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更新日:2023年5月29日
本病原菌は,野外の稲わらや麦わら等の植物残さ上で越冬する。春期になると植物残さ上で多数の子のう胞子が形成され,その後,成熟した胞子が風雨によって飛散し,麦に感染する。
開花7~10日後から穂の一部または全体が褐変し,頴の合わせ目から桃色のかびを生じる。その後,罹病部が古くなると表面に黒色の小粒点(子のう殻)が見られることがある。被害子実の多くは不稔やくず麦となる。
また,本病原菌はデオキシニバレノール(DON)等のかび毒を産出するため,農産物検査規格では,赤かび粒混入率の許容値は0.0%と厳しく設定されている。
1.本病原菌は,麦の開花期から10日程度の間が最も感染しやすい。この期間に降雨が続き,気温が20℃以上になると本病の発生が多くなるので,この間の気象に十分注意し,防除を徹底する。
2.コムギでは開花期(出穂後7~10日頃),オオムギでは穂揃期に薬剤散布を行う。1回目の薬剤散布後も発病の好適条件が続く場合は,7~10日後に2回目の散布を行う。
3.感染時期の薬剤散布を逃すと,薬剤の防除効果は低下するため,防除適期を逃さない事が重要となる。
1.圃場の湿度を低くするために,明きょを設置し,排水対策を行う。
2.過剰な追肥や施肥時期の遅れは,麦の本病原菌に対する感受性を高めるだけでなく,麦が倒伏して多湿状態となり,本病の被害が増加する恐れがあるため,注意する。
3.収穫時期が遅れると,被害粒から健全粒へと感染が広がる恐れがあるため,適期収穫を心がける。
4.収穫後は,速やかに乾燥・調整を行い,粒厚選別等により被害粒の混入を軽減させる。
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コムギ赤かび病の発病穂
オオムギ赤かび病の発病穂(拡大)
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