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更新日:2024年4月26日
この資料は、県政記者クラブとの定例記者会見での発言内容を要約したものです。
知事定例記者会見の動画は、こちらから視聴いただくことができます。
(作成:報道・広聴課)
令和6年4月26日(金曜日)
10時45分~11時10分 会見室
知事:よろしくお願いします。
朝日(幹事社):幹事社の朝日新聞です。よろしくお願いいたします。
初めに、幹事社から3つ質問をさせていただきたいと思います。
1点目、インバウンドの誘客について、2点目は、熱中症特別警戒アラートについて、3つ目で、消滅可能性自治体について伺えればと思います。
1つずつ、御質問させていただきます。
まず、インバウンドの誘客についてなのですけれども、先日、岸田首相が、訪日客の地方への誘致といったインバウンド対策の検討を表明されました。
具体的には、東京、大阪、愛知を中心とする三大都市圏から地方に宿泊を分散することなどが挙げられていましたが、インバウンドは、茨城県内でも需要が高まっております。宿泊施設とかオーバーツーリズムの問題、どのように対応されていくのか、お考えをお聞かせいただければと思います。
知事:オーバーツーリズムになってほしいという逆説的な言い方になるのですけれども、インバウンドは、非常に日本では需要が高まっていて、大都市圏、あるいは京都などを含めて非常に人気があるんですけれども、茨城県への恩恵は非常に限定的だというふうに私は見ております。
韓国、あるいは台湾などからの旅行客が増えていますけれども、例えば、宿泊客で言うと、台湾はコロナ禍前(※)よりも減っていたりしていますし、韓国からのお客様はゴルフ需要が高いようなので、宿泊される方も多いようなのですが、まだまだ東京などの大都市圏に比べると、全然我々のところには恩恵が来ていないなというふうに思っております。
※事務局訂正:前年度と発言しましたが、訂正しております。補足:コロナ禍前(2019年)
この後の質問の消滅可能性都市とも関係するのですけれども、やはり経済が人口減少の中で今後厳しくなる可能性も高い中、海外からの需要の取込みというのは観光の面においても非常に重要だと思っていますので、本年度から、茨城県の営業戦略部においては、国内、国外、常に一体となって、観光誘客、プロモーションを行うような体制に体制変更して、インバウンド誘致の強化にさらに強力に取り組んでいきたいというふうに思っております。
朝日(幹事社):ありがとうございます。
朝日(幹事社):次に、熱中症特別警戒アラートについて伺います。
こちらは、健康に重大な被害が生じるおそれがある場合に、暑さが予測された場合に発表される熱中症特別警戒アラートの運用が今月の24日からスタートしました。
自治体が整備するエアコンの効いたクーリングシェルターについて、県内の設置状況、今後の進め方なんかについて教えていただければと思います。
知事:クーリングシェルターは、指定状況で言いますと、まだほとんど進んでおりません。那珂市において8か所が指定されている程度でございまして、これから今日、明日にでも会議が予定されているのですが、各市町村と連携を取ってクーリングシェルターを増やす努力をしていきたいと。
もう夏みたいな気温ですけれども、夏シーズンまでには、最低でも各市町村に1か所以上はクーリングシェルターがつくれるような働きかけを強力にしていきたいというふうに思っています。
一方で、熱中症ですけれども、特別警戒アラートという制度ができていることからも分かるように、非常に年々厳しくなってきているのかなというふうに思っています。
熱中症による救急搬送は年を追うごとにかなり急激に増加してきているため、我々としては、熱中症への警戒に対する普及啓発、それから、特に学校教育の現場などで、必ず熱中症アラートなどを踏まえながら、無理な運動、あるいは大会の運営などはしないような指導をしっかりと行ってまいりたいというふうに思っております。
朝日(幹事社):おっしゃっていただいた学校教育の現場なのですけれども、県として指針というか、自粛するようにということだとは思うのですけれども、何か基準みたいなものを策定。
知事:暑さ指数が31を超えた場合には、基本的に無理をさせないということを検討するということになっております。
33のアラート、あるいは、特別警戒アラートの35となったら、当然やらないということにはなると思いますけれども、31を超えた段階でもう要警戒という指導を今も行っております。
朝日(幹事社):それでは、3つ目に移ります。先ほどもありました消滅可能性自治体について伺います。
民間の研究機関の人口戦略会議の分析が24日に公表されて、県内では17の市町村が消滅可能性自治体というふうに分類されました。まずは、知事としての受止めをお聞かせください。
知事:これは10年前ぐらいでしたか、同じ増田さんが中心になって消滅可能性都市という言葉で、特に若い女性の人口動態を踏まえながら、それぞれの市町村の持続可能性を議論して、非常に大きな衝撃を与えたものの続編ということで、今回はブラックホール型とか新しい概念も増えてきていますが、これで考えなければならないことは、各市町村それぞれの努力ということ以上に、私は日本という国が非常に危機的な状況にあるということを行政を担う者として考えなければいけないのかなというふうに思っております。
消滅可能性都市という分類をされていないところにおいても、引き続き、人口減少が予測されていることには変わりないですし、持続可能とされた市町村は茨城県内ではつくばみらいだけですし、全国でもほとんど数えるほどしかないという現状を見たときに、これはそもそも日本が消滅可能性国なんじゃないかというような実態に陥っている可能性は非常に高いというふうに思っております。
県としてできることは、私は、就任以来、人口減少のことしか頭にないぐらい、人口減少対策ということで、何とか生き延びるための自治体としての強化に取り組んで、まず、生産性の向上であるとか、あるいは、現在では、外国人が永住して活躍できる環境を整えるとか、あるいは、結婚の晩婚化、未婚化ということが少子化の最大の要因になっているというふうに聞いているので、AIを使ったマッチングを県で導入するとか、様々な努力はしてきておりますが、社会的移動は若干好転しても、自然減の波を変える状況には全く至っていないと。当然、人口減少するものと考えながら行政を組み立てていく必要が出てきている。
こういう状況を反転させるためには、やっぱり非常識的な施策を国が打つしかないのかなと。子ども・子育て施策が抜本的に変わるということでありますけれども、多分あれでも全く不十分なのではないかと。
韓国では、話題になっています1,000万円差し上げるというような政策が議論をされるというふうに聞いていますけれども、とにかくものすごく常識では考えられないようなことでもやらない限り、この人口減少問題というのはなかなか解決しづらいのかなという印象を持っております。
朝日(幹事社):ありがとうございます。
今の知事のお考えにも少し関連するかなと思うのですけれども、今回、10年前の分析から、消滅可能性自治体から脱却したところと、そうでないところと、いろいろあったかと思うのですけれども、日本全体でそもそも人口が減少している状態の中で、近場の自治体と人を奪い合っているような、そういった見方というのもあると思うのです。
自治体の人口減対策というものについて、知事のお考えをお聞かせいただければなというふうに思います。
知事:まず、自治体の行政を担う者として、例えば、茨城県なら茨城県が活力ある地域社会を維持していくための努力というのは当然やらなければならないというふうに思います。
ただ、人口減少という大きな流れが非常に強い。その中で、自治体だけの努力では抜本的な変更はできないということを先ほども申し上げましたが、今までの考え方で言ったら、非常識と言われるような施策を打たない限りは、日本は非常に危機的な状況に今、陥っているのかなと。また、残った時間もそんなになくなってきているのじゃないかなという危機感は、言うまでもなく、みんなで共有しなければいけないと思いますし、何らかの施策を打ち出す必要性が求められているということをまさにこの人口戦略会議は訴えているんじゃないかなというふうに思っています。
朝日(幹事社):ありがとうございました。
それでは、各社さん、御質問がある方、よろしくお願いいたします。
茨城放送:LuckyFM茨城放送です。お世話になります。茨城県内で地域おこし協力隊員が増えているものの、定着率というのが全国平均を下回っているという問題について、所感ですとか善後策などがあればお願いしたいんですが。
知事:数字で見ると、全国平均の定着率が64.9%、それに対して県の平均が59.2%となっております。しかし、この内訳を見ると、県の採用している地域おこし協力隊の定住率の中で、例えば、県北芸術祭関連は20%しか定住していないですね。それに対して、最近、我々が進めている起業型、あるいは副業型は今のところ100%定住しているということなので、地域おこし協力隊がこの活動の終わった後、引き続き定住していくためには、地域に根ざした活動、特にビジネスを伴って、生業を伴った活動を地域の人たちと協力しながら作り上げていくということが逆に定住の可能性を増すのではないかなというふうに思っておりますので、今後、引き続き、そういう起業型の地域おこし協力隊を増やしていければなというふうに思っています。
また、取り組みとして、茨城地域おこし協力隊サポーターズという形で、地域おこし協力隊のOBの方々が中心になって、県も後押しして、いろいろな情報交換やバックアップの体制も整ってきていますので、そういう意味では、新しく県外から地域おこし協力隊としていらした方々についても、すんなりと地域で活動をスタートさせ、地域に溶け込み、かつ定住に繋がるような有意義な活動をしやすくなってきているのじゃないかなというふうに思っています。
茨城放送:言い方を変えますと、ある種、こういう対策というのは、官民一体という感じになりますか。
知事:もともと地域おこし協力隊は官民一体でやっているものですけれども、お客さんで来るという形じゃなく、実際に地域の人たちと密接に関わり合うような活動をされたほうが、その後の定住という選択肢が、より高くなるんじゃないかなというふうに私は解釈しています。
茨城放送:ありがとうございました。
茨城:茨城新聞です。よろしくお願いします。観光の話題に戻ってしまうのですけれども、明日からゴールデンウィークがスタートします。県内の見どころですとかアピールポイントなどありましたらお願いします。
知事:茨城新聞さんの記事で、ゴールデンウィークは随分好調だというような記事が、茨城県の予約がいっぱいで好調だという話も出ていますけれども、ひたち海浜公園のネモフィラをはじめ、陶炎祭であるとか、あるいは、5年に一度の御船祭が今年、北茨城でも行われたりと、非常に盛りだくさんの観光メニューが揃っているというふうに思いますので、是非ゴールデンウィークにたくさんの方に茨城県に来ていただきたいなというふうに思います。
また、昨年の秋に行われたデスティネーションキャンペーンの効果により、茨城県は、その後、民放各社さんなんかにも様々取り上げていただいて、非常に知名度も全国的に上がってきているのかなというふうに思いますので、そういうことも含めて、今は海外旅行がちょっと高過ぎて行けなくて国内旅行に切り替える方が非常に増えているようなので、そういうニーズを是非茨城県に取り込むことができればなというふうに思っております。
茨城:ありがとうございます。
茨城:もう1点、お伺いします。
5月8日で新型コロナウイルスが5類に移行して1年が経ちます。この1年間、県内の状況を振り返ってみて、知事はどのように見ていらっしゃるのか教えてください。
知事:5類移行後、感染者数は若干増えたり下がったりというのを低いレベルで繰り返してきておりまして、皆さんもお感じのとおり、コロナ禍ということを意識せずに生活できる、コロナ禍前の日常がほぼ戻ったような状況になっているのかなというふうに思っております。
これも、医療関係者の皆様の御努力であるとか、様々な関係者の御努力のおかげだというふうに感謝申し上げたいと思います。
茨城:ありがとうございます。
毎日:毎日新聞です。人口減少について、先ほど、知事は、二度にわたって、国を挙げて非常識な施策を打たないといけないとおっしゃいましたけれども、知事がもし国レベルで非常識な施策を打てる立場にあるとしたら、どんな施策を思い描いていらっしゃいますか。
知事:非常に難しい問いであるので、私もこれだ、これをやればということは申し上げる能力はないというふうに思っております。
ただ、一つ言えることは、お子さんを持つことによっての負担が増えるということがないような環境をどうつくるか。これは、金銭的なものなのか、マンパワー的なものなのか、あるいは職場環境みたいなものなのか、様々、全部関わってきていることなので、これ一つと言うことはできないと思うのですけれども、ただ、その対策のレベルというのは、今、国が打とうとしているレベル程度では、多分、人口減から人口増とかに反転することは、この実態を見ると、ほぼ難しいのかなという印象を持たざるを得ないということであります。
毎日:そうしますと、今、岸田政権の方では異次元の少子化対策というものを行っていますけれども、その異次元の少子化対策についてはどのように評価されていますか。
知事:スタートとして、ここからスタートだということで、これが最終版では全然あり得ないという考えを持った上での異次元の少子化対策にすべきじゃないかなと。
いろいろ財源のところで非常に揉めていますけれども、それ以上に、人口減少対策を本気でやるのだったら、ちょっとレベル的にもっとかなり過激なことをやらないと難しいのではないかなという印象は持っています。
ですので、まず始めるということは非常に意義があるかもしれませんけれども、不十分だと分かった瞬間に、次々手を打つということを本気であと10年以内ぐらいにやらないと、非常に国自体の危機的な状況が止めようがなくなってくる可能性はあるんじゃないかなと思っています。
毎日:ありがとうございます。
日刊工:日刊工業新聞です。人口減少についていろいろお話しいただいていて、ただ、人口を増やしていくためには、産業みたいな、仕事がそもそもないと住まないよねというところもあったりして、知事が今お考えになっているところで、例えば、企業誘致に今後力を入れていくであったりとか、今ある企業さんに支援をどんどんしていくとか、この間の予算案では、製造業に対して、例えば、海外の展示会への支援とか、いろいろやっていらっしゃるようなのですけれども、そのあたりのお考えをお伺いしたいです。
知事:地域が人口減少時代で活力を持ちながら生き残っていくためにも、おっしゃるような、きちんと子どもを生み育てていくに十分な生活ができる仕事を地域にしっかりとつくっていくということが大前提であると思っています。
そういう意味では、例えば、農業においても、生産性を上げなければ、後継者が全然来ないというような状況をひっくり返すために、輸出、あるいはブランド化という形を使いながら、利益率の高い、生産性の高い儲かる農業ということを、今、推し進めておりますし、製造業などにおいても、県が輸出のノウハウのない企業などにも声をかけて、意欲のあるところに声をかけて、海外展開でさらにビジネスチャンスを掴んでいけるような手助けを行っております。
企業誘致ということもそういうことでありますし、そういう生産性を上げていく努力、それから、増田さんの会議では否定的な取り上げ方をされていますけれども、外国人の方にも定住してもらって、重要な戦力として地域社会で働いてもらうということは、私はもう避けて通れないと思っておりまして、そこのための環境というのは、単に職場だけではなくて、家族一緒に生活し、子どもを教育できる、外国人の方々も地域社会に溶け込みながらそういうことができるという環境をどうつくっていくかということが非常に私は重要だと思っているので、そういうものもできるだけ先取りして、環境整備をしたいというふうに思っています。
そのほか、様々、女性の活躍、ダイバーシティなども含めて、女性をどんどん登用して、活躍していただく環境づくりとか、数え上げれば、ほとんど全ての県の施策はこの人口減少問題を発端として考えているものですので、全てが今後の人口減少対策になっているのかなというふうに思っています。
日刊工:ありがとうございます。
朝日(幹事社):そのほか、ございませんでしょうか。
ないようでしたら、これで終了とさせていただきます。
ありがとうございました。
知事:ありがとうございました。
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