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更新日:2020年6月22日
平成23年12月 きのこ特産部 1.はじめに林業技術センターでは,毎年春に発生するという野生のマイタケを入手し,菌糸体を分離・培養し,林内での原木露地栽培試験に取り組んできました。その結果,「春(5~6月)にきのこが発生する」という珍しい性質を持つことを確認することが出来ました(きのこ研究開発トピックス「露地で春に発生するマイタケ栽培の研究について」参照)。また,春に発生するマイタケ(以下,春マイタケ)についての栽培の特性を解明したので,その概要をご紹介します。 2.春に発生する原木マイタケの栽培特性(1)ほだ木の埋め込み適期
春(5~6月)に発生させるための適切なほだ木の埋め込み時期を探るため,林業技術センター構内の林地に春マイタケのほだ木を埋め込み,マイタケの発生状況を調査しました。ほだ木の林地への埋め込み時期は,平成15年12月,平成16年4・5・11・12月,平成17年5・6・11・12月,平成18年1・2・3・5・6・12月,平成19年1月,平成20年6・7・8月に設定しました。 (2)春マイタケの発生継続年数 平成16年4月にほた木を埋め込んだ試験区では,平成17~22年春(5~6月)に6年連続してマイタケの発生を確認することができました(表-1)。 (3)春マイタケの発生量 きのこの発生量について,原木1キログラム当たりの収量割合を春と秋で比較すると,春の方が多く,総収量の約7割が春に発生しました(表-2)。 (4)ほだ木を埋め込む林地の種類 春マイタケのほだ木を,平成18年に,林業技術センター構内の自然環境条件の異なる4カ所(コナラ林,テーダマツ林,スギ林,ヒノキ林)の林地に埋め込んだところ,平成19年春に全ての林地で発生しました(表-4)。 3.春に発生したきのこの特徴春マイタケの特徴として,秋に発生するきのこと遜色のない姿形であること,秋に発生するものよりも柄部が太くてボリュームが多く,傘部が大きくなりやすいことが明らかになりました。 4.春に発生する原木マイタケ栽培の現地普及状況について
平成20年に大子町で,平成22年に鉾田市で,平成23年には,水戸市,常陸太田市,高萩市,桜川市で,生産者グループによる試験栽培が始まりました。 5.おわりに林業技術センターでは,今後,春マイタケの収量性,品質性,病害虫防除等の技術改良を図り,生産者グループへの栽培技術面での支援を行っていきたいと考えています。 |
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