ここから本文です。
更新日:2020年6月22日
平成23年12月
きのこ特産部
ハタケシメジのプランターを用いた菌床露地栽培では,発生したきのこの土かみ,水分過多,奇形などの品質低下がしばしば問題となります。このため,当センターでは,菌床伏せ込み時において,高品質,かつ高収量を保持するための最適な上面被覆資材の種類を明らかにしたので,その成果の概要を紹介します。
2009年9月15日,鹿沼土(中粒)を3センチメートル厚に敷いたプランターへ,三重県松阪飯南森林組合から購入(種菌:亀山1号)した2.5キログラム菌床3個を入れ,菌床上面までバーク堆肥を充填後,各種の資材{A:バーク堆肥,B:コナラおがくず,C:鹿沼土(大粒),D:赤玉土(大粒),E:切りワラ,F:ケヤキ落ち葉,G:鹿沼土(大粒)および切りワラ,H:鹿沼土(大粒)およびケヤキ落ち葉}で被覆処理を行い,トンネル掛け等の雨よけを行わずに,センター構内のスギ林内ほた場で管理し,2年間の収量を調査しました(図-1)。菌床上面の被覆資材の厚さは,A~Fが3センチメートル,GとHが5センチメートルとし,供試プランター数は各処理区とも2台としました。
図-1ハタケシメジの被覆処理試験区(左から順にA~H) |
発生したきのこの品質評価結果を表-1,2年間の収量を表-2に示します。
本調査では,いずれの処理区でも虫害は認められませんでした。A~Hの処理区の中で,きのこの品質が最も良好で,かつ最も高収量となる菌床上面の被覆資材は,C区の鹿沼土(大粒)でした。G区,H区をC区と比較した結果,切りワラや落ち葉は,品質評価の平均点数が上がらず,子実体の品質を向上させる被覆資材となりませんでした。なお,2年目の収量は,どの処理区も総じて低く,1年目と比べて小株となり品質は低下しました。このため,ハタケシメジのプランター栽培では,品質および収量性からみて,図-2に示す「バーク堆肥充填・鹿沼土被覆」の伏せ込みによる1シーズン限りの管理形式が,経営上有利であることが示唆されました。
図-2バーク堆肥充填・鹿沼土被覆による伏せ込みの模式図(横から見た図) |
このページに関するお問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください