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更新日:2023年5月29日
本病は,糸状菌(かび)の一種によって引き起こされ,主に種子伝染により発病する。罹病株は分げつがやや多くなり,短稈となる。罹病穂は健全穂よりやや小さく,成熟期になっても暗緑色を呈し,芒がよじれたり変形することが多い。頴は小さく中軸に不規則に着生し,一部では頂部が開き,内側から暗茶褐色の胞子が露出することがある。子実の中は暗茶褐色の胞子が充満して,これを押しつぶすとなまぐさい臭いがする。罹病種子は収穫作業時にコンバインの中でつぶれ,健全種子を汚染するため被害が拡大する。また,収穫時のこぼれ種子が圃場に残り伝染源となることが多い。
1.必ず種子更新し,種子消毒を行う。
2.こぼれ種子が圃場に残り伝染源となるので,田畑転換できる圃場は水田にし,土壌中の胞子とともに種子を死滅させる。
3.畑麦の場合,他作物を栽培し,発生した異株を除去して駆逐する。
4.発病が認められた圃場の収穫作業は他の圃場が終了してから行う。また,発病圃場の作業後は,コンバインや乾燥施設などの清掃を徹底する。
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健全穂(左),罹病穂(右)
露出した罹病子実
胞子が充満した罹病子実
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