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更新日:2023年3月17日

土地収用制度の概要

 1.土地収用制度とは
 
 土地収用法は、憲法第29条第3項の「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる」との規定に基づき、 「公共の利益となる事業に必要な土地等の収用又は使用に関し、公共の利益の増進と私有財産との調整を図り、もって国土の適正且つ合理的な利用に寄与すること」を目的として定められたものです。
 このような趣旨から、土地収用制度は、次のとおり大きく分けて「事業認定手続」と「収用裁決手続」の2つから構成されています。
 なお、土地収用制度の流れは、別紙「土地収用法による手続きの流れ」のとおりです。


(1)事業認定手続

 国土交通大臣又は都道府県知事が、起業者からの申請に係る事業が真に公共のためになるものであり、 土地等を収用し、又は使用するに値する公益性を有することについて認定する手続きです。
 事業認定を受けることにより、起業者は、土地等を収用し、又は使用することができる権利が付与されます。


(2)収用裁決手続

 

 収用委員会が、土地等の権利者に対する補償金の額、起業者が土地等の権利を取得する時期、土地等の権利者が土地等を明け渡す期限等を決定(裁決)する手続きです。

 

 ※収用裁決手続については、茨城県収用委員会(事務局:茨城県総務部総務課内)が行っています。

 

2.事業認定手続のあらまし
(1)対象事業

 土地収用法(事業認定)の対象事業は、土地(権利、物件等を含む)を収用し、又は使用することができる公共の利益となる事業で、同法第3条各号(1号~35号)に列挙された事業です。
 具体的には、主に次のような事業です。

土地収用法
3条該当号
事業の種類(施設の種類) 事業の根拠となる法令等
1号 道路 道路法
2号 河川 河川法
19号 消防施設 消防法
21号 学校 学校教育法
22号 公民館、博物館
図書館
社会教育法
図書館法
23号 社会福祉施設 社会福祉法
25号 火葬場 墓地、埋葬等に関する法律
31号 庁舎、工場、研究所、試験所等 国又は地方公共団体が設置する施設に限る。
32号 公園、緑地、広場、運動場、
墓地、市場、その他公共の用に供する施設
国又は地方公共団体が設置する施設に限る。


(2)事業認定処分を行う機関
 国土交通大臣又は都道府県知事です。
 国土交通大臣が行う事業認定の処分は、国又は都道府県が起業者である事業や起業地が2以上の都道府県の区域にわたる事業等です。
 都道府県知事が行う事業認定の処分は、国土交通大臣が行う事業認定の処分の対象事業以外とされており、主に市町村や都道府県の区域を越えない民間事業者が起業者である事業です。

(3)事業認定の要件
 事業の認定を受けるためには、次の各号の4要件をすべて満たすことが必要です。
 1号要件―事業が法第3条各号のいずれかに掲げるものに関するものであること。
 2号要件―起業者が当該事業を遂行する充分な意思と能力を有する者であること。
 3号要件―事業計画が土地の適正かつ合理的な利用に寄与するものであること。
 4号要件―土地を収用し、又は使用する公益上の必要があるものであること。

(4)事業認定の効果
 
事業認定がされると,次のようなものをはじめとして,様々な効果が生じます。
 ア 起業者は、事業認定の告示があった日から1年以内に限り、申請事業に係る土地について、収用委員会
 に収用又は使用の裁決を申請することができます。
 イ 土地所有者又は土地に関して権利を有する関係人は、起業者に対して、収用委員会に裁決申請を行うよ 
 う請求することや補償金の支払いを請求することができます。
 ウ 知事の許可を受けなければ,起業地について、事業に支障を及ぼすような形質の変更ができなくなります。
 エ 事業認定の告示日において、土地等の補償金の額が固定されます。
 ※ 事業認定の副次的な効果として、租税特別措置法に基づき、起業者に対し土地等を譲渡した方は、収用 
 等の課税の特例(譲渡所得の5千万円特別控除等)の適用があります。ただし、起業者は税務署との事前
 協議を行う必要があります。

(5)事業認定手続きの流れ
 事業認定の主な手続きの流れは、次のとおりです。
 事業認定手続の流れ
(6)事業認定申請に必要とする提出書類
 起業者が事業の認定を受けようとするときに必要とする書類は、次のとおりです。

 1)事業認定申請書
 (ア) 起業者の名称
 (イ) 事業の種類
 (ウ) 収用又は使用の別を明らかにした起業地
 (エ) 事業の認定を申請する理由

2)添付書類
 (ア)事業計画書
 ・事業計画の概要
 ・事業の開始及び完成の時期
 ・事業に要する経費及びその財源
 ・事業の施行を必要とする公益上の理由
 ・収用又は使用の別を明らかにした事業に必要な土地等の面積、数量等の概数並びにこれらを必要
 とする理由
 ・起業地等を当該事業に用いることが相当であり、又は土地等の適正かつ合理的な利用に寄与する
 ことになる理由
 (イ)起業地及び事業計画を表示する図面
 ・起業地位置図
 ・起業地表示図
 ・事業計画表示図
 (ウ)関連事業があるときは、当該関連事業を施行する必要が生じたことを証する書面
 (エ)法第4条に規定する土地があるときは、調書、図面及び当該土地の管理者の意見書
 (オ)法令の規定による利用制限地があるときは、当該法令の施行について権限を有する行政機関の意
 見書
 (カ)事業の施行に関して、行政機関の免許、許可又は認可等の処分を必要とする場合においては、これ
 らの処分があったことを証明する書類又は当該行政機関の意見書
 (キ)法第15条の14の規定に基づき講じた措置(事前説明会)の実施状況を記載した書面

 

3.土地収用法による手続きの流れ

(知事認定の場合)
土地収用法による手続きの流れ

このページに関するお問い合わせ

土木部用地課用地取得対策・管理

〒310-8555 茨城県水戸市笠原町978番6

電話番号:029-301-4348

FAX番号:029-301-4359

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