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更新日:2023年5月10日

キウイフル-ツ-かいよう病(Pseudomonas syringae   pv.actinidiae)

発生及び被害の状況と発生条件

本病は細菌による病害で,日本では1984年以降に発生している「Psa1」と2014年以降に発生している「Psa3」の2つの系統がある。症状は葉,花蕾,新梢,枝幹に発生する。葉では,2~3ミリメートル程度の不正形の褐色斑点が現れ,周辺に黄色の明瞭なハローを形成するものもある。花蕾では,がくの褐変や花腐症状,新梢や結果母枝では枯死(写真1),枝幹では赤色または白色の樹液が流出する症状(写真2,3)を呈し,発生程度によっては収穫量が大きく減少する。Psa3では緑色果実品種(ヘイワード)よりも赤色果実品種(レインボーレッド等)や黄色果実品種(Hort16A等)でこれらの症状が激しく出る。
第一次伝染源は罹病樹から浸出した細菌液で,降雨による飛散や付着により,葉や枝の傷口や葉の気孔および水孔から感染し,梅雨時期まで二次伝染を繰り返す。本菌は10~20℃で増殖するが,18℃以上になると増殖抑制が強まるため,夏季は新たな発病が認められない。Psa3は,海外から輸入された花粉が国内への侵入経路であると示唆されている。

防除のポイント

1.感染した枝や葉は伝染源となるため,発症していない部位まで大きく切り戻し,園外に持ち出し土中に埋める等適切に処分する。
2.発病樹の伐採や剪定に用いた器具は,農業用資材消毒剤等で消毒する。
3.剪定後は,必ず切り口に癒合促進剤を塗布する。
4.本病は傷口から感染するため,風当たりの強い園では防風ネット等により防風対策を行う。
5.薬剤防除は,病原細菌の感染を阻止するために予防的に行う。

 なお,「Psa3」は重要病害虫(国内にまん延すると有用な植物に重大な損害を与えるおそれがある病害虫)に指定されているため,疑わしい症状を発見した際は

「技術情報等(キウイフルーツかいよう病の新系統(Psa3系統))」(農林水産省ホームページhttp://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/gaicyu/siryou2/pdf/boujyo_manual.pdf で確認の上,病害虫防除所にご連絡ください。


 

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新梢の枯死  新梢の枯死

白色の樹液の漏出  白色の樹液の漏出

 

赤褐色の樹液の漏出  赤褐色の樹液の漏出

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農林水産部農業総合センター病害虫防除部発生予察課

〒319-0292 茨城県笠間市安居3165-1(園芸研究所内)

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