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更新日:2023年5月10日

トマト-黄化葉巻病(病原ウイルス Tomato yellow leaf curl virus(TYLCV))

発生及び被害の状況と発生条件

平成8年に,静岡県,愛知県,長崎県で発生が確認された。その後全国的に発生地域は拡大し,平成18年に茨城県でも確認された。
本病は病原性ウイルスにより発病するウイルス病である。病徴として,はじめ生長点付近の葉色が淡くなり,葉の縁から葉脈を残して徐々に黄化し,葉が上や下に巻くような症状を生じる。その後症状が進むと,生長点付近が黄化して萎縮し,開花しても実がつかなくなることが多くなる。
本病は,ウイルスを保毒したタバココナジラミ類が,トマトを吸汁することにより媒介される。タバココナジラミ類は,ウイルスが感染したトマト等を吸汁することで保毒し,他の健全な株へウイルスを伝染する。なお,保毒したタバココナジラミ類の卵による伝染はないとされ,汁液伝染,種子伝染,土壌伝染もないが,接木では伝染する。

防除のポイント

1.本ウイルスを媒介するタバココナジラミ類の防除を徹底する。
  1)ハウス内にタバココナジラミ類を入れない。
 (1)ハウスサイド等の開口部に防虫ネット(0.4ミリメートル目合い)を設置する。
 (2)光反射マルチやUVカットフイルム等を利用する。
 (3)苗からの持ち込みを防止する。
 (4)苗で感染すると被害が大きくなるので,育苗時からタバココナジラミ類の防除を徹底する。
  2)ハウス内でタバココナジラミ類を増やさない。
 (1)薬剤によるタバココナジラミ類の防除を徹底する。
  3)ハウス外にタバココナジラミ類を出さない。
 (1)栽培終了時に蒸し込みを確実に行い,タバココナジラミ類を確実に死滅させる。
2.発病したトマトの株は,速やかに処分する。
3.ハウス内外の除草を徹底する
4.管理作業等で生じた残さをハウス内に放置しない。
5.ハウス周辺の野外で生育しているトマト(家庭菜園を含む)にも十分注意する。
6.産地全体にトマトの作付がない期間を1ヶ月以上設け,地域のタバココナジラミ類の密度を低下させる。

7.耐病性品種を導入する。

トマトの耕種的防除法および物理的防除法

  • ※画像の無断使用および転用を禁じます。

 頂部の萎縮症状

 葉の退緑症状

 発病初期症状

(生長点付近の葉色が淡い)上の写真(発病初期症状)から20日後の症状

このページに関するお問い合わせ

農林水産部農業総合センター病害虫防除部発生予察課

〒319-0292 茨城県笠間市安居3165-1(園芸研究所内)

電話番号:0299-45-8200

FAX番号:0299-45-8255

病害虫の発生状況や、適切な防除方法は地域により異なる可能性があります。病害虫の防除や農薬についてのご相談は、お住まいの都道府県にある病害虫防除所等の指導機関にお問い合わせください。

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