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更新日:2017年7月24日

「週刊アサヒ芸能」2007年11月15日特大号

「週刊アサヒ芸能」平成19年11月15日特大号(茨城県関係連載第6回(11月6日発売))に掲載された、茨城県知事のインタビュー記事です。

ちょっとだけ田舎暮らし(連載第29回)

充実した移住促進政策を掲げる茨城県。橋本昌県知事も暮らしやすさには絶大な自信を持つ。地元出身だけに県民性は熟知しており、「人柄はきわめていい」と太鼓判。移住希望者の全面的なバックアップを約束した!

気候、風土、県民性・・・快適な住みやすさに茨城県知事が太鼓判

都心から最も近い田舎。そんなキャッチフレーズが似合うのが茨城県だ。
これまで5回にわたって紹介してきたように、里山や海があり、おいしい米も獲れる。少し奥に入れば豊富な自然と触れ合える。都心から日帰り圏内にありながら、田舎暮らしが楽しめるのだ。
加えて、受け入れ側の態勢がしっかりしていることも大きな特徴だ。特に県北地域は次々にお試し暮らし物件が整備され、初めてこの地を訪れた人でも満喫できるシステムが整っているのが心強い。
以前、紹介した県北の大子町では、この10月に300坪の町有地を無償で20年間貸与する計画を発表し、応募者を募った。すると、たった20日間で、すでに1000件近い電話の問い合わせがあったという。いかに多くの人が注目しているかが、おわかりだろう。
そんな茨城県紹介シリーズのトリを飾るのは、橋本昌・茨城県知事である。
橋本知事は、県内の東海村生まれ。小学校から高校まで県内の学校に通い、大学から東京へ。卒業後は自治省に入省し、大阪、福井、山梨で勤務したのち、茨城県知事に立候補。みごとに当選して、地元に戻ってきたUターン組の一人だ。
「東京や大阪はともかく、いわゆる地方の中での茨城県は、とても豊かな県だと言えます。『常陸国風土記』の中で“常世の国(とこよのくに=理想郷)”と表現されているように、山海の幸に恵まれていて、可住地面積も全国4位です。例えば近隣の群馬県と比較すると、面積はほぼ一緒なのに、可住地は倍もあるんです。それだけ平地が多く、住みやすいところだということです」
と、まずは住みやすさについて語る。
「気候も暑すぎず寒すぎず。非常に暮らしやすい。太平洋岸沿い(旧大洋村周辺)は暖かさと環境のよさを求めて、かねてより退職者層の注目を浴びています。県北地域の豊かな自然については、これまで紹介していただいているのでよくご存じですよね。つくば地域も、TX(つくばエクスプレス)の開業で都心まで1時間もかからない便利さに加え、抜群の医療環境と教育環境があります。公園面積も日本有数の広さです。人口約20万人のうち、2万1000人ほどが研究者なのも、つくばらしさですね。そのうちの約6000人が博士号を持っていますし、外国人研究者も約4000人います。こんな町はほかにないですよ。受験期のお子さんがいらっしゃる家庭にも退職を控えた方にも、すばらしい町ではないでしょうか」
あらためて知事の話を聞くと、確かに県内各地はそれぞれに特徴がある。田舎暮らしのスタイルも、古民家に住むだけではなく、豊かな自然に囲まれた科学都市のつくばで暮らす、という選択肢もあるのだ。

2年後には茨城空港も開港

そんな茨城県の県民性について、知事はどう考えているのだろうか。
「“水戸の3ぽい”という言葉がありましてね。『怒りっぽい、飽きっぽい、骨っぽい』という面があります。基本的に保守的と言われ、のんびりしている反面、江戸末期には水戸が最先端の考えを持ち、維新に突き進んだ歴史もあるんです。言葉がぶっきらぼうなので、初めて接する方はビックリするかもしれませんね。怒っているのかと思われるでしょうが、そうじゃないんです。人柄は、きわめていいですから、少しでもつきあってもらえれば、どんどん仲よくなれますよ」
地元で育った知事だけに説得力がある。さらに、移住や2地域居住に対して、全面的に応援していくとハッキリ明言してくれた。
同様の全面バックアップが、県庁で移住促進を担当している企画部地域計画課からも聞かれた。担当の羽白淳課長によると、「県北地域は『いばらき さとやま生活』と銘打ち、団塊の世代を中心とした受け入れ態勢を整えています。一方の県南地域、TX沿線は『つくばスタイル』と名付けており、東京への通勤が30分から45分と圧倒的に便利になっているので、郊外での豊かな生活が実現できます」
また、交通の面では平成21年度開港予定の茨城空港の存在も注目に値する。あまり知られていないが、自衛隊の百里基地を共用化する予定なので滑走路が長く、国際チャーター便にも対応できるようになる。国内線では札幌、大阪、福岡、沖縄への路線を計画しており、茨城を拠点に地方に行くことも可能だ。また、大洗から北海道への定期船も出ていて、ますます交通網の発達した地域へと変貌を遂げる。
「黄門様も、県北地域の西山荘を隠居場所として選んでいましたし、岡倉天心もしかり。昔から、田舎暮らしをするための要素がそろっていたと言えるのではないでしょうか」(前出・羽白さん)
北茨城には、天心記念五浦美術館があり、岡倉天心や横山大観らの作品が数多く展示されている。純粋な田舎暮らしはもちろん、芸術に触れながら暮らすことにも向いていると言っていい。
茨城県はメロンをはじめ、レンコン、水菜、クリ、白菜、鶏卵、セリ、チンゲンサイなどの農産物が全国1位の産出量を誇っている。上位3県に入るものまで広げれば、その数は30品目近くになり(05年データ)、いかに豊かな県であるかがわかる。
まさに“常世の国”なのである。
<取材・文 西内義雄>

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参考

週刊アサヒ芸能(第1回から第5回)連載記事(PDF:2,191KB)

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