ここから本文です。
更新日:2015年5月26日
■水不足が起きる原因 日本は、非常に雨の多い国ですが、梅雨や台風の時期など、特定の季節にまとまって降るのが特徴です。また、地形が急なことから、雨水の多くはそのまま海へ流れ出てしまい、実際に利用できる水の量は限られています。そのため、雨が何日も降らない時には、日常の生活にも困るほどの水不足がしばしば起きます。 ■森林は水をたくわえ、少しずつ流す 昔から、水不足を予防するためには、森林の保全が重要と考えられてきました。森林の土は、落葉や落枝、地中の小動物、根の働きによってすき間が多く、水がしみ込みやすくなっています。そのため、雨水は土の中をゆっくり移動して長い時間をかけて川に流れ込みます。森林には、人工のダムと同じように、大雨の時には雨水をたくわえて洪水を防ぎ、雨が降らない時には少しずつ水を流す働きがあります。 ■森林が変われば、流れる水の量も変わる それでは、森林の状態によって、水をたくわえる機能は異なるのでしょうか? 図-1は、森林総合研究所が観測した、山形県のある森林の例です。上の図は、森林全体の幹の量で代表させた森林の変化を、下の図は、この森林から1日に流れる水の量のうち、1年で、もっともその量が減るときの値を示しています。 ここでは、年を追うごとに下流域の水不足が緩和される傾向が、長年の観測によって確認されました。この場合、森林の高齢化などにともなって、例えば、樹木による水の消費量が少なくなったこと、あるいは、土壌の状態が変化したこと、などが理由として考えられています。 ■森林の手入れも大切
また、木はたくさんの水を消費しますので、木の本数や葉の量を調整して、木が利用する水の量をなるべく少なくするような工夫も必要です。 |
このページに関するお問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください