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更新日:2023年3月1日
私は、民間団体で約12年間、精神保健福祉や障害福祉分野の相談援助業務、療育などに携わってきました。そのなかで、福祉的ニーズを抱える子どもたちには、個別の専門的な関わりだけではなく、行政や教育機関、福祉施設等と連携し、子どもの育つ環境に働きかける支援が重要であることを学びました。私も子育てをしている茨城県で、こうした支援に幅広く携わりたいと考え志望しました。
児童自立支援施設茨城学園で入所児童の自立支援・生活支援をしています。茨城学園には、特別な理由により生活指導などを必要とする児童が入所しています。社会性等を身に付けるための集団を意識した支援と児童それぞれの課題等と向き合う個別支援のバランスを心掛けています。24時間の交代勤務であり、職員同士がチームとなって児童の支援にあたることの大切さを実感しています。
自己主張が強すぎ、なかなか周囲の意見を取り入れることができない児童とかかわりを持つことがありました。保護者を交えて面接をした際、保護者からその児童へ「人への愛と感謝の心を忘れないように」という話がありました。児童の課題を理解して関わってくれる人たちへの感謝の気持ちを忘れずに、自分の意見と相手の意見を天秤にかけてよく考えるようにという保護者からの助言でした。その日に至るまでも紆余曲折した経過がある中、親子のお互いの理解や関係性の深まりが感じられる時間であったと思います。また、茨城学園は、様々な事情で入所した児童の育てなおし、育ちなおしの場所として大切な役割を担っていることを改めて実感する機会でした。
採用される前、ニュース等で児童相談所などを見聞きする機会が増え、正直「大変そうだな」というイメージがありました。勤めてから感じているのは、責任の重い仕事が多いけれども、同僚や上司が適切にサポートしてくれたり、福祉の専門性が活かせる場面が多いため、大変さよりもやりがいが勝っている感覚があります。
以前の部署(児童相談所)に勤め始めて間もなく、ある上司から不意に「子どもの最善の利益って何でしょう」と問われたことがありました。私は、即答はできず、そして今も時折この質問を思い出します。『子どもの時期』『子どもである時期』は限りがあります。その時期に何らかの理由やきっかけで関わったその子どもの視点に立ち、向き合ったり寄り添ったり。時には、その子どもの保護者や関わる大人の方々との意見の不一致が起きることもあります。しかし、子どもが安心して過ごせる環境、子どもの安全がきちんと図られる環境、そして、その環境の中でその子らしい心身の成長をできるだけ保障することをイメージしながら、日々の業務にあたっています。
休日は、子ども(長女・長男)と一緒に過ごす時間を大切にしています。散歩やボール遊び、車や電車のおもちゃで遊ぶこともあります。その時々の子どもの興味関心ごとを一緒に共有するなかで新しい発見があると、親心がくすぐられ嬉しくなります。また、家庭菜園で育てた野菜やハーブで、料理したりお茶を飲んだりすると心身がリフレッシュされた感じになります。
2018-2020 |
保健福祉部中央児童相談所
(児童福祉司) |
2021- | 保健福祉部茨城学園 |
勤務前 |
交代制勤務(早番の場合) |
午前 | 6時15分、出勤、申し送り 6時30分、児童起床、ラジオ体操、朝食、登校準備等の支援 8時20分、児童登校、朝の申し送り |
昼休み | 11時00分、休憩 |
午後 |
11時45分、昼食配膳準備等 |
勤務後 |
16時00分、帰宅、家事等 |
県の福祉職が対応するケースは、緊急性や福祉的ニーズが高い場合が多いことは確かです。しかし、その分、やりがいを感じられることも多い職場です。茨城県の福祉の充実のため、皆さんと一緒に働けることを楽しみにしています。
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