ここから本文です。
更新日:2015年11月16日
平成27年11月16日
平成27年11月県議会臨時会の開会に当たり、提出いたしました議案等の説明と報告を申し上げます。
はじめに、この度の平成27年9月関東・東北豪雨により亡くなられた方々のご冥福を謹んでお祈り申し上げますとともに、被害を受けられた皆様に心からお見舞いを申し上げます。また、復旧・復興に向けて大変なご尽力をいただいている皆様、尊いご厚志をお寄せくださいました皆様などに心から敬意と感謝の意を表する次第であります。
また、先月1日には、天皇皇后両陛下に常総市をご訪問いただき、温かいお見舞いと励ましのお言葉を賜りました。両陛下の細やかなお心遣いに深く感謝申し上げますとともに、両陛下のご訪問を大きな励みとして、被災地の復旧・復興に引き続き全力で取り組んでまいりたいと存じます。
まず、平成27年9月関東・東北豪雨による被害と対応状況について、ご報告申し上げます。
去る9月9日から11日に発生した関東・東北豪雨により、本県においては鬼怒川や西仁連(にしにれ)川など52河川221か所において堤防の決壊や法崩(のりくず)れなどが発生し、流域の市町に甚大な被害をもたらしました。
主な被害等の状況でございますが、死者3名、負傷者54名の人的被害のほか、全壊51棟、大規模半壊1,112棟、半壊2,964棟にのぼる住家被害、約1万2千軒での停電や断水などの被害が発生いたしました。このような状況から、ピーク時には35市町村で299か所の避難所が設置され、1万人を超す方々が避難されたところであり、発災後2か月が経った現在も、219名の皆様が避難生活を余儀なくされております。
交通インフラにつきましては、ピーク時には県管理道路において道路冠水等により29路線が全面通行止めとなり、現在も県道谷和原筑西(やわらちくせい)線の一部で通行止めが続いております。また、鉄道につきましては関東鉄道常総線が全線で運休するなど大きな影響を受けましたが、本日16日から全線で通常どおりの運行が開始されたところであります。
また、農業関係では水稲などの農作物や農業用施設、農地・土地改良施設に加え、収穫後の米が冠水により被害を受け、119億円を超える甚大な被害が発生いたしました。さらに、商工業関係では常総市を中心に被害額が201億円に及ぶと見込まれるなど、地域経済に極めて深刻な影響を及ぼしております。
県といたしましては、本県への大雨特別警報の発表と同時に災害警戒本部を、その後速やかに災害対策本部を立ち上げ、市町村や警察、消防、自衛隊などとの協力と連携により、浸水した家屋などに取り残された4,258名の方々のヘリコプターやボートなどによる救出、ライフラインや道路・河川等の早期復旧などに努めてきたところであります。
また、発災直後から甚大な浸水被害を受けた常総市の支援に取り組み、常総市内に茨城県現地災害対策本部及び県災害ボランティアセンターを設置し、先月30日に現地災害対策本部を廃止するまでに、県及び県内市町村から延べ2,697人の職員を派遣し、ボランティアの募集と活動の支援をはじめ、被災住宅の調査や公的住宅等への入居対応、災害廃棄物処理に係る支援等を行いますとともに、常総市役所に延べ559人の職員を直接派遣し、避難所における被災者支援を行うなど、県庁を挙げて支援してまいりました。
今回の災害においては、常総市などの鬼怒川流域における最大浸水範囲が約40平方キロメートルにもおよび、住宅や農業関係等の被害はもとより、発生した大量の災害廃棄物の処理など、被災状況は極めて深刻であります。このため、安倍内閣総理大臣をはじめ関係各大臣に対し、激甚災害の早期指定や、被災者生活再建支援法の適用範囲の拡大、被災した農業者及び中小企業者への支援、災害廃棄物の処理に対する財政支援の拡充などについて強く働きかけてまいりました。
その結果、これまでに激甚災害の指定により農地等の復旧事業等に係る国庫補助率の嵩上げ措置や、常総市の中小企業に対する災害関係保証の特例措置が適用されるとともに、農林水産省からは農業用機械等の取得・修繕や収穫後に被害のあった米への助成等に対する新たな支援策が、また、厚生労働省からは医療施設にかかる災害復旧事業について、補助基準額の撤廃や補助対象経費を拡充する方向であることが示されたところであります。
しかしながら、本県が強く求めている被災者生活再建支援制度の見直しや、被災中小企業等に対する助成制度の創設などについては未だ実現しておらず、国の対応は必ずしも十分なものとは言えない状況にあります。
こうした現状を踏まえ、県といたしましては、先月19日に、災害救助法に基づく災害救助費や災害援護資金貸付金など、法律に基づく関連予算などとして12億52百万円を専決処分したのに加え、今回編成した補正予算において、関東・東北豪雨災害に係る特例的な措置として、関係市町と連携した、新たな支援策を講ずることといたしました。
具体的には、災害救助法に基づく住宅の応急修理について、所得制限により対象とならない半壊世帯についても法と同様の支援が受けられるようにしますとともに、「被災者生活再建支援補助事業」の対象を拡充し、これまで原則として支援の対象とならなかった半壊世帯を支援の対象に加えることといたしました。また、農業関係では、被災農業者の農業用機械の取得や修繕等に対し、国の補助に上乗せして支援を行うとともに、被災した畜産農家に対し、素牛(もとうし)導入に要する経費を補助してまいります。さらに、中小企業関係では、新たに被災中小企業の事業の再開や継続に要する経費を補助することといたしますほか、円滑な資金繰りを支援するため新規融資枠30億円を確保するとともに、融資利率の引下げや保証料補助、利子補給を行うこととしております。
県といたしましては、こうした思い切った取組みを通じ、被災された方々の生活の再建や事業の再開等を支援することにより、災害からの早期復旧と復興を着実に進めてまいります。また、国に対しましては、被災者生活再建支援制度の見直しや被災中小企業等への支援の拡充などについて、今後も様々な機会をとらえて働きかけてまいります。
なお、今回の災害においては、浸水により多数の住宅が長時間にわたり孤立し続けるなど、これまでに想定していなかった課題も数多く出てまいりましたことから、課題の点検・検証を行い、今後の災害対策に役立ててまいりますとともに、近年における災害の多様化、激甚化を踏まえ、災害への対応能力の向上と災害に強い県土づくりをより一層推進してまいります。
次に、提出議案等についてご説明申し上げます。
今回の提出議案は、予算の補正に関するもの3件、報告1件であります。
まず、一般会計の補正予算についてであります。
今回の補正予算におきましては、先に申し上げました被災者の生活再建や農業者及び中小企業者の事業再開等に向けた支援などに要する経費を計上いたしますとともに、被災した河川や道路、土地改良施設などの災害復旧事業費約69億円、八間堀川(はちけんぼりかわ)の防災機能強化のための改良事業費19億円などを追加計上いたしました。
今回の補正予算の財源といたしましては、国庫支出金や災害復旧事業債などを活用いたしますとともに、所要の一般財源16億64百万円につきましては、平成26年度からの繰越金を充当することといたしました。
次に、歳出の主なものについて申し上げますと、
などであります。
今回の補正予算の総額は135億34百万円となり、この結果、補正後の一般会計予算の総額は、1兆1,830億79百万円となります。
また、債務負担行為は新規2件であります。
次に、企業会計につきましては、石下配水場など被災した施設や設備の復旧等に係るものであり、水道事業会計及び流域下水道事業会計の2会計の補正で、総額7億28百万円を計上いたしました。
報告は1件で、専決処分の報告であります。
以上で、提出議案等の説明を終わりますが、なお詳細につきましては、お手元の議案書等によりご審議の上、適切なご議決を賜りますようお願い申し上げます。
このページに関するお問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください