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更新日:2024年3月7日
令和6年2月27日(火曜日)、鹿島地帯特産指導所で標記検討会を開催しました。当日は生産者、JA担当者、関係機関等、計46名(うち生産者23名)が出席しました。
本検討会は、現地で課題となっている技術的課題、ピーマンの環境制御と害虫防除についての本所で得られた知見を紹介しました。室内検討では、日射量により炭酸ガス施用量を変える日射比例炭酸ガス技術、炭酸ガス施用時に増収が期待される2本垣根仕立て整枝法、遮光・施肥・潅水による日焼け果発生低減技術等の報告を行いました。また、害虫防除技術として、天敵昆虫タバコカスミカメのアザミウマ類に対する作型別の防除試験結果を報告しました。
次にハウスに移動し、実際の炭酸ガスの施用効果、仕立て方法、施肥量の違いによる日焼け果の発生の比較試験について説明しました。生産者からは、「従来とは異なる仕立て法を行う際に注意することは何か」といった質問や、「日焼け果を抑えるために施肥はどのように変えていけばいいか」といった意見がありました。また、天敵タバコカスミカメと害虫アザミウマを同時に展示したところ、現在タバコカスミカメを導入している生産者から、「導入後タバコカスミカメの数が増えてきている」「タバコカスミカメはピーマンへ被害を出すのか」などの意見・質問がありました。
鹿島地帯特産指導所では、これからも生産者や関係機関と連携し、産地の発展につながる試験研究を行っていきます。
写真1 タバコカスミカメに関する説明 写真2 施肥量の違いによる日焼け果発生試験
検討の様子
令和6年2月1日(木曜日)、鹿島地帯特産指導所で標記検討会を開催しました。当日は生産者、農業資材店、JA担当者、関係機関等、計31名(うち生産者13名)が出席しました。本検討会は、近年産地で発生が目立つ「センリョウ疫病」をテーマに行いました。(国研)森林総合研究所の研究員を外部講師として招き、樹木類で発生する疫病菌の生態、防除法について講演いただきました。当所からは、産地で問題となっているセンリョウ疫病の発生状況、その病徴および防除対策の取組みについて紹介しました。また、鹿行農林事務所経営・普及部門から、現地での疫病を含めた病害の発生状況のアンケート結果を紹介しました。
その後、ほ場見学を行い、センリョウ疫病の被害の特徴を説明するとともに、簡易診断キットを活用した診断方法を実演しました。また、疫病の防除対策として取り組んでいる遮光ネットと慣行の竹す資材の水のしたたり程度の違いについても実演を行いました。
参加者からは、疫病菌の感染のメカニズムやセンリョウ栽培に適した遮光率について質問がありました。また、遮光ネットを展張した場合の疫病に対する防除効果や生育への影響について、意見交換がなされ、関心の高さがうかがえました。
鹿島地帯特産指導所では、これからも生産者や関係機関と連携し、産地の発展につながる試験研究を行っていきます。
所内遮光施設でのセンリョウ疫病の病徴の説明 簡易診断キットを利用した診断の実演
11月8日(金曜日)、鹿島地帯特産指導所で標記検討会(主催:鹿嶋・神栖地域ピーマン産地代表者会議)を開催しました。当日は生産者、農業資材店、JA担当者、関係機関等、計81名(うち生産者42名)が出席しました。当所からは、新たなアザミウマ類対策として注目されつつある、ピーマンの天敵昆虫であるタバコカスミカメについて活用事例報告を行いました。
活用事例紹介では、タバコカスミカメの特徴、天敵導入の先進地である高知県の事例紹介、現在当所で行っている試験研究の進捗状況について説明を行いました。説明時には、タバコカスミカメの実物を展示し、生産者に見てもらいました。初めてタバコカスミカメを見る生産者も多く、「意外と大きくて、肉眼でも見える。」「今後導入を検討したい。」との声がありました。生産者からは、タバコカスミカメの防除効果や天敵を維持、増殖させる花きに関する質問があり、天敵の有効活用について活発な意見交換を実施しました。
その後、鹿行農林事務所経営・普及部門から、アザミウマ類が媒介するウイルス病の防除対策として、キルパー液剤を利用した古株枯死技術の実演を行いました。
鹿島地帯特産指導所では、これからも生産者や関係機関と連携し、産地の発展につながる試験研究を行っていきます。
写真1 タバコカスミカメに関する活用事例紹介 写真2 タバコカスミカメを見る参加者
5月12日(金曜日)、鹿島地帯特産指導所で標記検討会を開催し、生産者、JA担当者等、計49名(うち生産者28名)が出席しました。検討会では、花き部門と野菜部門に分かれ、鹿南地域の特産であるセンリョウ、若松、ピーマンの各試験課題について、試験圃場を見学しながら質疑を行いました。
花き部門では、令和4年度までの試験課題の成果である「若松の生育ムラ発生要因の診断とその対策技術」を中心に、土壌物理性の診断方法や対策技術について説明しました。また、若松の黄化症の原因、センリョウの立枯れ症の原因に関する試験結果について説明しました。その後、センリョウ・若松の試験ほ場を見学し、意見交換を実施しました。生産者からは、「若松栽培ほ場の土壌物理性の簡易診断を実施してほしい」という要望や、センリョウ立枯れ症の原因菌の生活環や感染経路について多くの質問が寄せられました。
野菜部門では、ICTを活用したピーマン環境制御技術として炭酸ガス施用効果、果実表面温度・土壌水分・光量が日焼け果にもたらす影響、仕立て本数と仕立て法に関する試験結果を説明しました。また、令和4年度までの試験課題の成果である「線虫抵抗性系統の選抜と土壌消毒法の改良による防除体系の確立」の線虫抵抗性系統の選抜結果と、新規課題の「タバコカスミカメを用いた総合防除体系の確立」に関する試験結果を説明しました。その後、ほ場を見学し意見交換を実施しました。生産者からは、炭酸ガス施用ほ場の肥培管理や整枝管理について多くの質問があり、関心の高さが伺えました。また、天敵であるタバコカスミカメの効果の有効性や食害に関する質問があり、導入を検討したいという意見が上がりました。
鹿島地帯特産指導所では、これからも生産者や関係機関と連携し、産地の発展につながる試験研究を行っていきます。
写真1 センリョウマルチ栽培に関する意見交換 写真2 ピーマン日焼け果に関する説明
4月26日(水曜日)に、独立行政法人国際協力機構筑波国際センター(JICA)の課題別研修「小規模農家の生計向上のための野菜生産技術」コースの受講生13人が鹿島地帯特産指導所を見学しました。
当所からは、儲かる農業実現に向けて取り組んできたこれまでの研究成果の紹介や、産地の各生産団体と一体となって取り組んできた現地検討会の様子を紹介しました。また、産地情勢についても説明するとともに、現在の試験研究課題の概要や進捗状況についても説明を行いました。
その後、ピーマン栽培ハウスに移動し、仕立て方法や炭酸ガス施用試験の概要について研究員から説明を行いました。意見交換では、受講者から、「仕立て方法や炭酸ガス施用を行うことによる費用対効果はどうか」、「天敵を導入することによって害虫であるアザミウマから防除できるのか」といった質問があり、関心の高さが伺えました。次に、センリョウ栽培施設に移動し、マルチ試験やプランター試験の概要について研究員から説明を行いました。受講生からはセンリョウの栽培方法、出荷規格や単収に関わる質問が多数出された他、先進的な取り組みであるプランターやマルチ導入の費用対効果について意見交換を実施しました。
鹿島地帯特産指導所では、これからも関係機関と連携し、試験研究に取り組んでいきます。
写真1 ピーマン栽培技術に関する意見交換 写真2 センリョウ栽培体系に関する説明
JAなめがたしおさい青果物生産部会では、ピーマン栽培における単収向上を目的に炭酸ガス施用技術の導入が進んでいます。今年は、1月から5月までに計4回、炭酸ガス施用技術導入ほ場において、当技術の普及推進とさらなる技術向上を目指して講習会を開催し、延べ80人が参加しました。
講習会は、当所職員が講師として、今までの成果をもとに炭酸ガスの施用方法を説明しています。部会では、当所の研究成果を活用して、時期別の炭酸ガスの施用濃度を検討するなど、さらなる増収技術の確立に取り組んでいます。
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