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更新日:2017年6月6日
平成29年第2回県議会定例会の開会に当たり、提出いたしました議案等の説明と報告を申し上げます。
まず、東京オリンピック・パラリンピックについてであります。
先月18日、日本サッカー協会においてカシマサッカースタジアムを東京オリンピック競技大会におけるサッカー競技会場として追加することが決定されました。一昨年3月から、組織委員会の森喜朗会長や日本サッカー協会の田嶋(たしま)幸三会長などに強く働きかけてきた結果であり、関係者の皆様に深く感謝申し上げます。
東京五輪の会場に、東日本大震災により大きな被害を受けたカシマサッカースタジアムが選ばれたことを県民の皆さまとともに喜びたいと思います。
今後、7月の国際オリンピック委員会において正式に決定される見込みでありますが、決定しましたら、大会の開催に向け、準備に万全を期してまいりますとともに、この機会を捉え、茨城の魅力を強くアピールしてまいります。
また、去る4月21日には、常陸大宮市がパラオ共和国と、県内第一号となる事前キャンプに関する基本合意書を締結しました。
今後とも、東京や空港からの良好なアクセス、充実したスポーツ施設の情報等本県のメリットを積極的にアピールし、市町村とともに、事前キャンプ誘致を推進してまいります。
次に、平成31年開催の国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会の開催準備等についてであります。
今月3日の卓球世界選手権個人戦混合ダブルスにおいて、本県スポーツ専門員の吉村真晴(まはる)選手が日本選手として同種目で48年ぶりに優勝いたしました。
今後とも、スポーツ専門員をはじめ、県内企業や市町村への社会人選手の雇用促進など、競技力の向上に努めてまいりますとともに、大会開催に向けた準備を進めてまいります。
また、髙安関が、本県出身の力士として8人目となる大関に昇進いたしました。お二人に心からお祝いを申し上げますとともに、彼らの活躍は県民にとりまして大きな誇りであり、県民のスポーツへの関心を高め、スポーツの振興や本県のイメージアップにつながっていくものと期待しております。
次に、国際政策の推進についてであります。
一昨日、日本を訪問中のベトナムのフック首相にお目にかかり、東京オリンピック・パラリンピックにおいてベトナム選手団が本県で事前キャンプを行ってくれるよう誘致しますとともに、本年1月から同国への輸出が可能となりました梨など県産品の販売促進、農業協力など、本県とベトナムとのさらなる協力関係の強化を確認してまいりました。
今後とも、ベトナムをはじめ海外に向けて、県産品の販路拡大等の支援をしてまいりますほか、本県への国際会議の誘致などを促進してまいります。
次に、景気・雇用状況についてであります。
政府の5月の月例経済報告においては、「景気は、一部に改善の遅れもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」とされ、先行きについても、緩やかに回復していくことが期待されておりますことから、県といたしましては、平成29年度予算の早期執行に努めてまいります。
また、県内の雇用状況につきましては、4月の有効求人倍率が改善してきております一方で、一部の職種では人手不足が顕在化しております。
県といたしましては、福祉や製造業等の人手不足分野における人材の育成・確保のために、研修と雇用が一体となった事業を実施してまいります。また、UIJターンを促進するため、都内での合同就職面接会や大学生の保護者を対象とした地元就職セミナーの開催などに取り組み、引き続き、本県への人材の定着及び還流を推進してまいります。
次に、地方創生の推進についてであります。
本県への移住・二地域居住を推進するため、東京圏に立地する企業とタイアップし、従業員の試験的な移住をサポートする取組みを新たに始めることとし、先月22日から協力企業の募集を開始いたしました。「いばらきふるさと県民」登録の推進などとともに、東京圏から本県への新しい人の流れを作り出してまいりたいと考えております。
また、つくば霞ヶ浦りんりんロードにおけるサイクリング拠点として、JR東日本の土浦駅ビル内にレンタサイクルの貸出や地域の情報発信等を行う「りんりんスクエア土浦」を整備することといたしました。今後とも、沿線市町村等と連携し環境整備などに努めますとともに、サイクリングイベントの開催などにより、交流人口の拡大に取り組んでまいります。
さらに、去る3月28日に日本郵便株式会社と、本県産品の販売促進や見守り活動などを柱に、地域社会の活性化を図ることなどを目的とした包括連携協定を締結いたしましたが、地方創生の実現に向けて、こうした取組みをより一層推進してまいります。
次に、観光の振興についてであります。
本年度のゴールデンウィーク期間中における観光入込客数は、好天に恵まれたほか、国営ひたち海浜公園などの本県観光地がメディアで数多く取り上げられたことなどもあり、昨年度より36万人多い約285万人となりました。
また、平成28年度における海外から本県への周遊ツアーにつきましては、台湾やベトナムを中心に大きく増加し、この統計を開始した平成26年度の約6倍となる約2千ツアーが催行されたところであります。
このような中、現在放映中のNHK連続テレビ小説「ひよっこ」を活用し、県内外でPRイベントを開催しますとともに、来月1日からは、JR東日本と連携した観光キャンペーンとして、「ひよっこ」ゆかりの地である県北地域を巡るバスツアー、さらには首都圏のJR主要駅において、観光キャラバンや物産展を実施してまいります。
また、アジアや北米の旅行博への出展、メディアや旅行会社の招請など戦略的なプロモーションの展開を通じて、国内外から本県への誘客をより一層促進してまいります。
次に、県北地域の振興に向けた取組みについてであります。
昨年開催いたしました「茨城県北芸術祭」につきましては、先月の実行委員会総会において、次回の開催を平成31年秋とすることと決定されたところであります。第74回国民体育大会及び第19回全国障害者スポーツ大会と同じ時期に開催することとなりますことから、これらの大会関連で来県されるお客様にも芸術祭を楽しんでいただけるよい機会であり、県北地域の新たな魅力を創造・発信してまいります。
今年度は、芸術祭の成果を活かすとともに、次回開催につなげていくため、地元6市町と連携し、交流イベントやワークショップの開催など、アートを活用した交流促進事業や地域の体制づくりなどに取り組んでまいります。
また、ボーイスカウトの全国的な野外活動拠点として、公益財団法人ボーイスカウト日本連盟が整備を進めております「大和(やまと)の森高萩スカウトフィールド」が、8月にグランドオープンを迎えることになりました。
これに合わせて、来る8月4日から9日にかけて、全国のスカウトが参加する約3千人規模の「日本ジャンボレット高萩2017」が開催されますほか、県におきましても、地域住民や本県の子ども達との交流イベントを併せて開催いたします。
また、県北山間地域の地方創生につながる高規格道路のあり方を検討する有識者による懇話会を8月までに設置して、基礎的な検討を進めてまいります。
次に、茨城空港の就航対策の推進と利用促進についてであります。
国内線につきましては、去る3月26日から、札幌便が約2年ぶりに一日2往復に増便され、那覇便も昨年に引き続き直行便が運航されております。
また、国際線につきましては、去る4月26日に、茨城県観光物産協会と済州(チェジュ)特別自治道観光協会との間で友好交流協定が締結されたことを受けまして、来月15日から17日にかけて、ジンエアーによる済州(チェジュ)チャーター便の運航が予定されているところであります。さらに、台湾に本社を置くLCCのタイガーエア台湾が、来月2日から10月25日にかけての4か月間、茨城と台北(タイペイ)を結ぶプログラムチャーター便を計34便運航することが決定いたしました。
また、旅客サービスの向上を図るため、航空機乗降の際における雨風や夏の日差し対策として、伸縮可能なトンネル状の通路である可動式エプロンルーフの供用を開始いたします。
今後とも、航空会社と連携して利用促進を図ってまいりますとともに、新たな路線の定着及び充実に努めてまいります。
次に、女性活躍の推進についてであります。
女性のための研修や交流の拠点として昭和62年に開館した茨城県女性プラザは、今年で開館30周年を迎えました。これを記念し、先月13日に「女性の活躍を推進する茨城県民のつどい」を開催し、男女共同参画社会の実現や女性活躍の推進に向けた今後の進むべき方向について議論を深めたところであります。
今後とも、多くの県民の皆様にご利用いただけるよう、魅力ある施設の運営に取り組んでまいります。
また、女性が働きやすい職場環境づくりに取り組む中小企業が行う更衣室等の女性専用施設の整備やセミナーの開催等への支援などを通じて、女性の活躍を一層推進してまいります。
次に、地域医療の充実についてであります。
日製日立総合病院における婦人科診療につきましては、東京医科大学の協力により、去る4月17日から8年ぶりに再開されました。
これにより、日立市をはじめとする県北地域の産婦人科医療体制が充実し、安心して出産・子育てができる環境づくりが進められることを期待しております。
また、神栖済生会病院と鹿島労災病院の再編統合につきましては、去る4月19日に開催された再編統合協議会におきまして、神栖済生会病院を増築する再編案が正式決定されたところであります。
県といたしましては、平成30年度中の統合に向けて取組みが着実に進むよう、引き続き支援してまいります。
これらの取組みに加えて、今年度より貸付額を増額した医師修学資金の活用など、総合的な医師確保対策を推進し、地域医療の充実を図ってまいります。
次に、子ども・子育て施策の推進についてであります。
県では、これまで「安心こども基金」などを活用し、平成21年度から8年間で保育所等の定員を約8千人増やしてまいりましたが、女性の就業率の増加など社会情勢の変化により、保育ニーズが高まっておりますことから、引き続き、保育所等の整備を推進してまいりますとともに、保育士等の処遇改善や離職した保育士等の復職支援などにより、保育の担い手となる人材の確保に取り組んでまいります。
また、「いばらき出会いサポートセンター」による支援に加え、不妊治療に対する県独自の上乗せ補助を本年10月から実施し、経済的負担を軽減することなどにより、結婚から妊娠・出産・子育てまでのライフステージに応じた切れ目ない支援を総合的に推進してまいります。
次に、教育行政の推進についてであります。
今年度より本県独自の少人数教育を中学2年生まで拡充するとともに、平成30年度における教員採用予定数につきましては平成25年度の1.5倍となる815名を募集しているところであります。引き続き、確かな学力の向上に向けて、一人ひとりに応じたきめ細かな指導が実施できる体制を構築してまいります。
次に、いばらき農業アカデミーについてであります。
先月19日、本県が持つ農業分野における優れた教育、研修、研究環境を活かし、産学官連携により経営や生産技術に関する学びの場を提供する「いばらき農業アカデミー」を開講いたしました。
会場となる県農業総合センターや農業大学校で同時に講座を受講できるテレビ会議システムを整備し、大学や研究機関などの経験豊富な専門家を講師として、経営者育成講座や先進農業技術講座など、年間20講座以上開講いたします。
アカデミーの開講を契機として、本県農業を牽引する経営感覚に優れた農業経営者等の育成を一層進めてまいります。
次に、道路の整備状況についてであります。
国道6号土浦バイパスにつきましては、2車線区間でありました5.9キロメートル区間が4車線となり、去る3月25日に供用を開始しました。
また、鹿嶋市内の都市計画道路宮中佐田(ちゅうきゅうさだ)線につきましては、宮中(ちゅうきゅう)大橋を含む945メートル区間が去る3月27日に、北茨城市内の県道里根神岡上(さとねかみおかかみ)線バイパスにつきましては800メートル区間が今月2日にそれぞれ開通いたしました。
これらの道路の開通は、交通渋滞の緩和、安全の確保、地域の発展などに大きく寄与してくれるものと期待しております。
次に、県立施設の運営状況等についてであります。
県立図書館につきましては、去る4月29日に、旧県議会議事堂を改修して開館して以来約16年で1千万人目の利用者を、また、ミュージアムパーク茨城県自然博物館につきましては、先月28日に、開館以来約22年で1千万人目の来場者をそれぞれお迎えすることができました。今後とも、県内外から多くの方々にご来館いただけますよう、魅力ある施設運営に努めてまいります。
また、神栖警察署につきましては、県内28番目の警察署として去る4月1日に開署いたしました。県といたしましては、この度の開署を大きな契機として、安全・安心なまちづくりを一層推進してまいります。
さらに、先月18日に、水戸市内の茨城県トラック総合会館の敷地内に、新たな災害物資備蓄の拠点となる県央総合防災センターが完成いたしました。迅速かつ効率的に被災地を支援するための物流拠点として活用してまいります。
次に、提出議案等についてご説明を申し上げます。
今回の提出議案は条例その他11件、諮問及び報告がそれぞれ1件であります。
条例は、新たに制定するもの2件、改正するもの7件、合わせて9件であります。新たに制定する条例は、先に申し上げました「りんりんスクエア土浦の設置及び管理に関する条例」などであり、一部改正を行うものといたしましては、地方税法の改正等に伴う「茨城県県税条例の一部を改正する条例」などであります。
条例以外の議案といたしましては2件で、「県有財産の売却処分について」であります。
諮問は、地方自治法第206条の規定に基づく審査請求に関する諮問であり、報告は、専決処分の報告で、平成28年度の一般会計等の歳入が確定したこと等に伴う予算の補正などであります。
以上で、提出議案等の説明を終わりますが、詳細につきましては、お手元の議案書等によりご審議の上、適切なご議決を賜りますようお願い申し上げます。
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