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更新日:2021年4月28日
令和3年4月臨時会の開会に当たり、提出いたしました議案等の説明と報告を申し上げます。
はじめに、新型コロナウイルス感染症により、亡くなられた方々のご冥福を謹んでお祈り申し上げますとともに、罹患された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
まず、新型コロナウイルス感染症の現状と対策についてであります。
国内の新規陽性者数は、先月以来増加が続き、重症者数も急増するなど、依然として予断を許さない状況が続いております。
こうした状況を踏まえ、政府においては、今月5日以降、「まん延防止等重点措置」を11都府県に適用したのに続き、23日には、大都市における感染拡大が国全体に広がることを防止するため、東京都など4都府県を対象に緊急事態宣言の発令を決定したところであります。
こうした中、本県におきましては、県独自の緊急事態宣言解除後の2月下旬以降も陽性者数が下げ止まる状況が続き、特に人の移動が活発になる年度末から年度始めに向けて、感染の再拡大が強く懸念されたことから、先月21日から今月10日までの3週間を本県独自の「まん延防止警戒期間」と定め、会食での人数制限や「まん延防止等重点措置区域」との不要不急の往来自粛を要請するなど、先手先手で必要な予防的措置を講じてまいりました。
これにより、全国で感染が急拡大する中にあっても、本県では、感染を一定程度に抑制することができたものと考えておりますが、一部地域では感染が十分に低下せず、変異株の感染例も増加傾向にあったことから、警戒期間終了後の対策として、検査体制などを強化したところであります。
具体的には、高齢者・障害者福祉施設に持ち込まれるウイルスを可能な限り早期に発見するため、新たに、複数の検体をまとめて検査できるプール検査を導入し、感染拡大地域の高齢者施設等の従事者の一斉検査を実施するとともに、飲食店の感染防止対策の実効性を高めるため、県職員等からなるキャラバン隊を結成し、約2千店舗の飲食店の見回りを実施いたしました。
しかしながら、その後も、感染経路不明者の増加など感染状況の悪化に加え、変異株の更なる拡大が懸念されたことから、19日には、直近1週間の新規陽性者数が人口1万人当たり1.5人以上となった6市町を「感染拡大市町村」に指定し、不要不急の外出自粛や飲食店の営業時間短縮を要請するとともに、26日には、9市町の追加指定と併せ、県の対策指針「茨城版コロナNext」の判断指標をステージ3に引き上げたところであります。
今後、県独自の対策の効果を見極めながら、感染状況の更なる悪化が見られた場合には、政府に対し、躊躇なく「まん延防止等重点措置」の適用を要請するなど、必要な措置を講じてまいります。
次に、ワクチン接種と医療提供体制の確保についてであります。
ワクチン接種につきましては、2月に医療従事者への接種を開始し、これまでに対象者約9万人に対して、約4万6千人が1回目の接種を受け、そのうち約2万1千人が2回目の接種を終えており、国からの供給が予定どおりであれば、6月中の完了が見込まれているところであります。
一方、高齢者を対象とした接種については、今月12日に接種を開始した水戸市を皮切りに、昨日時点で、9市において順次開始されておりますが、対象者約84万人に対する国からの供給予定は、5月上旬までで約7万6千人分と、極めて限られている状況にあります。
県では、その間のクラスター防止を図るため、実施主体である市町村に対し、高齢者・障害者福祉施設の入所者及び従事者への優先的な接種を依頼しているところでありますが、今後、供給量の増加が見込まれ、6月末までには必要量を確保できる見通しとなっております。
引き続き、国や市町村と連携を図り、感染対策の決め手と期待されるワクチン接種が円滑に進むよう万全の体制を確保してまいります。
また、入院病床につきましては、既に、国から求められている第3波のピーク時における入院患者数279名の2倍を上回る600床を確保しているところでありますが、今後の変異株の影響なども見据え、更なる病床の確保について検討を進めているところであります。
加えて、感染症医療と一般医療の両立を念頭に、感染症の退院基準を満たした患者については、その受け入れを担う後方支援病院への転院を促すほか、感染症患者の受入医療機関の一般患者についても、感染症患者の受け入れを行わない医療機関への転院を促すなど、県内医療機関の役割分担を進め、限りある医療資源の有効活用を図ってまいります。
なお、医療従事者を支援するため、本県独自の取組として昨年度創設した医療従事者応援金制度については、医療従事者向け優先接種のためのワクチンが十分に供給されるまで延長することとし、今回提出した補正予算案に所要額を計上したところであります。
引き続き、強い使命感を持って最前線で治療等にあたっている医療従事者をしっかりと支援してまいります。
次に、本県産業等への支援についてであります。
感染拡大により売上が減少した中小企業・個人事業主向けの融資は、昨年度、約3万7千件、6,100億円を超える資金需要に対応したところであり、引き続き、事業者の資金需要にしっかりと応え、事業継続を支援してまいります。
飲食店に対する営業時間短縮要請協力金につきましては、昨年度分の申請期限である先月末までに約2万3千件の申請を受け付け、これまでに約200億円を支給したところであります。
今回提出した補正予算案においては、今後の感染状況により、更なる営業時間短縮要請を実施した場合に備え、当面想定される所要額を計上したところでありますが、今年度、新たに要請した分につきましても、申請受付後、速やかに支給してまいります。
なお、本年1月から2月にかけての県独自の緊急事態宣言により売上が大きく減少した飲食店の取引先事業者などに対する一時金につきましては、先月19日の受付開始以降、これまでに約2,500件の申請を受け付け、そのうち約700件、1億4千万円の支給を終えたところであり、引き続き、制度の周知とともに、速やかな支給に努めてまいります。
また、観光面では、新たな集客コンテンツとなる誘客イベントの開催を支援する「いばらき観光誘客推進事業」として、3月1日から今月4日まで「チームラボ偕楽園光の祭」が開催されました。
延べ12万人を超える多くの方にご来場いただくとともに、SNSなどにおいても高い評価をいただいたところであります。
今後は、本事業における取組を「新しい生活様式」に対応したモデルケースとして、民間主体によるイベントの更なる誘致につなげ、観光需要の回復による地域経済の活性化を図ってまいります。
一方、今回提出した補正予算案においては、感染拡大防止と社会経済活動の両立を目指し、全国に先駆けて、感染症の検査を組み合わせた旅行商品の造成を支援するための経費を計上いたしました。
現在、本県の感染状況が「茨城版コロナNext」のステージ3であることから、事業実施については当面延期することとしたいと考えております。
今後、感染が一定程度抑制された際に実施することで、コロナ禍における新たな旅行スタイルとして定着させ、本県の宿泊旅行需要の回復につなげてまいります。
また、県産品の販売促進につきましては、首都圏向けテレビ番組において、お取り寄せが可能な本県の特産品を紹介する番組の放送を開始いたしました。
SNSも積極的に活用し、全国に発信することで、県産品の更なる販売につなげてまいりたいと考えております。
次に、県立高等学校入学者選抜学力検査等における採点誤り事案への対応についてであります。
去る3月3日に実施した県立高等学校の学力検査におきまして、採点の誤りから、本来合格とすべき受検生を不合格としていたことが判明いたしました。
このことを受け、全県立高等学校及び県立中学校・中等教育学校において、解答用紙の一斉点検を実施したところ、前年度分と今年度分の入学者選抜で合わせて78校988件の採点誤りがあり、そのうち4名の合否判定に影響するという、あってはならない事態が明らかになりました。
入学者選抜は、受検生の将来を左右する大変重要なものであり、厳正に実施すべきであるにもかかわらず、このような事態が発生したことについて、受検生及び保護者の皆様に、改めて深くお詫び申し上げます。
この度の事態を重く受け止め、教育委員会において、学識経験者等の第三者で構成する「県立高等学校等入学者選抜調査改善委員会」を設置し、原因の徹底的な検証と再発防止策などについて議論したところであり、現在、提言を踏まえた再発防止策の具体化と関係者の責任の在り方について検討を進めているところであります。
今後、検証結果や再発防止策を関係者に丁寧に説明するとともに、次の入学者選抜にしっかりと反映させ、再発防止を徹底するなど、県民の皆様からの信頼回復に努めてまいります。
次に、提出議案等についてご説明申し上げます。
今回の提出議案は、予算の補正に関するもの1件、報告1件であります。
まず、一般会計の補正予算についてであります。
今回の補正予算におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止や、県民生活と県内産業への支援などに必要な予算を計上することとしております。
今回の補正予算の総額は294億1千万円となり、この結果、補正後の一般会計の予算総額は、1兆3,245億89百万円となります。
歳出の主なものについて申し上げますと、新型コロナウイルス感染症医療従事者応援事業11億7千万円新型コロナウイルス感染症対策営業時間短縮要請協力金180億5千万円生活福祉資金貸付原資等助成事業88億66百万円いば旅あんしん割事業1億11百万円119番映像通報システム導入促進事業22百万円 などであります。
財源といたしましては、国庫支出金を活用いたしますとともに、所要の一般財源37億11百万円につきましては、一般財源基金からの繰入金を充当することといたしました。
次に、報告は1件で、専決処分の報告であります。
以上で、提出議案等の説明を終わりますが、なお詳細につきましては、お手元の議案書等によりご審議の上、適切なご議決を賜りますようお願い申し上げます。
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