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更新日:2016年6月6日
平成28年第2回県議会定例会の開会に当たり、提出いたしました議案等の説明と報告を申し上げます。
はじめに、この度の平成28年熊本地震により亡くなられた多数の方々のご冥福を謹んでお祈り申し上げますとともに、被害を受けられた皆様に心からお見舞いを申し上げます。被災地が一日も早く復興し、被災された皆様が平穏な生活を取り戻されることを心から願っております。
次に、関東・東北豪雨からの復旧・復興に向けた取組みについてであります。
まず、河川や道路等の公共土木施設の復旧につきましては、先月末までに、常総市三坂町(みさかまち)の鬼怒川決壊箇所の堤防が完成したほか、県が実施しております46箇所のうち、30箇所が完了したところであります。引き続き、早期復旧に努めてまいりますとともに、再度災害防止に必要な河川の整備等に集中的に取り組んでまいります。
また、農地及び土地改良施設等につきましては、水田について4月中に復旧工事が完了し、今年の作付けに間に合わせることができました。引き続き、一部の畑地の復旧などに対し、技術的な指導・助言を行ってまいります。
また、中小企業振興公社に造成した復興支援基金による販路開拓や復興イベント開催などへの助成事業につきましては、13件の応募がありましたので、今後、事業内容を審査の上、被災中小企業者等の復興に向けた取組みを支援してまいります。
次に、景気・雇用状況についてであります。
我が国の経済情勢につきましては、景気の緩やかな回復基調が続いているとされておりますが、先行きについては、景気の下振れリスクが懸念されるなど、極めて不透明な状況にあります。
安倍総理大臣は、G7伊勢志摩首脳宣言などを踏まえ、消費税率の10パーセントへの引上げを平成31年10月まで2年半延期するとともに、総合的かつ大胆な経済対策をこの秋に講じる方針を明らかにされました。
今後、政府には、消費税率の引上げ延期により、社会保障の充実や地方の財政運営に支障が生じることのないよう、万全の対策を講じるとともに、経済の好循環を実現し、デフレからの脱却を確実なものとするよう期待しているところであります。
一方、県内の雇用状況につきましては、有効求人倍率の改善が続いておりますが、人口減少が進む中、本県の将来を担う人材の確保・定着が喫緊の課題でありますので、東京圏等からのUIJターンを促進するため、いばらき就職支援センター内に新たに「いばらき地域しごと支援センター」を設置するとともに、今月17日には県外の学生を対象とした合同就職面接会を都内で開催するなど、引き続き、人材の確保に努めてまいります。
次に、本年度を初年度とする新たな県総合計画についてであります。
本年2月に県総合計画審議会からいただいた答申に基づき、「みんなで創る人が輝く元気で住みよいいばらき」を基本理念に、「いばらき未来共創プラン」として、3月28日に策定いたしました。
新たな県総合計画では、引き続き、人、経済、暮らしに着目し、「人が輝くいばらき」、「活力あるいばらき」、「住みよいいばらき」の3つを目標に掲げますとともに、県づくりの方向として、生活や産業など様々な分野で新たな価値を創出し、日本や世界の発展に貢献する「イノベーション大県いばらき」を掲げたところであります。
また、人口減少対策などの分野横断的な課題については、12の重点プロジェクトとして位置付け、本県の特性・優位性を最大限に活用しながら、重点的に推進することといたしました。
今後、新たな県総合計画の実現に向け、県民の皆様をはじめ多様な主体と連携しながら、全力で取り組んでまいります。
次に、地方創生の推進についてであります。
本県への移住・二地域居住を推進する取組みとして、去る3月25日に、県と常陽銀行、一般社団法人移住・住みかえ支援機構の3者により、本県への移住促進に関する連携協定を締結いたしました。この協定に基づき、「いばらきふるさと県民登録制度」と新型住宅ローンを連携させた移住促進策に取り組むことなどにより、東京圏から本県への人の流れを作り出してまいりたいと考えております。
また、つくばりんりんロードや霞ヶ浦自転車道等を活用した水郷筑波サイクリング環境整備事業につきましては、案内標識設置等のコースの整備を進めますとともに、誰でもサイクリングを気軽に楽しめるよう、沿線7市において広域のレンタサイクル制度を開始したところであります。今後とも、沿線市町村等と連携し環境整備などに努めますとともに、サイクリングツアーへの支援など、観光振興に取り組んでまいります。
次に、国際政策の推進についてであります。
先月15日から17日にかけて開催された「G7茨城・つくば科学技術大臣会合」では、「保健医療と科学技術」など6つの議題について議論がなされ、その成果として「つくばコミュニケ」が取りまとめられるなど、成功裡に幕を閉じることができました。
県といたしましては、つくばに集積した最先端の科学技術の展示や会合参加者等へのおもてなしを通じ、茨城・つくばの魅力を十分にアピールできたものと考えております。
また、今月1日には、外務省との共催により外務省飯倉公館において、外資系企業等の誘致セミナー及びレセプションを開催いたしました。当日は、各国の駐日大使や外資系企業関係者の方々に対し、本県の優れた投資環境をはじめ、豊かな農産物などの魅力をPRしてまいりました。
今後とも、海外に向け積極的に情報発信を行い、本県への国際会議や海外からの投資、外国人観光客などの誘致を促進してまいりますとともに、つくばの科学技術を活用した成長産業の創出等に取り組んでまいります。
また、北関東三県連携によるベトナムへのアンテナショップの設置について準備を進めているところでありますが、今後、アンテナショップでの県産品の展示販売に加え、輸出拡大支援員による販路開拓の支援や、現地バイヤーの招へい、商談会の開催などにより、中小企業の輸出等の取組みを支援してまいります。
次に、県北地域の振興に向けた取組みについてであります。
本年9月の開幕までいよいよ3か月余りとなりました「茨城県北芸術祭」につきましては、参加アーティストや展示会場などが概ね固まってまいりました。今月24日及び28日に、県内及び都内において関係者やメディアを対象とした企画発表会を開催いたしますほか、7月から前売りチケットの販売ならびに県北6市町のホテル、旅館などを対象とした宿泊割引クーポンの発行を開始する予定であります。引き続き、プレ企画や広報・プロモーションの実施等により誘客促進に取り組むなど、開幕に向け準備に万全を期してまいります。
また、ボーイスカウトの全国的な野外活動拠点として、公益財団法人ボーイスカウト日本連盟が整備を進めております「大和(やまと)の森高萩スカウトフィールド」に、約2千人が宿泊できるキャンプサイトが来月完成することとなりました。
キャンプサイトの完成を受け、7月30日から8月2日にかけて、県内のボーイスカウトが一堂に会する「第19回茨城県キャンポリー」が開催されますほか、来年の夏以降には、全国的な野営大会や関東近県の県大会等が行われる予定と伺っており、今後、県北地域の活性化にも貢献してくれるものと期待しております。
次に、女性活躍の推進についてであります。
先月13日、働く女性が活躍できる社会の実現を目指し、国や市町村、経済団体、農業団体、労働団体などの関係者からなる「いばらき女性活躍推進会議」を発足いたしました。今後、会議を通じて会員企業を募り、企業同士のネットワークの強化を図ってまいりますとともに、セミナーや講座の開催などにより、女性が働きやすい職場環境の整備や女性の積極的登用などを県内企業に働きかけてまいります。
また、県におきましても、本年3月に策定した「茨城県女性職員活躍推進プラン」に基づき、女性職員が個性と能力を十分に発揮できるよう、女性の採用・登用の拡大やワーク・ライフ・バランスの推進に率先して取り組んでまいります。
次に、企業立地の推進についてであります。
平成27年の工場立地動向調査によりますと、本県は、電気業を除いた工場立地件数、工場立地面積、県外企業立地件数で、昭和42年の調査開始以来はじめて、3年連続3部門全てで全国第1位となるなど、素晴らしい実績をあげることができました。
引き続き、企業立地補助金や税制上の特例措置などを最大限に活用するとともに、首都圏への近接性や、圏央道の県内全線開通によりさらに高まる本県の立地優位性などをPRし、積極的な企業誘致に取り組んでまいります。
次に、茨城空港の就航対策の推進と利用促進についてであります。
国内線につきましては、4月28日から那覇直行便が約2年半ぶりに再開されたほか、6月30日から7月6日にかけて、首都圏では初乗り入れとなるフジドリームエアラインズにより、茨城空港と稚内空港間のチャーター便が運航されることとなりました。
また、国際線につきましては、4月に成都(せいと)便が一時運休となり、5月に杭州(こうしゅう)便が運航停止となる一方で、7月16日から18日にかけて、3年ぶりの運航となるジンエアーによる茨城空港と韓国の済州(チエジュ)間のチャーター便が、また、7月30日から8月3日にかけて、茨城空港へ初乗り入れとなるベトナム航空による茨城空港とベトナムのハノイ・ダナン間のチャーター便が運航されることとなりました。
今後とも、航空会社と連携し、様々なPR活動を展開するなど、利用促進を図ってまいりますとともに、定期便やチャーター便の搭乗実績などを国内外の航空会社に示しながら、新たな路線の誘致に努めてまいります。
次に、つくばエクスプレスの延伸等に向けた取組みについてであります。
去る4月20日、国土交通省の交通政策審議会において、「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」の答申がまとめられ、つくばエクスプレスについては、本県がこれまで強く働きかけてきた「秋葉原から東京までの延伸」に加え、「都心部と臨海地域とを結ぶ地下鉄構想との一体整備」が明記されました。
また、押上(おしあげ)と野田市とを結ぶ東京8号線については、「茨城県西・南部地域への更なる延伸」に関する記述が初めて盛り込まれたところであります。
県といたしましては、東京都心さらには中部圏や関西圏等へのアクセス向上による地域の活性化や、東京の都市機能のバックアップ等に寄与することが期待されることから、関係市町村等と連携を図りながら、その実現を働きかけてまいります。
次に、道路等の整備状況についてであります。
筑西幹線道路の一部となる筑西大橋及び一本松(いっぽんまつ)・茂田(もだ)線の約2.4キロメートル区間が、去る3月29日に供用を開始し、国道294号から県道筑西つくば線までの約3キロメートルが開通いたしました。これにより、筑西市街地における交通渋滞の緩和、安全の確保、地域の発展などに大きく寄与してくれるものと期待しております。
次に、港湾につきましては、茨城港常陸那珂港区中央ふ頭地区の水深12メートル耐震強化岸壁が完成し、先月23日に第1船が入港いたしました。引き続き、背後の港湾関連用地の整備を進めてまいりますとともに、貨物需要の増加に対応できるよう、水深12メートル岸壁2バース目の早急な整備を国に強く働きかけてまいります。
次に、少子化対策の推進についてであります。
いばらき出会いサポートセンターにつきましては、今月3日に、平成18年の開設から10年を迎えました。この間、成婚数は累計で1,500組を超えるとともに、その取組みが全国から高く評価され、多くの自治体の結婚支援事業のモデルになっているところであります。
開設10周年を記念し、来月1日と2日に、全国の結婚支援者等を集めた結婚応援フォーラムや自治体の結婚支援担当者による連携会議を開催し、本県のこれまでの取組みをPRするとともに、地域ぐるみの結婚支援の輪が一層広がるよう全国に発信するなど、社会全体で結婚を支援する気運の醸成に努めてまいります。
次に、第74回国民体育大会及び第19回全国障害者スポーツ大会の開催準備についてであります。
平成31年開催の茨城国体につきましては、先月24日と25日に実施されました日本体育協会及び文部科学省による総合視察において、「準備は順調に進んでいる」との講評をいただきました。この結果を受け、来月20日に開催されます日本体育協会の理事会において、本県での開催ならびに会期を9月28日から10月8日までの11日間とすることが正式決定される見込みとなりました。
また、茨城国体での天皇杯・皇后杯獲得に向け、本県競技力の一層の向上を図るため、優れた競技技術や経験を有する8競技9名の選手を「スポーツ専門員」として雇用しますとともに、活躍が期待される有望選手や団体、優秀な指導者を強化支援対象として指定したところであります。
引き続き、市町村及び競技団体等と連携し、競技会場等の施設整備や選手強化に取り組むなど、準備に万全を期してまいります。
次に、防災体制の充実・強化に向けた取組みについてであります。
先月21日、国土交通省と1都6県、取手市の主催により、「第65回利根川水系連合・総合水防演習」を実施いたしました。演習では、関東・東北豪雨による鬼怒川氾濫の教訓を踏まえ、河川巡視、情報伝達、避難及び救出・救護に至る一連の訓練を実践的に行ったところであります。
また、来る8月27日には、高萩市との共催により「茨城県総合防災訓練」を実施する予定となっております。今回の訓練では、茨城県沖を震源とする地震及び津波に加え、大雨による土砂災害が発生する想定で行うこととしております。
これらの訓練を通して、災害の多様化、激甚化を踏まえた、災害への対応能力の向上や関係機関との連携強化、防災に関する知識の普及と意識の高揚を図るなど、防災体制の充実・強化に努めてまいります。
次に、県立笠間陶芸大学校の開校についてであります。
去る4月7日、県立笠間陶芸大学校が、第一期生として12名の新入生を迎え開校いたしました。開校にあたっては、第一線で活躍する若手陶芸家2名を特任教授として招へいするなど、多彩なプログラムを提供できる体制を整えたところであります。
開校を契機として、現代陶芸をリードする人材の育成に努めますとともに、笠間焼のさらなるブランド化と産地の一層の振興を図ってまいります。
次に、漁業実習船「鹿島丸」の竣工についてであります。
老朽化に伴い新船の建造を進めてまいりました県立海洋高等学校の漁業実習船「鹿島丸」がこの度完成し、先月19日に初めての航海実習に出港いたしました。今後とも、漁業実習などを通じ、実践的な能力の養成を図り、本県の水産業及び海運業を担う人材の育成に取り組んでまいります。
次に、提出議案等についてご説明を申し上げます。
今回の提出議案は、条例その他14件、報告1件であります。
条例は、改正するもの6件であります。主なものといたしましては、下水道事業施設について指定管理者制度を導入するための「茨城県鹿島臨海都市計画下水道事業及び流域下水道事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例」などであります。
条例以外の議案といたしましては8件で、県有財産の売却処分についてなどであり、報告は、専決処分の報告で、平成27年度の一般会計等の歳入が確定したこと等に伴う予算の補正などあります。
以上で、提出議案等の説明を終わりますが、なお詳細につきましては、お手元の議案書等によりご審議の上、適切なご議決を賜りますようお願い申し上げます。
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