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更新日:2018年2月1日
青年海外協力隊として平成28年10月にペルーへ派遣された本県出身の石原雄一郎隊員から、現地での活動の様子についてレポートが届きました。
茨城県では、派遣隊員の皆様を「茨城県国際親善大使」として委嘱し、茨城県と世界との架け橋として活動していただいております。
茨城県土浦市出身です。JICAボランティアへの最初の参加は,2009年の秋でした。大学の2期上の先輩が短期でJICAボランティアに参加していた経験があり,話を聞き興味を持ったことがきっかけで自分も短期のボランティアに参加しました。しかし,短期ボランティアは1ヶ月の長期隊員の補佐という活動でした。帰国後,もっと深く関わっていきたいという気持ちが芽生え,長期での活動をしたいと思い応募しました。
〈左石原雄一郎隊員〉
任地は首都のリマですが,リマの渋滞はとにかくひどいです。ただ交通量が多いだけではなく,交通マナーもひどいので日々慢性的な渋滞が起こっています。また,リマは12月から3月の間以外ほとんど太陽が出ません。ずっと曇りなので気持ちも曇り気味になりがちです。
食事に関しては,昼食を1日のメインとしている国でしっかり食べます。その分,夜は控えめという人たちが多いと思います。庶民のお昼ご飯は「メニュー」と言われるもので,基本的にエントラーダという前菜(スープなどの場合が多い)とセグンドと言われるメイン+飲みものというものが一般的。首都ではだいたいそれが日本円で300円程度で食べられます。地方では200円かそれ以下。
〈ペルー料理(アルパカのお肉)〉
元々の派遣要請は,体操競技の男子ナショナルコーチ及びコーチの育成ということでしたが,いざ派遣されると全く違う部署に置かれるという現実が待っていました。女子のジュニアナショナルチームに配属され3ヶ月間指導をしました。その後,体操協会の方から「男子のナショナルチームの指導に加わりたいか?」という話を頂き,その場で迷うことなく「はい!」と答えました。が,実はその話の裏にはトランポリン競技のコーチを引き受けてほしいということがあったのです。今までペルー国内になかったトランポリン競技を始めたいからその最初の一歩を作ってくれとのことでした。
練習時間は体操競技と同時刻で行っているため,実際,体操競技を指導することはできず・・・。この状況を受け入れるのには多少の時間が必要でした。また,トランポリンの競技経験など一切ありませんでしたから,選手とゼロから色々試行錯誤の日々・・・。ましてやトランポリン競技を始めたいと言っている協会が競技用のトランポリンを所有しておらず,全然跳ねないトランポリンで練習せざるを得ない日々・・・。
そんな日々を乗り越えて半年後,ようやく競技用のトランポリンがペルーに届き,練習を始めることができました。つい先日,11月の半ばにはペルーとして初めての国際大陸大会に出場しました。残りの任期もペルー初のトランポリンのコーチとして2018年5月にボリビアで開催される南米大会,2019年のアメリカ大陸大会に向けて全力で活動していきたいと思っています。
〈念願の競技用トランポリン〉
「当初の要請通りの仕事をしなければならない」という観念に囚われ過ぎると,今目の前にある配属先がしてほしい「ニーズ」に応えること,向き合うことが非常に難しくなってしまいます。
トランポリンを指導し始めた頃,当初の要請内容である体操競技を指導していない自分に対し,「全く仕事していないじゃないか,これじゃダメだ」と感じてしまっていた毎日でした。体操競技の指導者が必要な場所で体操を教えることが自分の仕事なんじゃないかと思い込んでいたのです。
そんな時,任地変更の相談を調整員の方とした時に,色々とアドバイスを頂き徐々にではありましたが,要請内容と違う仕事をすることも相手の「ニーズ」に合致していれば後は自分の気持ち次第であるということに気づくことができました。また,そういった悩んでいる状況では自分で溜め込まず周りに話すことも大事だということに気づくことができました。
〈アメリカ大陸大会にて〉
残りの任期は1年を切り,ようやく活動の方向性が決まってきたところです。2019年に地元ペルーのリマで開催されるアメリカ大陸大会での決勝進出をめざし,選手とともに切磋琢磨していきたいと思います。
今,応募しようかと考えている方もいらっしゃるかと思いますが,今現在活動をしているボランティアとして送りたいメッセージとしまして,「自分には何も途上国の方々に伝えられること,教えられることなんてないのではないか」とお考えになり応募を躊躇されている方もいらっしゃることと思います。しかし,実際に求められていることは,現地の方々と関わり日本を知ってもらうこと。「日本人って,いい人たちじゃないか。」と思ってもらえれば活動としては十分で,何かしらの結果を残して帰国できれば大成功。というくらいの気持ちで構わないと思います。
しかし,決して楽しいことばかりではありませんし,ストレスを感じることも多々あるかもしれませんが,自身の可能性や知見を増やすとても良い機会になるかと思います。何かを教えに,自分が途上国を変えてみせるんだ。といったスタンスではなくむしろ教えてもらいに行くといったスタンスで応募されてみてもいいかもしれません。扉は誰にでも開いています。その扉を通ってみなければ見られない景色が待っています。その先の景色はボランティアの数だけ違った景色があると思います。自分だけの景色を作ってみませんか?
JICAボランティア平成28年度2次隊
青年海外協力隊体操競技
石原雄一郎
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