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更新日:2020年8月28日
青年海外協力隊として平成27年10月にモンゴルへ派遣された本県出身の辻ゆかり隊員から、現地での活動の様子についてレポートが届きました。
茨城県では、派遣隊員の皆様を「茨城県国際親善大使」として委嘱し、茨城県と世界との架け橋として活動していただいております。
サインバイノー(こんにちは)。
2015年10月からモンゴルで活動中の辻ゆかりと申します。
笠間市出身です。派遣前は、東京や香川県で中学、高校の体育教師として働いていました。
協力隊には以前から興味があり、いつかは行ってみたいと考えていましたが、3年前に行ったJICAボランティアの説明会での出会い等で背中を押してもらい、現在モンゴルで生活、活動しています。
モンゴルの面積は日本の約4倍、人口は茨城県と同じくらいです。
私の任地はモンゴルで第3の都市と言われているエルデネトという街で、首都ウランバートルから約370キロメートル、人口は14万人ほどで、モンゴルとロシアの合弁会社だった鉱山があるため、ロシア人もたくさんこの街に暮らしています。
小さな街なので、外を歩いていたり、買い物をしたりしていると、「こんにちは、仕事はどう?(モンゴルの日常の挨拶です。)」とたくさんの知り合いに声を掛けられます。とても明るく、困っていると声をかけてくれ助けてくれる親切な人たちが多いです。
第3の都市と言われ、中心部には小さなデパートや市場等の施設が充実していますが、そんな中にも、馬や牛などの家畜が道を歩いていたりとモンゴルらしさを感じることができます。
【任地:エルデネト】
体育の授業、クラブ活動での指導、教員対象のエクササイズ、日本文化紹介(折り紙教室、日本祭、ソーラン節の指導)、任地での運動会等、2年間で幅広くたくさんの活動をしてきました。
その中でも特に、日本祭、運動会について書きたいと思います。
今年5月、任地エルデネトで初めてとなる日本祭を開催しました。私の配属先であるオルホン県教育局、同任地隊員の配属先である青年開発局の協力を得ての開催。当日は、現地の人々を交えて盆踊りを踊ったり、折り紙や浴衣の試着、お茶等の文化体験をしたりと子供から大人まで多くの方々に興味をもってもらい、450人以上の市民が来場し盛大に開催することができました。また、JICAボランティアとエルデネト市民の交流の場ともなりました。
【日本祭の様子】
9月には、エルデネト大運動会を開催しました。
体育の先生方と協力して開催できれば、今後も取り入れてもらえるかもしれない、という期待を込めて、エルデネトにある18校の学校から生徒を集めての開催。当日はあいにくの雨で、予定していた屋外の運動場での開催はできませんでしたが、ラジオ体操や盆踊り、2人3脚、台風の目、障害物競争等の競技を体育館でできる内容に変更して行いました。
初めて行う競技に戸惑いながらも、子どもたちも先生方も一生懸命取り組んでくれ、素敵な笑顔もたくさんみることができました。終了後には、「色々な種目があってとても楽しかった」との声を聞くことができ、準備は大変でしたが、たくさんの方々の協力を得て無事に開催できてよかったと思いました。
また、今回の大きな成果は、CP(カウンターパート、一緒に活動する現地の方)と一緒に開催できたということでした。私は、県の教育局配属なので、なかなかCPと一緒に仕事をする機会を作れずにいましたが、協力して運動会を開催することで、日本のことやモンゴルのこと、どうしたらモンゴルのやり方にあったものになるか等、話し合いながら準備を進めることができました。
日本の文化を紹介し、体育の授業の大切さを一緒に考える機会となり、協働することでCPとの距離をまた少し縮めることができました。
【運動会の様子】
モンゴルの冬はとても長く、とても寒いです。特に1.2月頃が1年の中で一番寒く、気温は-40度ほどまで下がります。濡らしたタオルが数秒で凍るほどです。
今では街が栄えそこに定住する人も多いですが、遊牧民族であったモンゴル人は、肉を食べる機会が多く、子どもから大人までみんな肉が大好きです。1歳の子供も骨付きの肉にかぶりつきます。そんなモンゴル人は、風邪を引いたとき、「馬の肉を食べなさい」と言います。
日本人の私としては、「風邪を引いたら肉を食べる」という習慣がないので、最初は違和感がありましたが、野菜等の食べ物が少ない中で、栄養価の高い馬肉を食べるというのはりにかなっているのかな、と思います。
モンゴルには人の20倍ほど、約6000万頭の家畜がいると言われています。自然とともに暮らすモンゴル人には、家畜を大切にし、ともに暮らしていく生活の知恵がたくさん詰まっています。
【モンゴルの風景】
もう少しで2年間の任期が終わります。
日本を離れて、改めて日本の素晴らしさに気づくことができ、モンゴルの大自然に触れ、異文化を体験し、自分の知っている世界がいかに狭かったかということを思い知らされた2年間でした。
この2年間、楽しいこと、辛いこと、たくさんのことがありました。たくさんの人に出会い、たくさんのことを教えてもらいました。たくさんの愛情をもらいました。そんな任地の人たちと過ごせる時間も残りわずかです。最後まで任地の方々と楽しく過ごしたいと思います。
ゆっくりとした時間の流れを感じることができる自然豊かなモンゴルへ、ぜひ一度足を運んでみてください。
【授業の子供たちと】
青年海外協力隊27年度2次隊
辻ゆかり(体育)
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