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更新日:2021年5月26日
この資料は,県政記者クラブとの定例記者会見での発言内容を要約したものです。
知事定例記者会見の動画は,こちらから視聴いただくことができます。
いばらきカーボンニュートラル産業拠点創出プロジェクトについて
潮来保健所による「外国人と一緒に食事しないように」等と呼びかけた文書について
いばらきカーボンニュートラル産業拠点創出プロジェクトについて(2)
新型コロナウイルスワクチンの大規模接種会場の設置について(2)
(作成:報道・広聴課)
令和3年5月26日(水曜日)
13時15分~13時59分 会見室
共同(幹事社):幹事社の共同通信です。今日は発表事項が3点ということですので、項目ごとに発表と質問をお願いします。では、よろしくお願いします。
知事:それでは、まず最初に、6月の補正予算案がまとまりましたので、発表させていただきます。
6月の補正予算についてでございますが、基本的な考え方、規模でございますが、基本は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止、それから、県内産業等への支援の2つでございます。
一般会計の総額21億6,200万円ということになります。主な柱は、感染拡大防止策と医療提供体制の整備、2つ目が、県内産業への支援ということと、あと予備費の積み増しということになります。
まず、感染症予防医療法施行事業ということで6億7,500万円ほど計上させていただきましたが、新たな検査体制の確保と構築ということで、今般、大洗町で実施したように、町全体で希望者の方に誰でも検査をしていただくというような対策を今後も実施できるようにするための予算でございます。
それから、新型コロナウイルスワクチン接種体制整備事業ということで、休日に集団接種会場へ医療従事者を派遣する医療機関に対し、派遣元が負担する人件費などを市町村を通じて補助するというものでございます。
いば旅あんしん割事業も再度の計上でございます。5月末までだったもので、6月からまた新たにということでございますが、クーポン券を新たに加えて、今回、3,000円以上からを対象にして、かつ、クーポン券を2,000円加えた形で再度計上させていただいております。
ただし、このいば旅あんしん割事業は、感染が落ち着いてから実施するということでございます。いわゆる停止条件付きでございますので、当分の間、感染が落ち着くまでは、予算は計上するものの、実施はしないということでございます。期限が、国の方でも年末まで延びましたので、年末までの間に感染が落ち着けば、是非実施していきたいと考えております。
共同:予算について、幹事社から質問します。改めて、6月の補正予算について、狙いをお願いします。
知事:コロナ感染対策の機動的な実施ということで、まずは大規模検査です。今、大洗で順次実施を行っておりまして、昨日、今日の感染者などを見ても、成果が上がりつつあると思います。こういう大規模検査をいつでも行えるようにするための予算を計上させていただいたと。
それから、今やコロナ対策はワクチン接種に焦点が移ってきているわけでございまして、そのワクチン接種体制、特に医師が不足している市町村について、ワクチン接種を進めるに当たって、非常にご苦労があるということで、県の予算でそういうところに医療従事者の派遣をするための必要な予算ということでございます。
共同:今日は時間が限られているということですので、特に予算でなければ、次の項目に移ろうと思うのですが、各社、いかがでしょうか。よろしいですか。では、次の点をお願いします。
知事:次が、茨城県としてのワクチンの大規模接種会場の設置についての発表でございます。新型コロナワクチンの接種というものが、今や、感染を抑える観点からも、また、さらには、経済を戻すための切り札となっているわけでございますが、そのワクチンの接種状況でございます。
本県は、4万人、4.7%という報道が各社から出ているのですが、若干、誤解を招く数字だと思いますので、簡単に説明させていただきますと、茨城県の場合は、医療従事者の次に、高齢者や障害者福祉施設、要するに、クラスターが起きやすいところを重点にやっております。そのため、入所者だけではなくて、そこにいらっしゃる従業員の方々にも優先的にワクチン接種を行っておりまして、そういう従事者や入所者を含めると合計6万人ぐらいが接種済みになっておりまして、高齢者の割合に換算した場合は7.2%の人が接種を受けているということで、決して35位ではなくて19位ぐらいですよと我々としては考えているということでございます。決して茨城県が非常にワクチン接種で手間取っていて遅れているというわけではないということでございます。
ただ、しかしながら、今、高齢者の大規模接種に移ってきている中で、7月末までに高齢者のワクチン接種を終えるという政府の目標に対して、対応がなかなか難しいと、当初、12の市町村が答えておりまして、その割合というのが全国でワースト2位だという話にもなっております。うち6市町村については、7月末までに何とか前倒しができるのではないかという話をされていますが、まだ残りの6市町村は現時点でも8月以降の終了見込みということになっております。
県としては、こういう市町村に対してしっかりとした支援を行うために、まず一つは、医師の派遣、それから、看護師の派遣、それから、必要な看護師の募集、それから、県有施設の提供などで、接種が市町村単位で速やかに行われるようなサポートをさせていただきたい。
それに加えて、大規模接種会場を県独自で設けさせていただいて、7月末の高齢者接種の終了はもちろんのこと、高齢者の接種が終了した後、一般の方の接種も含めて、スピーディーに茨城県内でワクチンが接種できるような努力を行っていきたいと考えております。
大規模接種会場でございますが、まず最初に、県庁の福利厚生棟アリーナに設けさせていただきます。6月中旬以降、最大1日1,000人規模で実施をしていく予定でございまして、対象の方は、水戸市、那珂市、鉾田市、小美玉市、茨城町など県庁周辺の市町村の方々を対象にしていきたいと思っています。
これを皮切りに、県内にさらに複数箇所、大規模接種会場を設けることを検討していきたいと考えております。これで大規模接種の発表は、以上です。
共同:では、幹事社から質問させていただきます。集団接種、個別接種の拡充で、7月末までの終了を目指すということですが、これは65歳以上の方全員が打つというような定義でよろしいのでしょうか。
知事:希望者全員ということですね。
共同:それから、県内複数箇所に大規模接種会場を設置するということですが、これは、規模感で言うと、トータルで1日当たり何人ぐらいの。
知事:会場によって異なると思いますので、水戸の場合だと、最大1日1,000人ぐらいまでは回せるということがありますが、今後設ける接種会場でどのくらいのキャパシティがあるのか、用意できるのか、会場の広さ、それから、接種を行うための体制がつくれるかどうか、そういうものを見ながら、その規模が決まってくると思っています。
共同:今のところ、全体でトータルという数字は。
知事:今のところ出せません。
共同:分かりました。幹事社からは以上です。各社、いかがでしょうか。
NHK:これまで、この大規模接種について、知事は、人材確保が一つ大きな課題だということをおっしゃっておりましたが、今回、医療スタッフを医療人材紹介会社等の活用ということになっておりますが、この確保の見込みというのはどういうふうになっているのでしょうか。
知事:医療人材紹介会社や県内外の医療従事者にお願いをしている中で、例えば、この前の潜在看護師の方々に接種のご協力をお願いしたところ、実は非常に申込みが多かったということもあって、こういう大規模接種会場をつくるに当たっても十分な人材の確保ができるのではないかという見通しが立ってきたということで、いろいろ苦労されている市町村のサポートも含めて、県としても大規模接種に乗り出したいと考えて、こういう決定をさせていただきました。
NHK:ありがとうございます。あともう1点ですが、県内外からも医療従事者の確保ということで、これは他県との連携とか、どういったことを考えていらっしゃるのでしょうか。
事務局:民間の派遣会社を活用させていただくので、そうすると、他県の医療従事者、医師、看護師の方も参加していただけるということで考えております。
NHK:ありがとうございます。あと、総務省の調査で、12の市町村が7月末までには終わらないということで、この接種状況について、改めて知事の受け止めを教えてください。
知事:7月末までに高齢者の接種を終えるという目標に対して、急につくられた目標で、なかなか対策を練る暇がなかったということもあるのだと思います。特に、上の6市町はいろいろと対策を何とか立てられそうなのですが、下の6市町は、特に医療従事者が市町村内に少ないという事情もあって、かなり厳しい状況なのかなということもあります。
県としては、高齢者の接種を7月末で全て終えるという目標もさることながら、高齢者以外の方も含めて、なるべくスピーディーに集団免疫をつくっていく。要するに、人口の6割ぐらいが抗体を持つという状況をつくることがコロナ対策の一番の決め手になりますし、さらに経済の回復、例えば、いろいろな制限、外出自粛だ飲食の制限だと、そういうものを取り払って、経済を元に戻して活性化させるということの最大の近道ということも考えて、県としても、市町村にお任せするだけではなく、自ら接種会場を設けて、可能な限り県民の接種のスピードを上げていきたいと思っています。
NHK:ありがとうございます。私から、最後、1点なのですが、今回、12市町村ということで、それ以外の市町村については一応7月末までに終わるという見込みを回答していると思うのですが、接種を進めていく中で、なかなか計画どおりに進まず、今までは7月末と答えていたにもかかわらず、ずれ込む市町村も出てくるのかなと思うのですが、そうした市町村への聞き取りとかフォローアップというのはどういうふうに考えていらっしゃいますか。
知事:当然、各市町村もいろいろな仮定を置いて7月末に終わる見込みとお答えされていると思いますので、実際に接種を始めてみたときに、その状況が変わってしまったと。例えば、想定する希望者が高齢者の人口の7割ぐらいを想定していたところが、実は9割ぐらい希望しているとか、そういうことが実際に起きていますので、そういう想定していたことと違うことが起きると、7月末の接種終了が難しいということになるかと思います。
ただ、接種を絶対に7月末に終わらないとどうにかなるという話ではなくて、これは目標としてこういう高い目標を掲げて、特にオリンピックもあることですから、政府全体としてワクチン接種を進めたいという意思の表れだと思います。それは、茨城県としては、その目標を達成するのは望ましいのですが、目標を達成する、しないにかかわらず、高齢者以外の一般の方の接種をどんどん進めるという意味でこの大規模接種を位置付けております。
NHK:ありがとうございます。
読売:大規模接種会場の追加の設置の今後検討の話なのですが、第1弾は水戸で、県庁敷地でやるということなのですが、その他の地域に関しては、例えば、地域バランスを考えながら、県央以外の地域であるとか、その設置の時期の目安が分かりましたら教えていただけないでしょうか。
知事:現在、県有施設を中心に設置の場所を検討しております。県で使える県有施設、かつ、駐車場などの規模が大きいこと、そういう条件に合うようなところを考えながら、地域的なバランスも完璧にとれるかどうかちょっと分かりませんが、なるべくバランスのとれるような工夫をしながら考えていきたいと思っています。
読売:県央以外の地域でも。
知事:もちろんです。
読売:他県では、空港を活用したり、茨城県も茨城空港の駐車場があると思いますが。
知事:そういうことも含めて考えています。
読売:それも含めてということですか。
知事:はい。
読売:時期としては、この夏中に。
知事:私はなるべく早くと言っているのですが、ちょっと待ってくれと事務的に言われていまして、できれば6月中にスタートしたいのですが、ちょっと待ってくれと言われていますので、もうちょっと遅くなるかもしれません。
共同:各社、よろしいでしょうか。では、3点目をお願いします。
知事:3点目が、コロナ対策の収束後というわけではございませんが、今やコロナ感染症と同じぐらい非常に大きな課題になってきます気候変動問題、それに対応するために、新しいプロジェクトの立ち上げを発表させていただきます。
いばらきカーボンニュートラル産業拠点創出プロジェクトということでございます。
温室効果ガス排出削減は今や世界共通の課題になってきているわけでございます。EUはじめアメリカ、中国など、各国が非常に意欲的な目標を発表した中、菅総理のもとで、日本政府も2030年の目標値の46%(2013年比)ということで宣言をしてきたわけでございますが、それに対応して、今後、経済界を中心に、カーボンニュートラルのための急速な投資が行われるであろうと見られているわけでございます。
二酸化炭素排出量の特徴でございますが、茨城県の場合、特に大規模産業からの排出が非常に比率として多いわけでございます。このグラフをご覧いただきますと、全国の二酸化炭素の排出量の4割超が産業系なのですが、茨城県の場合は産業系の比率が5割を超えているわけでございます。特に、産業排出量が多い事業場は臨海部に隣接していまして、臨海部の市町村では特定事業場の排出量が全体の88%を超えるということで、産業におけるカーボンニュートラルをどう達成するかということが本県の場合のカーボンニュートラルを達成するためには非常に重要になってくるということでございます。
もう一つ、カーボンニュートラルは、今後、成長の原動力となると考えられます。エネルギー電力や新エネルギー、例えば水素やアンモニアが非常に脚光を浴びておりますが、そこの製造なりサプライチェーン、まだまだ課題が多い。技術開発の途上であります。それから、エネルギー構造の抜本的な転換に必要な技術の開発や設備投資なども今後必要になってくる。ここら辺に大きな産業発展の機会があるわけでございます。
もたらされる効果としては、CO2の大幅削減や、新しい産業の創出、産業競争力の強化、立地競争力の強化ということで、カーボンニュートラルを達成するための様々な産業集積を茨城県に進めることによって、新しい産業を創出しながら、茨城県の産業競争力、立地競争力を強めていくということを狙っているわけでございます。
先般、日本製鉄の高炉休止の話もございましたが、こういう新しい産業の育成を目指すことによって、県全体として様々な産業の毀誉褒貶はあったとしても、茨城県としてしっかりと成長の原動力をつくっていくということでございます。
臨海部のカーボンニュートラルの全体像ということで、こちらの図に示しております。イノベーション拠点として、臨海部の港湾に加えて、茨城大学とかつくばの研究機関、あるいは筑波大学を巻き込みながら、港湾を中心にエネルギーの供給拠点をつくり、そこからエネルギーの需要拠点、それから、カーボンリサイクル拠点などの今後起きるであろう様々なニーズ、この辺の産業化を是非茨城県で実現していけるような動きをつくっていきたいと考えております。
県が実現を期待しているプロジェクトの分野ということで、こちらの例を挙げさせていただいておりますが、新エネルギーの需要開拓ということで、水素やアンモニアの利用でありますとか、製鉄業における水素還元製鉄やゼロカーボンスチールの生産でありますとか、あるいは、石油精製や石油化学へのグリーン水素の導入でありますとか、そういうものです。
新エネルギーの供給体制としては、水素の受け入れや供給体制、この辺はまだまだこれからの課題でございますので、そういうものを整備するとか、洋上風力や太陽光を活用したグリーン水素の生産、それなども是非取り組めるような機会をつくりたいと思っています。
カーボンリサイクルの実現としては、人工光合成による化学品の製造でありますとか、メタネーション、合成液体燃料製造などの新しい技術の実現ということでございます。
こういう新しい産業を茨城県で育てていくために、3つの対策ということで、機運醸成と体制の構築、それから、支援の充実ということを考えていきます。
機運の醸成としては、我々としては、速やかにカーボンニュートラルビジネス促進区域を設定して、アドバルーン効果ではないですが、茨城県として、カーボンニュートラル関連ビジネスに対してしっかりと支援していくという旗をいち早く上げていきたいということが一つ。
それから、新エネルギー需要の見える化ということで、現在のCO2排出量やエネルギー使用量から新エネルギーの需要量を推計しながら、潜在的なサプライヤーに茨城県ではこれだけの需要が将来確実に生まれますよということをしっかりと見える化していきたいということが2つ目、それから、カーボンニュートラル技術動向の調査ということで、つくるからためる、運ぶ、使うというサプライチェーンそれぞれの必要な技術研究シーズを開発状況などの動向を整理しながら、ニーズとシーズの橋渡しを県として行っていくということでございます。
推進体制の構築として、いばらきカーボンニュートラル産業拠点創出推進協議会を設置したいと考えております。想定する参加者は、エネルギー系などを含めた民間企業、それから、国、県も含めた行政機関、それから、国の研究機関などです。それから、協議内容としては、官民、あるいは民民連携で個別プロジェクトの形成を推進していく。それから、カーボンニュートラルポートの形成計画の作成です。それから、各種支援制度の体系化などでございます。そのほか、相談窓口の設置、専任組織の整備などにも取りかかります。
3つ目が、支援のさらなる充実ということでございます。本県独自の様々な支援制度を最大限に活用するということで、研究施設整備への支援として、研究施設・本社機能移転への補助の最大50億円を利用しようということにしております。それから、新技術・新製品開発への支援として、基礎研究への支援約3,000万円、応用研究への支援約1億円、実証・製品化への支援約1,500万円を予定しています。
これは基本的な入り口の支援でございまして、今後、個々に大型プロジェクトが茨城県の中でスタートするということであれば、それに伴走する形での支援、規制緩和でありますとか、税財政、インフラ整備、地元調整、他企業・研究機関とのマッチングなど、様々な支援をテーラーメイドで打ち出していきたいと考えております。
今後のスケジュールでございますが、今年度中に官民協議会の立ち上げから、様々な調査、分析、それから、プレーヤーの掘り起こし、国の支援制度などの活用などを含めて、今年度中にスタートをしていきたいと思っております。
個別プロジェクトを最終的にはしっかりとつくっていくということが重要になってきますので、民間企業との連携をしながら、来年度にまずは短期的に実現可能性のあるプロジェクトを立ち上げ、最終的には、2050年までに大規模な中長期的なプロジェクトを実現しながら、茨城県の中にしっかりとカーボンニュートラル新産業をつくっていけるような動きをつくっていきたいと考えております。
いばらきカーボンニュートラル産業拠点創出プロジェクトということで、プロジェクトの参加企業を今、募集しております。連絡先は、茨城県の政策企画部地域振興課が担当になりますので、是非そちらまでご興味のある企業はご連絡をいただければと思っております。
私の方からは、以上です。
共同:幹事社から幾つかお伺いさせていただきます。今回、新事業の立ち上げを応援していくというふうに理解をしたのですが、具体的に、県は、立ち位置として、主導して立ち上げていくということになるのか、それとも、民間とか官民の力をバックアップしていくという立ち位置になるのか、その辺を具体的にお伺いしたいのと、あと、大体経済効果としてどれぐらいを見込まれているのかということをお伺いできますか。
知事:支援の仕方としては、後者の民間主導の様々なプロジェクトをバックアップしていく、その民間主導の様々なプロジェクトを茨城県に取り込んでいく、そういう支援の方法になるかと思います。経済効果は、ちょっとまだ分からないです。まだ計算中です。
共同:それから、既に二酸化炭素の排出量が、茨城県といいますと、鉄鋼業をはじめ、日本を代表する企業が多いわけですが、既存の設備をリプレイスしていくような取り組みというのが必要になってくると思うのですが、その点についてはいかがお考えでしょうか。
知事:当然、企業の方でも、カーボンニュートラルということを目指すに当たって、既存設備をそのまま使えなくなるはずですので、そのための技術開発、それから、設備のリプレイスということは当然起きてくると思います。
それをいち早く茨城県内で研究し、実施に移していけるように、県として、自治体でできる限りのサポートをするとともに、国と連携して、このカーボンニュートラルに向けた国の様々な基金がございますので、それを是非茨城県に取り込んでいくという動きもいち早く行っていきたいと思っています。
共同:幹事社からは以上です。各社、お願いします。
茨城:今回、国や各国のCO2排出削減目標というのが次々と打ち出されている中で、知事としては、県独自の目標とか、そういったものを、今後、協議会も立ち上げられるということですが、どこかで表明したりであったりとか、そういうお考えがあれば。
知事:自治体の中で、カーボンニュートラルを2050年に目指すという宣言を、小泉環境大臣のお声がけもあって、されているところが結構あるのですが、茨城県の事情を考えると、単純に2050年にカーボンニュートラルを実現しますとはなかなか言えないのではないかなと思います。こちらのエネルギー構造も考えると、しっかりとしたプラン、あるいはプロジェクトに基づいて言わないと非常に無責任な発言になってしまうと思いますので、我々としては、そういうほとんど不可能と思われるような宣言をするよりは、まずできることをしっかりと立ち上げていくという姿勢を示すためにも、このプロジェクトを立ち上げた次第です。
東京:2050年カーボンニュートラルに伴って、政府が出しているグリーン成長戦略の中では、原子力関係にも言及があって、一つが、本県で言うと、大洗町にある高温ガス炉の実験炉です。それから、那珂市にある核融合の実験施設、これは、実用化はまだ当分先かと思いますが、特に高温ガス炉の方です。これは、政府の方がそれなりに実用化を視野に入れて進めていると思いますが、これも大洗にありますが、これが、将来、実用化のめどが立ったときに、知事がイメージする茨城県のカーボンニュートラルという中には含まれるのでしょうか。
知事:含まれます。
東京:含まれる。
知事:はい。
東京:高温ガス炉の関係。
知事:はい、含まれます。
東京:分かりました。核融合は。
知事:含まれます。
東京:それも含まれるのですね。
知事:実現すればの話ですけれども。
東京:分かりました。それから、ついでにお聞きしたいのですが、以前も同じ質問をさせていただいたのですが、東海第二原発の再稼働というのは、カーボンニュートラルを進める上で不可欠な要素だとお考えでしょうか。
知事:原子力発電は、当然、カーボンニュートラルに資すると考えています。ただ、東海第二発電所を再稼働するかどうかというのはまた別の議論がありますので、そちらの議論を含めて検討しなければならないと思っています。
東京:分かりました。ありがとうございます。
共同:各社、いかがでしょうか。では、その他の質問に移らせていただこうと思います。まず、コロナの感染状況についてお伺いします。ゴールデンウィークが明けてから大体20日が経過しまして、前回の定例会見の際には、ゴールデンウィーク中の人の移動を評価するのは今後の感染状況の動き次第だというふうなお言葉でしたが、現状の感染状況に照らし合わせて、改めて評価をお願いできますか。
知事:ここ数日、若干落ち着きを見せてきているというふうにも見えますが、県内の感染状況は、ゴールデンウィークを境に一度上がりましたが、その後、また少し落ち着き始めてきているのかなというふうに見ています。
ゴールデンウィークの移動の制限をもっと強烈にすべきではないかという議論もあるようでございますが、東京と違って緊急事態宣言を発令されているわけでもない本県において、あまりにも厳しい制限をするということ自体は、経済と感染防止の両立という観点からも非常に難しい判断であったということで、結果として、感染がゴールデンウィーク明けに若干増えたということについての責任は私にありますが、やむを得ない判断であったというか、決して妥当な判断ではないとは言い切れないのではないかなと思っています。
共同:それから、国のまん延防止等重点措置地域の要請についてですが、先日、西村経産大臣は、引き続き様子を見るというようなお言葉もありましたが、一方で、水戸市などは感染拡大地域から外れることになったわけですが、この要望について、改めて、対象地域とか要望内容、国への要請の形についてお伺いできますか。
知事:これだけ状況が改善してきますと、まん延防止等重点措置はもうないのではないですかね。国の6つある指標のうち、Stage3以上なのは病床の使用率だけだと思いますので、そういう状況では、過去のまん延防止等重点措置を発令した時の状況を見ますと、多分、茨城県は対象外という判断をされているのではないかなと思っています。
共同:この要望を取り下げるということはあり得ますか。
知事:別に要望を改めてわざわざ取り下げる必要もないのではないでしょうかね。
共同:では、最後に、先日来、知事は、支援の観点からも要望があれば追加すべきだというようなお立場だったと思うのですが、今回の一連の国の対応についていかがお考えでしょうか。
知事:それは前にも申し上げたとおりでございまして、要するに、まん延防止等重点措置の対象になっていなくても、茨城県はまん延防止等重点措置とほぼ同じことをやってきたわけです。8時以降の営業の自粛というかなり厳しい措置もやりましたし、外出自粛で、1万人当たり新規陽性者が1.5人を超えたところは自動的にそういう対象にしているということで、重点措置と何ら変わらないわけです。
要するに、私の不満は、まん延防止等重点措置の発令があまりにもいろいろな配慮をし過ぎて、スピードに欠けているのではないか。それから、もしそうだとしたら、本当に感染者がまん延しないと重点措置はしないというのであるとするにしても、支援策に差をつけるという話はさすがに受け入れられないなと。
飲食店の皆様、あるいは、外出自粛をされている県民の皆様からすれば、同じことをやっているにもかかわらず、国に指定されたら、同じことをやっている人でも協力金の金額が上がるとかというのは、やっぱりそれはおかしいのではないかなというのは今でも意見としては変わりません。やるのであれば、もっとスピーディーに、かつ、県独自と国のまん延防止等重点措置とやっていることが同じであれば、支援策も同じにすべきではないかなと思っています。
共同:ありがとうございます。各社、お願いします。
NHK:2点、伺います。1つ目が、オリンピックの聖火リレーについてです。前回の会見で、知事は、不要不急の外出自粛の要請が出されている地域とかでは、公道での聖火リレーの中止ということも考えるとおっしゃっておりましたが、その後、この考えについては変わったか。もし変わったら、その理由と、どういう。
知事:いえ、変わっていません。
NHK:やはり今後も感染状況を見てというところで。
知事:もちろんそうです。
NHK:分かりました。もう1点が、先日、潮来保健所で、新型コロナの感染予防の目的で、外国人と一緒に食事をしないようになどと農家に呼びかける文書をJAなどに送っていたということで、コロナに絡む差別というのはあってはいけないということを繰り返し知事は伝えてきていたとは思うのですが、こうした文書が県側から出されていたことについて、知事はどういうふうに受け止めていますか。
知事:文書自体は不適切だったなと思っております。保健所長の意図がどうあれ、そういうふうに読まれてしまうということであるので、そこはもうちょっと注意すべき内容ではなかったかなと思っています。
ただ、あそこで潮来保健所長が言いたかった趣旨は、外国人のコミュニティの方々で感染が拡大しているケースが非常に見られることから、非常に注意をしてくださいということを伝えたかったということもあるので、あまりこの人は差別をしているとかということを言い立てるというのは、ちょっとそれも行き過ぎなのではないかなと、報道として。と私は思います。
NHK:ありがとうございます。
東京:6月ぐらいから、従来、県政世論調査といっていたものを、昨年度からネットリサーチというふうに衣替えをしているかと思いますが、これが始まると思います。知事は、かねがね、東海第二原発の再稼働の判断をするに当たって、県民の声を把握するということをおっしゃり続けてきていると思いますが、その手段として、県政世論調査、ネットリサーチを使ったらどうかという意見は県議会でも出ていたことがあります。そのようなお考えがあるかどうかというのは、いかがでしょうか。
知事:今のところございません。
東京:そうすると、どうやって県民の声を聞かれるのか。
知事:検討中です。
東京:使わない理由は何ですか。
知事:県民のネット調査といって、YES or NOという形で意見を聞くような内容ではないということだと思います。もうちょっと複雑な内容なので、設問の仕方、あるいは聞き方、答える状況、そういうことも含めてしっかりと考えた上で。安易にアンケートを取りましたという、単純にネット調査でアンケートを取るだけだったら、マスコミの方もやっているからそれと同じですよね。それと違わない意見の取り方だったら意味がないので、やる必要はないと考えています。
東京:分かりました。ありがとうございます。
読売:昨日、高校入試の採点ミスについて処分が出ました。その知事の受け止めを聞かせてください。
知事:入試の採点ミスというのは、受検生の人生を左右しかねない大きな問題であるということで、重大な問題であったということで、しっかりと襟を正すということが必要なのではないかなということで、今回の改善策の発表、それから、処分の発表とございましたが、我々としてもしっかりと重く受け止めながら、二度と再発をしないような形で、教職員一丸となって取り組むべきだと考えております。
読売:処分についてなのですが、教育長については、過去二代の方がさかのぼって自主返納という形になりました。知事ご自身が何らかの形で責任を取られるお考えはありますでしょうか。
知事:特にございません。
読売:その理由はなぜでしょうか。
知事:教育長の下に教育行政を行っているからです。
読売:3月22日に、入試の採点ミスの概要を発表された時に、知事ご自身も信頼を損ねることになって申し訳ないというお話をされていました。記者会見もされております。それでも、それはまた別だというご理解でしょうか。
知事:私が謝った全てについて減給していたら、全部減給が重なってしまうのではないですかね。処分基準に基づいて判断をしたということです。
読売:それは別ということですが、会見はどういうお立場でされたということでしょうか。
知事:茨城県知事としてやらせていただきました。
読売:教育行政に関わる立場としてということでしょうか。
知事:教育行政も含めて、茨城県のトップとして会見をさせていただきました。
読売:分かりました。ありがとうございます。
毎日:ワクチン接種についてお伺いします。自治体が実施するワクチン接種で、1日に2回接種してしまうだとか、1回目と2回目の間の間隔を短くしてしまうだとか、そういったミスが発生していますが、これについての受け止めと、あとは、大規模接種を実施する際に、何か具体的な対策を取られるかどうか、お考えをお願いいたします。
知事:我々としても初めての大きなプロジェクトでございますので、そういうミスが起こり得るということは、我々としてもしっかり認識しなければいけないと思いますし、今回の誤った接種によって、どうしてそういうことが起きたのかということをしっかり分析しながら、大規模接種を含めて、その経験を生かしていきたいと思っています。
産経:またコロナの話に戻ってしまうのですが、飲食店の時短営業に関わって協力金が出ていますよね。あれが長期化するに当たって、結構複数の飲食店の方から、20時以降も営業しつつ、かつ協力金を申請しているという事案が見られているという声がちょっとあるのです。これは県として実態を把握されているのでしょうか。
知事:県の方にもそのような報告などが来ておりまして、そういう情報をいただいた場合には、我々としても速やかに調査を行って、違反しているということが判断された場合には、協力金の支払いはしないという対応を取っております。
産経:今後も申請等は書類のみという形は変わらないでしょうか。
知事:申請についてはそうですね。全部チェックしながら申請を受け付けるわけには、多分、行政コスト的にも難しいので。
産経:難しいですよね。
知事:ただ、そういうお話があれば、きちんとチェックしたいと思っています。
産経:分かりました。ありがとうございます。
日経:カーボンニュートラルに戻って恐縮なのですが、このカーボンニュートラルの実現と日本製鉄の高炉2基維持は、引き続き要望していくということなのでしょうか。
知事:そうですね。引き続きお願いしたいと思っています。当然、製鉄業というのも大量に二酸化炭素を排出する産業ですので、製鉄業自身も、このカーボンニュートラルという大きな流れに対応するために、今後、大変努力をすることが予想されますので、当然、主要なプレーヤーの一つとして茨城県内での位置付けをお願いしたいと思いますし、既存の製鉄業から脱皮して、カーボンニュートラルに向けた新しい製鉄業ということを企業自身としても目指すのであれば、是非そこの拠点として茨城を位置付けていただけるように、しっかりと我々としても連携していきたいと思っています。
日経:ありがとうございました。
茨城:大規模接種の話に戻るのですが、先日、水戸市の方でも独自に大規模接種の会場を設けるということで発表されていますが、そのあたりは、県としては、水戸市とどのような調整を行ってきたかということと、接種者などの兼ね合いというのはどのように考えていらっしゃるのか、お聞きしたいです。
知事:水戸市の場合は、情報はいただいていたかもしれませんが、特に調整ということはしておりません。大規模接種なり接種者の1日当たりの数が増えれば増えたに超したことはないので、水戸市に限らず、各市町村で新たに接種会場を設けて増やす努力をするということは、当然歓迎されるべき話だと思いますし、それに加えて、県としても努力をして、少しでも接種のスピードを上げていきたいということでございます。
別にこれは高齢者が終わったら終わりではないので、先がありますので、なるべく早く、県民の6割、7割の方がワクチンを接種して、抗体を持つという状況にいって、コロナ感染症が起きる前の生活と経済を取り戻すために全力で努力したいと思っています。
茨城:ありがとうございます。
共同:各社、いかがでしょうか。では、ないようですので、終わりにさせていただきます。ありがとうございました。
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