ここから本文です。

更新日:2023年5月29日

水稲-ヒメトビウンカ

発生及び被害の状況と発生条件

ヒメトビウンカは日本国内に土着しているウンカで,年間4~5世代程度発生を繰り返す。成虫の体長は約3~4ミリメートルで,胸部背面の体色は個体により異なるが,雄では黒色,雌では淡褐色でやや灰褐色の縦縞がある。本種はイネ植物体に対する吸汁加害よりも,イネ縞葉枯病等のウイルス病を媒介するので防除は欠かせない。
幼虫はイネ科雑草で越冬し,春季になると越冬世代成虫が麦畑等に移動し,産卵・発育する。6月上旬頃,第1世代成虫が水田へ侵入し,イネを加害しながら世代交代して増殖する。秋季はイネのヒコバエ(再生イネ)やイネ科雑草で生息し,再び越冬場所のイネ科雑草に移動する。食草の範囲は広く,イネ以外にもオオムギ,コムギ,イタリアンライグラス等の麦類やイネ科牧草の他,メヒシバやヒエ等のイネ科雑草も広く食草するが,特にイネやコムギを好む。

防除のポイント

1.育苗箱施薬あるいは6月中旬頃の本田散布による初期防除を徹底する。第1世代成虫は6月以降本田に侵入するので,育苗箱施薬剤は残効の長い薬剤を選択するのが望ましい。
2.発生が多い場合は,6月下旬~7月上旬に第2世代幼虫を対象に本田防除を行う。
3.越冬世代幼虫はイネ縞葉枯ウイルスを体内で保毒しているため,翌年の伝染源となる。イネ縞葉枯病を効果的に防除するためには,本田侵入前に保毒虫密度を低下させることが重要である。そのためにも以下の4,5に記載してある対策も重要である。
4.イネの収穫後は速やかに耕起し,ヒコバエ(再生イネ)やイネ科雑草を鋤き込む。
5.冬季に畦畔や水田のイネ科雑草を防除し,越冬場所をなくす。

水稲の耕種的防除について

ヒメトビウンカ(雄成虫)  ヒメトビウンカ(雄成虫)(農総セ.農業研究所提供)

ヒメトビウンカ(雌成虫)  ヒメトビウンカ(雌成虫)(農総セ.農業研究所提供)

このページに関するお問い合わせ

農林水産部農業総合センター病害虫防除部発生予察課

〒319-0292 茨城県笠間市安居3165-1(園芸研究所内)

電話番号:0299-45-8200

FAX番号:0299-45-8255

病害虫の発生状況や、適切な防除方法は地域により異なる可能性があります。病害虫の防除や農薬についてのご相談は、お住まいの都道府県にある病害虫防除所等の指導機関にお問い合わせください。

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

質問:このページの情報は役に立ちましたか?

質問:このページは見つけやすかったですか?