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更新日:2024年9月30日
麻しんは以下の特徴があります。
臨床診断をした時点で、すべての医師が速やかに管轄の保健所に届け出ることが義務づけられています。
特に医療従事者においては麻しんでは予防接種歴や罹患による免疫の有無を確認することが非常に重要です。
現在成人の方は、ワクチンの接種歴や罹患歴が子どもの頃であることが多く、ご自身やご両親の記憶が確かでないこともあります。
→母子手帳で正確な情報の確認を!
麻しんに関する主な検査は、遺伝子検査と抗体検査がありますが、それぞれ採取時期や検査目的が異なります。
検査名 | 実施施設 | 検査材料の 採取に適する 時期 |
目的 | 備考 |
リアルタイムPCR検査 | 地方衛生研究所 | 発疹出現後 7日以内 |
麻しんウイルス遺伝子の直接検出 | 保健所を通して依頼する。少なくとも発疹出現後7日以内 |
麻疹特異抗体IgM抗体検査 (IgM-EIA法) |
民間検査機関 | 発疹出現後 4~28日目 |
病原体の初めての侵入に対して起こる早期の免疫応答の有無の確認 | 発疹出現初期は陰性になる場合がある(偽陰性) |
麻疹特異抗体IgG抗体検査 (IgG-EIA法) |
1回目(急性期):発疹出現後4日目まで 2回目(回復期):2週間~4週間後 |
2回の採血での抗体価の陽転、有意上昇の確認。 (罹患歴、ワクチンの効果判定、抗体保有状況などの用途での検査もある) |
感染の有無での判断では、2回のタイミングでの採血結果の比較が有用(ペア血清での検査) |
『民間検査機関での抗体検査』と『地方衛生研究所でのウイルス遺伝子検査』を同時並行して行っていくことが重要です。
現在、麻しんと臨床診断(*4(外部サイトへリンク))された全例に対してウイルス遺伝子の直接検出法による検査診断を実施することが求められてます。
※注意:麻しん特異抗体IgMの上昇には時間がかかるため、この抗体査結果を見てからの報告では対応が遅れ、感染拡大の危険性が上がってしまうことがあります
血液、咽頭ぬぐい液及び尿を対象として検査を行います。複数種類の検体を検査対象とするのには以下の理由があります。
【咽頭ぬぐい液】
麻しんウイルスは免疫を担う全身のリンパ組織を中心に増殖し、免疫細胞で増殖したウイルスが気道腔内へ放出される
→リンパ組織が集まる場所に近い気道腔を拭うことができる、咽頭ぬぐい液の採取が最も重要
【血液(EDTA加血)】
リンパ組織で増殖したウイルスは血液循環へ運ばれる
【尿】
尿からは比較的長期間ウイルスが検出されるとの報告がある
→採取時期が少し遅延した場合でもウイルスを検出できる可能性がある
これらの理由のため、3種類の検体で検査を行うことが非常に重要です。
厚生労働省ホームページ(国立感染症研究所感染症情報センター資料):
麻疹の検査診断の考え方(外部サイトへリンク)
東京都感染情報センター:
麻しんQ&A II ワクチン関連 (外部サイトへリンク)
広島県医師会臨床検査センター:
免疫グロブリン(IgG、IgA、IgM)と疾患(外部サイトへリンク)
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