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更新日:2024年9月30日
レジオネラ症(legionellosis)は、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)を代表とするレジオネラ属菌が原因で起こる感染症です。レジオネラ属菌により汚染されたエアロゾル(目に見えないほど細かい水滴)や土ぼこりなどを吸い込むことで感染します。レジオネラ症の報告数は年々増加しており、例年夏頃に多く発生し、旅行と関連した報告も増えているため、これからの季節は特に注意が必要です。
レジオネラ属菌は、もともと土壌や水環境に普通に存在する菌です。しかしながら、快適な生活や水資源の節約のため、エアロゾルを発生させる人工環境(噴水等の水景施設、ビル屋上に立つ冷却塔、ジャグジー、加湿器等)や循環水を利用した風呂が屋内外に多くなっていることなどが感染する機会を増やしていると考えられています。
(顕微鏡で見たレジオネラ属菌(長桿菌、グラム染色)
レジオネラ属菌は、主にレジオネラ属菌により汚染されたエアロゾルや土ぼこりなどを吸い込むことで感染します。レジオネラ属菌に汚染された循環式浴槽水、シャワー、ジャグジー、冷却塔水、加湿器などの人工環境水のエアロゾルが主な原因となります。
なお、人から人への感染事例はありません。
レジオネラ症の潜伏期間は、2~10日です。レジオネラ症の主な病型として、重症のレジオネラ肺炎と軽症のポンティアック熱が知られています。
レジオネラ肺炎は、全身倦怠感、頭痛、食欲不振、筋肉痛などの症状に始まり、咳や38℃以上の高熱、寒気、胸痛、呼吸困難が見られます。稀に、心筋炎などの肺以外の症状が起こることもあります。また、意識レベルの低下、幻覚、手足が震えるなどの中枢神経系の症状や、下痢がみられるのもレジオネラ肺炎の特徴です。軽症例もあるものの、適切な治療がなされなかった場合には急速に症状が進行することがあり、命にかかわることもあります。
ポンティアック熱は、突然の発熱、悪寒、筋肉痛などの症状がみられますが、一過性で自然に治癒します。
レジオネラ症の報告件数は、近年の検査法の開発・普及に伴い増加傾向にあります。
レジオネラ症の国内の発生例は一年中みられますが、特に7月、9月に多く、温泉への入浴や旅行と関連してみられることがあります。
病型別の発生状況としては、レジオネラ肺炎が大半を占めています。
お風呂のお湯は毎日入れ替え、清掃を行い、浴室内を清潔に保ちましょう。シャワーもエアロゾルを発生させますので、シャワーヘッドやホースを定期的に清掃、消毒するようにしましょう。また、ご家庭及び入浴施設では、以下の点について注意して入浴しましょう。
高齢者施設において、加湿器内の汚染水のエアロゾルを吸入したこと等が原因とされるレジオネラ症の感染事例が報告されています。加湿器を使用する際は、以下の点について注意しましょう。
茨城県衛生研究所では、レジオネラ症を減らすために、保健所からの依頼に伴い、レジオネラ属菌の検査を実施しています。複数人の患者や、患者が利用した共通の公衆浴場などからレジオネラ属菌が分離された場合は、菌の遺伝子を詳しく解析することで関連性の有無を調べることもあります。
レジオネラ症についてもっと知りたい方は、以下のホームページをご覧ください。
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