からないのですけれども、そのあたりの見解は一致しているという理解でいいのでしょうか。
知事:厚生労働省においても、こういう救急車の有料化を正面から認めているわけではないですけれども、療養費の扱いについては、ある程度の幅の柔軟性というのは認めていただいているというふうに理解しています。
ということで、京都大学附属病院などをはじめ、もう取り入れているところがあるというふうに理解しています。
東京(幹事社):分かりました。
これは病院単位で決めるものなのですか。
知事:病院単位で決めることも可能ですが、県内の200床以上の病院なんかからでも、県として基準をつくって、しっかりと運用方針を決めていただくという方が非常に助かるという声もいただいておりますので、茨城県としては、県として取り組みたい。
また、救急搬送自体も市町村と県と共同でやっておりますので、そういう救急搬送体制の観点からも、県が責任を持って関わっていくことが大事かなというふうに思っています。
東京(幹事社):分かりました。
最後に、数字でもしあれば欲しいのですけれども、なければ後とかでもいいのですけれども、例えば、昨年1年間の救急出動件数だとか、人口1万人当たりの出動件数みたいな数字があれば欲しいです。
知事:1年間の救急出動件数、月ごとの出動件数は、ここにデータがあるけれども、1年間は後で教えて。後でいいよ。
東京(幹事社):ありがとうございました。
では、発表事項について、幹事社からは以上なので、ほかにある場合はお願いします。
NHK:NHKです。よろしくお願いします。
まず、先ほど、検討を始めるとおっしゃっていたと思うのですけれども、これは、12月1日からできれば始めようというか、どのぐらいの強さなのかなと。
知事:12月1日から始めたいというふうに私どもは考えていますけれども、それまでの間、様々な関係者としっかりと準備を進めていきたいというふうに思います。
特に、どういう場合に療養費を徴収するか、しないかという基準とか、それは、透明性を確保して、明確に定めていないと、混乱を来すと思いますので、その辺の条件とか、そういうものの基準とか、そういうものについてはきちんとコンセンサスを得ていきたいなというふうに思います。
NHK:ありがとうございます。
ちょっと細かい資料の点なのですけれども、1枚目で200床以上の大病院が25とあるのですけれども、2枚目の対象病院が23となっているのですけれども、この数字の違いというのは。
事務局:お答えします。
対象となる25病院に対して、まず、12月1日からの運用開始に向けて、御意向はどうでしょうかと、今、聞いている段階で、2病院だけ、ちょっと今の段階では決めかねている、検討中だという意味でございます。
NHK:ありがとうございます。
幾つかあるのですけれども、先ほどもおっしゃっていただいたのですけれども、県内の救急医療の現状について、知事として、どう御覧になっているかということと、松阪市での同様の取組に関しては結構賛否両論もあって、利用しづらくなるのではという声もあると思います。
そういう面も踏まえて、この取組の必要性というのをどういうふうにお感じになっているかというのを改めてお願いします。
知事:松阪市のケースは、救急車の有料化という方で報道され過ぎてしまって、若干、誤解を招いているのかなというので、私どもは、選定療養費の運用の見直しということで、きちんと誤解のないようにと思って御説明をさせていただきました。
本来、かかりつけ医を通さない大病院の受診については選定療養費が徴収されるというのが基本形です。救急車を活用した場合は、重症であるという前提で今まで選定療養費を一律徴収することをしなかったということですが、その前提の基礎として、救急車で運ばれる人は必ず重症なのでしょう、重病なんだよねという前提があったわけで、皆さんの常識的なコンセンサスの中でそれが大きく崩れることはないだろうということが基盤としてあったわけです。その前提条件が今や崩れつつあるというのが先ほどのこういう利用例です。こういう利用例が増えてきてしまって、軽症でも救急車を手軽に使ってしまう方が残念ながらいらっしゃる。本当に救急車が無料のタクシー化している。
救急車というのは、1分1秒を争うような、循環器系の病気の方とかで常に1秒を争いながら活動していますので、こういう方のために、救急搬送のリソース、あるいは、病院における救急医療のリソースを取られてしまうということは非常に大きな問題をはらんでいるということで、こういう状況に合わせて、我々としては、再度、県民の皆様が救急医療の在り方についてしっかりと認識していただく一助として、選定療養費の見直しを、救急車の場合も、通常の場合と同じように運用したらいいのではないかというふうに考えています。
そこの基準の明確化とかという課題は、今後、12月までにきちんと整備していく必要がありますけれども、そのための検討を、今回、始めましたよということを申し上げておりまして、全然救急車の有料化ということとは質が違うというふうに私は考えています。
NHK:ありがとうございます。あとちょっとだけ。
今後、検討、基準づくりを進めていくということなのですけれども、めどとしていつ頃に、その基準をつくるのかということを伺えますか。
知事:12月1日から開始しようという場合には、当然それなりの周知期間も必要だと思いますので、なるべく可及的速やかに基準づくりを行って、県民の皆様にも周知をさせていただいて、十分な時間的余裕を持って周知をさせていただいた上で、12月1日が迎えられるようにしたいというふうに考えています。
読売:読売新聞です。よろしくお願いします。
1点だけ、確認なのですけれども、けがとか病気というのは、様々な種類があって、急を要するか、要しないかの判断が、結構、素人には難しいのかなというふうに思うのですけれども、それで治療が遅れて、手遅れになるとか、そういうリスクへの対応とか配慮というのは、どのようなものをお考えでしょうか。
知事:こちらに記載している内容が全てなのですけれども、大量の出血であるとか、意識を失ったり、けいれんが発生したりとか、明らかに重症なものというのは、迷わず救急搬送、救急車の出動を要請していただきたいし、これはどうなのだろうというものについては、#7119、あるいは、#8000に、まず問い合わせていただくという、これを徹底して、認識していただくということなのかなと思います。
どっちなのかなと迷ったら、#8000、#7119に電話をしていただくということなのかなというふうに思っています。
ちなみに、私も、#7119に電話してから行きました。救急車は必要ないということなので、自分の車で行きました。
読売:ということは、一つの判断基準として、#にかけるような余裕がある場合については、急を要さない。
知事:そうですね。余裕のないという判断をしたら、もう迷わず救急車を出動していただいていいのではないかというふうに思います。そういうことも含めて、きっちり周知徹底というのは、これからの課題としては残っているというふうに思っていますので、これについては、私どももしっかりと自覚して、準備を進めたいと思います。
読売:ありがとうございます。
東京(幹事社):東京新聞です。
条件につきましては、今後、詰めるというお話が先ほどございましたけれども、考えられるケースとして、例えば、学校内での事故とか、あるいは、交通事故があったときの相手方が、通報者が、搬送者が重篤かどうか判断できなくて、あるいは、とりあえず救急車に通報するとか、ひょっとしたら重篤で、後に分かって、後で訴訟リスクみたいなことを懸念して救急車を呼ぶというケースもあるかと思うのです。
つまり、搬送される方の意思でなく、救急車で搬送されるケースみたいなものも結構あると思うのです。そういうのは、今後、詰めていくということなのでしょうか。
知事:それは、全てについて細かく規定することは難しいこともあり得ると思います。
ただ、その場合、交通事故とか、どういうけがかにもよりますけれども、状況で余裕がない、あるいは、これは大変だと思ったら、迷わず救急車を呼んでいただくというのは、一つの方向なのではないかなというふうに思います。
余裕があるときに、例えば、ちょっとけがをしたとか、そういう程度だったら、十分余裕はあると思いますので、#にかけていただくということも検討いただく。
あるいは、そもそも救急車はいらないよねと、今までの常識として判断していただいていたようなケースについては、そのまま救急車を呼ばずに行っていただくということだと思います。
いずれにしても、救急車を呼んで行っても、変わるのは訴訟リスクとは全然違います。ただ選定療養費が徴収されるだけですので、そこは、救急車を呼んでしまったら訴訟になるのではないかなんていうことは、ちょっと違うレベルの話なんじゃないかなというふうに思っていますけれども。
共同:共同通信です。よろしくお願いします。
ここの2ページにあります23病院というのは、先ほどのお話からいくと、基本的に県の方針に賛成していて、今後その条件を詰めるだけの状態になっていると、そういう理解でよろしいでしょうか。
知事:そうです。
共同:分かりました。
あと、これは事務方の方がいいかもしれないですけれども、金額について、徴収義務のある医療機関7,700円と、任意の医療機関というものがあるのですけれども、これはどういった病院の性質の違いか、教えていただけますでしょうか。
知事:大病院、200床以上が徴収義務だっけ。
事務局:200床以上で、地域医療支援病院とか、いろいろな役割がついている病院が義務病院になっていて、200床以上ではありますけれども、そういった地域医療支援病院等の指定になっていない病院については、任意です。
共同:分かりました。ありがとうございます。
NHK:たびたびすみません。今の医療の金額の話で、7,700円以上としているのは、これは下に書いてあるように、医療機関が、それぞれ任意で額を設定するので「以上」ということなのですか。
知事:いや、ケースバイケースなんじゃないの。
事務局:7,700円以上というのは決まっているので、それで、7,700円になっている病院は多いのですけれども、一部の病院は1万円を超えるようなところもあって、あくまでも任意で、7,700円以上で設定されています。
NHK:ありがとうございます。
これもまた個別のケースにはなってしまうのですけれども、松阪市の場合は、紹介状がある場合は、選定療養費なので取らないというふうなケースもあって、そこら辺というのは、一部の基準としては、何か決まっていたりするものだったりというのはあるのでしょうか。
知事:紹介状の前提として、かかりつけ医の方が、これは重症なので大病院に診てもらってくださいということで紹介状を書くので、そこは何ら矛盾していないというふうに思っています。
紹介状を書くようなケースじゃないよね、救急車を利用するような話じゃないよねというのは、ほぼイコールだというふうに考えれば、分かりやすいんじゃないかなというふうに思いますけれども。
NHK:ありがとうございます。
日経:日経新聞です。
今、どうしてこのタイミングで導入をというか、医師会から要請があったとか、知事の問題意識なのか、どうして導入を決意されたという背景があればお伺いしたいです。
知事:我々の問題意識です。県主導です。
日経:県、わかりました。
東京(幹事社):よろしいでしょうか。
では、発表事項について、以上とします。
東京(幹事社):その他の質問について、幹事社から1点、東海第二原発についてお伺いします。
現在、東海第二原発の安全対策工事をして、防潮堤の工事で不備があって、この前の原子力規制委で、造り直しが前提だというような発言もあったのですけれども、この状況についてどういうふうに見られているのかということ。
こういう状況にもかかわらず、9月の工期というのは、依然、日本原子力発電さんは取り下げていなくて、周辺6市村の首長さんも、見通しを示してほしいというようなことを、会見でたびたび言っているのですけれども、こういう状況について、知事はどのように見られているか、教えてください。
知事:常識的に考えて、規制委員会の指摘も考え合わせれば、9月に工事完了というのはあり得ないというふうに、もう明らかなわけなので、それについて、いまだに変えないというのは、ちょっと対応としては不誠実なのかなというふうに感じます。
最終的に、東海第二原発の工事については、日本原電が責任を持って、方針変更も含めて発表する義務があると思いますけれども、客観的に言って、この状況で、いまだに9月という方針を変えないというのは、ちょっと地元に対しても不誠実なんじゃないかなというふうに感じております。
東京(幹事社):ありがとうございます。
では、ほかにある方、お願いします。
茨城:茨城新聞です。よろしくお願いします。
最低賃金の件でお伺いしたいと思います。
一昨日ですが、中央審議会の方で、引上額の目安を50円ということで、最大の額で合意されました。
本県の目安は、これからということだと思うのですけれども、知事は、昨年については、経済実態を反映していないということで、質問を出されたりしていましたが、今年の地方の引上額についての期待感といいますか、何か御意向があればお伺いしたいと思います。
知事:経済実態に合わせた最低賃金の引き上げを、当然、答申いただきたいというふうに考えておりますし、我々としても、資料などを含めて、茨城県の最低賃金審議会の委員の皆様には、個別に説明もさせていただいているので、御理解いただけるものと期待しております。
茨城:今までに個別に委員に説明をされたと。
知事:はい。
茨城:分かりました。
茨城:もう1点、お伺いします。
先週、インドで、大学と人材確保の件で覚書を交わされたと思います。実際、知事も現地に行かれたわけですけれども、そのときに、受入れについての手応えといいますか、何かそういった感じたところがあればお伺いしたいと思います。
知事:インドは、今、世界最大の人口を誇る国でございますし、平均年齢が何と28歳という話でもございます。
かつ、若年層の方の失業率が非常に高くて、空港関係の数十人の募集に、何千人という人が押し寄せてくるような報道も、現地でテレビ報道を拝見しましたが、とにかく大学を出ても就職がないということで、若年層の方々の就職問題というのが、非常に大きな社会問題になっているというのも、しっかり垣間見ました。
一方で、茨城県をはじめ日本は、人口減少の中で、様々な仕事の担い手が足りなくなっている状況なので、インドとの組合せというのは、お互いにとってWin-Winのいい関係がつくれるのではないかなというのを実感した次第です。
茨城:他県で、インドとそういった同じような覚書の協定とか、そういったケースというのはあるのですか。
知事:他県はあるの。
事務局:本県が初めてです。
茨城:分かりました。ありがとうございます。
知事:なぜか、日本からインドというのは、あまり人気がないというか、東南アジアのように、ベトナムとか、あっちのようには人気がなくて、それの一つの要因は、多分、インドに行って日本企業がビジネスをやろうとすると、結構大変で、いろいろトラブルに巻き込まれる。様々な現地のしがらみとか、様々な慣習の違いとか、非常に苦労をするケースが多いという話はよく聞きます。
ただ、人材として、インドの方が日本に来て活躍する可能性というのは、またこれは切り離して考えたほうがいいと思いまして、語学の才能が非常に高くて、日本語の習得も非常に早い、かつ、英語も必ず皆さんしゃべれるということも考えて、かつ、かなり高学歴の方々をたくさん採用できる可能性が高いということと、ベトナムなんかとも違って、借金を抱えて来るという変な条件にはまだなっていないということですので、我々としては、今後、インドへの取組というのは、今がチャンスだというふうに考えております。
時事:時事通信です。
兵庫県の齋藤知事が、パワハラ疑惑だったりで、これまでの報道では2人、自殺者が出ているということで、まだ辞めるとか、そういう表明はしていないのですけれども、周りの労働組合だったり、元OBの団体が辞めろというふうに勧告していたりだとか、あと、現場の職員だったりとかも、もともと任期の初めから信頼関係がなかったというお話がちょっと話題になっていると思うのですけれども、こちらの受止めをお願いいたします。
知事:他県のことですので、私がコメントをするのは不適切だと思いますので、コメントは差し控えたいと思います。
特に、両方、言い分があるかと思いますし、どの方が言っていることが本当のことなのかということも全然分からない中で、報道の内容だけで、一方的に感想を述べるのも、ちょっと問題なのかなというふうにも思っていますので、これについては、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
朝日:朝日新聞です。
教育委員会の話になってしまうのですが、今年の4月から始めたラーケーションで、県立の特別支援学校は、3か月間、導入の対象を外れているということでしたが、現場のほうからは、どうしてそういうふうな線引きをするのかという疑問の声も上がっていました。
教育委員会の判断ではありますけれども、知事としての所見、その判断に対してどのようにお考えか、教えてください。
知事:朝日新聞さんの報道を見て、私も、確認をさせていただきましたが、4月からラーケーションを始めたときには、特別支援学校は、いろいろな状況もあるので、準備が必要だというふうに私も聞いていたので、そういうものかと思って、準備をさせていただいていましたが、記事にあるとおり、県立以外の特別支援学校では、早速、ラーケーションを始めていたという話も載っていたので、何でそちらができて、県立ができないのだということで確認したのですけれども、明確な理由もあまりなかったようなものなので、もう少し早く、速やかに開始すべきだったんじゃないかなと、今ではちょっと反省をしております。
夏休み期間に入ってしまっていますので、9月1日から、直ちにラーケーションが始められるように、強く指示しておきました。
朝日:なるほど。では、知事からの指示があったということ。
知事:はい。
朝日:分かりました。
そういう意味で、特別支援学校がラーケーションの対象になることの意義といいますか、ラーケーション、ほかの学校でも始まっていますが、改めて、どういう意義があるとお考えでしょうか。
知事:特別支援学校と、通常のほかの学校と、特段、差はあまりないと思っているのですけれども、そもそも子どもたちの休みの期間は、大体どこに出かけても大混雑するというのが、日本のほかの国と違うところでございまして、観光地に行こうが、どこに行こうが、週末とか夏休み期間は混んでいて大変だと。そうじゃない時期に、きちんと、課外で、親子で活動するとか、普段できないことをするということについて奨励するという意味でも、ラーケーションという仕組みは非常に有意義だと思いますし、ゆとりを持っていろいろ行動できるということもあって、私は、特別支援学校の生徒たちにとっても、そのほかの一般の学校の生徒たちにとっても、非常に有意義な制度になるんじゃないかなというふうに考えております。
朝日:ありがとうございます。
日経:少し質問がダブってしまって恐縮なのですが、最低賃金についてなのですけれども、国の方で50円の上げ幅目安で、実現をすれば1,000円台を超えるというふうに私は受け止めたのですけれども、50円とか、もしこのまま国の目安どおりにいけば1,000円台を超えるんじゃないか、そのあたりを、もう少しだけ、受止めをいただけますか。1,000円台というのは、一つ、大きい節目なのかなと私の方で思ったのですけれども、知事として、50円という数字については、上げ幅としてはいかがに思われたかなというのを、ちょっとお伺いしたいのですけれども。
知事:もう今や1,000円なんていうのは、通過点に過ぎないんじゃないかなというふうに思っています。
今、円安が進んで、これだけ輸入品を中心に物価が高騰してきている、あるいは、人口減少の中で、人が絡むサービス、個々の人件費も含めて高騰してきている中で、経済的に底辺にいらっしゃる方々が生活するのに、時給1,000円で足りるとも、私には思えないので、しっかりと経済実態に合って、物価上昇率に合わせて、最低賃金というのは政策的に上げていくというのが、絶対に私は必要だというふうに思っています。
常に言い訳として中小企業の経営という話を持ち出しますけれども、そういう金額を支払うことが、私は、経営する側の経営する資格だというふうにも考えられるんじゃないかなというふうに思います。そういう時代に、もう今やなってきている。デフレの時代は終わって、正常化の時代になってきているので、私はしっかりと、最低賃金というのは政策的に。
それ以上の賃上げについては、労使の交渉事だと思うのですけれども、今や、人を確保できるかどうかが、経営を成り立たせるための最も重要な要素になってきていることを考えれば、人件費をコスト、コストと思って、なるべく抑えようという経営者は、市場から退場せざるを得なくなる時代になってきているんだなというふうに考えると、最低賃金は、やはり物価上昇率以上にきちんと政策的に上げてあげることが、私は、最低限、必要だというふうに思っています。
日経:ありがとうございます。
東京(幹事社):各社さん、大丈夫でしょうか。
では、ないようですので、以上で終わります。
知事:ありがとうございました。
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Acrobat Readerが必要です。Adobe Acrobat Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。
このページに関するお問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください