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更新日:2023年5月10日
イチゴ栽培で発生するハダニ類は,主にナミハダニとカンザワハダニである。降雨が少なく乾燥条件が続くと発生が増えるため,注意が必要である。
主な被害は葉の食害であり,葉裏が褐色になる。多発すると果実にも寄生して着色不良となる他,新葉,果房,株がわい化して減収要因となる。繁殖はきわめて旺盛だが,隣接株への移動は比較的遅いため,初~中期の発生は,スポット的に発生が見られることが多い。寄主植物はきわめて多く,各種の野菜,花き類,果樹,圃場周辺の雑草にも寄生する。
ナミハダニは,好適条件である25℃では約10日で世代を繰り返す。主に葉裏に寄生し,1雌の産卵数は100~150と増殖率は高い。発生が多くなるのは3月以降である。成虫は,黄緑型と赤色型がある。黄緑型の夏型雌は淡黄~淡黄緑色で,胴部に2つの大きな黒紋を持つのが特徴である。
1.発病初期からの薬剤防除を徹底する。
2.本圃における発生は苗からの持ち込みが多いため,苗床から徹底した防除が必要である。
3.本圃定植後は,特にビニール被覆後には発生が増加するので注意する。
4.ハダニ類は初め下葉に寄生しているので,新葉の展開に伴って下葉を除去すると防除に有効である。除いた下葉は圃場外に持ち出し,適切に処分する。
5.薬剤散布の際は,薬液が葉裏や葉柄にもよくかかるよう十分な量で丁寧に散布する。
6.薬剤抵抗性の発達を抑えるため,同一薬剤の連用を避ける。
7.ミツバチ導入後は,ミツバチに影響する薬剤もあるので十分注意する。
8.天敵による防除として,ミヤコカブリダニとチリカブリダニを使用する方法もある。
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ハダニ類の被害葉
ナミハダニ雌成虫。胴部に大きな黒紋が2つある。
ナミハダニ雄成虫。雌成虫より体が小さく細い。
ナミハダニ幼虫
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