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更新日:2024年9月26日
近年は、夏の猛暑によってお米の品質が低下しやすい傾向にあります。このお米の品質低下の主要因が、
「白未熟粒」という粒が白く濁る現象です。炊飯するお米の中に白未熟粒が多くなると、粒が割れやすくな
り、見た目や食感を損なう恐れがあります。本ページでは、このような高温によって白く濁ったお米でもこれ
までと同じようにおいしく食べられる方法をご紹介します。
令和6年3月に東京都原宿で精米店を営む5ツ星お米マイスターの小池理雄氏(有限会社小池精米店)を
講師に「おいしいお米の炊き方」講座を開催しました。炊飯のポイントについて下記の動画で紹介しておりま
すので、是非実践してみてください!
▶夏季高温に対応した「おいしいお米の炊き方講座」(PDF:1,479KB)
茨城県では、令和5年産のお米は夏の猛暑によって障害を受け、白く濁った粒が多くなりました。この理由
は、お米の中には栄養分であるデンプンが詰まっていますが、このデンプンが貯まってくる時期に気温が高す
ぎると、詰まりが悪くなってしまい、それによってお米の中で光が乱反射することで白く濁って見えるので
す。白く濁ったお米は、通常のものと比べて精米時に割れやすくなったり亀裂を生じたりします。
お米の品質は『等級』で評価され、評価が高い順から1等米・2等米・3等米・規格外に分類されます。
『等級』は、きれいな粒の割合や、虫に吸われて色がついたお米や異物の混入割合などによって格付けされま
すが、猛暑によって白い粒が多く発生した場合、平年よりもきれいな粒の割合が減少して、2等米以下の割合
が高くなってしまいます。
↑それぞれ1等米・2等米・3等米・規格外のお米を並べました。等級が下がると白い粒の割合が多く見えるような気がしますが、ぱっと見では分かりにくいですね。
↑こちらは、等級別のお米をより近くで撮ったものです。等級が下がるごとに、白く濁った粒や割れたお米が多くなっていることが分かります。
お米の品質は、等級によって分類されることはお伝えしましたが、これは見た目の評価であり、味の
評価ではありません。等級が低くても味は変わりませんが、今年のように白い粒が多い場合は、通常の
水分量で炊飯すると、割れた粒が多くなり、水を吸いすぎて柔らかくなりすぎることで、見た目や食感を損な
う恐れがあります。
県では、実際に1等米・2等米・3等米・規格外で等級別に食味試験を行いました(炊飯時の加水量は同
じ)。その結果、1等米と2等米の間に食味の差はありませんでした。一方で、3等米や規格外では、水分の
ベチャつきが感じられ、食味は1等米に比べて劣る結果となりました。
(産地振興課調べ。パネラー20名による食味評価結果)
前段では、3等米や規格外は、1等米に比べて水分のベチャつきなどが影響して食味は劣る結果となりまし
たが、農林水産省では、『水を少なくして炊飯すること』や『早炊きモードで炊飯すること』でおいしく食べ
られることを発信しています。県でも1等米と規格外のお米について、規格外のお米の水を少なくして炊飯し
た場合の食味を実施しました!
ブラインドで食味を行い、実際においしいと感じたほうに投票してもらったところ、1等米【13票】、規格
外【9票】、どちらも同じ【4票】と、1等米がやや多かったものの水を少なくして炊飯することでおいしく
食べることができました!!
↑炊き上がった直後の1等米と規格外の外観です。よーく見ると1等米の方がつやがあるような?
(産地振興課調べ。パネラー26名(本庁職員)による食味評価結果。)
食味が同程度の1等米と2等米について、同じ炊飯方法で食味のプロにブラインドで評価していただきまし
た!結果は・・・やはり1等米の方がおいしいとのこと!!しかし、2等米も十分おいしく食べられるとの意
見でした。やはりプロの舌をごますことはできないようです。
この試験の後、某炊飯器メーカーの開発担当者様に2等米のおいしい炊き方を教えていただきました。家庭
用炊飯器での2等米のおいしい炊き方をご紹介しますので、是非実践してみてください♪
1優しく洗米する(お米を割らないように)
2加水量を減らして炊飯する(5合炊き炊飯器で、目盛り線1本分の太さ(約30g程度)
330分程度浸漬した後、早炊きモードで炊飯する
※2と3はどちらか片方でOK
▶令和5年産のお米は白い粒が多い!?炊飯方法の工夫でいつもと変わらないおいしさに(PDF:1,571KB)
今回は、猛暑の影響で白いお米の粒が多くなっていても、炊飯方法の工夫でいつも通りおいしく食べられる方法をご紹介しました!
しかし、お米の品質は1等米から規格外までありますが、普段みなさんが食べるお米に3等米や規格外のみといったものはほとんどありませんのでご安心ください。
もし、お手元のお米がいつもより白い粒が多いかな?と感じたら、『小池さんの紹介する炊飯方法』、『少し水を減らして炊飯する』、『早炊きモードで炊飯する』などの工夫で普段と変わらずおいしく食べることができます!是非、試してみてください♪
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