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更新日:2020年6月22日
平成21年8月
きのこ特産部
林業技術センターでは,既存の栽培種と競合しないきのこ類を探索し,林地で栽培する技術の開発を目指した研究を行っています。平成20年度から,全国でも栽培化を検討した事例がない新品目のツチヒラタケについての研究に取り組み,菌床をバーク堆肥と一緒に林床へ埋め込むことで,きのこを大量に発生させることに成功しました(林業普及情報平成21年3月「ツチヒラタケとオオイチョウタケの菌床露地栽培」)。
これまでに得られた主な成果の概要は次のとおりです。
1.菌床埋め込み後約1年間の総収量は,培地重量の6~7割に達し,とても高い収量が得られました。
2.発生時期は,6月上旬から11月上旬までの長い期間となることが分かりました。
3.他の露地栽培きのこと競合することの少ない夏季(7月~9月)に集中して発生が認められました。
4.菌床埋め込み翌年の6月以降にも発生が始まり,本種の菌糸は土中で死滅することなく冬期間を越せることが分かりました。
このように,高収量で夏季にも発生するなど,従来の栽培種と比べて有利な性質があるため,食用きのことして普及することができれば,農山村の新たな収入源として期待できます。
しかし,本種は知名度が低く,生態等に関する知見も十分蓄積されてはいないことから,引き続き市場性に関する情報収集や栽培技術の改良に努め,実用性を検討していきたいと考えています。
写真-1.菌床の埋め込み作業(H20.6月中旬) | 写真-2.H20.7月中旬の発生状況 (菌床を埋め込んだ外周部に発生) |
写真-3.H20.9月上旬の発生状況 (菌床を埋め込んだ上面全体に発生) |
写真-4.H20.10月の発生状況 (夏を過ぎると黄褐色のきのこ発生) |
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