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更新日:2023年5月12日

キュウリ-退緑黄化病(病原ウイルス Cucurbit chlorotic yellows virus(CCYV))

発生及び被害の状況と発生条件

本病はウイルス病で,一度発病すると治療はできない。病徴は主に葉に見られ,はじめ葉に退緑症状を伴う小斑点を生じ(写真1),その後,小斑点が拡大しながら融合し,大型斑点症状や,さらに葉脈間が退緑した黄化症状を呈する(写真2)。病徴を生じる葉は上位方向に進展し,下位方向への進展や異なる葉位で同時に黄化することはない。発病時期が早いほど果実の収量や品質に影響をおよぼす。なお,本病はオンシツコナジラミにより媒介されるキュウリ黄化病(BPYV)と症状が酷似しており,肉眼による区別は困難である。
本ウイルスは,タバココナジラミバイオタイプQ及びBにより媒介される。タバココナジラミは,ウイルスに感染した植物を吸汁することでウイルスを獲得し,半永続的に伝搬能力を保持する。その他詳細については不明だが,既知のクリニウイルスでは,経卵伝染,汁液伝染,種子伝染,及び土壌伝染はしないことが確認されている。現在までに自然感染の確認が報告されている作物は,メロン,キュウリ,スイカである。

防除のポイント

1.雑草はタバココナジラミの生息場所となるので,ほ場内外の除草を徹底する。
2.育苗時に感染すると被害が大きくなるので,育苗時の防除を徹底し,症状が疑われる株は直ちに処分する。
3.施設栽培においては,ハウス開口部に0.4ミリメートル目合い以下の防虫ネットの設置や,ハウス周辺に光反射マルチを設置すると,タバココナジラミの侵入防止に効果がある。なお,防虫ネットの設置はハウス内の温度上昇が懸念されるので,遮光資材の設置等,降温対策を講じる。
4.ハウスにUVカットフイルムを展張すると,タバココナジラミの侵入抑制効果があるが,生育が軟弱になることや,ミツバチの行動に影響を及ぼすことがあるので注意する。
5.タバココナジラミの防除を徹底する。また,黄色粘着板を利用して発生動向を把握し,発生初期に防除を行うと効果的である。
6.施設栽培においては栽培終了時に,株元を切断する等の断根処理と除草を行った後,ハウスを密閉して1~2週間程度蒸し込み処理を行い,タバココナジラミを確実に死滅させる。

タバココナジラミについてはこちら

キュウリの耕種的防除法および物理的防除法

※画像の無断使用および転用を禁じます。 

葉の退緑小斑点症状 (写真1)葉の退緑小斑点症状

葉の退緑黄化症状 (写真2)葉の退緑黄化症状

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農林水産部農業総合センター病害虫防除部発生予察課

〒319-0292 茨城県笠間市安居3165-1(園芸研究所内)

電話番号:0299-45-8200

FAX番号:0299-45-8255

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