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更新日:2023年5月30日
淡水性の大型の巻貝で,茨城県では主に県南部に生息する。
殻の色は褐色~黒褐色で,タニシと違い,殻は薄く破損しやすい。雑食性で,各種水生植物を摂食するが,これらがない場合にイネなどを食害する。イネにおける被害は,田植え直後から2週間くらいまでが著しい。中干し期以降は,水に浸かったイネの下葉や雑草などを摂食するが,イネの生育には影響しない。
水面より高い位置にピンク色のブドウ房状卵塊を産みつけるのが特徴的である。卵塊は水路のコンクリート壁面,棒ぐい,植物の茎,イネの茎,畦畔雑草など,様々なものに産みつけられる。卵は14~21日で孵化し,真夏では50~60日で成貝となる。寿命は2~3年で,年間20~30回産卵する。発育適温は25~26℃である。水田内では代かき前に入水すると土中から水中に出て活動を始め,落水すると土中に浅く潜りこみ,翌春まで越冬する。
貝は浮遊し,水流に乗って移動するので,用水路などから水田へ侵入し,大雨により浸冠水すると急激に分布拡大する。
1.隣接水路で貝やピンク色の卵塊が見られると,水田内に貝が侵入しているものと予想されるので,水田の入排水口に金網(約5ミリメートル目)を張り,貝の侵入出を防止する。また,水田やその周囲をよく見回り,卵塊や貝の捕殺作業を徹底する。
2.イネへの実被害は,移植後3週間ごろまでに限られるので,その間はできるだけ浅水管理を行ない,水田内の貝を捕殺する。水田内1平方メートル当たり2個体以上見つかると減収が予想されるので,早期に薬剤防除を行なう。
3.厳冬期に圃場を2回から3回耕起し,越冬貝の密度をへらす。
スクミリンゴガイ卵塊
スクミリンゴガイ成貝
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