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更新日:2020年10月2日

 

 知事定例記者会見における発言要旨201002

この資料は,県政記者クラブとの定例記者会見での発言内容を要約したものです。

 

知事定例記者会見の動画は,こちらから視聴いただくことができます。 

いばキラ(外部サイトへリンク)

 

茨城県新型コロナウイルス感染症の発生の予防又はまん延の防止と社会経済活動との両立を図るための措置を定める条例の施行について

※配布資料(PDF:1,176KB)

県庁業務のデジタル化に向けた挑戦について

※配布資料(PDF:431KB)

知事就任から3年を迎えて

令和元年東日本台風(台風第19号)から1年を迎えて

県立あすなろの郷の再編計画について

知事就任から3年を迎えて(2)

知事多選制限条例について

令和元年東日本台風(台風第19号)から1年を迎えて(2)

(作成:報道・広聴課)
令和2年10月2日(金
曜日)
10時30分~11時39分 会見室

 茨城県新型コロナウイルス感染症の発生の予防又はまん延の防止と社会経済活動との両立を図るための措置を定める条例の施行について

日経(幹事社):おはようございます。幹事社の日経新聞です。よろしくお願いします。本日は,知事より発表があるとのことですので,まず,ご説明よろしくお願いします。

知事:それでは,条例の施行について,まず,発表させていただきたいと思います。昨日の県議会の可決に伴いまして,本日から「茨城県新型コロナウイルス感染症の発生の予防又はまん延の防止と社会経済活動との両立を図るための措置を定める条例」が施行されます。

 大きな柱は3つでございまして,こちらにございますように,まず,アマビエちゃんの登録を義務化することでございます。事業者の皆様においては,対象の施設・店舗が登録して,宣誓書の掲示をしていただくということが条例によって義務としてきちんと明確化されます。

また,県民の皆様については,利用日ごとに,その施設,あるいは店舗ごとに利用登録をお願いするという内容になっております。

 2つ目の柱は,県が行う行動調査,それから,幅広な検査,これに対する協力義務ということでございます。こちらは,県民の皆様が,県が行う行動調査や感染拡大地域での集中検査,そういう幅広な検査へのご協力をお願いする内容になっております。

 3番目の柱としまして,不当な差別的取扱いの禁止ということになります。これは,県民の皆様が,感染者やその家族及び医療従事者などへの不当な差別的取扱いを禁止する内容になっているわけでございます。

 条例において,アマビエちゃんの登録が義務付けされる事業者ですが,第1波のときの休業要請の対象となった事業所に加え,画面にあります赤字のように,理髪店,美容室などが新たな対象として加わっております。主なものとしては,理髪店,美容室,ホテル,旅館,結婚式場,大規模イベントなどでございます。一方,学校や病院,介護施設,食品スーパーなどは義務対象とはなっていないわけでございますが,こういう中身でございます。

 それから,事業者向けのインセンティブとしまして,アマビエちゃんの登録をいただいた事業者の方々には協力金を支給させていただくということでございます。中身は3万円で,複数の施設・店舗を有する事業者に対しては6万円ということでございまして,感染予防対策などにかかる費用に充てていただければと思っております。申請方法は,郵送または電子申請ができますので,ご利用いただければと思います。本年中までが一応申し込み期間ということでございます。

 それから,利用者が宣誓書に対してきちんとQRコードを読んでメールを登録していただく。アマビエちゃんの場合はここが課題になっているわけでございますが,本日以降,アマビエちゃんの登録店舗・事業所を利用された方を対象としてキャンペーンを実施したいと考えております。毎月3,500名の方に対して,アマビエちゃんの利用を登録した方,それから,(店舗や事業所の取組についての評価を)投稿フォームに入力された方500名,(いばらきアマビエちゃんを)利用登録をされた方は3,000名なのですが,合計3,500名の方にプレゼントをさせていただくということでございます。

 第1回目のプレゼントとしては,これは毎月内容が変わるのですけれども,10月の内容はこちらでございます。一番上にあります「おいしいお肉セット」などに始まりまして,大体5,000円ぐらいの中身になっております。大子の奥久慈茶でありますとか,湯葉でありますとか,あるいは日本酒でありますとか,さまざまな内容を取り揃えておりますので,是非県民の皆様にはふるってアマビエちゃんの登録・利活用をしていただければと思っています。これは11月になるとまた商品が変わりますので,それも是非お楽しみということであります。これが商品提供にご協力いただいた事業者名の一覧でございます。県内各地からご協力をいただいております。

 それから,「いばらきアマビエちゃん」は,これまで,携帯電話にQRコードを読む機能が備わっておりますので,それでQRコードを読んでいただいたわけですが,今回,新しくアプリを導入しようと考えております。今,iphoneでありますとか,googleでありますとか,そのApp Storeの承認待ちでございますが,予定としては,10月中旬ぐらいにリリースできると考えております。

 ちょっとデモをやってみたいと思います。非常に簡単になりますので。これはアプリを入れた形の画面です。「いばらきアマビエちゃん」という新しいアプリ,これが使えるようになると,タップしていただいて,出ましたね。この画面のQRコードを読み込みます。はい,読み込みました。そうすると,読み込んだ瞬間にアドレス登録まで全て自動で行われます。

 ということで,非常に利用登録が楽になるということでございます。こちらはスマートフォンご利用の方に限られてしまって,ガラケーではちょっと難しいのですが,こういうものも導入しながらアマビエちゃんの利用の普及を是非進めていきたいと考えています。利用できるようになったら,また改めてその時に発表させていただきます。

 それから,検査体制の抜本的強化,今後,インフルエンザの季節と重なってきますので,これについても,今,漸次,進めているところでございます。1日1,500件まで強化しました検査能力も,抗原簡易キットの大幅拡充でありますとか,新たな検査手法の活用などもしながら,冬までには1日1万1,000件程度まで検査ができるような体制を目指してまいります。それから,検査対象の拡大も,クラスターの発生した地域の医療機関・高齢者施設などで,定期検査という形で,従業員の方に定期的に検査を受けていただくということも既に実施しております。今は4施設で約1,000名の方々を対象にしております。

 それから,検査プロセスです。これも,これまで,帰国者・接触者相談センターにご連絡いただいてから検査をする医療機関で検査を受けていただくということだったのですが,直接かかりつけ医など地域の身近な医療機関や地域外来・検査センターなどで検査できるということで,検査できる箇所も大幅に増やしていきたいと思います。具体的には,これまでのフローでいいますと,地域の診療所にコンタクトする場合でも,最終的には帰国者・接触者外来のあるところにその地域の診療所が帰国者・接触者相談センターと連絡をとりながら患者の方々に移動してもらって,そこで検査を受けるという手続きをとってまいりました。ただし,インフルエンザの時期になりますと,発熱という症状だけでいえば,新型コロナと区別がつかない形で,大量の患者の方が医療機関を訪れる可能性があるということで,地域の診療所に直接予約して,相談していただく。場合によっては,すぐそこで検査していただけるような体制で,そこの診療所が検査できない場合は,検査できるところに受診相談センターなどを通じて移っていただくような手続きをとるということで,格段に検査する場所へのアクセスが容易になるという体制を目指してまいります。

 これが,検査までのフローです。体調不良から,まずは地域の診療所,かかりつけのお医者様に直接コンタクトしていただくということで全て検査までスムーズに流れる。そのままで受けられる場合もあれば,紹介していただいて,別な場所で受ける場合もありますが,相談センターに電話しなくても,地域の身近な診療所,かかりつけ医のお医者さんに連絡することで検査までたどり着くということになります。

 地域外来・検査センターの設置ということを,茨城県の医師会のご協力をいただき,各地の医師会にご協力をいただきながら,9月末に全部で15カ所設けるということをお約束させていただいていましたが,現在,12カ所の地域外来・検査センターが設置されております。残る3カ所,稲敷,それから,北部の多賀と常陸太田については,10月中ということで,今現在,地元の医師会の先生方と調整を進めております。

 それから,条例の方でも,県議会で非常に関心の高かった差別的行為の解消に向けた取り組みということでございます。人権啓発ポスターやチラシのリーフレットなどを作成して,医療従事者への声援,励ましなども含めた広報のリーフレットなども作成していきたいと思いますし,啓発動画には,JリーグでありますとかBリーグなどの選手にもご協力いただきながら,人権意識の啓発のメッセージを送っていきたいというふうに思っています。また,相談窓口を設置したり,人権啓発活動ネットワーク協議会と連携したりということで,差別的行為の解消に向けて,県としてもあらゆる手段を講じていきたいと思っております。

 茨城版コロナNextの感染状況でございます。ご覧のとおり,総合的にはStage2のまま据え置きでございますが,唯一ちょっと気がかりなのは都内の感染状況でございまして,Stage3からStage4にちょっと悪化をしております。そういう状況ではありますが,東京都への移動・滞在を,従来のように,Stage4(に移行したら)直ちに自粛ということではなく,注意をしっかりとしていただきながら,感染防止対策を自らしっかりと意識していただくということで,今回は注意喚起にとどめていきたいと思っております。

(その理由として,)一つは,東京都から受け入れる我々の方の体制,条例も施行されて,アマビエちゃんなどの普及にも弾みがつくと思われますので,我々受け入れる側の体制もしっかり整ってきたこと,また,東京などでも様々対策がとられ,あるいは,県民の皆様も,コロナの感染予防に対する知識というのも大分しっかりと備わってきているという状況も考えて,従来とは違って,自粛を要請するのではなく,注意喚起ということで留めていきたいと思います。また,GoToトラベルのキャンペーンも,東京都の発着のトラベルも開始されますので,そういう状況なども鑑みながら,今後しっかりと状況を注視していきたいと思います。

 県民の皆様へのお願いを改めて申し上げます。「いばらきアマビエちゃん」の登録と宣誓書の掲示を事業者の方にはお願いいたします。県民の皆様には,是非,利用日ごとに,掲示されている宣誓書のQRコードを読んでいただいて,利用登録をお願いしたいと思います。それから,東京都への移動・滞在,これは引き続き,しっかりと注意をしていただきながら,適切な感染症対策をとっていただきたいと思います。一方,重症化のリスクの高い方,ご高齢の方でありますとか基礎疾患のある方,あるいは妊婦の方々については,外出について慎重な対応を引き続きお願いしたいと思います。

ということで,これまでが,条例施行に伴って,県のコロナ対策の現在の状況,今後の新たな追加施策などについてのご説明をさせていただきました。

日経(幹事社):ありがとうございます。ただいまの発表について,幹事社から質問させていただきます。今回,全国でもほとんど例のない条例が施行となったのですが,改めて,ご感想と,これから実効性を高めるための自信や決意のほどをお聞かせください。

知事:条例で義務化をするということについては,全国的にも珍しいというか,初めてのケースになるのかなと思いますが,コロナ対策,これまで我々が経験したことのない問題でございますので,あらゆる手段を講じていきたいと思っています。第1波から第2波にかけて県の施策も随分と進化してきております。その中で,一番県として力を入れているのはピンポイントの徹底した対策ということでございまして,検査能力の拡充とあわせて,全体に外出自粛や休業要請をするのではない,ピンポイントの対策としてアマビエちゃんというシステムの活用を何としてでも普及させて,今後,経済活動と感染予防の両立を実現したいという強い思いが今回の条例の提出と,県議会でのご理解をいただきながらの本日からの施行ということになったと思います。こちらの条例の施行も受けて,しっかりとピンポイントの対策の実現に向けて努力をしていきたいと思います。

日経(幹事社):ありがとうございます。もう1点,確認なのですが,今回は罰則は設けず,従わない場合は注意して,それでもだめな場合は店名も公表。

知事:勧告,公表ですね。

日経(幹事社):今後,罰則なども,国などと調整して,場合によっては,そのあたりもお考えでしょうか。

知事:内実を申し上げますと,執行部の方としては,最初,過料などの罰則もある程度検討していたのですが,自民党との調整の中で,罰則については慎重であるべきという声が強かったものですから,今回は罰則なしで,勧告,公表という形でスタートさせようということになりました。ただ,特に,差別的な言動に対しての危機感というのは,県議会の先生方の間でも非常に強かったと感じておりますので,今後,状況を見ながら,もし必要なことであれば,刑法とかあっちの方で対応する話なので,条例の方の罰則を設けられるのもどうか,我々も研究ができていないのですが,もし必要で,可能だということであれば,そういうことについても前向きに検討する余地はあるのかなと思っています。

日経(幹事社):ありがとうございます。では,各社,この件について質問がありましたらお願いします。この質問は,ただいまの発表事項に関してお願いします。

毎日:先ほどアプリの説明がありましたが,導入の狙いと,これまでの旧来のQRコード,利用ごとに読み込むシステムの課題も含めてご説明をお願いしたいのですけれども。

知事:実は,このアマビエちゃんと同じような仕組みとして,例えば,神奈川が始めて,埼玉などでも利用しているLINEのアプリを使った登録という方法もあるのですが,このQRコードはもともとガラケーを使っている皆様方にも使えるようにということで,このアマビエちゃんというシステムを,茨城県では,ある意味,格安でつくって,今,実施しているところです。ただ,一方で,QRコードを読んだことがないという方は結構実は多くて,それが便利になると,少しでも利用促進になるのではないかということで,今回,スマートフォンをご利用の方向けにアプリをつくるということを検討してやらせていただいております。実は,これもLINEを使うのと比べると,全く予算的には安く抑えることができまして,非常に費用対効果が高いのではないかなと期待しております。

毎日:このアプリの普及によって,どの程度の利用率を目指すのでしょうか。

知事:このアプリをダウンロードしていただいた方は,非常に簡単になりますので,利用頻度が相当上がるのではないかなと思っていますので,この新しいアプリのダウンロードの数が増えれば増えるほど,利用率は相当上がっていくのではないかなと思っています。是非ダウンロードしてください。

時事:関連で,アプリの関係なのですが,今,費用対効果が非常にいいという話がありましたが,予算額が幾らなのかというのを伺いたいのですけれども。

知事:100万円ぐらいでつくれました。

時事:委託されていると思うのですが,その委託しているベンダーはどこ。

事務局:つくば市内の事業者になっております。

時事:わかりました。この100万円というのは,県の持ち出しの予算で,交付金を充てているとか,そういうことではない。

知事:臨時交付金を活用しながら,県の方で支出しております。

時事:ありがとうございます。

共同:これから秋の行楽シーズンに入ってきて,GoToキャンペーンで東京からたくさんの人が県内各地の紅葉を見にきたりですとか,そういうふうに訪れることが予想されると思うのですが,そういった方たちからの感染防止,もちろんこの人たちにはアマビエちゃんというものは浸透していないわけですので,どういうふうにお考えになっているかということが一つ。もう一つ,昨日,警察署で感染者が出ている。こちらの警察署はアマビエちゃんの登録の義務対象ではないですよね。

知事:義務ではないです。

共同:そういった公共施設での感染防止についてどのようにお考えかお聞かせください。

知事:東京からいらっしゃる方,GoToキャンペーンを含めて,別に東京に限らず,これまでも東京以外の県外からのお客様を受け入れてきたわけですので,事業者がアマビエちゃんの登録をする段階で感染防止対策を決めて,選んでいただいて,それを宣誓して,宣誓書として掲示するわけですので,そこでまず一定の効果があるということと,旅行者,GoToトラベルなどを使うか使わないかにかかわらず,旅行者の方々への対応というのは,それぞれ宿泊業者も飲食店も含めて,相当注意を払っていらっしゃるのではないかなということで,GoToトラベルの東京から来る方が増えることで直ちに追加的な対策をしないと感染が拡大するということにはならないのではないかと予想しております。当然,県外の方にアマビエの利用登録をしてくれと,QRコードを読めばできるのですが,検査は茨城県でできないものですから,なかなかそこは一致はできないのですが,そこの状況は今後注視していく必要はあるものの,我々の受け入れ側の方でしっかりと準備をしていくことによって防止していくことができるのではないかと期待しております。

 もう一つ,公的施設,これは別に警察署に限らず,県庁でも,出先機関の職員の方が感染された例もございますし,どこでも感染する可能性というのはあるかと思います。それは,飲食店であろうが,公共施設であろうが,企業のオフィスであろうが,感染の可能性というのはどこにでも存在しますので,その場合に大事なことは,きちんと早期に感染拡大防止策を迅速にとるということなのかなと思っていますので,今回の警察のケースでも,きちんと行動履歴を分析しながら,必要な範囲の方々のPCR検査を実施して,拡大の範囲を抑えていくということを迅速に行っておりますので,そういうことをしっかりと行っていくことが大事なのかなと思いますし,あとは,職場環境の中で,マスクの着用なり,その他,感染防止対策をこれまでどおり,あるいはこれまで以上にしっかりと行っていただければと思っています。

共同:ありがとうございます。それともう一つ,アプリに関して,大体どれくらいの利用を見込んでいるのか。目標値とかありますでしょうか。

知事:全県民というわけにはいかないでしょうけれども,ちょっとそこはよくわからないですね。どのぐらいなのですかね。まだそこについての予測は立てていませんが,一度これを知っていただけると,かなり普及が広がっていくのではないかなと思っていますので,相当数の広がりを期待しております。

共同:わかりました。ありがとうございます。

朝日:検査プロセスの見直しの件でお伺いしたいのですが,懸念として,これまであまり電話がなかった地域の診療所に電話が殺到するというような懸念であったりとか,地域の診療所での感染対策の負担が増したりとか,そういったところの地域の診療所の負担が増すという懸念もあると思うのですが,知事として,どういった懸念・課題があって,対応があれば,どのようなことを考えていらっしゃるのか,お願いします。

知事:地域の診療所に集中するというよりは,これまで帰国者・接触者相談センターというところにある程度集中させていた相談件数が,かなりの数の地域の診療所に分散されると考えています。できれば,相談,即イコールそこで検査という体制をつくっていくということがインフルエンザとの同時流行の場合には必要になってくるのではないかなと。インフルエンザかどうかわからないものですから,そういう体制をつくるためにやらなければならないのは,検査をしていただける地域の診療所をきちんと数を揃えておく。かつ,その場で検査できる体制です。検査の簡易キットなども含めて,そういう体制をつくっていくということがこの冬に向けた課題なのかなということで,そこに向けて,今,準備を進めております。

朝日:延長として,検査できる診療所の数というのは何かあるのでしょうか。

事務局:現状でしょうか。

朝日:現状で。

知事:現状は,診療所では診ていません。

朝日:見込みとしてはどれくらい。

事務局:これは,1日に検査いただける検査数等にもよりますので,その数については,今後,精査していくことになるかと思います。

朝日:わかりました。ありがとうございます。

茨城:アマビエちゃんについてなのですが,これまでに感染者との接触の可能性がある方へのメールというのが何件発信されたかというのと,それと,そのメールを受信された方への対応というのはこれまでどのようにされてきたかということを教えていただければと思います。

事務局:13施設で60通のメールを送っていますが,検査に結びついたものはございません。問い合わせも,特に今までのところはなかったということでございます。

茨城:60通の受診された方からの問い合わせは,今,何件。

事務局:60通のメールを9月21日までに送っていますが,その間に,そのメールを受けた方で,問い合わせがあった方はおりません。

茨城:なかったということ。ありがとうございます。

日経(幹事社):他にご質問はよろしいですか。では,知事より,もう1件,発表事項があるということですので,よろしくお願いします。

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 県庁業務のデジタル化に向けた挑戦について

知事:私の方から,もう一つ,話題として,県庁業務のデジタル化に向けた取り組みのご報告をさせていただきたいと思います。これまで,大きく3つの分野でデジタル化に向けて取り組んできております。県民等が提出する書類,申請,届出などの電子申請化と押印廃止,それから,県から発出させるいわゆる公文書というもののデジタル化,あるいは,県と外部の企業などとの契約の電子契約化,それから,県庁内部事務,電子決裁はほぼ100%普及しておりますが,それ以外の紙文書の押印廃止などの努力を,今,進めていこうとしているところでございます。

 まず,電子申請ですが,県対応分の100%電子化ということを年内の対応目標にしたいと考えております。全体で1,641業務あるのですが,そのうち721業務が県で対応できる,379業務はそのうち53%になりますが,紙の申請も可能なのですが,電子申請もできるという対応になります。申請者の方々が選んでいただけるという形ですが,電子申請も可能になるということで,53%は今実施済みですが,残りについても年内の実施を目指したいと思います。920業務については,国,法令などの制限があるために対応できないという状況になっています。

 押印の廃止についても,県規定の押印を県で決めている押印というものについては,原則廃止ということを今年中に実施したいと思っています。それから電子署名です。公文書の発出などを行う公印のかわりに電子署名という形になるのですが,現在,公印のかわりになるような電子署名のやり方の導入というのがまだ明確にできる状況になっていない。それは国の法令の解釈の変更か改正が必要になってくるのではないかなと考えていますので,そこについてもしっかりと国に対して要請していきたいと思っています。

 それから,電子契約については,お互いに当事者間で電子契約,電子申請ができるという当事者型ではなくて,立会人を想定して,立会人型の電子契約を是非目指していくべく,国に対してもしっかりとインプットしていきたいと思います。立会人型というのが非常に民間では一般的になっているということでございますので,それを是非,県と外部の企業との契約にも使えるようにしたいということです。

 それから,内部事務のデジタル化ということでございますが,電子決裁はほぼ100%ということでございますが,それ以外の人事関係や会計関係の書類にまだ押印を使っているというものもございますので,これらについては,今月中に全て廃止するという方向で動きたいと思っています。

 まず,電子申請は,県民の方々が,県に対して,補助金の申請なども含めて,申請,あるいは届出ということでございますが,現在までに,1,641業務のうち721業務が県の中である程度対応できるということでございます。うち379,この379というのは,申請件数が多い方から,順次,電子化を進めておりますので,大体半分以上終えてきている。残りの半分というのは,あまり申請件数が多くないものが残っているわけですが,それについても,今年中に電子化,電子申請が可能なような形で手続きを進めていきたいと思います。ただ,残りの920,こちらが実は問題で,これは国の法令などで,電子申請ではなくて紙の申請を求められてしまっているもので,県としては,そこを変えてもらわないとなかなか電子申請ができないという実態が浮かび上がってきましたので,これについては,国に対して,これらの実態をしっかりとお伝えして,今,菅内閣の中で急ピッチで進んでいるデジタル化の中でしっかりと取り組んでいただければなと思っております。

 それから,押印の廃止も同じです。国の法令の改正をしないと押印廃止ができないものが517業務ございますので,これなどについても今後しっかりと説明をしたいと思います。

 それから,今度は県から出す文書です。県から公的文書として出す場合,今まで,紙の場合は,公印という形で印鑑を押していたもの,これも電子化していきたいと考えています。ここで課題になってくるのが国の法令です。電子証明という形で証明できるものが,あくまでも個人を証明したものに基づく署名なので,紙で言ったら,個人の印鑑しか押せないという形に現状はなっております。したがって,私の場合は,県から出す時に電子化して公文書を出したいと思っても,そこに使える電子的な印鑑というのは私の私印しか使えない。だから,県知事としての公印が使えないという状況になっておりますので,ここを変えていただく必要がある。これは,やり方としては,おそらく2つあって,電子署名自体にそういう公的な電子署名というものを認めるか,電子署名と一緒に付帯する証明書というのが,私が本人かどうかを証明する証明書というものがあるのですが,それを公的証明書というものをつけるか,このどちらかを公的な形にできるようにするということが必要になってきますので,今後,後者であると(国の)法令改正,前者であると解釈の変更,そういう形になると思うので,その辺についても課題を是非指摘して,国と協議をしていきたいと思っています。

 それから,県が,今度,外部の企業などと契約をする場合,電子契約というのは,当事者型と立会人型というふうに分かれます。当事者型というのは,それぞれが電子契約のシステムをちゃんと使っているということが前提になっておりまして,現在はそれだけが想定されているというふうになっております。しかし,民間では,立会人型というのが普通に普及しておりますので,国に対しては,立会人型を使えるようにしてもらいたいということで,要望をきちんとさせていただきたいなと思っております。

 それから,最後,内部事務です。内部事務は,電子決裁についての電子化以外にも,実は,まだまだ人事関係,あるいは会計関係の業務で,紙を使って押印しながらやっているものがあったということでございますので,これについては,10月中の廃止をしっかりと実施していきたいと思っています。

 何でこんなことをやっているかというと,生産性をどう上げるかということなのかなと思っています。特に,例えば,内部で限って言っても,業務を紙で行わなければならない,印鑑を押さなければならないというと,物理的に県庁に出勤していただいて,職場に来なければいけないという,必ずそういう縛りになりますものですから,それが,例えば,自宅からも常にいつでも仕事ができるという体制の妨げになっているわけですので,こういうものについては,極力電子化することによって,いつでもどこでも仕事ができるという体制を可能な限り実現していくことが,今後,人口減少が進む中で,職員の確保ということも今後大きな課題になってくる中で,できるだけ職員の生産性を上げていく,あるいは,外部の契約もそうですし,公文書の交付ということもそうですが,全ての業務について,聖域なく,しっかりと電子化ということが利用できるような形を是非茨城県としても政府と一体になって進めていきたいと思いますし,全国の自治体の中でも先陣を切って,電子県庁というのでしょうか,そういうものを実現していきたいと思っています。私の方からは,以上です。

日経(幹事社):ありがとうございます。では,幹事社から質問させていただきます。かなり他の自治体に比べて先陣を切っていらっしゃるということなのですが,ご説明と重なる部分があると思うのですが,今回,住民サービスと庁内の業務の効率化,両方あると思うのですが,どういったところを狙っていらっしゃるのかということと,これまで電子化を進められて,まだどういうところが十分でないのかとか,そのあたりを教えてください。

知事:電子化を進めることの最大のメリットは,県庁内部だけではなくて,県庁の外で県の行政と関わる方々との関係も含めて,労働生産性を上げていくことなのではないかなと思っています。今後,人口が減っていく中で,少ない人数で今まで以上に効率的に業務を行って,生産性を上げていくということが必須になる中で,電子化ということは避けて通れないと思います。今,この段階では,今まで紙でやってきたことを,場所を選ばずにできる電子化にすることによって,24時間365日,いつでも申請できるとか,要するに,県庁が開いている時に来なくていいという,それだけでも,好きな時に好きな形で申請していただくみたいなことができれば生産性はかなり上がると思うのですが,今後,この先にあるのは,そもそも業務のフローとか,業務の仕方という考え方が大幅に変わっていくその基礎になると思いますので,この電子化をしっかりと我々として進めることが,県庁だけではなくて,県全体の生産性の向上に結びつくと考えております。

日経(幹事社):ありがとうございました。お年寄りの方などはまだ電子に慣れていない方もいるかと思いますが,全てを電子に変えるのか,それとも,紙はある程度残されるのか。

知事:県庁内部の事務は別ですけれども,県庁外の方々との,例えば届出申請を受けるもの,あるいは契約をするもの,そういうものについては,原則,紙との併用という形を続けていくということになっております。ただ,契約みたいな,事業者とやるものについては,もし電子化ができたら,電子化一本ということになってくる可能性が高いと思いますが,基本的には,紙と電子化の併用ということになります。ただ,今後,企業なり県民の方々も,どんどん電子化,電子申請などのデジタルの手続きを選んでくる方が増えてくるのではないかなと思っていますけれども。

日経(幹事社):ありがとうございました。では,皆様からご質問を。

NHK:今のご説明を伺いますと,国への要望が大変多いなと感じているのですが,国の今の対応というか,今あるものというのが大きな壁になっていると感じますが,どういうふうにお考えでしょうか。

知事:実は,今日の発表の狙いの一つが,自治体でデジタル化を進めようと思った時の最大の障害というのは国の法令なのですということを是非皆様に知っていただきたかったというのが実は狙いの一つでございまして,まさに今,デジタル庁という形で菅内閣の中でやっていただくことで,我々としても大いに期待したいと思っています。政府の中で,我々がこうやってあぶり出した業務の文書しか認めないという法令を認識されているかどうかわからないので,我々としても,きっちりとこういう情報というのは国につなげていくことによって,今の菅内閣の目玉政策を地方自治体にとっても意味のあるものにするために,我々としてもしっかりとできることをやっていきたいなと思っています。

NHK:もう1点,伺います。このデジタル化というのは,常にセキュリティの問題と表裏一体のところがあると思うのですが,今後,そのセキュリティの面では,何か強化とか,どういうふうに考えていらっしゃいますか。

知事:プライバシーの保護などを含めて,セキュリティという問題は,電子化の場合には常についてきますので,それについてはしっかりと,できるだけの対応というのはやっていかなければならないと思います。ただ,デジタルの世界で大事なことは,セキュリティと利便性をどうバランスをとるかということが大事なのです。私もIT業界にいたので,セキュリティをガチガチにしてしまうと全く業務の生産性が上がらない形になってしまって,実は,今の自治体が使っている(行政専用のネットワークである)LGWANなどもかなりの部分そういう分野があったので,私もLGWANの使い方をかなり見直しをさせてもらって,業務の効率化というか,生産性の向上に結びつくような形に,今,県庁内のシステムも変わってきているのですが,もともとのやり方だと,IT業界にいた人間からすると,あり得ないぐらい,仕事をするなと言っているぐらいガチガチになってしまっている。それはセキュリティが理由なのですが,そこのバランスということをしっかり考えなければいけないなと思っています。方針としては,きちんとセキュリティを維持しながらではあるのですが,あくまでもデジタルというものはツールであって,そのツールの究極のゴールというのは生産性の向上ということなので,そこにしっかり結びつくかどうかということを見ていきたいと思います。

NHK:ありがとうございます。

時事:今,LGWANの話が出たので,関連なのですが,昨年3月,LGWANから庁内ネットワークをインターネット接続に切り替えて,それで利便性というのはどれぐらい改善されたかというのを,知事として受け止めをお願いします。

知事:LGWANに入らなくても,メールなどのやり取りが可能になってきていますので,そういう意味では,例えば,インターネットにアクセスする,ウェブサイトにアクセスするということを含めても,LGWAN経由でなくてもできるようになったので,例えば,外で仕事をする利便性が格段に向上したりとかということは実際に起きていると思いますし,そういうことをある程度前提にしながら,在宅勤務とか,そういうことをしっかりとできるような体制をつくってきたというのが今のところの状況です。

時事:わかりました。ありがとうございます。

共同:デジタル化について,引っ張っていくようなチームをつくったり,関係部局だったりというのはありますか。

知事:菊池さんのところだな。彼がリーダーです。

共同:部署をつくるということ。

事務局:所属としては総務部という形なのですが,知事の方からプロジェクトチームということで,デジタル化推進プロジェクトチームというのを,庁内横断的に,総務部と,メインなところは情報システム課と会計管理課,あと,同じ総務部ですが,文書を扱う総務課の方と,あとは,業務改革・働き方改革をやる行政経営課と,これを中心に庁内連携しながらやっていくという体制でやっております。

共同:何人規模ということになるのでしょうか。

事務局:人数ですか。大体で言えば,15人ぐらいのメンバーで,課長補佐級以上を正式メンバーにしてやっています。

共同:今後の見通しですとか,いつぐらいに例えばパブコメをとるですとか,ヒアリングをするとか,具体的な目標,予定等はありますか。

事務局:知事のほうから指示は下りていますし,現状として何が押印されているかとか,国の対象以外は,やらなければいけないかということはわかっていますので,それを今,もう一回つぶしていくというような作業を,知事が今申し上げた期限内にできるように詰めていくということでございます。

茨城:内部事務のデジタル化の話なのですが,押印の廃止についてですが,今後の対応として,人事関係,会計関係等の押印を原則廃止するということですが,逆に,押印を廃止することで手続きが増える可能性があるとか,なかなか押印廃止をするのが難しい業務もあったのでしょうか。

知事:私が把握している限りによりますと,何となく今までそうだったから残ってしまったということであったのかなと思っています。決裁文書ではなかったので,電子決裁を100%使うということから漏れていて,でも,今までのやり方で,紙ベースで印鑑を使ってやっていましたというのが気がついたら残っていましたということのようなので,そんなに難しい話ではないのかなと思いますので,今月中に全部廃止しようということにしています。

茨城:ありがとうございます。

毎日:先ほど,デジタル庁について大いに期待しますというご発言がありましたが,知事は,以前から電子化を進められてきていますが,今回の菅政権の発足に伴ってのデジタル庁の新設を好機と捉えてこのような発表になったということでしょうか。

知事:そうですね。デジタル庁の設置というのは,我々が,今,県庁内でやろうとしていることに対する追い風になっているかなと思います。ただ一方で,実態として,地方自治体が,今,デジタル化を進めようと思っている最大の障害になっているのが実は国の法令なのだということの認識をちゃんと共有していただかないと変なことになりそうな可能性もあるので,こういう形で皆さんに発表させていただく形できちんと公表しながら国との連携を進めていきたいなと思っています。自治体のデジタル化が課題だといって,デジタル庁の課題の中に上がっていましたよね。総務省とデジタル庁と両方でやるのかもしれませんが,我々の立場からすると,いや,課題は多分そっち(国)じゃないですかという部分も,今,ご覧いただいたように,かなりありますので,そこの認識を共有しておかないと,ちょっと浮ついた話だけで終わってしまう可能性もあるので,こういう形で,我々のほうでもできるだけ大きな流れに貢献していくための努力をさせていただいています。

毎日:先ほどおっしゃった変なことになるというのは,今おっしゃっていた自治体,地方との国の認識のずれを修正するようなイメージですか。

知事:そうですね。例えば,これまでも総務省から,地方自治体,特に基礎自治体なのですが,基礎自治体などでデジタル化をこういうふうに使ったらいいのではないかという先進事例などの紹介を大臣からのメールという形で我々も定期的にいただいたりもしているのですが,例えば,窓口を自動化して,無人でもできるようにするとか,あるいは,農業のデジタル化とか,様々な話は出てくるのですが,もっとすごく足元の基本的なところでこういう話がデジタル化を阻害しているというのは,私もIT業界にいて,日本のデジタル化の遅れの最大の理由がそこにあると認識しているので,そういうことの認識もきちんとこっちからも声を上げていくことが大事なのかなと思っています。非常に華やかで派手な部分だけでデジタル化,デジタル化とやって,実はデジタル化が進まなかったのがこれまでの日本の歴史で,それが日本が,今回,コロナ禍の中で,他国に比べても,例えば,給付一つとっても,デジタル化が遅れたゆえに,手続きに大混乱を生じたとかという話が反省点の出発点なので,そこを忘れないように,我々としても声を上げていきたいということでございます。

日経(幹事社):追加でもいいですか。これから国に要望されるということなのですが,そのタイミング,手段というのは何かありますか。

知事:可及的速やかに,これだけの業務が実は自治体の中で電子化を阻んでいますという形で,是非検討いただきたいということで,各省別に分類して,あとはデジタル庁に全部見せて,是非検討をお願いしたいと思いますし,必要であれば,大臣に私のほうからお願いをすることも検討したいと思います。

日経(幹事社):文書だけではなくて,実際に大臣を訪問されることも視野に置いている。

知事:必要であればですね。

日経(幹事社):わかりました。

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 知事就任から3年を迎えて

日経(幹事社):皆さんからご質問ございますか。では,今日の発表事項以外の質問を若干させていただきます。大井川知事はこれで就任されてから3年たって,4年目に入ったわけですが,これまでの成果と課題をお聞かせください。

知事:就任してから3年を経過しましたが,一言で言うと,非常に濃密な3年間だったのかなと感じております。私が就任当初から掲げてきたのは,人口減少という大きな波を見据えて,県の行政の仕事の仕方を大きく変えていくということで,失敗を恐れずに挑戦するであるとか,スピード感を持つであるとか,資源の投資についてもメリハリをきかせてしっかりと選択と集中をするとか,そういうことについてはかなり浸透し,それなりの成果が上がってきた3年間なのかなと思います。代表的な例というのは,企業誘致でありますとか,それから,茨城空港の定期便の誘致,それから,クルーズ船の誘致など,そういうものを代表例として,あるいは農産物の海外輸出の増加などもそうだと思いますが,県の行政はこの3年間でも大きく変わってきたかと思います。また,一方で,国体,G20などの大きなイベントも経験しましたし,総じて成功したと言ってもいいのではないかなと思いますし,その一方で,台風19号の大きな被害,それから,現在の新型コロナウイルス感染症に立ち向かうという困難な場面にも直面したわけですので,就任してからの3年間は非常に濃い時間だったと感じております。

日経(幹事社):課題みたいなものはございますか。

知事:課題としては,目の前のことを言いますと,新型コロナウイルス感染症で大幅に痛んだ県内経済を,コロナ対策をしっかりと強化しながらどう立て直していくかということが,今,直面している最大の課題なのではないかなと思いますし,中長期的にいいますと,今後,人口が減っていく中で,県の活力を維持,あるいは強化していく,そういうことをどういう形で実現するかというのも非常に重い課題としてまだまだ中途として残っているものかなと思っています。

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 令和元年東日本台風(台風第19号)から1年を迎えて

日経(幹事社):ありがとうございます。最後に,間もなく台風19号から1年がたつのですが,今年はコロナの感染も懸念される中,県として防災対策にどのようなところに重点を置かれるか。

知事:私はよく県庁の中で強調しているのは,PDCAということで,きちんと仮説を立てて,実行して,そこからしっかり学んで,次に備えるということだと思っていますし,そういう意味では,災害,コロナ対策,全てそういう形で進めてきていると思います。前回の台風19号のときも,常総水害の教訓なども生かしながら,罹災証明の発行を迅速に行うであるとか,あるいは,補正予算の県議会での可決も被災後1カ月で行うとか,様々学びから得た教訓を生かしていけたのかなと思っていますし,今,コロナ対策においても,初期から次々に県の中で進化してきていると思っております。検査体制をしっかり拡充するところから,コロナNextのように,長期的な見通しを情報として共有する仕組みをつくったりとか,今のように,現在はさらにアマビエちゃんという形でピンポイントの対策ということで進化を遂げてきたのかなと思いますので,次の災害はいつ来てもおかしくないという中で,これまでの教訓,足りなかったことなども生かしながら,対策をしっかりと行っていきたいと思っています。

日経(幹事社):ありがとうございます。では,皆さんからご質問ございましたらお願いします。

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 県立あすなろの郷の再編計画について

朝日:障害者施設のあすなろの郷の再編計画についてなのですが,一時,事業を停止するということになったと思うのですが,中断に至った原因として,どういうふうに分析されているか,教えてください。

知事:あすなろの郷の建て替えについて,県としての方針は,重度の障害をお持ちの方々を県の施設でしっかりと最後の砦として支える体制をつくって,それ以外の方々については,社会福祉法人など民間の障害者施設の方々は立派にサービスを提供しているので,そういう方々の力も活用する。そういう体制で行うということで計画もし,検討を進め,かつ,今のあすなろの郷の入所者のご家族にも説明させていただいて,ご了解を得たと感じてこれまで計画を進めてきたわけですが,家族会の中で反対する方々の声が強くなって,全部県有で,かつ,県が運営するという形でやれというような請願の提出が自民党(で議論が)あって,まだまだご理解が十分でなかったのかなと。我々のほうでもしっかりと寄り添えていなかったのかということで,そういう状況を踏まえて,計画を一時中断し,家族会の皆様と,一体どこがご不安なのか,どこが心配なのか,困っていらっしゃるとか不安に思っていらっしゃる本質をしっかりとお聞きした上で,我々の考え方を説明しながらご理解を得ていく,あるいは,別の第三の方法があるのだったら,そういうことも含めて色々検討する。そういうことを今後するための時間が必要だということで現在に至っております。

朝日:追加で,計画の見直しの点については検討もされているということなのでしょうか。

知事:いや,今のところ,検討はしておりません。今はまずは,要するに,家族会の方々が一体どこに不安を持っているのかということをしっかりと我々として寄り添ってお聞きしていく必要があるのかなと思います。県のそもそもの計画が何でそういう形になっているかというと,今の入所者のためだけにあすなろの郷を今後もずっと永遠に続けていくのではなくて,今,あすなろの郷に入れない重度の障害をお持ちの方々,それを自宅で見ていらっしゃる方々も含めて,公平に,開かれたあすなろの郷をつくって,我々県としてやる範囲,医療的ケアが必要だ,あるいは,かなり重度の方をしっかりと守るような施設をつくって,一方で,民間の力もお借りしながら,立派なサービスを提供されている社会福祉法人がいっぱいありますので,そういう方々のお力添えを得ながら,比較的軽い障害の方々にはどんどん社会の接点を増やしていくということも必要になってきますので,そういう方々との力を(掛け合わせた),そういうハイブリッドなあすなろの郷ということを我々として考えておりまして,一体そこの何が不安で,全部県が建てて,全部県が運営しないとだめなのだとおっしゃっているのかということをまず我々としてもしっかりと理解し,我々の考え方も理解していただいた上で,では本質は何なのだということまで掘り下げないとこの問題はなかなか解決しないのかなと思っています。

朝日:ありがとうございます。

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 知事就任から3年を迎えて(2)

時事:就任3年の話が出たので,あえて伺いたいのですが,就任2期目に向けた知事の今のお考えを伺えればと思います。

知事:まだ2期に出馬するかどうかも決まっておりませんので,それについては。

時事:その2期目を出るかどうかという意向に関しても,まだ。

知事:正式には何も決めておりませんので,そのご質問についてはノーコメントにさせていただきます。

時事:いつごろ意向をあれされるみたいな。

知事:もうちょっと時間がたたないとはっきり申し上げられないと思います。

時事:ありがとうございます。

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 知事多選制限条例について

東京:多選禁止条例の話が,先日,いばらき自民党の代表質問でも出ましたが,全国に,4期,5期務めている知事も最近多くて,全国的に長期化傾向にあるというお話をされて,4期ぐらいはやりたいのだろうなという意欲を私は感じ取ったのですが,今,知事は,多選ということについてはどういうふうにお考えなのか,改めてお聞かせください。

知事:これについては,議会の方で答弁させていただいたとおりでございまして,自民党との関係では,私は,4期までとする多選を禁止する努力をする条例という形の提案をさせていただいておりまして,それもある程度自民党の意向を踏まえた上でそういう提案をさせていただいたわけですが,実際の検討に当たって,自民党の中でも色々意見が出てしまって,そういう状況が今続いているという状況でございます。ひるがえって,外を見れば,自民党でも,5期目,6期目の知事を県連として推薦しているところもございますし,必ずしも自民党の推薦規定が3期までで,あとは県連が例外的にもう1期,4期までとなっているから,例えば3期でつくらなければいけないとか4期でつくらなければいけないということにもならないのではないかなと。その辺などを含めて慎重に検討しないと,これをいたずらにつくっても,逆に混乱を招くだけなのかなと思いますので,私としては,しっかりと県議会の先生方のお考え,あるいは,世の中の様々な考え,場合によっては,期数ではなくて,年齢で縛るという話も考え方としてはあり得ると思いますし,そういうことを色々慎重に検討しながら,今後も状況を見守っていきたいと思っています。

東京:年齢で縛るという話も出ましたが,具体的には,仮にですけれども,知事が4期務められるとまだ70前でいらっしゃるのですが,例えば,70とかいうのが一つのラインになるのでしょうか。

知事:その仮定の話についてはお答えできません。

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 令和元年東日本台風(台風第19号)から1年を迎えて(2)

茨城:先ほど,台風19号についての質問もあったかと思うのですが,1年がたつということで,現在の復旧状況などについて,お考えについてお伺いしたいと思います。

知事:ざっくり申し上げて,かなり復旧は進んできているなと思っています。決壊した河川の応急対策というのはきちんと終了しまして,あとは国の国土強靱化対策予算なども使いながら,数年かけながら,堤防のかさ上げなども含めて,しっかりと防災対策の工事を進めていくということだと思いますし,あとは,被災された方々の家屋の応急修理,これもほぼ終了しました。それから,中小企業の方々から申請された補助金についても,補助額が確定した段階で,支払われた額が今3億円ぐらいなのですが,全体で20億円ぐらいなのかな。17億円程度残っているものについても,年内に多分全て工事完了,補助金の支払いということになるかと思います。農業についても,被災の補償については終了して,また,作付なども,今年,間に合って,稲の作付などもされていますし,倒壊したハウスの復旧などについても,今年度中には全て終了するという状況で報告を受けていますので,台風19号の被災に対する復旧については,かなり順調に進んできているのではないかなと思います。あと,水郡線についても,来年夏までの復旧を目指して,今,JR東日本様の方で大車輪で動いていただいていると聞いておりますので,このペースをしっかりと続けていきたいと思っています。

日経(幹事社):各社さん,よろしいでしょうか。では,知事,長時間ありがとうございました。

知事:ありがとうございました

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