わたしたちの県議会 茨城県議会

平成25年第4回定例会で可決された意見書・決議・請願

《意見書・決議》

《請願》


通学路における児童生徒の安全対策の強化に関する意見書

 昨年4月以降,登下校中の児童の列に自動車が突入し,死傷者が多発する痛ましい事故が全国各地で相次いだところである。
 これを受け,文部科学省,国土交通省及び警察庁の3省庁連携の下に実施された,通学路における緊急合同点検の結果によると,全国で,対策が必要とされる危険箇所が7万箇所を超えることが明らかになり,平成24年度末の時点では,3万箇所以上の対策の済んでいない危険な箇所が残されている状況にある。
 また,本県においても,「通学児童生徒の安全確保に関する調査特別委員会」を設置し,通学路等の安全確保対策について調査を行うとともに,市町村等とも連携して,効果的な安全対策の実施を進めているところであるが,対策が必要とされた1,800箇所を超える危険箇所のうち,10月末現在で,対策が完了していない箇所が400箇所以上残っている状況にあり,一層の取り組みが必要となっている。
 このように,安全,安心であるべき通学路が危険な状態にあることは大きな問題であり,通学児童生徒だけでなく,障害者や高齢者を含めた地域の生活者の安全確保を図るためにも,通学路の安全確保を徹底することにより,交通安全を損なう危険を着実に取り除いていく必要がある。
 よって,通学路における児童生徒の安全確保を速やかに図るため,国におかれては,下記事項について特段の措置を講じられるよう強く要望する。

  1. 通学児童生徒の安全を確保するための対策を迅速かつ計画的に実施できるよう,必要な予算を十分に確保すること。
  2. 児童生徒の登下校を地域全体で見守る体制の整備や,交通安全教育をより一層推進するための支援制度の創設など,必要な措置を講じること。

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犯罪被害者支援制度の拡充を求める意見書

 安全で安心に暮らせる社会を実現することは,すべての人々の願いであり,我が国においても犯罪を抑止するための弛まぬ努力が重ねられている。しかしながら,国内の治安情勢は,一定の改善が見られるものの,重大な犯罪が後を絶たないなど,依然として厳しい状況にある。さらに,国際化の進展に伴い,海外への渡航者が年々増加しており,これまで以上に,国外における犯罪被害の増大が懸念されている。
 このような中,今年1月には,アルジェリアで武装勢力による人質事件が勃発し,プラント建設会社の邦人社員10名の人命が奪われたほか,2月には,グアムにおいて無差別殺傷事件が発生し,本県県民を含む日本人3名が命を失うなど,多くの方々が犠牲になる事件が相次いだ。
 現在,犯罪被害者への支援については,給付金の支給等による支援制度が設けられているが,その適用範囲は,日本国内での犯罪被害に限られており,国外における犯罪被害者や遺族等の権利が十分に尊重されているとは言えない状況にある。
 よって,国においては,日本人が国外において犯罪被害者となった場合も,給付金等の支給対象となるよう,「犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律」を改正することを強く要望する。


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中国による防空識別圏の設定の即時撤回を求める決議

 去る11月23日,中国政府は,「東シナ海防空識別区」を設定し,当該区域を飛行する航空機に対して中国国防部の定める規則を適用するとともに,これに従わない場合には中国軍による「防御的緊急措置」をとる旨を発表した。
 中国側のこうした措置は,東シナ海周辺における現状を一方的に変更し,事態をエスカレートさせ,現場海空域において不測の事態を招きかねない極めて危険なものである。
 今回の中国側の措置は,公海上の空域を飛行する全ての航空機に対して,一方的に自国の定めた手続に従うことを義務付けるもので,これに従わない場合の軍による措置にも言及している。こうした措置は,国際法上の一般原則である公海上空における飛行の自由の原則を不当に侵害するものであり,国際航空秩序に対して重大な影響を及ぼすと同時に,アジア太平洋地域ひいては国際社会全体の平和と安定に対する重大な挑戦である。
 また,中国側が設定した空域は,我が国固有の領土である尖閣諸島の領空があたかも「中国の領空」であるかのごとき表示をしており,このような力を背景とした不当な膨張主義を断じて受け入れることはできない。
 本議会は,公海上空における飛行の自由を妨げるような今回の措置が即時撤回されるよう強く要求する。  また,政府においては,国際社会と緊密に連携しつつ,我が国の主権並びに国民の生命及び財産を断固として守るために毅然たる態度で冷静に対処するよう強く求める。


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国益に反するTPPに参加しないことを求める意見書

 本年3月,政府はTPP(環太平洋パートナーシップ)協定に向けた交渉への参加を表明した。交渉参加に際し,政府は「守るべきものは守り,攻めるべきものは攻めていくことによって,我が国の国益を最大限に実現するよう全力を挙げる」として,7月にマレーシアで開催された会合から我が国も交渉に正式参加し,関係11カ国との交渉を続けている。
 しかしながら,交渉会合における各国の主張や関係文書等は,情報が開示されず,その詳細が明らかにならないこともあり,地方には,果たして関税の聖域や国民皆保険制度,食の安全が守られるのかなどを懸念する声が根強くある。
 TPPへの参加は,アジア太平洋地域の成長を取り込むことによって我が国経済を活性化する効果などが期待される反面,農林水産業をはじめ医療や金融,建設業など様々な分野への影響が懸念される。特に,農林水産業においては,生産額の減少が,国全体で3兆円,本県では1,100億円を超えると試算されており,深刻な影響があると予測されている。さらに,多くの関連産業への影響も懸念されるところであり,本県の経済や雇用にも混乱をもたらす恐れがある。
 よって,国においては,TPP協定交渉を進めるに当たり,下記の事項について,適切に対応するよう強く求める。

  1. 交渉に当たっては,国内産業の競争力の強化や国民生活の向上が図られるようにするとともに,農産物等の関税撤廃に係る例外措置を確保するなど,国益を確実に守ることを最優先し,それが確保できないと判断した場合は,交渉脱退も辞さない断固たる姿勢で対応すること
  2. 国民の理解が得られるよう,可能な限り情報を提供し,国民に分かりやすく説明すること

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国益に反するTPPに参加しないことを求める請願

 政府はTPP(環太平洋パートナーシップ)の交渉参加を決め,関係11カ国の政府から承認を得たとしている。安倍首相は,関税の聖域や国民皆保険制度,食の安全,国の主権などの国益を守るとしているが,TPPでこれらが守られる保障はない。
 2011年に発表された「TPPの輪郭」では,TPPの特徴として「関税と非関税障壁の撤廃」を挙げている。茨城の農業は,1,113億円の減少という農業産出額の4分の1強にあたる大きな影響を受けると予測されているが,TPPによって危険にさらされるのは農業や食料だけではない。生活のあらゆる分野で積み上げられてきたルールが企業の利益のために緩和される恐れがある。
 たとえば,株式会社による病院経営や混合診療の全面解禁,薬価制度の変更などによって国民皆保険制度が根底から揺るがされる危険性がある。
 ISD条項は投資家が国際投資紛争解決センターに国を提訴する権利を認めるもので,投資家側・アメリカ側に有利な裁定が多く,国民の権利や環境などを守る法律よりも投資家の利益を優先しているとしてアメリカ国内でも問題になっている。
 TPP交渉に後から参加する国は,先に参加した国の合意を拒否できないことが明らかにされている。同時に,交渉のなかで出された文書を交渉終了後4年間は公表しないことが合意されており,これまでどのような合意があるのかを政府は事前に知ることができない。
 交渉参加後も国会議員を含めて国民は交渉のなかで出された文書を読むことができない。このような交渉のあり方自体が国家主権と国民主権をないがしろにするTPPの本質を表しているのではないかと深く憂慮する。
 以上のことから,「国益に反するTPPに参加しないこと」について,国会及び関係省庁に意見書を提出するよう請願する。


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平成26年私立高等学校等経常費等助成に関する請願

【請願趣旨】

 私立高等学校等は,教育の充実・向上を図り,時代の要請に対応した特色ある教育を実践し,次代を担う優れた人材の育成に努め,県民の期待に応えるよう総力を傾注してきた。
 しかし,少子化による生徒数の大幅な減少の影響等により,私立高等学校等の経営は,いよいよ重大な局面を迎えていると言わざるを得ない。
 ついては,将来を担う生徒の教育の機会均等や学校選択の自由の実現が妨げられることの無いよう,県財政の厳しい折とは存じるが,私立学校教育の振興を図るため,新教育基本法及び私立学校振興助成法の趣旨を踏まえ,以下の要望事項について特段のご高配を賜るようお願い申し上げる。

【請願事項】

  1. 経常費補助金について
    私立学校が時代や社会の進展に即した新しい教育を積極的に推進していくためには,これまで以上の経費を必要とするが,少子化に伴う生徒数の減少による納付金の減収により,私立高等学校等を取り巻く状況は厳しさを増している。私立学校経営の健全化と,保護者の教育費負担軽減を図るために,経常費補助金の確保について特段のご配慮をお願いする。
  2. 「高等学校等就学支援金」制度の改善について
    現在進められている公立高等学校授業料無償制度・高等学校等就学支援金制度の見直しでは,公私ともに所得制限の導入が検討されている。所得制限の導入により捻出された財源を,教育費負担の公私間格差是正を図るため,就学支援金の加算に充て,低所得世帯の生徒が安心して私立学校で学べるよう支援の拡充をお願いする。
  3. スクールカウンセラー及び教職員研修に係る補助金について
    近年益々深刻化しているいじめ問題や,多様化している生徒や保護者の抱える悩みへの対応に教職員が苦慮する中,スクールカウンセラーが重要な役割を果たしている。また,教職員の資質能力の総合的な向上のためには,時代に即した研修の充実に努める必要がある。スクールカウンセラーに係る補助金の充実と教職員研修費補助金の現補助制度の堅持をお願いする。
  4. 教職員退職手当助成金に係る補助金について
    退職金交付事業については,平成19年度から補助率1,000分の23によって補助されている。教職員退職金交付の将来へ向けての安定のため,学校法人も負担率の引き上げを実施し自助努力を重ねており,県においても,補助率を従前の1,000分の25まで復元するようお願いする。

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暴力団事務所撤去に関する請願

【請願趣旨】

 平成24年秋,これまで平穏に暮らしていた守谷市大木地区に突然,暴力団の事務所が建設され,毎月1回定期的に200人を超す大勢の黒服姿の人達が会合を行っている。
 新聞等でも報道されたとおり,この事務所建設に関して暴力団の総長等が捕まる事態となったが,依然として事務所が使われている現実がある。
 事務所周辺の道路は児童生徒の通学路にもなっており,近くには高校もある。市民は今後も事務所が撤去されない状態が続いてしまうのか,将来何かが起きるのではないか,不安と困惑の毎日を過ごしている。
 こうした緊迫した情勢の中で,暴力団事務所撤去に関する問題はひとえに大木地区ばかりではなく,守谷市全体,さらには茨城県民全体の問題と考える。
 県議会においても,こうした市民の切なる心情を察し,暴力団事務所撤去に関し,警察,関係機関・団体等に対して積極的に働き掛け,市民に元の平穏な生活が取り戻せるよう市民一人ひとりの切実な願いをもって請願する。


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犯罪被害者等を支援する条例の制定等に関する請願

【請願趣旨】

 安全で安心して暮らせる社会を実現することは,人類のすべての願いであるとともに,我々に課せられた重要な責務であり,茨城県においても,犯罪等を抑止するために弛みない努力が重ねられてきている。
 しかしながら,近年,様々な犯罪等が後を絶たず,それらに巻き込まれた犯罪被害者等の多くの方々の権利が尊重されてきたとは言い難いばかりか,十分な支援を受けられず,社会において孤立することが余儀なくされてきているのが現状である。
 さらに,国際化が進展する中,茨城空港からの海外渡航者も年々増加してきており,国外においてもさまざまな犯罪等に巻き込まれてしまう機会が増大しており,誰もが犯罪被害者等となる可能性が高まっている今こそ,犯罪被害者等の視点に立った施策を講じ,その権利利益の保護が図られる社会の実現に向けた新たな一歩を踏み出さなければならないものと考える。
 茨城県においては,すでに「茨城県安全なまちづくり条例」が制定されているところではあるが,犯罪被害者等を支援するための条例を新たに制定するとともに,日本国外で犯罪被害に巻き込まれた犯罪被害者等も支援が受けられるように犯罪被害者等支援関連法の対象範囲見直しに向けて,国ならびに関係機関に対し積極的な働きかけをお願いする。
 以上の趣旨から,下記事項について請願する。

  1. 以下の事項について関係機関に対し働きかけること。
    @犯罪被害者支援に特化した犯罪被害者等を支援するための条例を制定すること
    A犯罪被害者等を支援するための総合相談窓口(保健,福祉,雇用,生活支援等)の拡充
    B犯罪被害者等を支援するための諸施策が実現されるよう行動計画を策定すること
    C犯罪被害者等を支援するための支援金制度を設けること
    D犯罪被害者等基本法に基づき,茨城県内全市町村で犯罪被害者等を支援するための条例を制定するよう指導すること
    E犯罪被害者等支援関連法(犯罪被害者等基本法
    ・犯罪被害者等支援法)の適用範囲の見直しに向けて国(政府)ならびに関係機関へ働きかけること
  2. 日本国外で犯罪被害に巻き込まれた犯罪被害者等も支援が受けられるように犯罪被害者等支援関連法の対象範囲見直しに向けて,地方自治法第99条の規定に基づき,国の関係機関に意見書を提出すること。

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