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更新日:2024年11月29日

令和6年第4回定例会(知事提案説明要旨)

提案説明に先立ちまして、謹んで一言申し上げます。

三笠宮崇仁親王妃百合子殿下には、今月15日に薨去されました。ここに、県民の皆様とともに、三笠宮妃殿下の御霊の安らかならんことを心よりお祈り申し上げます。

次に、令和6年第4回定例会の開会に当たり、提出いたしました議案等の説明と報告を申し上げます。

新内閣への期待と経済対策への対応

先月1日に発足した石破内閣は、衆議院議員総選挙を経て、今月11日、第2次石破内閣として新たなスタートを切りました。総理は、就任会見において、「地方こそ成長の主役」と掲げ、地方創生を日本経済成長の起爆剤として、強い決意を持って取り組んでいく方針を示されております。

石破総理には、日本経済のデフレ脱却を確かなものとするとともに、急激な人口減少など様々な困難に直面する地方の活性化に大胆な施策展開を期待しているところであります。

そうした中、政府においては、「日本経済・地方経済の成長」「物価高の克服」「国民の安心・安全の確保」を柱とする事業規模約39兆円の「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」を22日に閣議決定しました。県といたしましては、今後、経済対策に伴う補正予算などの内容を見極めながら、適切に対応してまいります。

人口減少時代への対応

先月、内閣府が公表した2021年度県民経済計算の全都道府県の推計結果において、本県の実質経済成長率は6.6パーセントと、全国の3.1パーセントを3.5ポイント上回る高い伸び率を記録し、1人当たり県民所得は、東京都、愛知県に次ぐ、過去最高の全国第3位となりました。

中でも、本県の1人当たり県民所得については、数十年の長きにわたり総じて10位台で推移してまいりましたが、近年、着実に上昇し、今回、全国第3位となったものであります。

私は、知事就任以来、経済への大きな波及効果が期待できる成長産業などへの戦略的な企業誘致をはじめ、本県の経済力を高める施策に特に力を入れて取り組み、県民の皆様とともに数多くの挑戦を続けてまいりました結果が、こうした飛躍的な成長につながったものと考えております。

今後とも、本県の潜在能力を最大限に引き出しながら、人口減少に伴う様々な困難に打ち勝ち、将来にわたる力強い発展を実現してまいります。

救急搬送における選定療養費

次に、救急搬送における選定療養費についてであります。

「救急搬送の要請に対して搬送を断ることはない」という「救急搬送の原則」がある中、本県における搬送件数は近年増加傾向にあり、県では、医療現場のひっ迫により、救える命が救えなくなるという最悪の事態を回避するため、緊急性が認められない救急搬送者からの「選定療養費」の徴収に向け、県医師会や関係医療機関、消防機関などと協議を重ねてまいりました。

先月18日には、「明らかに緊急性が認められない症状」の事例など「選定療養費」の徴収に係る目安を示した統一的なガイドラインを策定し、関係機関に示すとともに、県広報紙「ひばり」やテレビ、ラジオ放送などにおいて、「救急搬送の原則」を含む本制度の取扱いについて県民への周知を図ってきたところであり、冬季の救急搬送のピーク時に備え、週明けの来月2日から県内22の大病院において徴収を開始することといたしました。

県といたしましては、引き続き、救急電話相談の積極的な活用などについて県民への周知啓発を徹底してまいりますとともに、制度開始以降、現場の運用状況を確認、検証しながら、真に救急医療が必要な方に、しっかりと医療を提供できる体制を確保してまいります。

グローバル化の推進

次に、グローバル化の推進についてであります。

我が国が急激な人口減少による経済規模の縮小に直面する中、成長する海外の経済力を取り込み、稼ぐ力を強化することは極めて重要であり、インバウンド誘客や外資系企業の誘致、県内企業の海外展開支援など、経済交流につながる取組を加速しております。

まず、誘客面では、首都圏に近く、質の高いゴルフ場を数多く有する本県の強みを最大限に活かすため、ゴルフ人気の高い韓国を重点市場と位置付け、戦略的なプロモーションの一環として、先月3日から5日にかけて、私自ら韓国を訪問し、現地メディアを対象に「ゴルフの聖地」としての魅力や旅行費用助成キャンペーンについてアピールしてまいりました。

その結果、120社を超える現地メディアに取り上げられるとともに、本県向けツアーを初めて造成した旅行会社を含む約20社にのぼる旅行会社のツアー造成につながり、確かな手ごたえを感じております。加えて、韓国の大手オンライン旅行会社「インターパークトリプル」と旅行商品の造成や観光PRなどでの連携に関する協力覚書、いわゆるMOUを締結したところでありますので、更なる誘客に弾みをつけてまいります。

また、茨城空港への新規就航については、先月4日、韓国の航空会社エアロKの姜CEOと面会し、直接働きかけを行った結果、来月3日から約3か月間、茨城空港に初乗り入れとなる韓国の清州を結ぶ連続チャーター便の運航が決定いたしました。今後、本チャーター便による利便性の向上を更なる強みとし、韓国からの誘客に一層力を入れてまいります。

さらに、中国便については、これまで早期再開に向けて、春秋航空に対し、粘り強い交渉を重ねてまいりましたほか、本年7月に呉江浩駐日大使とお会いした際には、再開に向けた強い思いを直接お伝えしたところであります。

その結果、来月24日から、春秋航空の上海定期便が1年2か月ぶりに、西安定期便が4年10か月ぶりに再開する運びとなりました。今後、路線の定着に向けた利用促進を図り、インバウンド誘客の促進に取り組んでまいります。

加えて、外資系企業の誘致については、先月、中国を訪問し、15日には上海市において、投資意欲が旺盛な中国企業約100社の参加を得て「茨城県対日投資セミナー」を、16日には、精密加工分野の技術開発を目指す中国企業と県内企業との協業を目的とした「精密加工技術フォーラム」を開催いたしました。私自ら、本県の優れた立地環境などをアピールした結果、「茨城県への進出意欲が更に高まった」との前向きな反応が多数寄せられるなど、盛況のうちに終えることができました。引き続き、技術と資金力のある外資系企業と県内企業とのマッチングを通じて、外資系企業の誘致を促進してまいります。

さらに、本県の強みであり、競争力ある製品や高い技術力を有する「ものづくり企業」の海外展開に向けては、いばらき中小企業グローバル推進機構とともに、販路開拓を模索する企業への支援を強化しております。今月、ドイツとタイで開催された展示会には、初めての海外展開となる企業など21社が出展し、欧州や東南アジア企業との商談を行ったところであります。参加企業からは「自社技術が世界に通用すると実感できた」などの声をいただいており、引き続き、専門家による伴走支援などを通じ、県内企業の挑戦を強力に後押ししてまいります。

県といたしましては、急激な人口減少時代においても、本県経済の活力を高められるよう、グローバル化を強力に推進してまいります。

外国人材に選ばれる県づくり

次に、外国人材に選ばれる県づくりについてであります。

深刻な人手不足に直面する中、本県が国際的な人材獲得競争に打ち勝ち、将来にわたり経済力ある豊かな社会を構築するためには、優秀な外国人材の確保・育成に加え、働きやすく、暮らしやすい環境をいち早く整備していく必要があります。

このため、外国人からの生活の困りごと相談などに母語で対応する「IBARAKIネイティブコミュニケーションサポーター」について、当初の20名から大幅に増員し、48名体制とするなど、外国人の方々が安心して暮らせる生活環境の整備を進めております。

また、外国人の視点による本県の労働・生活・教育環境の整備・充実度について、客観的な指標により把握し、強みや課題を明確にするため、全国で初めての試みとして、「外国人を雇用する事業所の割合」や「日本語教室の設置割合」などからなる「外国人版いばらき幸福度指標」を策定いたしました。今後、本指標を活用した各種施策の強化に努め、国内外に向けて本県の働きやすさ、暮らしやすさを積極的に発信してまいります。

県といたしましては、こうした取組を通じ、多くの優秀な外国人材を惹きつけ、活躍し続けられる環境の構築にスピード感をもって取り組んでまいります。

企業立地の推進

次に、企業立地の推進についてであります。

先に申し上げましたとおり、私は知事就任以来、本県の経済力を高められるよう、成長産業の生産拠点や本社機能の誘致に加え、企業立地の受け皿となる産業用地の確保にスピード感をもって取り組んでまいりました。

その結果、県外企業立地件数は7年連続全国第1位となるなど、全国に誇る実績を上げており、昨年7月までに約60ヘクタールを完売した県施行の工業団地「圏央道インターパークつくばみらい」においては、今後、日清食品株式会社など7社の優良企業による工場建設が進んでまいります。

こうした優良企業の更なる誘致に向け、常陸那珂工業団地の拡張地区においては、本年5月までに約60ヘクタールの用地取得を完了し、造成工事を進めているほか、県施行の工業団地「フロンティアパーク坂東」では、今月7日、第2次分譲として約16ヘクタールの公募を開始したところであります。

県といたしましては、引き続き、半導体や次世代自動車関連などの成長産業をはじめ、給与水準や利益率の高い、高付加価値な産業への戦略的な誘致活動を展開するとともに、企業の立地ニーズに応じた産業用地の確保に取り組み、1社でも多くの優良企業の立地を実現してまいります。

稼げる観光地域づくり

次に、稼げる観光地域づくりについてであります。

国内外からの旺盛な観光需要の獲得は、観光産業のみならず、本県経済の発展に不可欠であることから、他地域との徹底した差別化と創意工夫による「稼げる観光地域づくり」に力を入れております。

まず、先月1日から開始した「アフターデスティネーションキャンペーン」では、県内各地において、創意工夫を凝らした250を超える体験企画や地域イベントが展開され、例えば、大洗町では、夜の大洗海岸を光で演出する「Night Park OARAI」に昨年を上回る約5万5千人が来場したほか、神栖市の「鹿島港 工場夜景ナイトクルーズ」では、集客力の向上に向け、神社の御朱印をイメージした乗船記念の「御船印」を新たに販売したところ、追加便まで完売する盛況となるなど、企画の定着化や収益性の向上に一定の成果も表れております。引き続き、来月末までとなる本キャンペーンを最大限に活かしながら、国内外からの誘客と観光消費の拡大に取り組んでまいります。

また、全線開通90周年を迎える水郡線沿線においては、JR東日本や沿線市町などとともに、趣向を凝らしたインパクトのある企画を展開しており、先月12日から今月20日にかけて実施した人気アニメ「忍たま乱太郎」とのコラボレーションによる県北地域山間部の周遊イベントでは、オープニング企画として3日間運行した臨時列車が全席完売するなど、ファミリー層や若年層を中心に好評をいただいたところであります。

明日30日と明後日12月1日には、常陸大子駅周辺において、沿線グルメの魅力などを楽しめる「水郡線フェス」を開催いたしますほか、だいご小学校では、人気菓子メーカーのリスカ株式会社が製造する大子町発祥の定番スナック菓子「うまい棒」を約5万本使用し、沿線の学校や団体などのご協力のもと制作を進めてきた「リスカの地上絵」のお披露目や、地上絵などを上空から楽しめる熱気球の搭乗体験を実施するなど、誘客を促進してまいります。

県といたしましては、引き続き、国内外からの誘客と観光消費の拡大に徹底して取り組み、「稼げる観光地域づくり」を加速してまいります。

「食」の魅力による観光創出

次に、「食」の魅力による観光創出についてであります。

先月12日から14日までの3日間、本県を代表する新たなご当地グルメの頂点を決定する「シン・いばらきメシ総選挙2024」を開催いたしました。県内全市町村から地域の特色を活かした渾身の逸品が集結した会場には、3日間で県内外から延べ約6万4千人もの方々にご来場いただき、長蛇の列に完売する店舗が続出するなど大変な盛り上がりを見せるとともに、民放番組での特集や全国紙への掲載をはじめ、各種メディアで60件以上取り上げられるなど、大きな注目を集めたところであります。

来場者の投票などを経て、一般料理部門では五霞町の「シン・茨城あげそば」が、スイーツ部門では小美玉市の「ダイヤモンブラン」がそれぞれグランプリグルメに決定したほか、準グランプリ、第3位に加え、10社にのぼる協賛企業やタレントの秋元真夏さんによる特別賞として、延べ20の受賞グルメが選定されました。グランプリグルメをはじめとする受賞グルメについては、首都圏メディアやインフルエンサーを対象とした試食会を開催するなど集中的なプロモーションを展開し、本県の新たな「食」の観光資源として定着するよう取り組んでまいります。

また、先月26日及び27日には、東京都品川区の大井競馬場内「ウマイルスクエア」において「茨城をたべよう収穫祭」を県外で初めて開催いたしました。「シン・いばらきメシ総選挙2024」のグランプリグルメをはじめ、県産食材を使用したグルメブースなど120店以上が集結したほか、収穫体験など様々なイベント企画を実施し、本県の「食」や観光の魅力を県外に向け大いに発信したところであります。

引き続き、本県が誇る「食」の魅力と価値を引き出し、強力に発信することにより、本県への新たな誘客につなげてまいります。

宇宙ビジネスの促進

次に、宇宙ビジネスの促進についてであります。

私は、宇宙ビジネスが将来有望な成長産業になるとの確信のもと、本県の強みである最先端の研究機関や優れたものづくり企業の集積を活かした関連産業の創出・育成を目指し、他県に先駆け「いばらき宇宙ビジネス創造拠点プロジェクト」を立ち上げ、JAXAと県内企業の技術交流やワンストップ支援などに取り組んでまいりました。

その結果、これまでに53社が宇宙ビジネスへの新規参入や、宇宙ベンチャーの創出などに至り、東京大学発の宇宙関連ベンチャー企業による小型衛星向け推進機の研究開発・生産拠点の誘致が実現するなど、着実に成果が表れております。

こうした流れを加速するため、先月31日、本県が誇るものづくり企業34社の技術を結集し、宇宙機器の共同受注に取り組む「IBARAKIスペースサプライネットワーク」を発足させるとともに、都内でPRイベントを実施したところであり、各企業の得意分野を活かしながら技術提案などを進め、受注拡大につなげてまいります。

今後とも、宇宙産業をリードする拠点形成を目指し、各企業の成長が本県発展の原動力となるよう、意欲ある企業の果敢な挑戦を積極的に後押ししてまいります。

水産業の成長産業化

次に、水産業の成長産業化についてであります。

漁業者の減少や地球温暖化による海洋環境の変化などに直面する中、本県水産業の持続的な発展を図るため、水産物の高付加価値化など収益性を高める取組を加速しております。

まず、先月2日には、本県の主要な水産物であるシラスのトップブランド化を図るため、鮮度を追求した全国初となるブランド基準により厳選された最高級品を「常陸乃国しらす」と命名し、16日から、都内高級百貨店においてフェアを開催したところ、「旨味が凝縮され、食感も素晴らしい」との高い評価をいただき、継続的な取引に至ったところであります。

また、今月6日には、霞ヶ浦産シラウオについて、霞ヶ浦漁業協同組合と共同で開発した新技術により、漁獲直後の高い透明感や優れた食感を保持し、限定生産された最高級品を「霞ヶ浦 暁のしらうお」と命名いたしました。21日からは、高級飲食店などへの販売を開始したところ、飲食店からは「獲れたてと変わらない抜群の品質」との高い評価をいただいているところであります。

さらに、気象や天然資源の動向に左右されず、高値での取引が期待できる養殖マサバについて、技術開発や流通試験に取り組んでまいりましたが、今月26日、生食を推奨する根拠となる独自のブランド基準とともに、ブランド名称を「常陸乃国まさば」と決定したところであります。来月20日からは出荷を開始し、「新たな名物」として定着するよう取り組んでまいります。

引き続き、本県水産業の成長産業化を目指し、水産物の認知度向上や高付加価値化にスピード感をもって取り組み、「儲かる水産業」を実現してまいります。

提出議案等

次に、提出議案等についてご説明申し上げます。

今回の提出議案は、予算の補正に関するもの2件、条例その他24件、報告1件であります。

まず、予算の補正についてでありますが、公の施設の管理運営に関する債務負担行為の設定などであり、一般会計で1件、特別会計で1件であります。

条例は、「茨城県手数料徴収条例の一部を改正する条例」など、改正するもの8件であります。

条例以外の議案としては16件で、「指定管理者の指定について」などであり、報告は、専決処分の報告であります。

以上で、提出議案等の説明を終わりますが、なお詳細につきましては、議案書などによりご審議の上、適切なご議決を賜りますようお願い申し上げます。

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