ここから本文です。
フロンとは、フルオロカーボン(フッ素と炭素の化合物)の総称です。フロン排出抑制法では、CFC(クロロフルオロカーボン)、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)、HFC(ハイドロフルオロカーボン)を「フロン類」と呼んでいます。
フロンは、化学的に安定した性質で扱いやすく、人体に毒性が小さいといった性質であるため、空調機、冷蔵・冷凍庫の冷媒や、建物の断熱材、スプレーの噴射剤など、わたしたちの身の回りの様々な用途に活用されてきました。
しかし、オゾン層の破壊、地球温暖化といった地球環境への影響が明らかになったため、より影響の少ない他の物質への代替が、可能な分野から進められています。
オゾン層は成層圏(約10~50km上空)にあり、有害な紫外線を吸収して地球上の生物を守っています。
しかし、CFC、HCFCは、大気中に放出されるとオゾン層まで到達して、オゾン層を破壊してしまいます。そのため、CFC、HCFCは、国際的に生産・消費が規制され、我が国においても生産・消費が全廃されるとともに、すでに冷媒として使用されているCFC、HCFCの回収・破壊が進められています。
オゾン層保護普及啓発パンフレット「オゾン層を守ろう」(環境省パンフレット)(PDF:10,133KB)
出典:環境省HP
CFC、HCFC の代替として、主に、オゾン層を破壊しない HFC(代替フロン)への転換を進めてきました。しかし、HFC は、オゾン層を破壊しないものの、二酸化炭素よりも大きな温室効果があります。
そのため、地球温暖化の防止の観点から、フロン類の大気中の放出を抑制するとともに、ノンフロンや温室効果の低い物質への転換が重要となります。
出典:環境省HP
※GWP:地球温暖化係数(二酸化炭素を1とした場合の温暖化影響の強さを表す値)
フロン類の適正管理のために、平成13年に「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律(フロン回収・破壊法)」が制定され、業務用冷凍空調機器の整備時・廃棄時のフロン類の回収・破壊等が進められてきました。
しかし、「冷媒HFCの急増」 、「冷媒回収率の低迷」、「機器使用中の大規模漏えいの判明」等の問題、さらには、「ノンフロン・低GWP製品の技術開発・商業化の進展」、「世界的な高GWPを巡る規制への動き」といったフロン類をとりまく状況が変わってきました。
そのため、これまでのフロン類の回収・破壊等に加え、フロン類の製造から廃棄までのライフサイクル全体にわたる包括的な対策が取られるよう法律を改正し、名称も「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律(フロン排出抑制法)」と改めました(平成27年4月1日施行)。
フロン排出抑制法(環境省パンフレット)(PDF:7,598KB)
出典:環境省HP
フロン排出抑制法については、YouTube 動画(環境省)改正フロン排出抑制法の概要・要点をまとめた動画で、より詳しい説明を見ることができます。
フロン対策の基礎知識 YouTube 動画(環境省)(外部サイトへリンク)
機器ユーザー向けフロン排出抑制法の概要 YouTube 動画(環境省)(外部サイトへリンク)
建物解体業者及び廃棄物・リサイクル業者向けフロン排出抑制法の概要 YouTube 動画(環境省)(外部サイトへリンク)
フロン類を取り扱う関係者のみなさまは、フロン排出抑制法に基づき、フロンの適正管理に努めてください。
第一種特定製品(業務用冷凍空調機器)を所有する管理者となる方は、平常時の機器の管理のほか、機器の設置・点検、漏えい防止の措置等の管理と、算定漏えい量の報告、第一種特定製品の廃棄時等におけるフロン類の回収が求められます。
なお、フロン類を回収しないまま第一種特定製品を廃棄すると、行政指導などを経ることなく即座に刑事罰(50万円以下の罰金)の適用対象となります。詳細はこちら(環境省、経済産業省のチラシ)へ(PDF:871KB)。
第一種特定製品の管理者の機器管理
出典:環境省HP
第一種特定製品の管理者、整備者、廃棄等実施者が取り組む内容
出典:環境省HP
第一種特定製品の廃棄について
出典:環境省HP
第一種特定製品に冷媒として使用されるフロン類を充填、回収する事業者の方は、都道府県への登録が必要になります。登録・更新はこちらへ。
また、フロン類充填回収業者として登録している事業者の方は、毎年5月15日までに、前年度のフロン類の充填量及び回収量について、都道府県知事への報告が必要になります。報告書についてはこちらへ。
第一種特定製品に冷媒として使用されたフロン類の再生を行う事業者、特定製品(フロン類使用製品のうち相当量のフロン類が使用されるもの)のフロン類を破壊する事業者の方は、国の許可を受ける必要があります。
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Acrobat Readerが必要です。Adobe Acrobat Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。
このページに関するお問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください