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更新日:2020年3月9日
平成14年3月25日
茨城県告示第325号
この指針は,建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(平成12年法律第104号。以下「法」という。)第4条第1項の規定に基づき国が法第3条に基づき定めた特定建設資材に係る分別解体等及び特定建設資材廃棄物の再資源化等の促進等に関する基本方針(平成13年農林水産省・経済産業省・国土交通省・環境省告示第1号。以下「基本方針」という。)に即し,茨城県における特定建設資材に係る分別解体等及び特定建設資材廃棄物の再資源化等の促進等の実施に関して定めるものである。
なお,本指針で使用する用語の定義については,法第2条の規定によるものとする。
第1章本県における建設資材廃棄物を取り巻く状況
第2章分別解体等及び再資源化等の促進に関する基本的方向
第3章再資源化等に関する目標と規模及び距離に関する基準
第4章再資源化等の促進等に関する方策
第5章普及・啓発及び情報提供に関する方策
第6章その他
本県の平成11年における事業所数の産業別割合では,建設業は,卸売・小売業,飲食店の41.7パーセント,サービス業の25.3パーセントに次いで14.2パーセントで第3位となっている。一方,平成11年における従業者数の産業別割合では,建設業は,卸売・小売業,飲食店の28.7パーセント,製造業の28.0パーセント,サービス業の23.5パーセントに次いで9.9パーセントで第4位となっている。
平成12年度における建設業が県内総生産に占める割合は7.9パーセントで,産業別では第5位となっている。
平成12年度における建設物の着工延床面積は,平成7年度比で約25パーセント減少している。また,建設物の除却延床面積は,同約17パーセント減,土木工事の工事額は,同約20パーセント減となっている。
このように,建設工事の工事量は,近年,経済の停滞等の影響により減少傾向にある。
平成12年度における特定建設資材廃棄物であるコンクリート塊(コンクリートが廃棄物となったもの並びにコンクリート及び鉄から成る建設資材に含まれるコンクリートが廃棄物となったものをいう。以下同じ。)の排出量は81.4万トンであり,平成7年度の66.0万トンに比べて増加している。これに対して,建設発生木材(木材が廃棄物となったものをいう。以下同じ。)の排出量は平成7年度の16.8万トンから平成12年度の13.0万トン,アスファルト・コンクリート塊(アスファルト・コンクリートが廃棄物となったものをいう。以下同じ。)の排出量は平成7年度の145.3万トンから105.1万トンへと減少している。
平成12年度におけるコンクリート塊及びアスファルト・コンクリート塊の再資源化率は,それぞれ94.0パーセント,99.2パーセントとかなり高い。建設発生木材の再資源化率(破砕後再利用する施設での再利用・減量化率)は59.2パーセントで,これに焼却施設での縮減を加えた建設発生木材の再資源化等率は89パーセントとなっている。
公共投資及び経済の今後の動向,建築物のストック状況等を基に特定建設資材廃棄物の将来の排出量を予測すると,主に公共土木工事から発生するアスファルト・コンクリート塊の排出量は,平成12年度以降,横這いで推移することが見込まれる。一方,建築工事からの発生が多いコンクリート塊及び建設発生木材の排出量は,高度経済成長期に大量に建築された建築物が今後更新期を迎えることから,平成12年度以降,増加するものと予測される。
1再資源化施設等
産業廃棄物処理業者が設置した特定建設資材廃棄物を再資源化するための施設(以下「再資源化施設」という。)は,平成14年2月現在,コンクリート塊及びアスファルト・コンクリート塊の施設としては合計70施設となっている。また,建設発生木材の破砕施設は8施設,建設発生木材を縮減するための焼却施設のうちダイオキシン類対策特別措置法(平成11年法律第105号)による平成14年12月1日以降の発生規制・構造基準規制に対応できる施設は12施設となっている。地域別に再資源化施設の立地状況を見ると,コンクリート塊及びアスファルト・コンクリート塊の再資源化施設は,おおむね県下に万遍なく立地しており,その処理能力も現状の排出量を大きく上回っているのに対して,建設発生木材の破砕施設は,県北の山間地域や県西地域等の一部地域で十分に配置されておらず,県北地域,県央地域,県西地域で処理能力が現状の排出量を下回っている状況にある。
2最終処分場
平成13年8月現在,産業廃棄物処理業者が設置した安定型最終処分場は15施設,管理型最終処分場は6施設が立地している。
1分別解体等及び再資源化等の基本的な理念
資源の有効な利用の確保及び廃棄物の適正な処理を図るためには,建設資材の開発及び製造から建築物等の設計,建設資材の選択,分別解体等を含む建設工事の施工,建設資材廃棄物の廃棄等に至る各段階において,廃棄物の発生の抑制,建設工事に使用された建設資材の再使用及び建設資材廃棄物の再資源化等の促進という観点を持った,環境への負荷の少ない循環型社会経済システムを構築することが必要である。
このため,建設資材廃棄物という個別の廃棄物に着目して,その再資源化等を促進するために,建設工事の実態や建設業の産業特性を踏まえつつ,必要な措置を一体的に講ずるべきである。
2建設資材に係る廃棄物・リサイクル対策の考え方
建設資材に係る廃棄物・リサイクル対策の考え方としては,循環型社会形成推進基本法(平成12年法律第110号)における基本的な考え方を原則とし,まず,建設資材廃棄物の発生抑制,次に,建設工事に使用された建設資材の再使用を行うものとする。これらの措置を行った後に発生した建設資材廃棄物については,再生利用(マテリアル・リサイクル)を行い,それが技術的な困難性,環境への負荷の程度等の観点から適切でない場合には,燃焼の用に供することができるもの又はその可能性のあるものについて,熱回収(サーマル・リサイクル)を行うものとする。最後に,これらの措置が行われないものについては,その他の方法により処分するものとする。
なお,発生した建設資材廃棄物については,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号。以下「廃棄物処理法」という。)に基づいた適正な処理を行わなければならない。
1分別解体等の促進についての基本的方向
特定建設資材に係る分別解体等の実施により特定建設資材廃棄物をその種類ごとに分別し,再資源化等を促進するためには,分別解体等が一定の技術基準に従って実施される必要がある。この技術は,分別解体等の実施の対象となる建築物等により異なる場合があり,建設工事に従事する者の技能,施工技術,建設機械等の現状を踏まえ,建築物等に応じ,適切な施工方法により分別解体等が実施される必要がある。
特に,解体工事については,最新の知識及び技術を有する者による施工が必要であるため,施工者の知識及び技術力の向上を図るほか,このような技術を有する者に関する情報の提供,適切な施工の監視,監督等を行う必要がある。
2再資源化等の促進についての基本的方向
建設資材廃棄物に係る現状及び課題を踏まえると,その再資源化等の促進を図ることが重要であることから,対象建設工事のみならず対象建設工事以外の建設工事に伴って生じた特定建設資材廃棄物についても,再生資源として利用すること等を促進する必要がある。
したがって,工事現場の状況等を勘案して,できる限り工事現場において特定建設資材に係る分別解体等を実施し,これに伴って発生した特定建設資材廃棄物について再資源化等の実施に努めるものとする。
また,分別解体等が困難であるため混合された状態で発生した建設資材廃棄物についても,できる限り特定建設資材廃棄物を選別できる処理施設に搬出し,再資源化等の促進に努めるものとする。
なお,これらの措置が円滑に行われるようにするためには,技術開発,関係者間の連携,必要な施設の整備等を推進することにより,分別解体等及び再資源化等に要する費用を低減することが重要である。
特定建設資材に係る分別解体等及び特定建設資材廃棄物の再資源化等の促進に当たっては,関係者は,建設資材廃棄物が不法投棄量の相当量を占めている実態に鑑み,適切な役割分担の下で,それぞれが連携しつつ積極的に取り組むことが必要である。
1建設資材の製造に携わる者
建設資材の製造に携わる者は,端材の発生が少ない建設資材の開発及び製造を行うこと,建設資材の材質,品質等を表示すること,有害物質等を含む素材等分別解体等及び再資源化等が困難となる素材を使わないこと等により,建設資材廃棄物の発生の抑制並びに分別解体等及び再資源化等の実施が容易となるよう努める必要がある。
2建築物等の設計に携わる者
建築物等の設計に携わる者は,端材の発生が少なく,また,分別解体等及び再資源化等の実施が容易となる建設資材を選択するなど設計時において工夫をすることにより,建設資材廃棄物の発生の抑制並びに分別解体等及び再資源化等の実施が効果的に行われるようにするほか,これらに要する費用の低減に努める必要がある。なお,建設資材の選択に当たっては,有害物質等を含む建設資材等建設資材廃棄物の再資源化が困難となる建設資材を選択しないよう努める必要がある。
3発注者
発注者は,元請業者に対して,建設資材廃棄物の発生の抑制並びに分別解体等及び再資源化等の実施について明確な指示を行うよう努める必要がある。
4元請業者
元請業者は,建設資材廃棄物の発生の抑制並びに分別解体等及び再資源化等の促進に関し,中心的な役割を担っていることを認識し,その下請負人に対して,建設資材廃棄物の発生の抑制並びに分別解体等及び再資源化等の実施について明確な指示を行うよう努める必要がある。
5建設工事施工者
建設工事施工者は,建設資材廃棄物の発生の抑制並びに分別解体等及び再資源化等を適正に実施するほか,施工方法の工夫,適切な建設資材の選択,施工技術の開発等に努める必要がある。
6建設資材廃棄物の処理を行う者
発生した建設資材廃棄物について自らその処理を行う事業者及び建設資材廃棄物を発生させる事業者から委託を受けてその処理を行う者(以下「建設資材廃棄物の処理を行う者」という。)は,建設資材廃棄物の再資源化等を適正に実施しなければならない。
7県
県は,建設資材廃棄物の発生の抑制並びに分別解体等及び再資源化等を促進するため,特定建設資材廃棄物以外の建設資材廃棄物も対象とし,再資源化等の促進について計画的に進めるとともに,再資源化された資材の利用促進のための方策を講じるものとする。そのため,必要に応じて調査を実施するとともに情報提供や普及啓発等に努めるものとする。
8市町村
市町村は,国及び県の施策と相まって,必要な措置を講ずるよう努める必要がある。
再資源化施設の立地状況を踏まえて,すべての関係者が再生資源の十分な利用及び廃棄物の減量をできるだけ速やかに,かつ,着実に実施することが重要であることから,今後,特定建設資材廃棄物の再資源化等の促進に重点的に取り組むこととし,平成22年度における再資源化等率(工事現場から発生した特定建設資材廃棄物の重量に対する再資源化等されたものの重量の百分率をいう。)は,次の表に掲げる率とする。
特定建設資材廃棄物の種類 | 平成22年度の再資源化等率 |
コンクリート塊 | 100パーセント |
建設発生木材 | 100パーセント |
アスファルト・コンクリート塊 | 95パーセント |
特に,県においては,この目標を達成するため,また,公共事業において再資源化等を先導する観点から,コンクリート塊,建設発生木材及びアスファルト・コンクリート塊について,最終処分する量をゼロとすることを目指すこととし,ゼロ・エミッション工事を積極的に推進するなど建設資材廃棄物の再資源化等に積極的に取り組むものとする。
また,市町村の公共工事においても,国及び県の施策と相まって建設資材廃棄物の再資源化等に努めるものとする。
なお,特定建設資材廃棄物の再資源化等に関する目標については,建設資材廃棄物に関する調査の結果を考慮し,再資源化等に関する目標の達成状況及び社会経済情勢の変化等を踏まえて必要な見直しを行うものとする。
再資源化施設までの距離に関する基準
1建設工事の規模に関する基準
建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律施行令(平成12年政令第495号。以下「政令」という。)で規定される対象建設工事の規模は,次のとおりである
工事の種類 | 対象建設工事の規模 |
(1)建築物の解体工事 | 床面積の合計が80平方メートル以上 |
(2)建築物の新築又は増築工事 | 床面積の合計が500平方メートル以上 |
(3)上記以外の建築物に係る工事 | 請負代金の額が1億円以上(自主施工者の場合は相当額) |
(4)建築物以外の工事 | 請負代金の額が500万円以上(自主施工者の場合は相当額) |
注:建築物とは,建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1項に規定されている建築物をいう。
本県においては,分別解体等を義務づけることが建設工事の受注者にとって過度の負担にならないことを前提とし,また,政令で定める規模に関する基準を採用することにより特定建設資材廃棄物を再資源化等により減量することが可能であることから,政令で定める規模に関する基準によるものとする。
今後,県の区域のうち,特定建設資材廃棄物の再資源化等をするための施設及び廃棄物の最終処分場における処理量の見込みその他の事情から判断して,政令で定める規模の基準によっては当該区域において生じる特定建設資材廃棄物を再資源化等により減量することが十分でないと認められる区域があるときは,当該区域について,法第9条第4項の規定に基づき,条例で政令で定める規模の基準に代えて適用すべき建設工事の規模に関する基準を定めるものとする。
2再資源化施設までの距離に関する基準
法第16条では,特定建設資材廃棄物でその再資源化について一定の施設を必要とするもののうち政令で定めるもの(以下「指定建設資材廃棄物」という。)については,主務省令で定める距離に関する基準の範囲内に再資源化施設が存在しない場所で工事を施工する場合その他地理的条件,交通事情その他の事情により再資源化をすることには相当程度に経済性の面での制約がある場合には,再資源化に代えて縮減すれば足りると規定されている。
政令では,法第16条ただし書に基づき再資源化に代えて縮減をすれば足りる指定建設資材廃棄物として建設発生木材が指定されており,また,主務省令では,再資源化施設までの距離に関する基準は50キロメートルと規定されている。
本県における再資源化施設までの距離に関する基準については,運搬距離と再資源化の経済性について考慮するとともに,本県における再資源化施設の立地状況等を勘案したところ,主務省令で定められた距離に関する基準によるものとする。
今後,県の区域における対象建設工事の施工に伴って生じる特定建設資材廃棄物の発生量の見込み及び廃棄物の最終処分場における処理量の見込みその他の事情を考慮して,特定建設資材廃棄物の再資源化による減量を図るため必要と認めるときは,法第17条の規定に基づき,条例で,主務省令の距離に関する基準に代えて適用すべき距離に関する基準を定めるものとする。
1基本的考え方
建設資材廃棄物は,産業廃棄物に占める割合が高い一方で,減量することが困難なものが多い。このため,限られた資源を有効に活用する観点から,最終処分量を減らすとともに,発生を抑制することが特に重要である。
本県における特定建設資材廃棄物の再資源化施設の立地状況を見ると,コンクリート塊,アスファルト・コンクリート塊の再資源化施設は,おおむね県下に万遍なく分布しているのに対して,建設発生木材の再資源化施設は,県北の山間地域や県西地域等において施設が十分に配置されていない状況にあることから,これらの地域で建設工事を施工する場合は,特に建設発生木材の発生抑制に取り組むことが重要である。
2方策
建設資材廃棄物の発生の抑制に当たっては,建築物等に係る建設工事の計画・設計段階からの取組を行うとともに,関係者は,適切な役割分担の下で,それぞれが連携しつつ積極的な取組を行うものとする。
建築物等の所有者
建築物等の所有者は,自ら所有する建築物等について適切な維持管理及び修繕を行い,建築物等の長期的使用に努めるものとする。
建設資材の製造に携わる者
建設資材の製造に携わる者は,工場等における建設資材のプレカット等の実施,その耐久性の向上及び修繕が可能なものについてはその修繕の実施並びにそれらのための体制の整備に努めるものとする。
建築物等の設計に携わる者
建築物等の設計に携わる者は,建設工事発注者の建築物等の用途,構造等に関する要求に対応しつつ,構造躯体等の耐久性の向上を図るとともに,維持管理及び修繕を容易にするなど,その長期的使用に資する設計に努めるとともに,端材の発生が少ない施工方法の採用及び建設資材の選択に努めるものとする。
発注者
発注者は,建築物等の用途,構造その他の建築物等に要求される性能に応じ,技術的及び経済的に可能な範囲で,建築物等の長期的使用に配慮した発注に努めるほか,建設工事に使用された建設資材の再使用に配慮するよう努めるものとする。
建設工事施工者
建設工事施工者は,端材の発生が少ない施工方法の採用及び建設資材の選択に努めるほか,端材の発生の抑制,再使用できる物を再使用できる状態にする施工方法の採用,耐久性の高い建築物等の建築等に努めるものとする。特に,使用済コンクリート型枠の再使用に努めるほか,建築物等の長期的使用に資する施工技術の開発及び維持修繕体制の整備に努めるものとする。
県
県は,自ら建設工事の発注者となる場合においては,建設資材廃棄物の発生の抑制に率先して取り組むものとする。
市町村
市町村は,国及び県の施策と相まって,必要な措置を講じるよう努めるものとする。
1基本的考え方
特定建設資材廃棄物の再資源化等に関する目標を達成するためには,必要な再資源化施設の確保,再資源化を促進するために必要となるコスト削減等に資する技術開発及び再資源化により得られた物(以下「再生資材」という。)の利用の促進が必要となる。
具体的には,関係者は,(2)に示す特定建設資材廃棄物の種類ごとの具体的方策等を着実に,かつ,速やかに実施する必要がある。
また,県は,国の税制上の優遇措置,政府系金融機関の融資等を積極的に活用するようそれらの制度の普及に努め,再資源化施設の整備を促進するとともに,特定建設資材廃棄物の再資源化施設の実態を定期的に把握し,その結果に基づき必要に応じた施策を推進する。
さらに,本県における特定建設資材廃棄物の再資源化施設の立地状況を見ると,コンクリート塊,アスファルト・コンクリート塊の再資源化施設は,おおむね県下に万遍なく分布しているのに対して,建設発生木材の再資源化施設は,県北の山間地域や県西地域等において十分に配置されていない状況にある。したがって,今後,これらの地域で建設発生木材の再資源化施設の整備を促進していく必要があると考えられる。
2方策
コンクリート塊
コンクリート塊については,破砕,選別,混合物除去,粒度調整等を行うことにより,再生クラッシャーラン等として,道路,港湾,空港,駐車場,建築物等の敷地内の舗装(以下「道路等の舗装」という。)の路盤材,建築物等の埋め戻し材又は基礎材,コンクリート用骨材等に利用することを促進する。また,コンクリート塊の再資源化施設については,新たな施設整備と併せて既存施設の効率的な稼動を促進するための措置を講ずるよう努めるものとする。
建設発生木材
建設発生木材については,チップ化し,木質ボード,堆肥等の原材料として利用することを促進する。これらの利用が技術的な困難性,環境への負荷の程度等の観点から適切でない場合には,燃料として利用することを促進する。また,技術開発等の動向を踏まえつつ,建設発生木材については,建設発生木材の再資源化施設等の必要な施設の整備について必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
アスファルト・コンクリート塊
アスファルト・コンクリート塊については,破砕,選別,混合物除去,粒度調整等を行うことにより,再生加熱アスファルト安定処理混合物及び表層基層用再生加熱アスファルト混合物(以下「再生加熱アスファルト混合物」という。)として,道路等の舗装の上層路盤材,基層用材料又は表層用材料に利用することを促進する。また,再生クラッシャーラン等として,道路等の舗装の路盤材,建築物等の埋め戻し材又は基礎材等に利用することを促進する。さらに,アスファルト・コンクリート塊に係る再資源化施設については,新たな施設整備と併せて既存施設の効率的な稼動を促進するための措置を講ずるよう努めるものとする。
その他
特定建設資材以外の建設資材についても,それが廃棄物となった場合に再資源化等が可能なものについては,できる限り分別解体等を実施し,その再資源化等を実施することが望ましい。また,その再資源化等についての経済性の面における制約が小さくなるよう,分別解体等の実施,技術開発の推進,収集運搬方法の検討,効率的な収集運搬の実施,必要な施設の整備等について,関係者による積極的な取組を行うものとする。
1基本的考え方
特定建設資材廃棄物の再資源化を促進するためには,再生資材を積極的に利用していくことが不可欠であることから,関係者の連携の下で,再生資材需要の創出及び拡大に積極的に取り組む必要がある。また,再生資材の利用に当たっては,必要な品質が確保されていること並びに環境に対する安全性及び自然環境の保全に配慮することが重要である。
2方策
建設資材の製造に携わる者
建設資材の製造に携わる者は,再生資材の開発及び製造に努めるものとする。
建築物等の設計に携わる者
建築物等の設計に携わる者は,再生資材をできる限り利用した設計に努めるとともに,このような建設資材の利用について,発注者の理解を得るよう努めるものとする。
発注者
発注者は,建設工事の発注に当たり,再生資材をできる限り選択するよう努めるものとする。
建設工事施工者
建設工事施工者は,再生資材をできる限り利用するよう努めるとともに,これを利用することについて,発注者の理解を得るよう努めるものとする。
建設資材廃棄物の処理を行う者
建設資材廃棄物の処理を行う者は,再生資材の品質の安定及び安全性の確保に努めるものとする。
県
県は,再生資材の利用の促進のために必要となる調査,情報提供及び普及啓発等の推進に努めるほか,再生資材を率先して利用するものとする。
市町村
市町村は,国及び県の施策と相まって,必要な措置を講じるよう努めるものとする
3公共事業での率先利用
再生資材の利用を促進するためには,民間の具体的な取組の先導的役割を担う観点から,再生資材を公共事業において率先して利用し,その需要量を拡大することが極めて重要である。
具体的には,道路等の舗装の路盤材又は建築物等の埋め戻し材若しくは基礎材の調達に当たって再生クラッシャーラン等が入手できるときや,道路等の舗装の基層用材料,表層用材料及び上層路盤材の調達に当たって再生加熱アスファルト混合物が入手できるときは,工事現場で発生する副産物の利用が優先される場合を除き,利用用途の要求品質等を考慮した上で,経済性にかかわらず,茨城県建設リサイクルガイドラインに基づき,これを利用することを原則とするなどの方策を講ずるものとする。
また,法面の緑化材,雑草防止材等についても,利用用途の要求品質等を考慮して,再生木質マルチング材等の利用を促進することとし,モデル工事等を通じて施工性,経済性等の適用性の検討を行い,これを踏まえ利用量の増大に努める。なお,建設発生木材を原料とする再生資材については,利用用途の拡大を検討し,利用促進を図るものとする。
さらに,その他の用途についても,再生資材の利用の促進が図られるよう積極的な取組を行うものとする。
なお,市町村の事業においても,国の直轄事業及び県の事業における再生資材の利用の促進のための方策に準じた取組を行うものとする。
特定建設資材に係る分別解体等,特定建設資材廃棄物の再資源化等及び再生資材の利用の促進は,特定建設資材廃棄物の発生の抑制,再資源化により得られた熱の利用の促進等と相まって,資源エネルギー投入量の削減,廃棄物の減量,環境に影響を及ぼすおそれのある物質の環境への発生の抑制等を通じて,環境への負荷の少ない循環型社会経済システムを構築していくという意義を有する。
このような意義を有する特定建設資材に係る分別解体等,特定建設資材廃棄物の再資源化等及び再生資材の利用の推進のためには,広範な県民の協力が必要であることに鑑み,県及び市町村は,環境の保全に資するものとしてのこれらの意義に関する知識について,広く県民への普及及び啓発を図るものとする。具体的には,環境教育,環境学習,広報活動等を通じて,これらが環境の保全に資することについての県民の理解を深めるとともに,環境の保全に留意しつつ,特定建設資材に係る分別解体等及び特定建設資材廃棄物の再資源化等が行われるよう関係者の協力を求めるものとする。
特に,特定建設資材に係る分別解体等及び特定建設資材廃棄物の再資源化等の実施義務を負う者が当該義務を確実に履行することが重要であり,また,発注者が再生資材をできる限り利用することが重要であることから,その知識をこれらの者に対して普及させるため,必要に応じてパンフレット等を作成し,配布するとともに,講習会等を実施するものとする。
県は,対象建設工事受注者が特定建設資材廃棄物の再資源化等を行うに当たって必要となる施設や,対象工事の発注者等が当該工事の注文を行うに当たって必要となる解体工事業を営む者の情報等について,インターネット等の活用により提供していくものとする。
特定建設資材に係る分別解体等及び特定建設資材廃棄物の再資源化等を適正に実施するためには,それらに要する費用が,発注者及び受注者間で適正に負担されることが必要である。
このため,発注者は,自らにそれに要する費用の適正な負担に関する責務があることを明確に認識し,当該費用を適正に負担する必要がある。また,受注者は自らが分別解体等及び建設資材廃棄物の再資源化等を適正に行うことができる費用を請負代金の額として受け取ることができるよう,分別解体等の実施を含む建設工事の内容を発注者に十分に説明する必要があるとともに,対象建設工事の受注者間においても,それらに要する費用が適正に負担されることが必要である。
加えて,県及び市町村は,それらに要する費用を建設工事の請負代金の額に反映させることが分別解体等及び建設資材廃棄物の再資源化等の促進に直結する重要事項であることを県民に対し積極的に周知し,当該費用の適正な負担の実現に向けてその理解と協力を得るよう努めるものとする。
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