ホーム > 広報・お知らせ > 広聴・相談 > 大井川知事と語ろう!新しい茨城づくり > 大井川知事と語ろう!新しい茨城づくり(令和5年10月27日)
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更新日:2024年11月22日
「大井川知事と語ろう!新しい茨城づくり」では、地域に根ざし、特色ある活動をしている団体等の活動拠点に知事がお伺いし、直接県民の声を聴き、県民と知事の丁寧な対話と本音の議論を通し、「新しい茨城づくり」の理念を共有することを目的として、少人数による座談形式での対話集会を行っています。
令和5年度 第2回「大井川知事と語ろう!新しい茨城づくり」が、10月27日(金曜日)坂東市内で行われました。
今回は、国産パン用小麦「ゆめかおり」の生産販売を進める「茨城パン小麦栽培研究会(外部サイトへリンク)」の皆さんと、「生産者と企業がつながり、新たなチャレンジが成功する農業を目指して」のテーマで、活発な意見交換を行いました。
2015年に県西地域のパン用小麦生産者で発足した茨城パン小麦栽培研究会は、パン用小麦「ゆめかおり」を生産販売する団体です。会員が生産した「ゆめかおり」は、高品質・安定した生産量により、製粉会社などの実需者から高い評価を受けています。
現在、研究会メンバーは、県西地域を中心とした県内各地の小麦生産者22名で構成。今回の対話集会では、研究会から8名、研究会が生産する小麦を使う製パン会社から1名が、対話集会に参加してくださいました。
意見交換に先立ち、研究会の拠点である有限会社ソメノグリーンファームで、研究会の高橋会長をはじめとした会員の皆様にご説明いただきながら、「ゆめかおり」の保管倉庫や、乾燥調整機などを見学しました。
かつて、本州以南では、実用化できるようなパン用小麦の生産が難しいと言われていました。製粉する機械の都合上、一定量生産しないと製粉会社から買い取ってもらえないうえ、ふんわりとした食感のパンを作るには、小麦のタンパク含量を13%~14%に維持しなければならず、生産者にとって高い栽培管理技術や追肥技術が求められるからです。
研究会では県坂東地域農業改良普及センターと協働し、「ゆめかおり」の高品質・安定生産に向けて、専門業者へのタンパク計算システムの開発依頼や、省力化のためドローンによる出穂期追肥を取り入れるなど、努力を重ねてきました。そして、実需者と生産者をつなぐための出荷組織「茨城パン小麦販売有限責任事業組合」を設立し、販売業務を一元管理することで事務作業の効率化を実現しました。
その努力が実り、現在は、製粉会社等7社と直接契約、「ゆめかおり」の高価格販売を実現しています。
収穫された「ゆめかおり」は倉庫内で管理され、タンパク含量が13%~14%になるよう、フレコンを組み合わせて出荷しています。研究会の染野副会長の説明を聞きながら、知事も「そうやって適正なタンパク含量になるように調整して出荷しているのですね」と、興味深く見学しました。
次に、会場を同市内の然山農村集落センターに移し、意見交換会を行いました。
まず、研究会の高橋会長から「研究会は、初めは県西地域の小麦生産者5名で活動を始めた。現在は、水戸市など、県内各地からメンバーが集うようになった。研究会に所属して、色々と勉強したいという若手農家もいる」と説明がありました。現在の会員は22名となり、年々、メンバーも増えているとのことです。
製粉業界で産地として認知され、有利販売が可能になるのは1,000トンからと言われていることから、発足当時より、研究会は「ゆめかおり」の生産量1,000トンを目指し、活動を進めてきました。
「当時は、1,000トンというのは夢のまた夢の数字。でも、仲間がいれば達成できるのではないかと思った」と話すのは、研究会の染野副会長。2013年産から試験栽培を実施し、生産仲間を募って、「ゆめかおり」の生産拡大に取り組みました。その結果、今年産の研究会における生産量は1,060トンを見込むまでになったとのことです。
セブン-イレブン向けオリジナルパンの製造を行う株式会社リバティーフーズの鳥山社長からは、「2017年に開かれた小麦のイベントで、研究会の方々と知り合った。県産の「ゆめかおり」をぜひ、セブン-イレブン向けのパンに使いたいと思った」とお話がありました。研究会員が生産する高品質な「ゆめかおり」を評価し、2020年にテスト販売、2021年からは毎年秋に、茨城県・栃木県・福島県のセブン-イレブンで「ゆめかおり」を使ったパンを販売しています。
また、道の駅さかい内のパン店や学校給食などにおいても「ゆめかおり」が使われるなど、販路についてのお話もありました。学校給食については、2018年に地元2市町での使用が始まったことをきっかけに、今では研究会産のものを含む県産の「ゆめかおり」が県全域の学校給食に使用されています。
茨城パン小麦販売有限責任事業組合の片岡組合長からは、「製粉会社にとっては、安定した品質の小麦粉を製パン会社等に提供したいという思いがある。我々研究会の「ゆめかおり」に関しては、タンパク含量等、製パンに関わる数値を全て分析し、年間を通して同じ品質で提供できるようにしている」とお話がありました。
知事からは、有限責任事業組合という制度の創設に、経済産業省での勤務時代に関わったという紹介もあり、参加者は驚いていました。また、「ゆめかおり」の提供に当たっては「生産する場所が違うので、それぞれの品質も違ってきたりするでしょう。手間がかかっているんですね」と、関心をもって聞き入りました。
また、水田を有効活用した小麦栽培技術の確立、小麦保管施設確保のお話等、様々な意見が出ました。特に、畑の集約化や生産性の高い農地の実現を望む声があり、知事も「色々な試行錯誤があると思うが、『こういう風にやりたい』と手を挙げてもらうことが大事」と応えました。
最後に、高橋会長から「今後の農業経営をしていくあたって、例えば集約化の問題など、農家だけで解決することができない部分について、県のバックアップなどが必要な時もあると思う。知事から話があったとおり、声を届け、伝えていくことが大事だと感じた」とお話がありました。
知事も「研究会の活動は、今後の県の農業における構造改革に大きなヒントを与えてくれている。しっかりと検討していきたい」と語りました。
対話集会にご参加いただいた皆様、この度はありがとうございました。
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